謎宮会 2002/08

探偵漫画日記（2002年9月分）

廣澤吉泰

今月は、いつも取り上げている「ミステリーＤＸ」等の雑誌以外にもミステリの漫画化作品が発表されていたので、まずはそちらから紹介しておこう。

「漫画アクションWeekly」（双葉社）は、江口寿司に連載を開始するなど大胆な誌面刷新を行っているが、40号（10月１日発売号）にはモンキーパンチの手になる「20～トゥエンティ」が掲載された。構想20年――とうたわれたこの作品は、江戸川乱歩の「怪人二十面相」シリーズを原作とするものである。今回は予告編ということで分量は７頁。キャラクター・イメージの紹介のみであるが、明智小五郎は原作通りにもじゃもじゃ頭で雰囲気を出している（表情によっては、ルパン三世っぽく見えてしまうのはご愛嬌）。他には怪人二十面相に加えて、黒蜥蜴のイメージがあるのは、彼女もレギュラーになるということなのだろうか。そうなると明智小五郎・怪人二十面相・黒蜥蜴の三つ巴の戦い、というワクワクする状況を味わうことができるのでは……と、今から気になって仕方がない。「本編は近日スタート!!」とのこと。「漫画アクション」は要注意である。

また、「月刊少年エース」（角川書店）10月号には乙一の話題作「ＧＯＴＨ―リストカット事件―」（角川書店）のコミカライズ作品が発表されている（作画・大岩ケンヂ）さらに、「嫁と姑サスペンス10月増刊号　深層心理ミステリー」（黒田出版興文社）には犬木加奈子が漫画化した「押し絵と旅する男・防空壕」が掲載されている。古めかしい身なりをした男性から、彼の兄と押し絵の少女との数奇な恋物語を聞かされた男が、防空壕での不思議な体験を語る……という形式で乱歩の二つの幻想的な短編をカップリングした作品。「○○ミステリー」系の雑誌は全くノーマークだったので、これには驚いた。

　さて、まずは今月の雑誌レビュー。

「ミステリーＤＸ」（角川書店）は１０月号からロゴも変わり、分量も大増量になって（490頁から690頁に）と大変身した（定価も580円から680円にあがった）。長篇読み切りの一挙掲載を目玉にしていくようで、その第１弾は浅見光彦の登場する『後鳥羽伝説殺人事件』（原作・内田康夫　漫画・花村えい子）である。176頁の作品を巻頭カラーで掲載してる。また、Ｊ－フォンで公開されてる「綾辻行人・有栖川有栖のＪミステリ倶楽部」の編集長である白峰良介が原作を務める「Ｊ－ミステリ倶楽部」のシリーズも開始された。遺言状に従い遺産を４等分で相続することとなったのだが、相続人の１人が毒ガスで狙われて……という「狙われた相続人」40頁が掲載（漫画・夏宮麻里似　監修・Ｊ－ミステリ倶楽部）ボンベを仕掛けた時間がわかれば、犯人は特定できるという比較的素直な推理クイズである。また、新井理恵のサスペンスシリーズ『∞少年みやび』も連載開始された。視線が合った相手の心を読み取るという特殊能力を持つ美少年・みやびが登場する作品である。『コズミックコミックス』（原作・清涼院流水　漫画・蓮見桃衣）は「密室卿」が跳梁した原作とは異なり、漫画版で登場するのは「密殺卿」である。「密殺卿」は元旦早々ＪＤＣ本部に対し、ＪＤＣ探偵３６５人の皆殺しの予告状を送り付ける。そして、一日にして不知火善蔵をはじめとする３名の探偵の命が奪われる。と、いった原作とは全く違う展開をみせる漫画版は、原作を読んだ人にも楽しめるだろう（今後は３ヵ月ごとの掲載）他には、「ＴＲＩＣＫ」（原作・林誠人　漫画・西川淳）、「わらう月」（原作・有栖川有栖『ペルシャ猫の謎』より　漫画・麻々原絵里依）が掲載。また、ながらく中断していた『朱色の研究』もいよいよ再開されるようで、非常に楽しみである。

