120 屈源について教えて下さい ルイシン 2001/04/09 02:16 男性 会社員 52歳 B型 東京都 屈源が身を沈めた「汨羅」はどの辺りか、知ってる方がいたら教えて下さい。 119 なんの話をしてるのやら。 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/04/08 22:00 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >>金民寿「桓温から謝安に至る東晋中期の政治」(『史林』75巻1号、1992年) たしかに。これは大いに興味ありますね。 僕も素人の趣味人ですので、論文誌にはなかなか手が届かないんですけど。 >『NewType』とか買ってた時期もありました。 僕も過去は…というとそうですね。 センター試験の翌日には、2月号のF.S.S.付録のために本屋に走った とかありました。(^^;) アニメは高校くらいのころ従兄の影響でOVAを見まくったなんて時期もあ りました。以後はだいぶ冷めてしまって、たまに見るくらいですね。 >洋物、ですか。翻訳すると訳者の主観が入っちゃうような気がして、イマイチ気 >乗りしないんですよねぇ。 訳者の主観はあるでしょうね。 翻訳の上手い下手とは別にして。 まあ、原作のせいではないのに、フィーリングに合わないのが出てくるのは しようがないと思ってます。そういうのは途中で容赦なく放りますし。 名訳探しに王道はなしでしょうか? >『指輪物語』は友人評が「翻訳がねぇ…」だったんですよ。 『指輪』は旧訳と新訳があるらしいですが、どちらのことでしょうねえ? さておき、『指輪』はファンタジーとしては重量感があるので取っつきにく いのは確かです。はたして翻訳の問題でしょうか? 僕はファンタジーは和洋両方読みますが、重厚な名作が多いのは断然洋だと 思うんですよ。和ものは名作でもホント軽いのが多いです。 まあ、洋ものは善悪二項対立図式になりがちって欠点もあるんですが。 >前にも書いた『クトゥルー』シリーズとか、『ホームズ』シリーズとか、 そこらもハマるというほどではないにしろ、いくらか読んでますね。 暗黒神話フリークやシャーロキアンにはなれそうもありませんが。 #曰く「ルブランのホームズはホームズじゃない。ホームズのモットーは観 察と推理であって決して直感(霊感)などではない」 #曰く「かのコカ中の性格破綻者こそ、史上最高の探偵だ」 >『グイン』は2巻ですぐ挫折しちゃいました。でも『ロードス島』は初期のやつ >を読みましたね。 『グイン』は最初のほうが面白いんですけどね…。40巻くらいで中だるみ してしまいます。 『ロードス島』は僕も初期のものだけです。やはり原作は名作だ…。 テーブルトークはやってないので知らないですけど。面白いとは聞きますね。 >単発で結構読んでた気もするんですけど、あんまり記憶に残ってないなぁ。 まったくです。印象に残らないほどの駄作もだいぶ消化したハズ。 名作になりそうな予感を残しつつ、中途半端なまま消えたのも多いですし。 (T_T) さて、中国史ものに話を戻します。 田中編訳『岳飛伝1』が出たようですね。 まだ読むどころか買ってもいませんが。どなたか読んでませんか? 117 読書とか かっしぃ E-Mail: 2001/04/07 22:40 男性 会社員 25歳 A型 北海道 御無沙汰でっす。 >コロ助さん >『貞観政要の政治学』の内容ですが、 >隋〜唐貞観時代の概説+『貞観政要』書誌解題+抄訳(解説) >といった感じです。概説部分は、李世民の半生が中心となっております。 >概説は『隋唐帝国』とほぼ同じなので、全訳をお持ちならば、いそいで >買う事もないかなと私は考えますが…。 情報ありがとうございます。まずは『隋唐帝国』の方を先に読む事にしましょう。 >岩波講座世界歴史は、学者から学生、一般教養人を対象にしたシリーズですが、この新シリー >ズが最近出ました。 これまたありがとうございます。 私は陳氏の『中国の歴史』以外には、中国通史の本を読んでないんですよ。 興味のある時代の専門書は時々読んでたんですけどね。明とかモンゴルとか、古代文明とか。 次はこれを読んでみる事にしましょうか。 >金民寿「桓温から謝安に至る東晋中期の政治」(『史林』75巻1号、1992年) >という、ここでの話題に、ぴったりな論文がでてきたので、 >読み終わったら、紹介したいと思います。(^^) そ、それはぜひぜひ! って言うか読みたいです。 う〜いいなぁそういう論文とか、新しい研究成果を読めて。 私は大学へは行かず、専門学校行ってプログラマになったので、大学で勉強した方がとても羨ましいです。 >永一さん・コロ助さん >アニメとか小説とか アニメは子供の頃から結構見ましたねぇ。ガンダム世代ですし。 アニメ雑誌の『NewType』とか買ってた時期もありました。でも『エヴァ』以降は全然見なくなっちゃったなぁ。 >SFは古典系をすこしだけかじってます。アシモフ・ハインライン・ブラッドベリあた >りが好きです。 洋物、ですか。翻訳すると訳者の主観が入っちゃうような気がして、イマイチ気乗りしないんですよねぇ。 原作者のそのままの文章が読めないのがもったいないと言うか。ま、英語勉強すりゃいいんですけど。 >トールキン『指輪物語』ル・グウィン『ゲド戦記』 同じ理由でこのあたりは敬遠しました。『指輪物語』は友人評が「翻訳がねぇ…」だったんですよ。 興味はあったんですけどね。(^^ゞ それでも読みたいと思ったものは読んでます。 数は少ないですけど、前にも書いた『クトゥルー』シリーズとか、『ホームズ』シリーズとか、 ハインラインの『夏への扉』とか。 それ以外では、シェイクスピアをきちんと読んでみようかなってくらいですか。 >日本のものも多少は読んでます。『ロードス島』とか『グイン』とか他もろもろ。 『グイン』は2巻ですぐ挫折しちゃいました。でも『ロードス島』は初期のやつを読みましたね。 この影響でテーブルトークRPGが盛り上がって、ソードワールド、ウィザードリィ、ガープスといったところをやったりした。 SFやファンタジーは学生の頃に読んだのがほとんどですが、富士見ファンタジア文庫の『ザンヤルマの剣』は面白かったですね。 あとゲームでウィザードリィに嵌まってたので、ベニー松山氏の『隣り合わせの灰と青春』『風よ龍に届いているか』は未だに読み返す事がありますね。 他には… うーん、単発で結構読んでた気もするんですけど、あんまり記憶に残ってないなぁ。 やっぱり仕事始めてからは、無駄弾を打つ時間が無いですからね。歴史一辺倒かも知れません。 小説なら司馬遼太郎、陳舜臣、宮城谷昌光の御三方がほとんどだし、専門書なら講談社やちくまの学術文庫を気に入った時に読むくらいでしょうか。 116 Re: 東晋と読書の話 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/04/03 00:14 男性 27歳 B型 愛媛県 >コロ助さま >一瞬、「ニュースコーナーを始められたのか。」と思いましたゾ。(^^) うーん、やっぱ不自然なウソはいけませんな。 ウソは自然体でつかないと…。(より悪質かも) >建康の中央政府と京口の北府(北来流民で構成された軍団)と荊州の西府(江南寒門豪族で構成) >の微妙な勢力均衡で東晋が成立している 司馬氏政権と、 ユ亮→ユ翼→桓温→桓沖→桓玄の西府と、 チカン→殷浩→謝玄→王恭→劉牢之→劉裕の北府との 三者鼎立ですね。 桓玄の敗亡で、そのバランスが崩れたと見ていいでしょうか? >あと小説版の「無限のリヴァイアス」とか…。(^^)(←アニメ見ていましたから…。) これはアニメのほう見てます。 