90 いえいえ NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/25 00:50 男性 27歳 B型 愛媛県 >コロ助さま >『三国志演義』のように、誰々が好きとか、かっこいい >とか言う気持ちにはさせてくれなかったような気がします。 うーん、僕は李密とか張須陀とかがなんとなく好きなんですけど。 (屈折した人とか、逆に不器用なほどまっすぐな人が僕は好きです) よく考えてみれば『隋唐』のせいじゃなくて田中さんのせいだった ような気もします。 『隋唐』は人間描写も甘かったかなあ。機会があったら読み直して みます。 >それに、史実通り、突厥を隋末の乱で活躍させてほしかった。 >何せ、突厥は竇建徳、王世充、のみならず唐まで臣属させて >いた一大強国でしたからね。 なるほど、突厥は始畢可汗のころですか。 「竇建徳、…、李軌、王世充ら…悉く臣として之を尊ぶ」 って見たところ正史にありますね。 唐もそうだったんですか。 なんかいかにも可汗側の使者が唐に入朝したぞというような記 事が見えますが。 >多分レンタルビデオには無いと思われます。 ビデオを全巻買うような財政的余裕はないので、 レンタルが望みの綱だったんですが。(T_T) >本放送を見たとき、色々な意味でカルチャーショックを受けました。 実は僕は数年前に旅行で中国行ってたときに、現地のホテルの テレビで一話だけ見てるんですよ。 たしか呂布が曹操に捕まった回でした。 見てこりゃ格好ええわと直感しました。 それ以来、どっかで通して見れないかと頭の隅に置いといたん ですが、BSでやってるって聞いたときは「なに〜」って思い ましたよ。 ウチじゃBS見れないんで、地上波でどこかが放送するのに期 待…かな。 それともビデオに撮ったやつを持ってる人にツテでも見つけま すか。 >驢馬の耳さま 書き忘れてたんですが、 『魏書』を撰した王沈(処道)の没年は266年のようです。 89 お返事、ありがとうございます。 コロ助 E-Mail: 2001/02/23 00:18 男性 学生 22歳 A型 東京都 >永一様 お返事ありがとうございます。 >やはり食傷するんでしょうか。 >それとも小説はトンデモ本とさして変わらないレベルに見えちゃうとか。 小説がトンデモ本が見えるなんて、そんな事ないですよ。 ただ、以前書いた小説の利点を生かした歴史小説が最近 少ないなあと感じただけです。(私が知らないだけかも?) >『隋唐演義』は、…もっと大胆に翻案したほうがよかったんでしょうかね。 たしかにそうですネ。『隋唐演義』自体、『三国志演義』の ような、登場人物の練り込みがなかったなぁ。 『三国志演義』のように、誰々が好きとか、かっこいい とか言う気持ちにはさせてくれなかったような気がします。 正直いってキャラが立って無いと感じました。 それに、史実通り、突厥を隋末の乱で活躍させてほしかった。 何せ、突厥は竇建徳、王世充、のみならず唐まで臣属させて いた一大強国でしたからね。(小説中に煬帝の孫楊政(正)道が 可汗として君臨したなんて書かれてますが、史実では、主客逆転 して突厥可汗が擁立した隋の亡命政権の隋王が楊政道です。) あとドラマ『則天武后』の前に『三国志』のドラマがやって ました。永一さんはそれのビデオをお探しとか…。 以前通販で売っているのを見かけました。あと最近、神田の 神保町で、中国書専門の書店で見かけましたので、まだ どっかしらで、売っているはずです。あと某有名ビデオレンタル チェーンで、駒田信二監修の総集編がレンタルされてましたが 、肝心の本編は通販している会社(株式会社三国志)がレンタルしな いと宣言していたので、多分レンタルビデオには無いと思われます。 さらに今、衛星第二で毎週金曜日再放送してます。しかし衛星版は 放送時間の関係でノーカット版では無いのです。(本放送もそう でした。) 本放送を見たとき、色々な意味でカルチャーショックを受けました。 良くも、悪くもあれは中国人にしか作れません。 曹操の「短歌行」がオペラっぽい曲で流れた時は、流石に絶句しました。 あと、長坂の戦いの時流れた趙雲のテーマもすごいです。 たしか 「子竜、子竜、桃園の誓いには参加しなかったが、 四番目の義兄弟。当陽で見せた主君への忠誠、志 は忘れない。子竜、子竜、子竜、…」 といった趣旨の歌詞だったと思います。 他にも色々笑える?シーンがあるのですが、 人民解放軍を使った合戦シーンは圧巻ですし、 曹操を一方的に悪役とせず、吉川三国志のように 魅力的に描かれています。大河ドラマ二年分の 長編ですが、見て損なしだと私的には思います。 