「月刊サスペリアミステリー」１１月号（秋田書店）は、岡部警部が活躍する『「横山大観」殺人事件』（原作・内田康夫　漫画・たまいまきこ）が連載第２回目。また、「特集!!　２大作家太田忠司・恩田陸本格ミステリー饗宴」と銘打って漫画化作品が２作ずつ掲載されている。太田忠司は、新太郎・景子の京堂夫妻が活躍する「ミステリなふたり」（漫画・池田恵）と少年探偵・狩野俊介の「誰も気づかない誰も傷つかない」（漫画・大塚あきら）である。一方、恩田陸はアンソロジーの作品からのコミカライズで「ある映画の記憶」（漫画・香椎オルカ　『大密室』所収）と「あなたと夜と音楽と」（漫画・服部あゆみ　『ＡＢＣ殺人事件』所収）である。他には、原作物では「都市伝説パズル」（原作・法月綸太郎　漫画・風祭壮太）、「ビールの家の冒険」（原作・二階堂黎人　漫画・高森夜魚）、「探偵宣言―殺人喜劇の不思議町―」（原作・芦辺拓　漫画・宗美智子）と、いったところがある。このうち「都市伝説パズル」は問題編と袋とじの解決篇に分かれた体裁になっている。オリジナル物では「真夏の海は危険な香り」（原作・金子レミ　漫画・月嶋つぐ美）である。別冊付録は横溝正史生誕100年記念特別企画第２弾として、金田一耕助が登場する「傘の中の女」（漫画・秋野茉莉）、と三津木俊助が探偵役を務める「まぼろしの怪人　社長邸の怪事件」（画・鳥羽笙子）が掲載されている。

「Ｈｉミステリー」１０月号（宙出版）では、特集１「血液型占い」として新津きよみの『そばにいさせて』（光文社文庫）からの漫画化作品「血液型占い」（漫画・井上洋子）、「行方」（漫画・秋乃ななみ）を掲載。特集２「愛さずにはいられない」として、夏樹静子の『影の鎖』（角川文庫）より、「愛さずにはいられない」（漫画・文月今日子）、「影の鎖」（漫画・安武わたる）、「殺さないで」（漫画・つじいもとこ）、「逡巡創」（漫画・瀧川イヴ）、「ハプニング殺人事件」（漫画・秋乃ななみ）が掲載されている。オリジナル作品としてはやさかあみいの「シークレット・アイズ」、森脇真末味「砂の泣く浜」が掲載されている。また、「刑事ぶたぶた」（原作・矢崎在美　漫画・安武わたる）は今号をもって完結である。

と、いったところで単行本のレビューに移ることにしたいところだが、例によって奥付けの発行日は、実際の発売日とは異なっている場合があり、この日記は購入時点をベースとしているので、その点はご了承いただきたい。

『多重人格サイコ』　第８巻
原作・大塚英志　漫画・田島昭宇　角川書店　角川コミックスエース　
2002年９月２日刊行５８０円（本体）
【内容紹介】ガクソの船上での事件で伊園美和は植物人間となり、西園伸二（雨宮一彦）は射殺される。そして、生き残った西園弖虎は少年審判で裁かれることとなる。これによりガクソという組織は消滅したはずなのだが、依然として猟奇犯罪は後を立たない。左遷を逃れた笹山は所轄の刑事・犬彦らと“肋骨移植殺人事件”の謎を追うのだが……。
【評価など】猟奇殺人犯には、ルーシー・モノストーンと同様に天使の羽根のような肩甲骨の奇形があった――との事実が明らかになる。“左眼のバーコード”で殺人犯たちをコントロールしたガクソ以外の組織が存在したのか？　ガクソの存在が明らかになったことで、一旦、収束に向った謎は、新たな拡散を見せていくことになる。