個人的にはエヴァ以来のヒットでした。 主人公がロボット操縦しないロボットものってのが新鮮でした。 未来版「十五少年漂流記」か「蠅の王」か「恐るべき子供たち」か…。 (知らない人には訳分かんない説明ですね−) >それにしても、うちは、買っておいて読んでいる途中の歴史系の本やコピーしたまま >の論文が多すぎです。 そういうのを専門用語で「積ん読本(つんどくぼん)」と言います(笑)。 本を多く読む人にわりとよく起こる現象でしょう。 「買った本/7割読めたら/上出来さ」(箴言) >中国文明のシリーズは、講談社のシリーズより平易で読みやすい感じがします。 中公文庫のこのシリーズ12巻、ようやく全部揃いました〜。 積ん読本にならないうちに、きちんと通読したいです。 今までこの掲示板にも引いたりしてますが、ちゃんと読んでないのですぁ〜(爆) >岩波講座世界歴史は、学者から学生、一般教養人を対象にしたシリーズですが、この新シリー >ズが最近出ました。 知りませんでした。情報ありがとうございます。 「講座」って、やたらと社会史系・経済史系で、入門書ってイメージはなかった んですけど…新シリーズは違うんですか〜。 でも岩波は積ん読本率高い−管理人でした。 115 東晋と読書の話 コロ助 E-Mail: 2001/04/02 19:45 男性 学生 23歳 A型 東京都 >永一さん >さきほどHPの表紙をエイプリル・フール用に変えました。 一瞬、「ニュースコーナーを始められたのか。」と思いましたゾ。(^^) 私は清水義範チックのパスティーシュな文章が大好きなので、おもろく 読めました。 >かっしぃさん 『貞観政要の政治学』の内容ですが、 隋〜唐貞観時代の概説+『貞観政要』書誌解題+抄訳(解説) といった感じです。概説部分は、李世民の半生が中心となっております。 概説は『隋唐帝国』とほぼ同じなので、全訳をお持ちならば、いそいで 買う事もないかなと私は考えますが…。 >皇室・司馬氏が軟弱だから… そういや、東晋建国期に「王と馬、天下をともにす。」(司馬氏と 琅邪王氏が天下を分かちあっている)と言われるくらい、皇帝権が脆弱な国家ですよね。建康の中央政府と京口の北府(北来流民で構成された軍団)と荊州の西府(江南寒門豪族で構成)の微妙な勢力均衡で東晋が成立してい ると、中世史の授業でならったなぁ。 昔、これをネタにレポートを書いたので、東晋政治史の論文がいくつか我家の本棚で発掘されました。その中に、 金民寿「桓温から謝安に至る東晋中期の政治」(『史林』75巻1号、1992年) という、ここでの話題に、ぴったりな論文がでてきたので、 読み終わったら、紹介したいと思います。(^^) >永一さん、かっしぃさん 歴史以外の本かぁ…。読書家じゃないので、あまり読んでないなぁ(−−; 去年は卒論で忙殺されたし…。 そのころ、清水義範の『発言者たち』とか、犬丸りんの『おかたづけ天女』とか、 読みました。 あと小説版の「無限のリヴァイアス」とか…。(^^)(←アニメ見ていましたから…。) 星界シリーズは読みたいなぁと前から思ってるんですけど、金欠で中々…。 それにしても、うちは、買っておいて読んでいる途中の歴史系の本やコピーしたまま の論文が多すぎです。あと貰い物の岩波講座(新版)が本棚を占拠、その半分位しか読んでません。(−−) これが読み終わるのに何時までかかるやら…(><; ちなみに今は、 森鹿三編『中国文明の歴史4分裂の時代、魏晋南北朝』(中公文庫) 外山軍治編『中国文明の歴史5隋唐世界帝国』(中公文庫) 妹尾達彦編『岩波講座世界歴史(新版)9―中華の分裂と再生』 を読んでいます。中国文明のシリーズは、講談社のシリーズより平易で読みやすい 感じがします。学術用語を用いず、当時としては、新しい研究が反映されている ところは、さすがです。特に四巻は、政治史だけでなく、社会史、宗教史、都市史、日本史にまで及ぶ章立ては、魏晋南北朝、隋唐の分野で、宗教史や都市史が注目を集めている昨今の研究動向を考えると、60年代で、一般概説書レヴェルであの章立ては斬新だったろうなぁ。 執筆陣の諸先生が、今は大家と呼ばれるのも納得。(^^) 解説執筆の氣賀澤先生(四巻)と愛宕先生(五巻)は中堅で「いい仕事」をしている人です。 最新の研究動向を踏まえた解説をこのお二人が書くという編集は、上手いよなあ。 ちなみに四巻の先生は、4月よりの私の指導教授であります。 岩波講座世界歴史は、学者から学生、一般教養人を対象にしたシリーズですが、この新シリーズ が最近出ました。執筆陣は40〜50代の中堅中心で、それだけに学界最前線の研究が、ダイジェストで読めます。入門書にぴったりです。 私としては読まなきゃと思いつつ、読んでない研究が、ダイジェストで読めるのは、嬉しい限りです。 114 ホントだったら今年は大発見続きの年 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/04/02 02:02 男性 27歳 B型 愛媛県 >エイプリル・フールのニュース、うっかり信じちゃいましたよ。(^。^) お世辞でも嬉しいです。(^^) けっこう前から用意してましたので。 中国史・古典中国文学系のページとかでも、例年4/1でやっているところありますし、 高崎さんとこの中国史MLなどでもやってたので、よし今年こそはウチもやったるかと 思って準備してました。 画像・写真などをいじる技術はないので、やはり文字ばかりになるんですが、まあどこ かで聞いたようなネタの焼き直しにはなっちゃいました…。新聞記事調の文章って、意 外と書くのに勉強いりますね。 >一昔前ならラブクラフトの『クトゥルー』とか富士見ファンタジアの小説群とか、最近なら森 >岡浩之の『星界の戦旗』とか、漫画とか。(^^ゞ どちらもいちおう見てますね。 うちのエイプリル・フールねたの「ミスカトニック大学」(米マサチューセッツ州ボス トン)なんて、もろクトゥルー神話が元ですね(笑)。実在しないです。 『星界の戦旗』は『紋章』のほうが好きでした。『戦旗』はなんか主人公ふたりがベタ ベタしてきてどーも…。 >永一さんって、中国史以外の本は読むことありますか? それは大いにあります。というか中国史の本をあまり読んでないというか〜。(--;) SFは古典系をすこしだけかじってます。アシモフ・ハインライン・ブラッドベリあた りが好きです。 ファンタジーもそこそこですね。トールキン『指輪物語』ル・グウィン『ゲド戦記』を 制覇したので、あとはルイス『ナルニア国物語』を読めば、三大ファンタジー制覇ぢゃ ーと叫びはじめて、はや数年(爆)です。最近人気の『ハリー・ポッター』とかも、い つかは読むんだろうな〜と。最近読んでるのは、ロバート・ジョーダンの「時の車輪」 シリーズくらいですか。 日本のものも多少は読んでます。『ロードス島』とか『グイン』とか他もろもろ。 ミステリとかもたまに読みます。海外古典系が好きかなあ。ポアロやクィーンが好きで す。 >さて、それにしても改めてここの掲示板を見ると、ここ最近は私が占有状態ですねぇ。 んにゃ、気にしないで下さい。 うちのようなサイトは、お客さん来るときは来るし、来ないときは来ないです。 書き込んで下さるかたがおられるのはヒジョーに有り難いです。 113 ホントだったら良かったのに かっしぃ E-Mail: 2001/04/01 20:28 男性 会社員 25歳 A型 北海道 >永一さん エイプリル・フールのニュース、うっかり信じちゃいましたよ。(^。^) 中国史好きにとっては、信じたくなってしまうような内容でしたね。 永一さんって結構茶目っ気のある方なんですね。 >僕は最近では梅原『ソリトンの悪魔』とか小野不由美のホラー(十二国記の外 >伝?)とかくらいですか?