長々と書いてしまいましたが、今回はこの辺で 失礼します。(^^) 88 Re: はじめまして。 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/21 20:15 男性 27歳 B型 愛媛県 >コロ助さま はじめまして。 >私も史学専攻者ですが、全くその通りです。私も含め、周り多くの人が、吉川三国志や、 >光栄のゲームにはまり、中国史やってる人が多いです。(^^) まず誤解されてなければよろしいですが、僕は史学専攻者ではありません。 アカデミズムの外で無責任なことばかり飛ばしてる素人愛好者です。(^^) 吉川三国志や光栄のゲームからってのは、今どきの筋なんでしょうね。 田中=ヤン・ウェンリーももちろん、あとは横山光輝や宮城谷さんあたり でしょう。 『蒼天航路』や『封神演義』を読んでってのがこれからの筋になるんだろ うな。 >中国史をやってる内に、原史料が読めるようになるので、幸か不幸か、歴史小説 >の類が読めなくなってきます。 そういうものですか…。 原史料読んで、専門書や論文読んで、大変だろうとは思います。 やはり食傷するんでしょうか。 それとも小説はトンデモ本とさして変わらないレベルに見えちゃうとか。 >なんか変に史実指向というか、リアル指向というか、本来の歴史小説の長所である歴史上の >人物の心理を推測して描写するという虚構性というか、エンターテイメント性というかそう >いう部分が欠けているように思われます。 うーん、あまり面白く感じない、人間の描写に深みが足りないものもあるのは確か ですよね。 ただ史実指向というには、勉強不足なものもいくつかあったりして。 たぶん歴史小説の裾野(底辺)がかなり広がってるんだろうと思います。 玉石混淆の中からよいものを選ぶのがたいへんですね。 歴史エンターテインメントの大家出でよ、と唱えておきますか。 >又BSでやっていた中国ドラマ『則天武后』は、女性蔑視の中、皇帝に登りつめた武后の孤独 >や、家族を守るため、長年の同僚を裏切った李勣の葛藤を見事描いた名作だと思います。 あっ、いいなあ。それ見たいですねえ。 地方にいて衛星ともケーブルとも無縁でいるので、中国もの映像がなかなか見られ ないもので。 #よーやくビデオレンタルで『宋家の三姉妹』借りた〜とか騒ぐくらいで。 『隋唐演義』は、そもそも原作じたいがさほど評価高くない(面白くない)ので、 どうしようもない(^^;)という評もネットに流れてました。 もっと大胆に翻案したほうがよかったんでしょうかね。 87 王沈ふたり NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/21 20:14 男性 27歳 B型 愛媛県 >驢馬の耳さま 王沈ふたりの件ですが、 『魏書』を撰した王沈は、 字は処道、太原晋陽の人。王機の子、王昶の兄の子にあたります。 晋代にもうひとり王沈がいて、 この人は字は彦伯、高平の人。『釈時論』を書いた人だそうです。 「劉聡の中常侍・王沈」は調べましたが出てきませんでした。m(__)m 86 はじめまして。 コロ助 E-Mail: 2001/02/18 22:32 男性 学生 22歳 A型 東京都 はじめまして、コロ助という隋唐史を専攻するものです。 >永一様 >知らなかった時代に興味をもつきっかけを作る導入の書として歴史小説のた >ぐいは最適です。っていうより、歴史学をやってる人間は、そういう人のほ >うが多いはずです。 私も史学専攻者ですが、全くその通りです。私も含め、周り多くの人が、吉川三国志や、 光栄のゲームにはまり、中国史やってる人が多いです。(^^) 田中芳樹風に言うとヤン=ウェンリーにたぶらかされて道を誤ったといったところですか。 (なんせこの学科は、勉強量のわりに、就職に有利に働きませんしね。) ただ、中国史をやってる内に、原史料が読めるようになるので、幸か不幸か、歴史小説 の類が読めなくなってきます。やはり、エンターテイメントたる小説と虚構や伝承が混 じっているとは言え、事実を後世に残そうとする史料では、読んでいて伝わる重みがちが いますからね。(生意気言ってすいません。)m(  )m それに最近の歴史小説は、自分の歴史観を押しつけがましく書いたり、史料に書かれている エピソードを右から左に伝えただけのものや、学術用語を用いてハッタリをかましている ものが多い気がします。 なんか変に史実指向というか、リアル指向というか、本来の歴史小説の長所である歴史上の 人物の心理を推測して描写するという虚構性というか、エンターテイメント性というかそう いう部分が欠けているように思われます。 