『Ｑ．Ｅ．Ｄ．』　第13巻
漫画・加藤元浩　講談社　講談社コミックス　2002年９月17日刊行　３９０円（本体）
【内容紹介】エイプリルフールの日に騙すことができるかどうか、という挑戦を受けた燈馬。相手が船上で展示するレンブラントの絵を標的に、燈馬が仕掛けた作戦とは――というコンゲーム物の傑作「災厄の男」と、“二重螺旋構造”の螺旋階段を持つ奇妙な塔の調査に赴いた燈馬たちが遭遇した殺人事件を描く「クラインの塔」の２編を収録。
【評価など】「災厄の男」は、富豪に寄付を反故にされたボランティア団体、盗品のレンブラントを取り戻そうとするオランダの協会等の錯綜する思惑を縫って、燈馬が鮮やかに仕掛ける。「クラインの塔」は、福島県等に点在する「さざえ堂」とよばれる建築物をモチーフとした作品。塔のカラクリが過去の怪現象と現代の殺人事件を解く鍵となる。ちなみに、こういった建築ミステリは篠田真由美氏が得意とするところであるが、同氏の『桜闇』（講談社ノベルス）に収録されている短編「捻れた塔の冒険」は会津若松市の栄螺堂を舞台にしたものである（と、いうか『桜闇』は“二重螺旋構造”建築物ミステリの宝庫なのであるが）ので興味のある向きは読み比べていただきたい。この「捻れた塔の冒険」は、秋月杏子によって漫画化され「ミステリーＤＸ」（2002年３月号）に発表されている。こちらは９月末に刊行された『捻れた塔の冒険』（角川書店　あすかコミックスDX）に掲載されているので、書店で見掛けたら手にとっていただきたい。

『ロケットマン』　第３巻
漫画・加藤元浩　講談社　講談社コミックス　2002年９月17日刊行　３９０円（本体）
【内容紹介】自分の記憶を取り戻すため“Ｒ”とともにカンボジアに向った水無葉。一方、彼の記憶はアイエネスが率いる巨大情報組織にとって重要なものであるため、葉たちは組織に追われることになる。そして、ついに葉は記憶を取り戻すのだが、アイエネスから生き残りを賭けた“Ｒ”との勝負を要求されることになる……。
【評価など】葉の記憶は戻り、カンボジア内線の裏側で発生した事件は明らかになった。また、アイエネスが葉に執着していたのは旧東ドイツのスパイの氏名が記された“シュタージ・ファイル”の在り処を探るためということも判明した。そして、葉のよきパートナーであった“Ｒ”はカンボジアで死亡し、葉が彼のロケットを引き継ぐことになった……。と、まるで完結編のような様相であるが、ストーリーは今後も続いていくのである。うーむ、展開が読めない。

『警察署長』　第８巻
原案・たかもちげん　脚本・高原泉　漫画・やぶうちゆうき　講談社　モーニングＫＣ　2002年９月20日刊行　５１４円（本体）
【内容紹介】高嶋政伸が椎名を演じてＴＢＳ系列で放映されていたドラマは９月一杯で終了したが、コミックスの連載は好調に続いている。本巻では、新聞の販促を装いサッカーのチケットを配って、観戦の留守に空き巣を働く窃盗犯を捕らえる刑事たちの苦心を描いた「チケット」や、ひったくり犯を捕まえるため非番の寮生を動員する寮長・政野優作が活躍する「ＢＩＧＢＯＳＳ」等、警察の捜査をストレートに描いたものが多い。
【評価など】本巻から政野優作や警察職員の信堂敦子やといった新キャラが登場する。そういう場合、既存のキャラが割を食うことになるが今回の被害者は相馬警部である。本巻では椎名の昼行灯ぶりよりは刑事の地道な活動が中心に描かれている。そうした場合にはキャリアで椎名の監視役という役目を持つ、相馬を使いづらいのは理解できるが、登場回数０というのは、ちょっと極端ではないだろうか。

