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旅行貯金とは何か? 00/01/06改正

このサイトをご覧になっている方の大半は「旅行貯金」をご存知だと思いますが、「知らない」という方もおられると思いますので、ここでは魅力ある「旅行貯金」について私なりの説明をさせていただきます。

旅行貯金の概要

さて、「旅行貯金」とはいったい何でしょうか。あまり聞きなれない言葉ですが、特定の金融機関に「旅行貯金」という名称の貯金があるというわけではありません。「旅行貯金」とは造語であり、当然辞書にも載っていませんが(ぜひ載せて欲しいですね!!)、初めはごく一部の方々から広まることになりました。 

そのごく一部の方々とは、飛行機・鉄道・バス・フェリーなどの公共交通機関を利用して全国を旅する旅行者や、旅行ではなくても仕事(例えば観光貸切バスや運送トラックの運転手さ ん)で同じく全国を駆け巡る人をいいます。もともと「旅行貯金」は誰が始めたかというのは定かではありませんが、一説によるとツーリングのライダーの一人が始めたともいわれていま す。その後旅行貯金は急速な愛好家の増加へとつながっていくことになります。

近年までマイナーな趣味としての「旅行貯金」愛好家でしたが、これを急速に増やしていったのは様々な雑誌・書籍に数多く取り上げられるようになったからでしょう。やはり「旅の記念 に何かを残そう」と考えれば、どうしても費用がかかってしまいます。またインターネットの普及も旅行貯金を広める好材料になっていることは確かです。サーチエンジンでの検索は日々 ヒット数が増加していますし、ウェブ上では「郵趣」よりもむしろヒートアップしているのではないかと感じるほどです。

汽車旅の記念には「入場券」がよく知られていますが、かつての深名線のように廃止直前の駅の入場券ならともかく、それ以外の入場券ともなると、案外引き出しの奥にしまったままになってしまい、また1枚につき百数十円かかってしまう(こども料金なら半額ですが)ので、結構もったいないものです。もちろんその駅が気に入っただとか、あまりにも利用者が少ないので少しでも増収の手助けになればとかという理由で購入するのであったなら、それは個人の自由でしょう。

その点この「旅行貯金」はそういった経費もかからず、おまけに貯金までできてしまうという優れたものなのです。さらに運がよければ?ポケットティッシュをはじめとする様々な景品も頂けますし、何よりも地元の方々のかざらない日常の生活を垣間見ることができるのです。また貯金以外にも定額小為替を購入するとか風景印を入手する方法もあります。

ちなみに私はほとんどの局では通常貯金のみですが、気に入った局や節目となる局(例えば1000局訪問記念などなど)では定額小為替や風景印などをお願いしています。



 

旅行貯金のやり方

「ぱ・る・る」に記録されたゴム印と局長印 


では、旅行貯金はどのようにして行うのでしょうか?それはいたって簡単なことで、全国にある郵便局(簡易郵便局も含みますが、一部の簡易局では貯金業務を行っていない場合があります)で各々が決めたルールで貯金額を設定し、普通貯金に入れるものです。郵便局には銀行や信金などにはない全国的なネットワークが構築されており、大都市の中央局から離 島の簡易局まで共通のオンライン端末が張り巡らされています。大手都市銀行でもさすがに「強い地域、弱い地域」があり、郵便局のようにはいきません。 近年では通帳に支店名や出張所名までATMで印字される某A都市銀行をめぐる方も増えています。実は私も埼玉在住地代はコソコソとA銀行めぐりをやっていたのですが、こちら北海道に来てからは札幌支店訪問で道内完訪です(笑)。

一般的に旅行貯金では総合通帳(最近「ぱ・る・る」という愛称がつけられました)にその局のゴム印と局長印(かつては「主務者印」と呼んでいました)を押してもらいます。そうした方が時間が経過した時により確実な記録として残るからです。ゴム印と局長印は、上の写真のようにしっかりと通帳に記入されます!
このゴム印は神戸へ局めぐに行った時に遭遇!?した珍しい「レインボーゴム印」です! 
なお、旅行貯金に関する資料はこの リンク集にもありますので、どうぞご覧下さい。



真人郵便局(^^ゞ (情報と画像:まっさんさん提供 どうもありがとうございます!!!)
 