ここまで言っといてなんですが、別に私は歴史小説や歴史漫画や歴史ドラマの類を決して 蔑視しているわけじゃないです。司馬遼太郎の『項羽と劉邦』や隆慶一郎の『かぶいて候う』 は名作だと思います。特に『項羽と劉邦』で韓信の権力に対して無頓着なところや、ひねくれた 范増は、『史記』を見ても違和感を感じませんでした。 漫画関して言えば、今でも、『蒼天航路』、藤竜の封神も全巻持ってますし池田理代子のベルバラや里中満知子の『天上の虹』も好きです。 又BSでやっていた中国ドラマ『則天武后』は、女性蔑視の中、皇帝に登りつめた武后の孤独 や、家族を守るため、長年の同僚を裏切った李勣の葛藤を見事描いた名作だと思います。 私が唐代をやろうとした一つの原点です。『隋唐演義』はこの辺の話が、はしょられて詰まんなかったなぁ。(書いてあったかもしれないけど記憶に無い。) なんか偏見に満ちた意見ですが、史学科では逆に歴史と小説を比較する話をしないので (私の大学だけかも知れませんが…)つい皆さんのカキコを見て触発されて書いてしまい ました。なんかしら意見を下されれば幸いです。m(  )m では又何かあったら、カキコします。 85 三国志の話かな? NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/18 01:28 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >間が開いてすみません そういうことは気にしないで下さい。 僕も自分のペースでやってますし。 ネットはマイペースでやらないと長続きしませんよ。 >たしか『天の華 地の風』というタイトルだったと思うんですけど、 よく古本屋で見かけるやつですね。 (まだ未読ですが) 「歴史」で「やおい」は同人誌なんかではよくありますが、 ハードカバーの本では珍しいですよね。 そういや昔、董卓&李儒なんて寒気するネタありましたねえ…(^^;) >その余りの出来栄えに自分の『魏書』を焼き捨ててしまったとか。 夏侯湛でしょうか? 『世説新語』は手元にないので、ちょっと分かりません。 でも焼き捨ててしまうのはもったいないですなあ。 文章価値の低いものでも、現代のわたしたちには非常にありがたい場合も あるのに。(^^) >秋邑さま はじめまして。 >私が中国史にはまったのってやっぱり小説なんですよね・・・・・「封神演義」なんですよ。 いいんじゃないでしょうか。 昔から『三国志演義』から中国史にはまった人は多いわけですし。 小説だろうと漫画だろうとゲームだろうと、キッカケは人それぞれでよい と思います。 まあそうした歴史物語の創作部分を史実と思いこむについては多少問題あ りますが……。(--; >驢馬の耳さま ええと、「劉聡の中常侍・王沈」の件は全然調べがついてません。m(__)m というより、職場と家の往復生活で図書館行ってないっス、トホホ。 >実は、現在、禹貢地域図の範囲特定化にチャレンジしてます。 よく分かりませんが、「禹貢」というからには 『書経』禹貢篇や『史記』夏本紀の「九州」の範囲内じゃないですか? 「北は北極海、南はインドネシア近辺」ってことはありえないでしょう。 (^^) >王沈の魏書が問題ありと判定された時期が欲しい どうでしょう? 三国・晋代の研究者に訊いたほうがよいように思います。 素人好事家に答えられる範疇を逸してます。m(__)m うちの掲示板読んでる人にもいますかねえ? もしなんなら「解體晉書」(http://www.jin-shu.com/) あたりで質問投げてみるのも手かもしれません。 (責任回避〜〜♪) 84 王沈の件 驢馬の耳 2001/02/17 18:31 男性 会社員 32歳 B型 埼玉県 実は、現在、禹貢地域図の範囲特定化にチャレンジしてます。 斐秀は274年ころには死んだので、陳寿の三国志を晋が正史 として取り上げるには、王沈の魏書が問題ありと判定された 時期が欲しいのですが、王沈自身、相当の高官であったことから 彼の生前に王沈批判をするのは、ちょっと難しかったのでは ないかと考えています。陳寿の魏志を家から持ち去るほどの 原動力を生み出したもの、それは何だったのだろうかと 思っているわけです。 (注:禹貢地域図は一辺が2.4mです。一寸100里ですから 一辺が24000里とすると、中国の当時の認識では中国全土が 収まらないとも考えられるし、逆に魏尺を正確に使えば、北は 北極海、南はインドネシア近辺まで網羅されたことになります。) 83 勉強不足かなあ・・・・・ 秋邑 2001/02/16 20:28 女性 学生 A型 栃木県 はじめまして。