プレイヤーは神様になって、一人暮らしの大学生(男)の生活をのぞき、主人公の注意を何かに向けることでいろいろなシナリオ(全4話)へ話を分岐させていく、一風変わったゲームです。このゲームを作ったのはセガの分社化によってひとり立ちした「WAVE MASTER」(旧デジタルメディア制作部)です。もともとコンシューマー用ゲームのサウンド担当だった部署だけに音へのこだわりはすごいものがあります。主人公の部屋に流れる音楽、ラジオ、テレビ、それらすべてがそれっぽく作りこまれています(ときどき他のゲームからの流用がありますが。例えば天気予報のBGMはレイアースの街の曲でした)。
ちなみに主人公お気に入りアーティストという設定の「セラニポージ」は実際にゲームより早くCDデビューしています。かなり素敵です。ゲームを買ってからですが、管理人も購入しました。音楽、ゲーム原案とも「NiGHTS」の音楽を書いた佐々木朋子さんです(管理人もそうですが、彼女のファンならプレイする価値ありです!)。
このゲームを語る上ではずせないのがやはり独特の世界観でしょう。先に述べた音楽はもとより、登場人物のどこか憎めない性格や、ちょっと不思議なシナリオたちが優しい世界を作り出しています。シナリオもコメディ100%かと思いきや、かなりウェットなエンディングに思わずぐっときてしまいました。
変わったゲームだけにシステムにまだ荒削り感があるので、続編が出たら迷わず10点を付けてしまうと思います。