インシデント対策
■ インシデント対策。
どんなに万全な対策を取ったとしても、
セキュリティ事故の発生を皆無にすることは困難である。
このため、次善の対策として、
事故が発生したときの措置を明確にしておくことが望ましい。
セキュリティ事故は常に予想に反して発生するものであり、
あらかじめ対処方針が明確になっていなければ、
冷静な対応ができず、混乱を助長させてしまう。
何も起こらないうちに対応方針を決めておくべきである。
(1) 事前の準備。
事前に対策チームを編成し、
連絡方法、指揮系統、優先順位などを明確にしておく。
(2) 攻撃の検知。
攻撃と疑わしい事象を検知したら、
システムの動作が通常と違っている部分を特定し、
攻撃か否かを判断する。
(3) ネットワークの遮断。
攻撃を受けていると判断された場合、
まず最初にネットワークを遮断する。
(4) 対策チームの召集。
指揮者に連絡し、次いで対策要員を召集する。
ここまでは、第一報を受けた対策チームのメンバーが行なう。
(5) 状況の確認。
システムの状態を観察しながらし、
ハードディスクまたはメモリのバックアップを取る。
また、システムログ、ファイルのタイムスタンプなどを見て、
破壊や改ざんが行なわれているか調査する。
(6) 原因・弱点の調査。
事象が観測されたサーバ以外も、同じ調査を行う。
システムログ自体が改ざんされていなければ、
その内容から侵入経路や実行したコマンドを把握する。
(7) 対策と復旧。
システムの復旧と再侵入への対策を行う。
セキュリティホールが原因であれば、
ソフトウェア、機器、サービスなどの開発元に確認し、
バージョンアップなどを行う。
(8) 社会への報告。
被害の影響する範囲などを明確にし、
既に行なった対策を含めて、顧客や一般に報告する。
同時に、警察やIPA/ISECなどの公的機関にも報告する。
以上。
2004/03/02 am