ココに来るの初めてなのにこんな無礼(たぶん・・・)なことを書いていいのでしょうか・・・・ 私が中国史にはまったのってやっぱり小説なんですよね・・・・・「封神演義」なんですよ。 それで、マンガのほうも読んだら、、、、やっぱり、はまりましたね。 ・・・・こんなはまりかたでよいのでしょうか・・・・? 82 間が開いてすみません かっしぃ E-Mail: 2001/02/15 10:05 男性 会社員 24歳 A型 北海道 >永一さんへ 私の長々しい不躾な質問に答えて頂いて、本当に有り難う御座います。 いきなり遠慮なく言いたい放題だったので、やっぱり失礼だったかなぁと、実は後悔しきりでした。 >最近、「ストーリー壊れとってもいいやん〜、いい味出してるキャラおった >ら」などと言い出してます。(爆) いい味かどうか分かりませんけど、とんでもない三国志の小説を見かけた事があります。 たしか『天の華 地の風』というタイトルだったと思うんですけど、 諸葛亮が主人公で、赤壁から始まるんですが、こうれがどうも…。 美麗なカバーデザインに引き寄せられてちょっと眺めてみたんですけど、 最初は「あれ? なんか変だぞコレ」と思っていたら、実は『やおい』だったんです。 ただそういうものだと思って読むと、これがなかなか読ませる話でして。 軽く眺める程度ですが、全巻立ち読みしてしまいました(爆)。 一応作者がきちんと勉強しているのが読み取れ、同人誌のレベルじゃないなとは思いました。 『歴史』で『やおい』、かなり読み手を選ぶ小説だとも思いましたが…。 >答えになってませんね……。(--;;; いえいえ、十分なお応えを頂きました。そういう事が聞きたかったんですよ。 歴史好き同士、雑談をしてみたいなぁと。<最初に言えって。 『三国志』で陳寿のエピソードを思い出したんですけど、 晋の夏候なんとかが、自分で書いた『魏書』を司馬炎に献上しようとしている時に 偶然陳寿が『三国志』を書き上げた事を知って読ませてもらい、 その余りの出来栄えに自分の『魏書』を焼き捨ててしまったとか。 この話、『世説新語』だったかなぁ、うろ覚えでちょっと自信無いですけど、 こんなエピソード無かったでしたっけ? 81 とりあえず NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/15 00:27 男性 27歳 B型 愛媛県 永一(管理人)です。 >驢馬の耳さま >魏書の作者で「王沈」がいますよね。 とりあえず手元で分かることだけですが。 『魏書』の作者の「王沈」は、字は処道、王昶の兄の子にあたります。 『晋書』の王沈伝に出ているようです。 この人の『魏書』は曲筆が多くてあまり信用されていないようです。 没年は調べてみます。 >劉聡の中常侍にも王沈が出てきますが ?? 「劉聡」は五胡の漢(前趙)の烈宗のことですか? それとも劉宋のことですか? いずれにせよ、知らないので調べてみます。 >陳寿「三国志」が陳寿死後に正史となった時代背景 僕もよく知りませんが、范[君頁]らに「文の艶なることは司馬相如 に若かずと雖も、質直なることはこれに過る」と推薦されて、晋朝に 採用されたらしいですね。 80 王沈は二人いるの? 驢馬の耳 2001/02/14 10:38 男性 会社員 32歳 B型 埼玉県 はじめまして。魏書の作者で「王沈」がいますよね。 彼の没年はわかりませんか? もう一つ、劉聡の中常侍にも王沈が出てきますが この二人は別人なんでしょうか? 陳寿「三国志」が陳寿死後に正史となった時代背景 をしりたいのです。 79 楽しみかたいろいろ NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/10 22:48 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >小説って何でしょう? 辞書的な定義によると、 「近代文学の一形式で、作者の作り出した筋や人物を通して、人生の真実 を描き出そうとする散文体の文学。」 だそうですが。(^^) 僕も厳密な意味には興味ありません。 「Novel」の原義にはそもそも「新奇な」というような意味合いがあった ハズですし、あまり型にはめるのもそぐわないよなと思いますし。作家の 創作手法も受け手の楽しみかたもいろいろあってしかるべきかと。 まあただ歴史小説や時代小説という場合は「一から十まで虚構を積上げた」 ものが、その名に値するのかは問題ですが。 鴎外以来の「歴史其儘と歴史離れ」の問題もあったりとか。 >私が今まで知らなかった時代の知識を吸収する時、歴史小説というのは非常に便利です。 