RTCP / RTP Control Protocol
■ RTCP。RTP Control Protocol。
RTPで互いに通信するホストのグループが、
RTPセッションの制御情報を相互に交換するための通信プロトコル
RTP同様に、RFC1889で規定されており、RTPと組み合わせて使う。
RTPは、音声や動画などのデータストリームを
リアルタイムに配送するだけのデータ伝送プロトコルに過ぎない。
RTCPはこれを補完し、通信状態を相互に伝えることで、
RTPセッションの伝送レート等の制御を可能にする。
■ 伝送品質の制御。
RTCPがやり取りするパケットには、
送信レポート、受信レポートの一方または両方が含まれている。
RTCPは、これにより、現在行なわれているデータ配信の品質について、
両端のアプリケーションに情報提供を行なう。
(1) 送信レポート
RTCPでは、音声やビデオのデータを送信したアプリケーションは、
送信者レポートを作成して全セッションメンバーにマルチキャストする。
ここには、送出した累積パケット数、累積バイト数の情報が含まれる。
受信者はこれを元にして、データ受信率を計算することができる。
(2) 受信レポート
セッションメンバーは、ビデオや音声データを受け取ると、
定期的にすべての送信元ホストに受信者レポートを発行する。
ここには、受信した最大シーケンス番号、欠落パケット数、ジッタ、
往復遅延の計算に必要なタイムスタンプ情報が含まれる。
送信者はこれを元にして、伝送レート等の調整を行なうことができる。
ただしRTCPは、
IPに対するICMPのように転送速度を落とす等の直接的な制御はしない。
RTCPは、セッションの参加ホストに通信状況を通達するだけであり、
実際の転送制御は、上位のアプリケーションが行う。
■ 送信元ホストの識別。
RTCPはまた、RTP送信元ホストを識別するための、
正規名(CNAME)と呼ばれるトランスポートレベルの識別子を運ぶ。
これにより、各参加ホストは、RTPセッションの参加者を把握できる。
■ 制御パケットの抑制。
RTCPのアルゴリズムでは、
各参加者は定期的に、自分以外の全員にRTCPパケットを送出する。
このため、マルチキャストRTPセッションの参加ホストが増加する時、
ネットワーク資源を圧倒する制御トラフィックが発生する恐れがある。
このためRTCPは、RTPセッションへの総参加人数を把握しながら、
制御パケットの送信間隔を調整することにより、
セッショントラフィック全体における制御トラフィックの割合を、
最大5%にを限定する機能を持つ。
このRTCPの機能により、
RTPセッションは、多数の参加者を持つことができる。
以上。
2003/08/19 pm