謎宮会 1999/1
第16回 松本 清張
本特集は、主に昭和三十年代〜四十年代、またはその周辺に活躍した作家を振り返り、その著作の紹介、また現在の視点から作品を振り返った場合どう評価できるのか、などの再評価を行っていきます。毎月特集する作家を一人選び、各会員がそれぞれの視点から語ります。また、特集作家とは別の作家(あるいは作品)についても、補足原稿として載せていきたいと考えています。
しかし、私たちは評論家ではありません。ですから、特集する作家の作品を全部読んでいなければ原稿を書いてはいけないなどの制約を設けることは不可能ですし、手に入らない作品も当然出てきます。また作品を読み返すような時間がない会員が殆どです。そのため、原稿を書くこちら側も原稿の制約を設けずに、自分が読んでいる(あるいは覚えている・読み返した)範囲で、自由に語らせてもらおうと思います。
記憶に頼ってもいい。一冊しか読んでいなくてもいい。その作家について、書きたい人が書きたいことを書く。しかし、メンバーが全員同じ本しか読んでいないということはあり得ず、またそれぞれの守備範囲も歴然と存在するのですから、各会員がそれぞれに書いたものを纏めれば、それぞれの原稿の足りないところを埋め合いながら、作家に対する一つの俯瞰図のようなものが出来上がるのではないか。そのような希望を持っています。
現在、ミステリは多様化しながら、勢い良く進化を遂げています。でも、進化を遂げる中で失ってしまったものもあるのではないかと思います。
別に過去の作品を知らない者に、ミステリを語る資格はないと言いたい訳ではありません。ただ、昔にも面白い小説があったことを知ってほしい。そして読んでほしい。これがこの特集の趣旨です。楽しんでいただけることを願っています。
第16回となる今回はミステリ界の大巨匠、松本清張の特集です。
以後の予定は以下のようになっています。
第17回 森村 誠一特集
第18回以降 未定
ご意見などありましたらお寄せください。また、原稿も募集しますので、思い入れのある作家の特集の際には、よろしくお願いします。
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謎宮会 webmaster:meikyu@rubycolor.org(高橋)