それは大いにありますね。 知らなかった時代に興味をもつきっかけを作る導入の書として歴史小説のた ぐいは最適です。 っていうより、歴史学をやってる人間は、そういう人のほうが多いはずです。 僕もアマのほうですが、『三国志演義』や田中芳樹さんあたりから深みにハ マったほうですし。 『ベルばら』からフランス史に、『竜馬がゆく』から幕末史に、なんて話は いくらでも転がってます。 >そもそもエンターテイメントという捕らえ方をしてなかったように思います。 僕はなるべくそう割り切るようにしてます。 歴史小説には虚構がつきものですし、歴史小説を歴史の真実と勘違いすると 手痛いメに遭いますから。 実録ものなら話は別(のはず)ですが。 そもそも歴史小説は純文学より中間小説・大衆小説のほうに偏在しているも のですし。やっぱエンターテインメントでしょ。 >永一さんって、小説にどんな魅力を感じますか? あくまで歴史小説で、ということで答えますけど。 むかしは戦争やら権謀術数やらに興味が偏っていました。(--;) でもやっぱりそのうちに人間に興味が移っていくんですよ。 中島敦さん読んで子路に惚れたり、『三国志』読んで曹操が好きになったり、 『隋唐』読んで張須陀・李密ええなあとかタワ言ほざき出したりするんです よ。 最近、「ストーリー壊れとってもいいやん〜、いい味出してるキャラおった ら」などと言い出してます。(爆) 答えになってませんね……。(--;;; 77 小説の楽しみ方 かっしぃ E-Mail: 2001/02/06 13:25 男性 会社員 24歳 A型 北海道 小説って何でしょう? 厳密な意味を問われると、私には上手く答えられません。 一口に小説と言ってもいろんなジャンルがあるし、人によって書き方も違います。 一から十まで虚構を積上げた、箱庭(と呼ぶには巨大すぎるのもありますが)的な世界で流れる物語。 実際にあった事件をアレンジした、よりダイナミックかつ感動的なストーリー。 事実を淡々と記した叙事詩的なお話。 大雑把な言い方をすれば、虚構のさじ加減で色々な小説がありますよね。 他にも小説の技巧は様々にあり、それぞれに魅力があります。 読み手の感じ方も人それぞれですよね。同じ小説を読んでも、人によって全く違った感想を持ったりするものです。 それはそれでいいと思うのですよ。 以下は私の楽しみ方です。 私は歴史をもっと知りたいと思っていますが、大学で勉強した訳ではなく、素人です。 自分で興味を持った本を読み漁っていますが、英語も漢文もできない為日本語訳に限定されます。 日本語の本でさえ満足に読めてませんが。 私が今まで知らなかった時代の知識を吸収する時、歴史小説というのは非常に便利です。 小説でその時代の雰囲気を知った後、専門書や学術書を読んで、更に理解を深めようとします。 しかし、専門書や学術書は往々にして政治史や文化史に偏りすぎて、その時代の生の息遣いを感じさせてくれません。 (私の理解力不足はもちろん大いにありますけどね。) 私では理解できなかったことを解りやすく教えてくれる小説はとってもありがたいです。 こう考えると、私は歴史小説で勉強しようとしてただけで、あまり純粋には楽しんでないかもしれませんね。 そもそもエンターテイメントという捕らえ方をしてなかったように思います。 ただ、陳瞬臣さんの『阿片戦争』と『実録阿片戦争』を読み比べたり、 司馬遼太郎さんの『菜の花の沖』は読んでないですけど、その直後に書かれた『ロシアについて』を読んだり、 そうやって小説を書いた人の制作意図や、その人の史観、その人の歴史へのアプローチの仕方、 そういうものまで理解できた(解ったような気になれた)時に、私は大きなカタルシスを感じます。 宮城谷さんは、小説だけでもそのあたりが解りやすかったりします。 『史記の風景』とか『春秋の色』とかの歴史エッセイも面白かったですけどね。 こうして考えてみると、『吃逆』は今迄とは全く違う楽しみ方ができた小説かもしれません。 そこで質問です。 永一さんって、小説にどんな魅力を感じますか? 76 歴史小説の魅力 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/06 02:56 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >ちなみに永一さんて、どうして歴史小説を読むんですか? (中略) >その小説の中でその時代の雰囲気を再構築してくれることを期待してます。 うーん、エンターテインメントをなぜ読むのか?どこが面白いのか? と問われてるような答えがたさを感じますが…。