旅行貯金の歴史

「旅行貯金」の先駆けとなったのは、まだオフライン時代の昭和30年代といわれています。この頃から国内の高度経済成長の影響により、郵便局の局数も急激に増加していきました。 一般庶民も戦後の混乱期が一応におさまり、国内旅行を楽しむ余裕が出てきたのです。40年代に入り、地方の観光名所近くの郵便局ではこの頃からゴム印にイラストを入れたり、キャ ッチフレーズを入れはじめました。そんなこともあってか、旅行貯金愛好家の数は急増し、学生からお年寄りまで楽しめる趣味としてさらに広まっていきました。 ところが昭和50年代に入り、郵政省がゴム印にストップをかけました。理由は郵貯の新システム(現在ではあたり前になりましたオンラインのこと)への移行に伴い、ゴム印は郵便貯金規則第7条

「預金者は、通帳の表紙又は貯金証書の表面の余白に、貯金の目的をあらわす簡単な文書若しくは記号を印刷し、又は記入することができる」

の定めたところに該当せず、大切な通帳を汚す元になるというものでした。かくして旅行貯金は、一時衰退期に突入してしまったのです。 これに強く反発したのは、熱烈な愛好家達でした。彼らは何回も郵政省貯金課まで直接出向き、お役所ムードバリバリの不利な状況のなか、貯金課の職員を説得してついにゴム印が 再び世に出回ることになったのです。

そして今日、時代が変われば郵便局の雰囲気も職員の人柄も変わるものです。今からおよそ8年前の平成3年1月から「国際ボランティア貯金」がスタートし、ラリー形式のイベントも同 時に始まりました。また郵便貯金全般においても銀行などの他の金融機関と比べて金利の有利さや安心感(旧H都市銀行も破綻した時代ですから・・・)から預金者は確実に増加して きています。また近年「新総合通帳」のサービスが開始され、ただ貯めるだけではなく送金機能や自動貸付・自動払込などの多彩な機能を持った通帳へと生まれ変わりました。 
さらに今春からはキャッシュカードで買い物が可能な「デビットカードサービス」や民間金融機関・信販会社とのATM・CD提携も開始され、「ゆうちょのオープンネットワーキング」がより一層拡大しています。

こうして旅行貯金=局めぐは様々な苦難を乗り越えて、郵政省も認める?すばらしい趣味としてその黄金期を迎えたのです!



昔ながらのたたずまいを残す置杵牛簡易郵便局(北海道上川郡美瑛町)



 
旅行貯金の企画と実践、そして記録

旅行貯金は平日の午前9時〜午後4時までで、これは郵便局の貯金窓口が開いている時間です。ただし沖縄県の局と全国の一部の簡易局では営業時間が異なる場合があります。その時間内に何局訪問することができるかが、最大の冒険と挑戦になります(笑)。何の下調べもなく、ふらりと自然体で郵便局を訪れるというのもいいものです。ですが私の場合、どうしても事前に郵便局の所在を調べてしまいます。

郵便局は生き物のように日々移動や改廃を重ねていますから、訪問には最新の情報が必要となります。その際にはこのネット上にある豊富な旅行貯金関連サイトが多いに役立ちます。場合によっては官報告示よりも速く情報を入手することができるかも知れませんよ。

そして実践です。交通手段には大きく分けて5つあります。
1.公共交通機関と徒歩……イチバン理想的(と思う)な交通手段なのではないでしょうか。ただしめぐる効率は良いとは言えず、また体力も消耗してしまいます。
2.自転車……旅行中には駅前などのレンタサイクルを利用するとグッドです。少ない投資で効率的にめぐることができます。局密度が高い都市部に有利です。
3.バイク・クルマ……上の二つでは行けない場所の局はやはりこれになります。私は最近こればかりで、駅前の〒でもこれで行ってしまいます(苦笑)。
4.ハイヤー・タクシー……究極の交通手段。便利なことこの上ないですが、金銭的に余裕がある時以外は使えません。ちなみに私は使ったことは一度もありません。
5.ヒッチハイク……チャリもバイクも列車もバスもない時に使うものです。効率が悪いし、しっかりとした目的を持っていないと結構厳しいかも…!?
(おまけ)局員氏のクルマに便乗(笑)……地方の局などでは、ゴム印の羅列を見て驚嘆される局員氏がいらっしゃいます。うまくすると「列車・バスはないので次の局へご案内しましょう」ということになる時もたまにあります。ですがあくまで局員氏のご好意によるものですので、決して期待してはいけません(笑)。

旅行貯金から帰宅したら、思い出が薄くならないうちに記録しましょう。「局めぐリ記」として日記調の文章にして記録しておくのが理想的です。年月が経った時にも思い返して読むことができるでしょう。また記憶に残った印象的な局をカメラに
局めぐり記や写真などは、インターネットのホームページで公開してみるのも面白いと思います。きっと局めぐの先輩方がアクセスして下さいますよ。


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