…全然歴史と関係ないですね。(--;) 歴史以外の本では… 最近は読まなくなりましたが、SFとかファンタジー系の小説は結構好きで、よく読んだりしますねぇ。 一昔前ならラブクラフトの『クトゥルー』とか富士見ファンタジアの小説群とか、最近なら森岡浩之の『星界の戦旗』とか、漫画とか。(^^ゞ もう少し固い本なら、加藤尚武の倫理学の本とか。 歴史の本では、2〜3年前から中国史以外にも興味を持つようになりまして、 サムエル・モリソンの『アメリカの歴史』を読んだり、今はギボンの『ローマ帝国衰亡史』を読んでます。 >いつの間にか「社会人みたいなもの」になってしまって、賃金働きの悲しい性 >で、なかなか小説のために夜更かしできなくなります。 週末もなんやかんやで瑣末な用事に時間取られたりして、時間取れないですよねぇ。 『衰亡史』は全十巻中、一年近くかけてようやく九巻の途中まで辿りつきました。 永一さんって、中国史以外の本は読むことありますか? >歴史小説・時代小説 どちらも『小説』である以上は、ある程度創作が混ざるものではないかなと思います。 そうじゃないと娯楽にならないですし、突き詰めれば歴史専門書と変わらなくなってしまいますし。 要は創作をどの程度混ぜるのかが境界線になるのでしょうけど、程度の問題ならハッキリした区分けは出来ないでしょうね。 私が愁えるのは、小説家の創作によって歪められた歴史知識が世に広まってしまう事なのですが、 この辺は後書きとかで作者がフォローしてくれないかなぁと思います。 でも、歴史・時代小説を読む人達にはまず歴史そのものを楽しんで欲しいですし、 それなら自分が知っているからと言って、訳知り顔で重箱の隅を突付くこともないかなとも思います。 …今までうるさいくらいにこの事を突付いてきましたが、このくらいにしようと思います。 私のいいかげんな部分は、 「面白ければどっちでもいい」 と言い始めてますし。(^^ゞ さて、それにしても改めてここの掲示板を見ると、ここ最近は私が占有状態ですねぇ。 他の方が書き込みにくくしていたら申し訳無いです。 112 ネタといえば今日は NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/04/01 10:20 男性 27歳 B型 愛媛県 管理人です。 さきほどHPの表紙をエイプリル・フール用に変えました。 本日(4/1)来られたかたは、騙される前にビックリなさるんじゃないかと 思います。われながら邪道です。もっと自然なウソはつけないものでしょうか。 >かっしぃさま いつの間にか「社会人みたいなもの」になってしまって、賃金働きの悲しい性 で、なかなか小説のために夜更かしできなくなります。 僕は最近では梅原『ソリトンの悪魔』とか小野不由美のホラー(十二国記の外 伝?)とかくらいですか?…全然歴史と関係ないですね。(--;) 職場で不正規な睡眠を取るようではいけませんな。(--;; >歴史小説=史実の叙述的な小説 >時代小説=その時代を舞台としたフィクション性の高い小説 うーん、そこらはむかし僕の研究テーマ(笑)だったんですが、 その定義が本当に正しいのかは謎です。 時代小説のほうがフィクション性が高いのは本当ですが…。 歴史小説を「史実の叙述的な小説」と定義してしまっていいのか? 歴史小説は史実そのままを写生しなくてはならないのか? フィクション的要素、虚構的要素は許されないのか? って問題があります。 前もちらっと言ったような気がしますが、 この問題については、森鴎外が「歴史其儘と歴史離れ」という文章で歴史小説 家としての葛藤問題として提起しています。 1960年代には大岡昇平と井上靖がこの問題をめぐって文壇で喧嘩してたり します。(^^) もしかしたら、史実そのままを写生する小説というのは、歴史小説のカテゴリ ーの中の「実録」ものという煩瑣な言葉でしか表せないのかもしれません。 実際、司馬遼太郎さんでも陳舜臣さんでも宮城谷昌光さんでも小説の中に創作 入れてますし。そうなると、いわゆる時代もののカテゴリーと厳密に分けられ るのかな?と疑問に思ってたりします。 まあ、どーでもいいことといえばどうでもいいことなんですけど。 僕も時代ものより歴史もののほうをよく読みますし、やはり歴史ものが好きで すね。 >「柳に雪折れ無し」を体現してると言うか、「処世の達人」と言うべきか。 謝安はもともと老荘系の考えの持ち主で、四十くらいまで田舎に引きこもって たような人なので、あまりかたくなな理念とか人生観を持っていなかったんだ と思うんです。でも、六朝の老荘系清談指導者って、政務においてはものの役 に立たない人が多かったんですが、謝安は違いましたね。 まあ実務家とは言えないでしょうが、人回しがすごくうまかったんだろうなと。 「下駄の歯折った」事件は、なんかやたら見栄っ張りで子供っぽいところが憎 めなくていいなあと。 >あと個人的には桓温が気になりましたね。 これは僕も気になりますね。 いろいろ本見ましたが、簒奪を企んでなかったって論はどうもないみたいです ね。 歴史上よくいるタイプの野心家ではあるんでしょうけど、簒奪に成功して新た な王朝を開いてもおかしくない風格と実力を持っていたように思います。さり ながら親子二代にわたって簒奪の夢は挫折してしまうわけで。 彼になにが足りなかったのか?ですね。 111 またネタ振り かっしぃ E-Mail: 2001/03/30 18:42 男性 会社員 25歳 A型 北海道 >永一さん >『柳絮』は読んでます。女流詩人の謝道ウンが主人公の話ですね。 >涼やかな文体ですが、時代のうつろいの激しさをよく描いてます。 >蘭亭の会、桓温の僭上、符堅の南征、そして陳郡謝氏の衰退…。 『柳絮』は結局一晩で読み切ってしまいました。 つい夜更かしして次の日会社に遅刻しそうになりましたよ。 この前高崎真哉さんのサイトを覗いて、 歴史小説=史実の叙述的な小説 時代小説=その時代を舞台としたフィクション性の高い小説 というジャンル分けがあると初めて知りまして。 個人的には『柳絮』は歴史小説かなと思うんですよ。 以前書込んだ小説云々を蒸し返すつもりじゃないですけど、自分は歴史小説が好きだったんだなぁと改めて思った次第で。 で、何が良かったといって、『十八史略』の抄訳や陳氏の『中国の歴史』を読んでいたので この時代の歴史や人物はほとんど知ってはいたんですけど、『柳絮』のおかげでこの時代の 雰囲気が掴めたし、自分の知識に血が通ったというか、この時代の人物達が急に魅力的に思えてきました。 このあとまた専門書を読めば随分理解を深められそうで、いや〜いい小説だわと思った次第。 >僕はキャラとして下駄の歯折ったのを気づかない謝安が好きです。 いいですよねぇ、この人。実に自然体で。 「柳に雪折れ無し」を体現してると言うか、「処世の達人」と言うべきか。 国政を司りながらその生を全うし、尚且つその死後に遺族も粛正されなかった人って中々少ないですよね。 隠れた(私が無知なだけ?)名相だと思いましたね。 あと個人的には桓温が気になりましたね。 僭上をどこまで本気で考えていたか、追ってみたくなりました。 皇室・司馬氏が軟弱だから、「それなら俺が」という自負があったような気もします。 結構小説にしやすい人だと思うんですけど、本出てないんですかねぇ。 >コロ助さん >太宗・李世民の小説 >李靖が出てこない〜 情報ありがとうございます。そうですか、李靖が出てきませんか。 まるで徐達が出てこない朱元[王章]の伝記みたいだ。(笑) この間教えて頂いた『隋唐帝国』(講談社学術文庫)を買ってきて読み始めましたので、 こちらはパスする事にしましょう。 あと『貞観政要の政治学』は、『貞観政要』の日本語訳持ってるんでパスしようかと思ってたんですけど、内容は全然違うんでしょうか? ご存知でしたら教えて頂きたいです。 