謎宮会 1997/8

井戸端ミステリ会議 −1997.8−

冴西 理央・浅井 秀明

 井戸端ミステリ会議は、毎月共通の作品について感想と採点をつけようというものです。参加者を募集しております。感想の方は100〜150文字、採点は★5個で満点です。

今月のお題 冴西 理央 浅井 秀明
中町信
『十四年目の復讐』
講談社ノベルス
1997.8.5 発行
¥1200+税
 この著者の作品は初読。探偵役が4人も出てくる必然性がない。しかもどのキャラも大して印象に残らない。ひとつの推理を何度も繰り返すのも、親切なのかもしれないけど、私には冗長としか思えない。1/4のページ数と探偵一人で十分。で、その結末…説得力がない。主人公と同年代の方が読むと違う印象かもしれないが…。☆  何となく読んでいるうちに終わったという感じ。まずダイイングメッセージ(DMが本格推理の最大のダイゴ味かなあ、中町先生)がつまらない。そして最大の難点は遺書。いくらなんでもあの解釈は無理がありすぎ。この事件、わざわざ素人探偵が出てくるほどのものでもないでしょう。★
奥泉光
『プラトン学園』
講談社
1997.7.15 発行
¥1800+税
未読です。  これ、一体何をやりたかったんでしょうね。パニックのどん底に落ちたのは読者でなく作者じゃないんだろうか。初めから最後まで破綻しっ放し。作者、これを「会心」と思っているのか? 最後は収拾付かないまま終わっているし。新聞連載だが、読者は怒るだろうなあ、これじゃ。☆
飯田譲治+梓河人
『Gift』
角川書店
1997.6.25 発行
¥1200+税
 さすがに連ドラだっただけあって、ぐいぐいと続きを読みたくなる。ラストもよかった。一冊にまとめるためか主人公の謎に絞って書かれてるけど運び屋として出会った人々のエピソードはドラマではじっくり描かれていたのかな?再放送があれば見てみようと思う。楽しく読めたので評価は★★★☆。  ドラマを見ていない分、純粋に読むことができた。やっぱり飯田譲治は面白い。登場人物の設定といい、舞台といい、どうやって考えつくんだろう。単純なノベライズと思わない方がいいよ、これは。それでもどことなく映像化の名残が文章に残っているのは残念だけれども。★★★☆

 次回会議予定
  『仔羊たちの聖夜』西澤保彦(カドカワエンタテイメント)
  『ガラスの麒麟』加納朋子(講談社)
  『ルームメイト』今邑彩(中央公論社Cノベルズ)
  『ターン』北村薫(新潮社)

to be continued.


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