『ＢＭ[ネクタール]』　第12巻
漫画・藤澤勇希　秋田書店　少年チャンピオンコミックス　2002年10月20日刊行
　３９０円（本体）
【内容紹介】本土のＢＭ防護フェンスが限界に来ている情報を得た完やシンゴたち。彼らは小笠原沖の研究所にあるＢＭ対策の試作機・零－７号の輸送を決意する。それを実現させるには、ＢＭに囲まれた高千穂の都庁を脱出し、暴風雨で増水した水路をゴムボートにつかまって、一気に海まで“ラフティング”で突っ切るしかないのであった。
【評価など】繁殖したＢＭから逃れて九州に生まれた新政府「高千穂」と、本土に残された人々――という設定を軸にした「第３部」は、これまでに比べるとストーリーの展開が性急でいささか不満が残った。完やシンゴの活躍だけでは左右できないほどに危機が大きくなりすぎて、その趨勢を描いていくことに追われてしまったからだろうか。個人的には、麻綾たちが独力で道を切り開いていった「第２部」までが好みだが「第３部」の（ひいては作品全体の）着地のさせ方も決してまずくはないと思う。

『Ｐ．Ｄ．エージェンシーの報告書』　第３巻
　漫画・もんでんあきこ　集英社　クイーンズコミックス　2002年９月24日刊行
　４００円（本体）
【内容紹介】人のオーラが見える特殊能力を持つ女探偵・一ノ瀬要が活躍するシリーズの完結編。前回から継続の要自身が拉致される事件や家出娘の捜索、“別れさせ屋”の仕事等を通じて、恋人であるシンヤへの気持がどういうものなのかを確かめていく。
【評価など】ヒロインの特殊能力や、警察組織での上昇を狙う兄と汚れ役に徹してそれをサポートする双子の弟等キャラの立った脇役もおり、さらに話が膨らみそうな設定ではあったのだが、要の気持ちがはっきりしたところで完結という、極めてオーソドックスな少女漫画的なストーリー展開であった。

『スパイラル　～推理の絆～』　第７巻
原作・城平京　漫画・水野英多　エニックス　ガンガンコミックス　2002年９月25日刊行　５７１円（本体）
【内容紹介】ブレード・チルドレンを狩る側に回ったカノンだが、彼に刺されたアイズが意識を取り戻す。そうしたカノンの行動や、それを阻もうとする歩たちの動き、さらにはカノンがアイズを殺り損ねたことさえも、全ては鳴海清隆の読みのうちなのか。そうしたなか、カノンは学園内で歩を射ち、そのまま歩を人質にとって立てこもる……。
【評価など】10月１日からテレビ東京系でアニメ放送と帯に刷り込まれ、書店によっては既刊分や小説版、さらには『スパイラル・アライブ』まで並べてのフェアを展開している。そうした中で刊行された最新刊である本書は、“八方ふさがり”の状況を歩がどうやって打開するのか――という問いかけが繰り返され、次回へ向けての胎動編という趣き。はたして、論理は暴力に打ち勝つことができるのか……。

あと、ここからは奥付けは10月ですが、９月末に購入したものである。

『緋色の囁き』　
原作・綾辻行人　漫画・児嶋都　角川書店　アスカコミックスＤＸ　2002年10月１日刊行　６８０円（本体）
【内容紹介】綾辻行人が88年に発表した「囁きシリーズ」の第１作をホラー漫画家の児嶋都が漫画化。「ミステリーＤＸ」の02年２～４月号に連載されたものを加筆・修正しての刊行。巻末には「綾辻行人の囁き　児嶋都の囁き」と題する対談が掲載されている。
【評価など】巻末の対談で小説の漫画化について、二人は次のように語っている。

児嶋　小説の漫画化っていうのは、個人的なレベルでの映画化みたいなものだと思っているんです。（中略）小説のリズムからいったん離れて描き起こしていく。そういう作業をすることで、より一層原作の魅力を引き出すことができる気がするんですね（略）。
綾辻　（前略）小説っていうのは当然、場面にしても人物にしても物語の流れにしても、文章で読んで一番効果的な演出を考えて書くわけですね。それを漫画にする場合には、おのずと小説とはまた違う、一番効果的な演出の仕方があるはずだから。