(--;) ストレートに答えるのがむつかしいので、下のような韜晦でごまかす ことにします。 かっしいさんの説を別の言い方にすると、 「ある歴史の真実が十あって、歴史書ではそのうちの五までしか分か らないので、残りの五を作家の推理や想像や構成力で補って十にして しまう歴史小説は魅力的ですばらしい」 ってことでしょうか? (少し違うのは分かってますが、あえて意地悪な言い方してます^^;) この説は、歴史の真実を総花的に一から十まで集めたものは魅力的で 面白いって前提が必要です。 でないと、歴史小説は魅力的って結論に結びつきませんから。 しかし、歴史ってホントに一から十まで面白いものなのか? また面白いとしたらなぜなのか? って疑問が湧いちゃいますね。 歴史を面白く感じる理由ってのは、知的好奇心の充足とかカタルシス とかいろいろあるんでしょうが、歴史を人物・エピソード・背景と細 分化して解体していくと、必ずしも一から十まで面白いとは限らない と思います。 それらを再編したハズの歴史小説があるとき歴史の真実以上に面白く 感じられるのは、歴史の総花的な寄せ木細工なのではなく、史実をさ えあるところでは捨て、あるところでは史実にない太い補強を入れて 作りかえているからなのだと思いますよ。 歴史小説≒歴史だから面白いのではなく、 歴史小説≠歴史だからむしろ面白いんだと思います。 >最近では宮城谷昌光さんがその筆頭でしょうか。 宮城谷さんの小説は後味さわやかでいいですね。 逆にいえば救いようのない悪人は書けそうにない人ですが。 森福都『吃逆』は評判いいですね。僕も読みたいです。 75 気にはなってたんですけどねぇ かっしぃ E-Mail: 2001/02/05 16:34 男性 会社員 24歳 A型 北海道 お久しぶりです、かっしぃです。 長くなりそうなんでこっちに書きます。 >塚本ョ史さんの小説をはじめて読んでます。 >『霍去病』上・下巻(河出文庫) 『霍光』なら立ち読みしました(爆)。 この人の小説って、語り口が俗に走りすぎているような気がして私は余り好きになれず、 購入には踏み切れませんでした。 >また悪い病気が出て、ツッコミ入れながら読んでます。 >(中略) >…とかとか。 >いかん、だんだん性格悪くなってきた、自分。(--;) いやいや、ツッコミ入れつつ裏付けを調べていれば、歴史を志す正しい態度と言えるでしょう。 まぁ酒でも入れながら歴史小説の出来不出来をあれこれするのも楽しいですけどね。(^^ゞ) >自分はもの知らずのくせに、他人の書いたものは気になるよう >になってきたんすね。 知らないからこそ、もっと正確なことを知りたいと思うからこそ気になるのです。 私は自分にそう言い訳してます。 ちなみに永一さんて、どうして歴史小説を読むんですか? ってこの聞き方は変だな。 私は歴史小説を読む時、その小説の中でその時代の雰囲気を再構築してくれることを期待してます。 どういう事かと言いますと― まず第一として、『史記』とか読んでると歴史の横の繋がりって解りづらいじゃないですか。 ああ、孔丘が遊説してた時って晏嬰が斉の宰相だったんだなとか、笵雎が若い頃って楽毅が活躍した頃だなとか。 第二に、その時代の雰囲気ってあるはずじゃないですか。宮廷だけでなく庶民の暮らし向きとか、 経済情勢、白蓮教のような宗教の地下組織、食文化、流行などなど。 私が盲なせいかも知れませんけど、単純に歴史書を読むだけでなく、得た知識を統合してその時代を再現して見せてくれる、 私では気付かない歴史の空白を埋めてくれる(たとえ想像だとしても、より蓋然性の高い想像で埋めてくれる)小説って、 とっても魅力的です。 最近では宮城谷昌光さんがその筆頭でしょうか。 あと昨日まで読んでた『吃逆』には感心しました。 田中芳樹さんのようにドラマティックな部分を重視した小説もいいんですけどねぇ。 74 Re: はじめまして NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/01/30 17:37 男性 27歳 B型 愛媛県 永一(へろへろ管理人)でっす。 >泰山さま はじめまして。 蘇曼殊は父親が在日華僑の蘇傑生という人で、 母親が河合せんという人だそうです。 要するに日中のハーフですね。 生まれは横浜、本籍は広東省香山となってます。 これ以上調べがつかなかったんですが、 なにか出生の謎みたいな話があるのでしょうか? >あだちさま はじめまして。 うちの「人物事典」の先秦のあたりは、かなり昔に作ってあま り手を入れていないので、うーんどうですかねえ。 記述は基本的に『史記』に依ってます。 生没年は事典類に頼ったとこも多いです。 