110 ネタ尽きぬ NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/22 23:54 男性 27歳 B型 愛媛県 永一(管理人)です。 隋末唐初だけで語るには、個人的にはネタが尽きてきました。 やはり専門で勉強されてるコロ助さんにはかなわないなあ。 汗顔のいたり…は僕もです。だらしない管理人で〜。 これ以上喋ると飛ばし100%になりそうです。(^^;) そういえば、本屋に行ったら幻冬舎文庫から太宗・李世民を扱った小説が出てました。 少しく迷ったんですが、いま金欠のため取りあえず断念しました。 もし読まれてるかたおられたら、感想いただけないでしょうか。 109 なるほど かっしぃ E-Mail: 2001/03/18 06:32 男性 会社員 25歳 A型 北海道 >永一さん・コロ助さん >天策上将 完全に私の勘違いでした。汗顔の至りです。 いったいどこで取り違えたのやら、早くも馬脚を現してますな。(^^ゞ >実はその対応で国論が高祖の強硬路線、李世民が推進する突厥分裂 >路線(反間の計を用いて突厥を分裂させる)、で割れており、李世民が >玄武門の変を起こしたのは、突厥の侵略に対抗するためであるという説があります。 なるほど、そういう経緯もあったんですか。 もし本当だったら、太宗のほうが現実的な政策に見えますね。 >高祖は何度か太子を廃して、世民を立てようとしています。 ><中略> >どちらを後継者に据えるか、優柔不断となるのは解るのですが…。 高祖の優柔不断は本当だったのですか。 少なくとも態度が曖昧だったのは確かなようですね。 それでは火に油を注ぐようなもの、行きつくとこまで行ってしまうのも仕方ありませんね。 >布目潮ふう(さんずい+風)氏が『隋唐史研究』という研究書にまとめています。 ありがとうございます、早速探して読んでみようと思います。 どうも私が目にした学説とかは両極端なのが多いようなので、もう少し勉強しておきますね。 >前は書きませんでしたが、農耕は非征服民が主に従事したらしいです。 あ、やっぱりそうですか。 民族に係わらず、やっぱり遊牧民は遊牧以外の生産的な仕事はしないんでしょうかねぇ。 そういうプライドが遊牧民にはあるんだよと、司馬遼太郎さんが言ってたのを読んだ記憶があります。 素人考えですが、その辺を柔軟に受け入れて何でもやるようになったのがツングース系なのかなと思ったりします。 もっともツングース系が住んでいる所が実り豊かな土地だから自然とそうなったのかもしれませんが。 >あと突厥はテュルクの音訳で、テュルク=トルコです。 唐朝に破られた突厥の一派が西へ行き、セルジューク=トルコになったんじゃなかったかと記憶していたので、 なんとなく聞いてしまいました。うんうん、なるほど。それで、 >『アルスラーン』に出てくるチュルクは、突厥がモデルですよね というわけですな。 108 太原挙兵・玄武門の変あたり NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/18 00:35 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま、コロ助さま ようやく太原挙兵・玄武門の変あたりの記述をいろいろな本で 見直してみたところです。 >太原挙兵 同じ陳舜臣さん著でも 『小説十八史略(五)』では、李世民首謀 『中国の歴史(四)』では、李淵首謀 をそれぞれ採ってますね。 『大唐創業起居注』も『中国の歴史(四)』では紹介されてます。 まあ前者は『十八史略』をもとにした小説ですから、後者が陳さ んの説なんでしょう。 一般向け概説書では、 外山軍治『中国文明の歴史5隋唐世界帝国』では李世民首謀。 布目潮フウ・栗原益男『隋唐帝国』では、李淵首謀ですね。 これも元本の出版が、外山1967年、布目・栗原1974年で すから、後者のほうが新しい説なんでしょうか? まあ正史はいくら重要でも後世に編纂された二次史料ですし、実 録もあとの編纂といえばそうですよね。起居注も撰者の手にかか っているなら一次史料そのものとは言えないんでしょうが、原史 料に近いという考証的裏付けがあるのなら、こちらを信用すべき なんでしょうね。 意見があっさり変わる自分。p(--;) >李建成 >関中の防衛をまかされていますし、きちんと突厥を牽制する役割を果たしてますし、 >何度か突厥を討ち破っています。 派手なところを弟に取られただけで、充分有能だと僕は思うんで すよ。兄弟のどちらが上ってなると比べようがないんですが。 >「建成の性は温厚である。」 『新唐書』見てると、「建成は驕慢で、士をあわれまない」とか 「投降した賊の耳を切った」とかひどい書きようですね。 そういうのを見てると貶められてるんだなあと思います。 >李世民 >太宗が有能だったのは疑う余地は無いですけど、歴史上の名声を貪ろうとした彼の >人格は私は好きになれません。 兄弟殺しも歴史の改竄も許せないといえば許せないし、 好きかと聞かれれば好きになれそうはない人ではあるんですが、 太宗は太宗として最善を尽くしたのかなあという気はしてます。 「仕方がなかった」という言葉は僕は嫌いですが、与えられた状 況で動いたら兄弟殺してたし、自分の権威を正当化せざるをえな かったんだろうなと。 ちなみに宇宙大将軍は南朝梁の侯景ですね。時代ちがいます。 >遊牧民 >突厥はトルコ系と聞いた気もするのですが。 『アルスラーン』に出てくるチュルクは、突厥がモデルですよね って、これは脱線。 >明代に限って言えば直接やってましたよね。『馬市』があったはずです。 そういや馬交易がありましたよね。これは歴代の遊牧民ほとんど やってるはずです。モンゴル系とか関係なく。 >魏徴 >彼が世に現した行動・功績はいかにも士大夫的な、文官的なものですけど、そうい >う風に行動した動機は太宗にその能力を認められたからという、武侠的なノリに思 >えるのですよ。 『唐詩選』巻頭を飾ってるかれの「述懐」を見てると、たしかに 勇ましいですね。 「筆を投じて戎軒を事とす」 「纓を請うて南越を繋ぎ/軾に憑りて東藩を下さん」 無私至誠をこととする武人のノリですね。なるほど。 107 李世民と李建成 コロ助 E-Mail: 2001/03/16 20:14 男性 学生 22歳 A型 東京都 >永一さん、かっしぃさん >李世民の強諫によって李淵を起兵させた 高祖が挙兵の首謀者とする史料は『大唐創業起居注』という 史料です。唐朝創業の功臣、温大雅の撰です。 >太宗が有能だったのは疑う余地は無いですけど、 >歴史上の名声を貪ろうとした彼の人格は私は好きになれません。 >宇宙大将軍 李世民がついた官職は天策上将というものです。 位は王侯の上にありという官ですが、実職の無い 名誉職です。でも、李世民はこの官がお気に入り で、幕僚の唐倹と狩りを楽しんだ際に、「見よ、天策長史(唐倹)、 上将が獲物を仕留めたぞ!」と得意げに言ったという話が 残っています。素顔の太宗が以外に子供っぽくて、けっこう 好きなエピソードです。(^^) まあこの後、唐倹に、狩りにうつつを抜かすなと と諌められていますが。 太宗は正史では、名君の型にはめられて書かれますが、 その一方で、奥さんの長孫皇后を亡くして悲嘆にくれたり 後継者問題で、発作的に自殺をはかったり、 意外と感情豊かな人なんだなぁと思います。 太宗は玄武門の変で兄弟を殺しますが、利己的な野心だけで 簒奪を謀ったかというとそうではありません。 