　小説を漫画化する際の神髄が語られているように思えるのだが、いかがだろうか。

『冬のオペラ』
原作・北村薫　漫画・南天佑　角川書店　アスカコミックスＤＸ　2002年10月１日刊行　５２０円（本体）
【内容紹介】名探偵はなるのではない、存在であり意志である――と断言する、異色の名探偵を描いた北村薫の巫弓彦シリーズを南天佑が漫画化。先に刊行された『蘭と偉駄天』（アスカコミックスＤＸ）に続く第２弾。「ミステリーＤＸ」の02年5～6月号に連載された表題作を収録（目次には「あとがき」の記載があるが、実際は載っていない）
【評価など】「冬のオペラ」は140頁程度の漫画であるため、ひょっとしたら（同じ北村薫原作の『覆面作家は二人いる』のときのように）オリジナルストーリーを追加するのか？　と思っていたら、意外にも１本だけでコミックス化となった。新妻千秋、巫弓彦とくると、次はいよいよ私と円紫さんシリーズか!?　

『建築探偵桜井京介の事件簿(3)　捻れた塔の冒険』
原作・篠田真由美　漫画・秋月杏子　角川書店　アスカコミックスＤＸ　2002年10月１日刊行　５２０円（本体）
【内容紹介】篠田真由美が産んだ人気キャラ・桜井京介シリーズの漫画化は、今回で完結。最終巻の本書には会津若松にある栄螺堂が舞台となる表題作（『桜闇』所収）と、『センティメンタル・ブルー』収録の「ブルーハート　ブルースカイ」の２作品が掲載。ボーナストラックとして、原作者・漫画家それぞれの「あとがき」も収録されている。
【評価など】建築探偵シリーズはこの第３巻で完結。これまでの３巻には『桜闇』等の短編の漫画化作品が収録されているが、秋月氏の方には京介と美春が出会う『灰色の砦』や、蒼の過去を描いた『原罪の庭』といった長編のリクエストもあったようだ。篠田氏の原作は「この場面を見てみたい！」という見せ場が多いので、漫画化には非常に適していると思う。また機会をとらえて再開して欲しいものである。

『迷想区閾』　第１巻
漫画・方條ゆとり　エニックス　ガンガンウイングコミックス　2002年10月27日刊行　５５２円（本体）
【内容紹介】両親を亡くして児童養護施設「白鳩園」に預けられた少女・天坂れい。彼女は、その後「白鳩園」と同じ経営者が設立した「白鳩学園」に通うことを決意する。れいは「白鳩園」で優しくしてくれた“お兄さん”を見つけるために「白鳩学園」を選んだのだが、それは封じ込められていたれいの記憶の扉を開くことになった……。
【評価など】“お兄さん”とれいが共有している秘密は何か？　それは「白鳩園」が閉鎖した際に行方不明となった生徒・千堂たくみと関係があるのか？　そして、真相に近づこうとするれいを脅迫する者は一体誰か？　といった具合に謎がひしめき、登場人物もそれぞれが思惑を抱えていて、といったサスペンス物のパターンを踏んだ幕開け。今後が楽しみである。

『キューティーハニー天女伝説』　第４巻
漫画・永井豪＆ダイナミックプロ　双葉社　アクションコミックス　2002年10月28日刊行　５５２円（本体）
【内容紹介】70年代の名作キューティーハニーの21世紀版。今回ハニーが挑むのは遺産を巡る密室殺人である。鐘密家の遺産は、遺言により全て長男である義幸が相続することとなった。それに不満を持つ３人の姉の夫たちは義幸殺害を企てるが、逆に次々と殺される。義幸の「婚約者」として鐘密家に入り込んだハニーが指摘した犯人は……。
【評価など】帯に「名探偵ハニー　超難解事件に挑む!!」と大書され、さらにその下に「推理が冴えるキューティーハニーの活躍をご覧あれ!!」（永井豪・談）とあると、これはもう買わざるを得ない。密室殺人のトリックは反則ものだが、遺産争い物のミステリとして、いい雰囲気を出している。

　今月はここまで。

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