結構いーかげんなので真に受けないで下さいね。 東周期も平勢隆郎氏あたりの紀年見直し論議なんかあって、か なり年代の枠組みが変わってしまう可能性もあるので、事件の 年代や生没年は史書にあるそのままを信じず大まかなものとし て捉えたほうがよいように思います。 73 初めまして あだち E-Mail: 2001/01/28 01:57 男性 会社員 26歳 A型 千葉県 あだちと申します。 鳳雛さんの宦官列伝のリンクから飛んできました。 好きな分野は先秦、というか東周あたりです。 辞典も見させて頂きましたが、東周も主要な人物はみんな出てて、素敵です。 特に生没年が結構記載されているのに驚きました。この辺りの時代は生没年を特定するのが大変だと思うのですが、どういった資料を使われているのでしょうか? ちょくちょく来させて頂きますので、宜しくお願いします。 71 はじめまして 泰山 2001/01/26 02:39 三国演義のサイトをネットサーフィンしていて、たどりつきました。 情報量がすごくてびっくりしました。特に、あまり他では見かけない人物まで載っていて嬉しかったです。 質問なんですが、蘇曼殊が日本人か中国人かはっきりしないと聞きましたが、御存知ないでしょうか? またゆっくり伺いますんで、これからもよろしくお願いします。 70 Teng Mu NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/01/25 00:35 男性 27歳 B型 愛媛県 役立たず…だった管理人です。 >内藤猫次郎さま なるほどTengはケ=[登β]ですか。 ピンイン表記のほうが頭にあったので、思い当たりませんでした。 中国語普通話ならトウ牧はDeng(4) Mu(4)ですよね。 英語表記もなるべく勉強することにします。p(--;) >宇宙人はいるの?さま 全然役に立ってませんので、内藤さんと並べないで下さい。 僕もよく知らない人ですので少し調べてみました。 内藤さんにフォローする点としては、 ケ牧(トウボク,[登β]牧)は、 1247年(宋の淳祐7年)生、1306(元の大徳十年)没。 『洞霄図志』は道士の孟宗宝という人との共著のようです。 69 ごめんなさい。 宇宙人はいるの? E-Mail: 2001/01/23 19:55 男性 会社員 36歳 O型 愛知県 内藤猫次郎さん、さっきのメールで「さん」を抜かしてしまいました。 すみませんでした。 68 Teng Muの漢字 宇宙人はいるの? E-Mail: 2001/01/23 19:53 男性 会社員 36歳 O型 愛知県 NAGAICHI Naotoさん、内藤猫次郎、情報ありがとうございます。 『中国人名大辞典』を見てみようと思います。 日本語で発音する場合「トウボク」と読めばよいのですか。 67 Teng Muの漢字 内藤猫次郎 2001/01/21 16:45 男性 学生 18歳 チョー御無沙汰してます。 Teng Muとはトウ牧(トウは登におおざと)その人のことで間違いないと思い ます。 以下は『中国人名大辞典』(商務印書館)のトウ牧の項目です。 >銭塘の人。字は牧心。三教外人、また九鎖山人と称した。宋が亡びても仕え >ず、余杭の洞霄宮の超然館に止まり、一月の間外出しなかった。節義を固く >して白鹿山に山房を作って隠居し、謝コウ、周密らを友とし、世に文行先生 >と称した。大徳年間、病無くして死んだ。『洞霄図志』があり、その詩文集 >に『伯牙琴』と名付けた。 66 鄭成功の子孫 阿祥 2001/01/17 12:41 男性 会社員 37歳 A型 東京都 李さんへ。 鄭成功の子孫は、直系ではありませんが成功の弟の子孫が生きているということです。成功亡き後長崎で中国語の通訳と貿易をもって家業としていたなかなかの名家であったようです。「鄭成功 明末の風雲児 寺尾善雄著 出版者:東方書店」という本に詳しく出ています。 65 暖房がほしい NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/01/15 15:23 男性 27歳 B型 愛媛県 ども管理人の永一です。 寒波襲来たまらないですね。〜(-_-)〜 >宇宙人はいるの?さま はじめまして。 13世紀というと南宋から元のころですね。 Teng Muという発音からは正直いまいちピンと来ないですね。 Tengは滕とか藤とか騰とかの字が当たるでしょうし、 Muは木とか母とか牧とか穆とかの字が当たるでしょうが、 思想〜宋学の系譜あたりでそういう人が思い当たりません。 僕もアメリカのYahoo見てみました。確かにありますね。 