当時、突厥の猛威に唐朝がさらされていたのは、以前に書きました が、実はその対応で国論が高祖の強硬路線、李世民が推進する突厥分裂 路線(反間の計を用いて突厥を分裂させる)、で割れており、李世民が 玄武門の変を起こしたのは、突厥の侵略に対抗するためであるという 説があります。つまり、李世民は国家を守る使命から兄弟殺しをやってのけた という側面もあるのです。まぁ野心もあったでしょうが。名声だけを追い求めた という人ではないと思います。 >太宗が兄弟を殺した後の高祖の悲しみを考えれば、 >余計やるせない思いに駆られます >太宗を宥め、皇太子を変えようとしなかった事は、 >李建成が有能でしかも太宗がそれ以上に有 >能だった事を証明していると思います。 うーん、それはちょっと陳氏の事実誤認かな。 高祖は何度か太子を廃して、世民を立てようとしています。 この記述自体こそ、史書の曲筆ととれなくもないのですが、 建成は廃されるのを恐れて一度反乱をおこしていますし…。 でも高祖が建成を太子位から引きずりおろす事を躊躇したのは 事実です。しかし、その一方で李世民に太子の位を与えると約束 したりする。まぁ、高祖としては、二人とも可愛い息子ですから どちらを後継者に据えるか、優柔不断となるのは解るのですが…。 高祖にもあの悲劇に責任は無いかというと、私はあると思います。 >皇太子」李建成のほうが李世民より軍事的には有能だったとかいう説は聞 >いたことありましたが…。 李建成は有能である。とまで、歴史学では言い切れませんが、 決して無能ではなかった思います。唐が王世充、竇建徳討伐に に兵力の大部分を投入している間、関中の防衛をまかされて いますし、きちんと突厥を牽制する役割を果たしてますし、 何度か突厥を討ち破っています。 善事を太宗に、悪事を高祖、建成、元吉に帰すように書かれた 『太宗実録』ですら「建成の性は温厚である。」と評してるので 人望はあったと思います。魏徴も誠心誠意、建成に尽くしているし 馮立という建成の部将は、玄武門で建成が討たれると、兵を率いて 太宗の部将を討ち、「太子の恩に報いる事ができた!」と忠義の ほどを示しています。 >農耕は、略奪した時連れてきた農民に「やらせてた」んじゃないのかなぁ。 鋭い!前は書きませんでしたが、農耕は非征服民が主に従事したらしいです。 あと突厥はテュルクの音訳で、テュルク=トルコです。 「玄武門の変」をめぐる史書の曲筆については、 我が国では布目潮ふう(さんずい+風)氏が『隋唐史研究』 という研究書にまとめています。これは専門書ですので 一般の方には少し難しい上に入手困難ですが、 同氏著の『隋唐帝国』(講談社学術文庫)、『貞観政要の政治学』 という概説書に、そのエッセンスは書かれています。興味あれば 一読されるといいと思います。(^^) 106 諸事雑感 かっしぃ E-Mail: 2001/03/16 12:04 男性 会社員 24歳 A型 北海道 >永一さん・コロ助さんへ >李世民の強諫によって李淵を起兵させた 太原決起の時の李世民といえば十代前半だったはずですしね。 ホントに「神童」だったのかもしれませんけど、彼の国史改竄工作がハッキリしている以上、 無理のありすぎる話は疑ってかかるべきだと思います。特に、 >太宗が単騎で頡利可汗を退けるという出来すぎた話 なんて、お粗末すぎて失笑してしまいます。 太宗が有能だったのは疑う余地は無いですけど、歴史上の名声を貪ろうとした彼の人格は私は好きになれません。 ただ、彼が長男だったら余計な波風たたずに済んだかもしれません。 生まれてくる順番が李家の不幸を呼んでしまったと考えれば、同情の余地はあると思うんですよ。 太宗が兄弟を殺した後の高祖の悲しみを考えれば、余計やるせない思いに駆られます。 また陳舜臣氏の考察を引きますけど、李建成の存命中に高祖が太宗に宇宙大将軍(だったっけ?)なんて苦しい官職を与えて 太宗を宥め、皇太子を変えようとしなかった事は、李建成が有能でしかも太宗がそれ以上に有能だった事を証明していると思います。 >色々な研究で突厥が農耕をしていたという事が明らかにされていますが、 あ、そうだったんですか? 遊牧民って絶対農耕をしない民族だと思ってました。 農耕は、略奪した時連れてきた農民に「やらせてた」んじゃないのかなぁ。 モンゴルなんかは自分では遊牧以外の仕事をせず、略奪先で農民や工人を連れてきて自分達の為に嗜好品とかを作らせてましたし。 でも、突厥とモンゴルでは比較できませんね。 そういえば突厥とモンゴルって人種が違うんでしょうか? 突厥はトルコ系と聞いた気もするのですが。 >突厥は、彼等を媒介にして東西交易をやっていたのでしょうか。 >モンゴル系は、それを庇護するだけで直接はたずさわらなかったのじゃないかという話も聞きますが。 明代に限って言えば直接やってましたよね。『馬市』があったはずです。もっとも実態は明主導の朝貢貿易ですけど。 その中身と言えば、モンゴル(この時はオイラートとかタタールとか)が馬とか羊とか、本来明が要らないものを持ってきて、 替わりに茶を始めとする生活必需品を貰っていくという具合で。 で、明の政治が乱れてモンゴルにくれてやるほど生産高に余裕が無くなると『馬市』を開くのを渋ったりして、 でもモンゴルにしてみれば生活必需品が手に入らなくなる訳で、それならと力ずくで奪いに来たり。 まぁ、こういうのは「交易」というにはちょっと無理がありますが。 >中国的な士大夫美学の結晶なんでしょうね。 うーん、私の主観ですけど、魏徴についてはちょっと違った印象を抱いているんですよ。 彼が世に現した行動・功績はいかにも士大夫的な、文官的なものですけど、そういう風に行動した動機は 太宗にその能力を認められたからという、武侠的なノリに思えるのですよ。 彼の詩の「意気に感ず」もそうだし、「士は己を知るものの為に死す」というかなんというか。 少なくとも、「宋台の士風」を体現した笵仲苑とか文天祥とはちょっと違うような気がするのです。 私の思い入れ、なんですけどね。 >日本の書店に注文すると、たとえば正史の『史記』だと9000円とか『三国志』だと5400円とか〜 教えて頂いて有り難うございます。なるほど、手が届く金額ですね。もっと高いかと思ってました。 時代が下る毎に高くなるのは、量が多くなるからでしょうか? だとすると、さすが陳寿。『三国志』は一番安いし。(笑) >なんかえらそーなこと言ってますが、タワ言です。話半分で聞いてやってください。 そんな、どうか気にしないで下さい。お互い在野の「なんちゃって歴史家(失礼!)」ですから。 私だって言ってる事の半分も正しいかどうか…。 実は書込んでる事が間違ってやしないか、戦々恐々だったりするんですよ。 別に学術論文各訳じゃないんですし、お互いもっと気楽にお話したいです。 自分の歴史知識をそのまま話して理解してもらえる人なんて、私の周りにいないですし。 これからも宜しくお願いしたいです。 105 そこまで改竄されてるんですか〜 NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/16 01:22 男性 27歳 B型 愛媛県 >例えば、太原起義の首謀者が太宗であったとか、高祖が無能であったとか >は、『太宗実録』系統の史料から出たので信に置けないと言われています。 うわあ、そんなことまで疑われているんですね。 「皇太子」李建成のほうが李世民より軍事的には有能だったとかいう説は聞 いたことありましたが…。 うちのHPの人物事典なんか堂々と李世民の強諫によって李淵を起兵させた って書いてますわ。p(--;) 104 国史の改竄 コロ助 E-Mail: 2001/03/13 22:42 男性 学生 22歳 A型 東京都 >永一様、かっしぃ様 >侵攻してきた突厥に太宗が財物を送ってようやくお引き取り願ったのだとか。 永一さんが言われる通り「渭水之恥」ですね。