QoS / Quality of Service
■ QoS。Quality of Service。 ネットワーク帯域を効率的に利用し、 ユーザに通信品質を保証すること。またはそのための技術。 一般に、ルータなどの通信機器に実装され、 転送能力を超える量のパケットがポートに集まったとき(輻輳時)、 あらかじめ管理者が設定したQoSポリシーに基づいて、 優先順位の高いパケットを優先的に送信したり、 パケットを転送するための帯域を確保したりする。 LAN領域では、ほしい帯域を十分に確保できることが多いが、 WANにデータを送信する部分では、通信料金を節約するために、 利用できる大気が限定されることが多い。 このためQoSは、WAN接続ポートに設定されることが多い。 ■ QoSポリシー。 実際にQoSの設定に先立って 管理者はあらかじめ次のようなQoSポリシーを定める。 実際のネットワーク設定は、このQoSポリシーに従って行なわれる。 (1) ルーティングプロトコルの経路情報などの ネットワークの運用上重要な情報が最優先で転送する。 (2) 音声や映像などのリアルタイム性が重要なデータや TELNETの遠隔制御も、次に優先されるべきである。 (3) HTTPなどのように、送信が失敗しても影響が少ないパケットは 優先度が低くてもよい。 このほかにも、昼間は基幹業務の帯域を増やし、 夜間はWebの帯域を増やすなどのように、 時間帯によって帯域管理ポリシーを動的に変化させる方法がある。 ■ 帯域制御とは。 QoS技術の1つ。 特定のデータ用の帯域をあらかじめ確保しておき、 他のデータがその帯域を使えないようにすること。 ネットワーク運用上重要なデータや 映像や電話音声などのリアルタイムデータ等について、 事前に割り当てた帯域を占用できるようにすること。 ■ 優先制御とは。 受信したデータをそのままの順序で送信するのではなく、 特定のデータを他のデータに優先して通信させること。 機器ごとに(MAC/IPアドレスで判別) あるいはアプリケーションごとに(ポート番号で判別) 事前に割り当てた優先順位に従ってパケットを転送すること。 ■ QoSの評価尺度。 QoSの評価尺度には、 スループット、レイテンシー、ジッタ、パケットロスがある。 評価にあたっては、 各々をを対象トラフィックについて計測し、 定められたQoSが実現できているか確認する。 (1) スループット。帯域幅。 単位時間あたりに転送できる最大データ量。 ネットワーク内での伝送時間を決定する基本的な要因であり、 平均レート及びピークレートの両方で表現される。 (2) レイテンシー。遅延時間。 データが送信側から受信側に到達するのにかかる時間。 伝送路の状況に依存する伝送遅延と、 中継機器の処理能力に依存する中継遅延の合計で表される。 (3) ジッタ。遅延ゆらぎ。 データの到達遅延時間の標準偏差。 パケットの到着時刻のばらつき具合を表すもので、 映像・音声などのストリーム品質を大きく左右する。 (4) パケットロス。損失率。 単位時間内に損失したパケット数。パケットの損失は、 伝送系の障害や、ルータのバッファオーバーフローで生じる。 回線速度が異なるデータリンクが接続された状態で起こりやすい。 以上。 2004/02/23 pm