元ネタがニーダムの『中国の科学と文明』らしいことは分かりました。 もう少し調べてみます。 >エースのジョーさま いえいえ。僕も物知らずですし、よく忘れます。 学生時分の脳力の半分くらいにダウンしてます。(--;) 陳慶之じたいそれほど著名な人物じゃありませんし。 中国の通史の本では十中八九出てきませんから。 64 遅くなりました。 エースのジョー E-Mail: 2001/01/14 12:14 男性 学生 19歳 A型 北海道 NAGAICHIさん、ありがとうございます。 質問してだいぶ経ってしまいました。申し訳ありません。 学校でしているもので、あまり自由にできないもので。 「奔流」ですか。早速読んでみようと思います。 中国史(というよりも歴史小説)は好きなんですが、脳味噌のメモリーが多くないのか、 覚えていられることがあまり多くないんです。 何かの中国史関係の本で読んだのだと思うのですが・・・。 その本の中身も名前もほとんど覚えていないありさまで、 かろうじて陳慶之の一部分だけ頭に残っていたんです。 それでふと歴史関係のホームページで探してみようと思った次第です。 返事が遅くなった上、下手な質問の仕方で不快にさせてしまったようで、 本当に申し訳ありませんでした。 63 Teng Muについて 宇宙人はいるの? E-Mail: 2001/01/12 04:57 男性 会社員 36歳 O型 愛知県 歴史上の中国人名について教えていただけませんか。 英語で書かれたある文学作品を日本語化しようと思っています。 そのなかで、13世紀の中国で賢者Teng Muという人物が、 「宇宙とは王国のようなもので、我々の大地や空は王国の住人の一人に過ぎない」 と、地球以外の世界(文明)の存在を示唆したという事実が紹介されています。 英語でTeng Muという人が、漢読みでは(漢字でいうと)誰を指しているか、心当たりありませんか。 原作者に質問したら、 Song Dynasty(宋王朝?)の宮廷哲学者だということです。 英語のYahooでTeng Muを検索したら何件かあったのですが、漢読みの手がかりはやはり ありませんでした。 突然のお願いで恐れ入りますがよろしくおねがいします。 62 恭喜新年好! NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/01/02 15:57 男性 27歳 B型 愛媛県 >RUNさま 新年おめでとうございます。 お久しぶりです。 >何やらこちらは質問攻めコーナーになってませんか。(笑) そんな感じになってますね。(苦笑) 管理者がこちらの掲示板の管理の手を抜いているので、あまりリピーターが つきませんし、雑談や議論よりQ&Aになってしまっているようです。 これはRUNさんにじゃないですが… まあ質問は構わないんです。 ただ答えるやつは素人のいいかげんなやつだから、頭から信じてはいけない よ、ということを質問者に諒解してもらえればですが。(^^;; あと、話題がそこから広げられるようなものだとさらにありがたいです。 「○○です。はじめまして。××について教えて下さい。お願いします」 というようなのは、まあ丁寧な依頼のようですが、答えるほうはあまり面白 くない。質問者がなぜそういうことに興味をもつのか、その問題に解答をえ るために何を調べたのかということが伝わってこないですしね。 話を広げる余地がなかなかないですよ。 そういう数行の端折った質問に十数行以上のレスをつけてると、なんか不公 平だなって気分になりますし。 僕は教師じゃないし、質問に答えることで一銭だって得になるわけじゃない わけです。(^^) 質問者にも技倆を求めたいですね。回答者がただで調べて答える気分になる ようなやり方というものをです。 >中国思想史のHP飛龍在天が閉鎖されていて驚きました。 そうですね。僕も残念でした。 ただいずれパワーアップして復活させる旨の言質を中根さんからは得ている ので、またWEB上でお会いできると思います。 61 明けましておめでとうございます RUN 2001/01/01 11:01 男性 宮城県 ご無沙汰してます。総合掲示板に書き込もうかと思いましたが、中華史ファンたる者、こちらにお邪魔しなければと思い、こちらに書き込みしています。覚えてますか。常連さんの顔ぶれも変わってませんか。何やらこちらは質問攻めコーナーになってませんか。(笑) ところで三国志連関のHPにはご無沙汰してたらこちらに訪問していた人の中国思想史のHP飛龍在天が閉鎖されていて驚きました。中国思想史に興味を持つものとしては至極残念です。 またお邪魔することもあるやもしれません。ではまた。