卒論で、一章さいてこれを書きました。 正史では、太宗が単騎で頡利可汗を退けるという出来すぎた話がのっていますね。 >正史でその辺の記述が無いのは、許敬宗が太宗の命令で『起居注』を改竄した >からだと陳氏が非難しておられます。 許敬宗が改竄したのは、正史に寄れば実録です。太宗は「玄武門の変」で 兄弟を殺したので、国史を改竄したと言われています。 例えば、太原起義の首謀者が太宗であったとか、高祖が無能であったとか は、『太宗実録』系統の史料から出たので信に置けないと言われています。 卒論では、「玄武門の変」をテーマにしたので、どこまで改竄されたのか 判断するのに、苦労しました。 >農耕民なら、寒波が来ても倉庫の穀物は駄目にならないですし。 >遊牧民の生業が不安定と言うのは、そういう事情だと思います。 それはありますね。色々な研究で突厥が農耕をしていたという 事が明らかにされていますが、 それはあくまで副業ですし、 それだけで部族は養えないでしょうしね。 >東西交易 私はモンゴルの方は詳しくないのですが、突厥の可汗庭に 康の字や石の字のつく人物が仕えていたりしますね。 彼等はサマルカンド方面からきたソグド人だと言われていますね。 突厥は、彼等を媒介にして東西交易をやっていたのでしょうか。 >陳氏と司馬氏の対談本 ありがとうございます。 陳氏と司馬氏の対談集は未読です。司馬さんはモンゴル語専攻 という話を聞いた事ありますし、学者とは違った視点で面白い かもしれませんね。 103 遊牧民とか NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/13 00:44 男性 27歳 B型 愛媛県 >コロ助さま >遊牧民て、農耕地帯を略奪する野蛮な側面もあれば、東西交易 >や絹馬貿易の担い手であるという側面を持つという二面性を >持ってたりしますよね。 トルコ系・ウイグル系・イラン系の人たちは東西交易をよくやりましたよね。 モンゴル系は、それを庇護するだけで直接はたずさわらなかったのじゃないか という話も聞きますが。 まあ、日本の海賊(水軍衆)なんかも略奪と交易を両方やってたりしますし…。 >この時の突厥衰亡の原因について言えば >天候の悪化による飢饉が、原因だという話を読んだ事があります。 なるほどね。このときはそうだったのかもしれませんね。 かっしいさんが挙げて下さった陳舜臣さんもそう言っておられますし。 逆に寒冷化した時期に遊牧民の活動(略奪)が激化したなんてケースも聞いた ことありますので、一般化できるかは分かりませんが。 >ニュースで、寒波が来て遊牧民の家畜が大打撃を受けた >というのがやってるのを見ると、遊牧という生業は、農耕と比べて >不安定なものなんだなぁと実感します。 昨年末から今年頭はまさにそれでしたね。大雪で国連のヘリも落ちたりしまし たし。日本も今年頭になってから寒かったこと寒かったこと。まだ寒い〜。 僕も遊牧はたいへんだと思います。 農耕民は不作でも政治さえ良ければ、政策調整が利きますからねえ。 >かっしぃさま >陳舜臣氏の『中国の歴史(四)』をあらためて見直してみると、突厥は太宗の初年まで威勢を >振るっていたようで、まるで漢の高祖が匈奴に悩まされたことを彷彿とさせます。 文庫をパラパラとめくってみました。 「貞観の実像」 すっかり内容が頭から飛んでましたね。いやあスカ頭の面目躍如で。 「渭水の恥」なんて話すら忘れてました。p(--;) >私は魏徴が好きです。好きと言うか「憧れ」ですかね。 中国的な士大夫美学の結晶なんでしょうね。 我が身を顧みず主君のために諫言するというような。 魏徴が理想派で李勣が現実派というような分けかたをすると、また二項対立 的でウソなんでしょうけど、その実直さ純粋さにはこんな生き方もいいなあ と感じ入りますね。 >陳舜臣氏と司馬遼太郎氏の対談をまとめた本『対談 中国を考える』と言うのがあります。 >かなり古いものなんですけど、農耕民と遊牧民の違いとか、対立の実態とかを考察してる部分 >もあります。 なんか読んだことあるような気がして本棚の奧を探したら埃かぶったのが出 てきました。文春文庫ですね。260円とかいう定価がついてますな。(^^) 内容は当然頭から抜けてたんですが、モンゴル系は遊牧だけだけど、ツング ース系は人参栽培や豚飼いもやっていて…というあたりのほうが農耕民vs遊 牧民より面白いと感じました。 >>中華書局とかの校点本などを眺めていることはたまにあります。 > >ああいう本っていくら位するんですか? まあ、日本の書店に注文すると、たとえば正史の『史記』だと9000円とか 『三国志』だと5400円とか、『漢書』『後漢書』だと12000円、『旧唐書』 『新唐書』なんか18000円くらい、『宋史』なんか30000円越えたりとか。 中国で直接買うか、直輸入するとかなり安いというか全然違うらしいです。 ちなみにネット上のオンライン書店「書虫」 http://www.frelax.com/sc/index.html は、日本の中国書店では比較的安いです。 別にそこの回し者じゃないので、いろいろ探してもらったらと思いますが。 >儒家だけじゃなく殷代の呪術まで遡っているように思えます。 後世の人為的・合理的儒教は周公旦を聖人化して、怪力乱神の跋扈する殷代 以前を軽視する傾向にありますけど、オカルティズムということでいえば源 流は殷代ということになるのでしょうね。青銅器の饕餮(とうてつ)紋や甲 骨による占いとか、また神権政治といえば殷代ということで、発掘的に裏付 けられていますし。 さらに遡って夏(あるのかしらん)となると途端に文字と青銅器が出なくな るので、実証のしようがないということですか。 ただそうした殷源流のオカルティズムが、果たして三国時代あたりでどこま で残っていたかは、疑問ですが。そういうオカルティズムを基本から排した 礼教というのが、孔子の「儒」のはずですし。 なんかえらそーなこと言ってますが、タワ言です。話半分で聞いてやってく ださい。 102 突厥 かっしぃ E-Mail: 2001/03/12 11:02 男性 会社員 24歳 A型 北海道 >永一さん・コロ助さんへ >正史の入朝という表現は、武徳間における、突厥の使者の横暴ぶりからして的確な表現とは >言えないのではないでしょうか。そも、入朝と言う表現は中華思想に基づく建て前的な表現で >世界帝国を築き上げた太宗〜高宗朝の時代ならいざ知らず、突厥の入寇に絶えず悩まされたていた高祖朝では、当てはまらない表現であると私は思います。 陳舜臣氏の『中国の歴史(四)』をあらためて見直してみると、突厥は太宗の初年まで威勢を振るっていたようで、まるで漢の高祖が匈奴に悩まされたことを彷彿とさせます。 侵攻してきた突厥に太宗が財物を送ってようやくお引き取り願ったのだとか。 正史でその辺の記述が無いのは、許敬宗が太宗の命令で『起居注』を改竄したからだと陳氏が非難しておられます。 もっとも、それから僅か三年後に李靖の遠征で突厥を散々に打ち破る当たりが唐朝の底力、引いては太宗の名君たる所以でしょうか。 >これなら、『隋唐演義』の翻訳にこだわらず、田中芳樹全編オリジナル長編で、隋唐の時代を >描いてくれたなら、良かったのにと感じたものです。 これは同感ですね。翻訳するだけなら彼じゃなくても出来るのに。 それともとりあえずオリジナルを翻訳しておいて、『田中版隋唐演義』を執筆予定とか? はて、何十年先であろうか(笑)。 >あと、好きな人物がいないのは、あくまで『隋唐演義』の話であって、隋唐時代では李勣が、一番すきです。私は韜晦の術に長けた食わせ者(?) が大好きなのです。(^^) 私は魏徴が好きです。好きと言うか「憧れ」ですかね。 彼の魅力は『唐詩選』の巻頭を飾る『述懐』に集約されると思います。 結びの句の「人生意気に感ず 功名誰かまた論ぜんや」にシビレました。 彼のように毅然と、首尾一貫した人生でありたいと思いますが…、やっぱり憧れなんですね、 共感を呼ぶというか、親しみを感じるのは李勣の方だったりします。 自分が同じ立場ならこうするだろうなと。 >たまに、ニュースで、寒波が来て遊牧民の家畜が大打撃を受けた >というのがやってるのを見ると、遊牧という生業は、農耕と比べて >不安定なものなんだなぁと実感します。 遊牧民にとって食糧の備蓄は生きている家畜そのものですからね。 一年くらい前にもモンゴルで寒波が発生し、家畜が全滅して飢餓状態になったとか。 農耕民なら、寒波が来ても倉庫の穀物は駄目にならないですし。 遊牧民の生業が不安定と言うのは、そういう事情だと思います。 >少し話がずれるかもしれませんが、自分の中で遊牧民の定義 >が、かなりあやふやです。 大学で勉強なさっているコロ助さんにお勧めする自信はありませんが、 陳舜臣氏と司馬遼太郎氏の対談をまとめた本『対談 中国を考える』と言うのがあります。 かなり古いものなんですけど、農耕民と遊牧民の違いとか、対立の実態とかを考察してる部分もあります。 司馬さんは遊牧民族に憧れを抱いた方のようで、独特の考えが面白いです。結構実も蓋も無いこと言ってますけどね。 薄い文庫なので、一度読んでみてはいかがでしょうか。もう読んでるかもしれませんが。 >中華書局とかの校点本などを眺めていることはたまにあります。 ああいう本っていくら位するんですか? わたしも読めもしないくせに欲しかったりするんですよ。 眺めているうちに読めるようになるかななんて思ったりして。 >大西巷一『女[女咼]−JOKER』ですね。 >連載はチェックしてませんが、単行本の1巻持ってます。 ぬぬ、やるなおぬし(^^ゞ 先週2巻が出てたんで立ち読みしましたけど、儒家だけじゃなく殷代の呪術まで遡っているように思えます。 無理に三国志の舞台でやらなくてもよかったのにと思うんですけど、そうじゃないと売れないんだろうなぁ。 >「儒」というものを後世の人為的礼教としてではなく、 >もっと原初的でオカルティックな「巫儒」として捉えてますね。 >酒見賢一さんの『陋巷に在り』なんかと同じ系統の話ですか。 あ、あの本ってそういう系統なんですか? それは是非読んでみたくなりました。 101 遊牧民て? コロ助 E-Mail: 2001/03/11 22:12 男性 学生 22歳 A型 東京都 >永一様 >遊牧民族の消長は意外と分かりにくいですね。 勉強不足なだけ? いやいや、そんな事ないです。私もよく解りません。 少し話がずれるかもしれませんが、自分の中で遊牧民の定義 が、かなりあやふやです。概説書や辞典引いても、なんか 頭の中で、整理できないんでだよなぁ。 遊牧民て、農耕地帯を略奪する野蛮な側面もあれば、東西交易 や絹馬貿易の担い手であるという側面を持つという二面性を 持ってたりしますよね。奥深い研究対象だなぁと考えてしまい ます。 話を元にもどしますが、この時の突厥衰亡の原因について言えば 天候の悪化による飢饉が、原因だという話を読んだ事があります。 たまに、ニュースで、寒波が来て遊牧民の家畜が大打撃を受けた というのがやってるのを見ると、遊牧という生業は、農耕と比べて 不安定なものなんだなぁと実感します。それにしても、あれほどの 大帝国を崩壊させてしまう…。自然とは恐ろしいものです。 この前、李勣の話を書きましたが、韜晦と言えば、漢の陳平がいたなぁ と思い出しました。彼は自分の身だけでなく、国家をも救ったわけです から、まさしくキングオブ韜晦(?)ですな。 100 いやいや NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/10 22:09 男性 27歳 B型 愛媛県 >お返事を書くのを遅れてしまいました。 気にしないで下さい。ネットはマイペースで、が鉄則です。 だいたい管理人がいちばん遅いですから。 >これなら、『隋唐演義』の翻訳にこだわらず、田中芳樹全編オリジナル長編で、隋唐の時代を >描いてくれたなら、良かったのにと感じたものです。 そうですよね。 『風よ万里を翔けよ』なんかすごく良かったのに。(T_T) >あと、好きな人物がいないのは、あくまで『隋唐演義』の話であって、隋唐時代では李勣が、 >一番すきです。私は韜晦の術に長けた食わせ者(?) が大好きなのです。(^^) 「これ陛下の家事なり」の一言で武后時代を築いてしまったような 感がありますよね。彼一流の保身だったんでしょうけど。 (いやこれ、けなしているんじゃありません。僕も彼は好きですよ) >李淵が、突厥可汗に臣礼をとった事は、学界では、通説に近い扱いを受けています。論拠とし >ては、李淵が 突厥に書簡を送る際に、「李淵啓す、云々。」と書いた事、その事実を後に李世 >民が、「太上皇は、突厥に臣を称した。」と述懐している事等が挙げられます。 なるほど、そのころの突厥は強かったんですねえ。 そういや、煬帝が雁門で突厥に囲まれたりしてますな。 それが二、三十年のうちに李靖にいったん滅ぼされるまでにいたる わけですか。 遊牧民族の消長は意外と分かりにくいですね。 勉強不足なだけ? >私の場合、卒論で必要なので、『新旧唐書』と『隋書』を半ば義務感で買いましたが、 >流石です。いつか、『通鑑』や『冊府元亀』を手に入れたいのですが、まだまだ先の >話になりそうです。 いや、僕もそんなに持ってません。『新唐書』と『資治通鑑』はあり ますけど。読めない(読まない)本を高い金出してなぜ買うのかが、 我ながら謎ですが。 >せめて一年に一冊のペースで出版してほしいなぁ >無理か…。 『アルスラーン』を7年リアルタイムで待った人間のひとりとしてと しては、無理でしょというしかないです。期待せずに待つのみ。 99 お返事おくれて、すみません コロ助 E-Mail: 2001/03/06 20:16 男性 学生 22歳 A型 東京都 >永一様、かっしぃ様 ここ一週間、スキー旅行に行ったり、急ぎ書かねばならない 書類があったので、お返事を書くのを遅れてしまいました。 すみません。 >永一様 >うーん、僕は李密とか張須陀とかがなんとなく好きなんですけど。 >(屈折した人とか、逆に不器用なほどまっすぐな人が僕は好きです) >よく考えてみれば『隋唐』のせいじゃなくて田中さんのせいだった >ような気もします。 私の説明不足でしたか。私が申した『隋唐演義』は、田中版のではなく、あくまで原典としての『隋唐演義』で、それが羅貫中の『三国志演義』と比べて、とても名作とは言えなかったと言いたかったのです。故に田中『隋唐』を批判するつもりはありません。ほんと、私の言葉足らずでした。m(  )m 私は『隋唐』を読んだのは四年前でしたが、読了した時、田中芳樹の一ファンとして これなら、『隋唐演義』の翻訳にこだわらず、田中芳樹全編オリジナル長編で、隋唐の時代を描いてくれたなら、良かったのにと感じたものです。そして原典が足枷になって、田中作品の売りである(私がそう思い込んでいる)群像劇が、あまり描かれなかったと残念に思いました。 あと、好きな人物がいないのは、あくまで『隋唐演義』の話であって、隋唐時代では李勣が、一番すきです。私は韜晦の術に長けた食わせ者(?) が大好きなのです。(^^) >なるほど、突厥は始畢可汗のころですか。 >唐もそうだったんですか。 >なんかいかにも可汗側の使者が唐に入朝したぞというような記 >事が見えますが。 李淵が、突厥可汗に臣礼をとった事は、学界では、通説に近い扱いを受けています。論拠としては、李淵が 突厥に書簡を送る際に、「李淵啓す、云々。」と書いた事、その事実を後に李世民が、「太上皇は、突厥に臣を称した。」と述懐している事等が挙げられます。 正史の入朝という表現は、武徳間における、突厥の使者の横暴ぶりからして的確な表現とは 言えないのではないでしょうか。そも、入朝と言う表現は中華思想に基づく建て前的な表現で 世界帝国を築き上げた太宗〜高宗朝の時代ならいざ知らず、突厥の入寇に絶えず悩まされたていた高祖朝では、当てはまらない表現であると私は思います。 >中華書局とかの校点本などを眺めていることはたまにあります。 すごいですね。購入されたのですか。東洋史専攻でも、なかなか買いませんよ。 私の場合、卒論で必要なので、『新旧唐書』と『隋書』を半ば義務感で買いましたが、 流石です。いつか、『通鑑』や『冊府元亀』を手に入れたいのですが、まだまだ先の 話になりそうです。 >かっしぃ様 >私も大学でちゃんと学問した訳じゃないんで、原史料はとても読めないです。 >『中国思想シリーズ』とかみたいに原文と読下し文と訳文を併記している本で眺めて、 >「ふ〜ん、こういう風に読むんだ〜」と思うくらいです。 >読めるようにはなりたいんですけどね、羨ましい…。 いえいえ、読めるといっても、辞書を引き引きですが…。(^^) 史学科に入ると、そればっか、やらされるので、いやでも、ある程度まで読める ようになってしまうのです。でも、完璧というには程遠いです。 卒論で何ヶ所か、漢文の読みを直されました。 >「せめて『創竜伝』と『アルスラーン』だけは終わらせてくれ」というのが >私の要望ですかね。 同感ですね。『創竜伝』の方は未読なので、なんともいえませんが『アルスラーン』 の方は、早く続きが読みたいです。せめて一年に一冊のペースで出版してほしいなぁ 無理か…。 98 田中芳樹は…… NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/06 20:06 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >「茶王一代記」は知りませんでした。 五代十国の楚の馬殷の話なんですが、実に田中さんらしい小品です。 茶をたらふく飲むために一国を建てた男の話ですね。 ちょっと困った人、ちょっと変わったこだわりを持つ人を書かせると一品 ですな、まったく。 >もう他のはいいから、「せめて『創竜伝』と『アルスラーン』だけは終わらせてくれ」という >のが私の要望ですかね。 うーん、続けるのはいいけど、話としてどんどん壊れていくんじゃないか という危惧が湧くんですが。『創竜伝』はすでに壊れてますし。『アルス ラーン』は第二部になって今イチ敵方が弱いよなと。 あの人、巻つづきの長編でまともに終わらせたの『銀英伝』しかないんじ ゃないでしょうか?いちおう完結した『マヴァール』とかも壊れてました し。 まあ、ここ五、六年というもの、期待しないで待つことに慣れてしまいま したね。 >女[女咼]と言えば月刊漫画雑誌「アフタヌーン」にそのもののタイトルで連載されてる漫画が >ありました。 大西巷一『女[女咼]−JOKER』ですね。 連載はチェックしてませんが、単行本の1巻持ってます。 諸葛亮が劉備に仕える前に死んでしまうってのがスゴイ話ですねえ。(^^) 「儒」というものを後世の人為的礼教としてではなく、 もっと原初的でオカルティックな「巫儒」として捉えてますね。 酒見賢一さんの『陋巷に在り』なんかと同じ系統の話ですか。 97 田中芳樹 かっしぃ E-Mail: 2001/03/05 11:24 男性 会社員 24歳 A型 北海道 >永一さんへ >歴史もの全部ということは、徳間『チャイナドリーム』収録の短編やら >講談社『異色中国短編傑作大全』収録の「茶王一代記」なんかも全部チ >ェック済みですか?(^^) 「全部」は勇み足でしたね。 『チャイナドリーム』は立ち読みしてますけど、「茶王一代記」は知りませんでした。 あと『運命』の改作もあるのは知ってましたけど、読んでません。 ま、単独で出してる長編が全部ってことで。 ちなみに文天祥が出てくるのは『海嘯』ですな。 文天祥は好きな人物なんで、結構面白く読めました。 >『創竜伝』『アルスラーン』はまだしも、『タイタニア』『地球儀』『灼 >熱の竜騎兵』とかどうなってんでしょうね。遅筆作家のくせに手を広げす >ぎなんですよ、あの人は…。僕はだいぶ前から見捨ててます。 他にも『夏の魔術』シリーズもありますよ(笑)。あと最近では警視庁ものも書いてましたね。 どうもあのひとの言動見てると、10年くらい前のSFやファンタジー系の小説はそのまま闇に葬られるような気が…。 私も「もう田中芳樹には期待しねぇ」とか言ってますが、書店で彼の名前が入った新刊を見つけると ついつい気になって手に取ってしまうんですよ。(大抵は再刊もので、失望させられますが) もう他のはいいから、「せめて『創竜伝』と『アルスラーン』だけは終わらせてくれ」というのが 私の要望ですかね。 さて、余談ですが 女[女咼]と言えば月刊漫画雑誌「アフタヌーン」にそのもののタイトルで連載されてる漫画がありました。 最初見た時は「おやおや、またイロモノ三国志ですか?」と苦笑したものですが、 中国の神話のネタが良く出てきます。 「漫画」という解りやすいメディアと「三国志」というメジャーな舞台から中国の神話を 紹介しようとしているなら、応援したい漫画だなぁと思いましたね。 実際中国の神話というのは、儒教の「君子、怪力乱神を語らず(でしたっけ?)」の方針で 黙殺された部分が多いようでもったいないです。 その辺を掘り起こした聞一多の研究書(タイトル忘れた)なんかも読みたいものです。 確か東洋文庫で見た事ありますし。 …それにしても、「読みたい」と思う本は星の数ほどあるのに時間は無いといった具合で、 一日五十時間くらい欲しいですね。 96 お役に立てたなら NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/03/03 23:48 男性 27歳 B型 愛媛県 >山本明さま お役に立てたなら幸いです。 うちは(まだ/ようやく)中国史中堅サイトかな?というかんじです。 もっと深いところや老舗もありますので、ネットでも中国史を楽しんで いってください。 また機会があったら寄ってくださいね。 95 ありがとうございます 山本明 2001/03/01 09:38 26歳 B型 大分県 *NAGAICHI naoto様 ありがとうございました。 まさか中国史siteに巡り会えるとは思っても見なかったのでとても嬉しいです。 学生の頃は白文を読むのに精一杯で中国史自体を楽しむ余裕など無かったものですが 今は改めて中国史の面白さに向き合えるようになりました。 これから何度か立ち寄らせていただくかも知れませんが、よろしくお願いいたします。 94 『児女英雄伝』は NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/28 19:47 男性 27歳 B型 愛媛県 >山本明さま はじめまして。 女[女咼]はネット上で日本語で読める最も良いのは↓くらいですか。 http://member.nifty.ne.jp/kyousen/china/3k5t/3k5t_05.html 確かに資料が少なそうですね。 『児女英雄伝』は平凡社の中国古典文学大系にあるようですが、僕も 読んでないんです。手元で分かることだけで失礼します。 作者は文康(字は鉄仙)という人で 清の道光年間の成立。 才色兼備の女主人公・何玉鳳が十三妹と名を変えて父の敵討ちをする というような話のようです。 脱線ですが、最近になって松本零士さんが『児女英雄伝』を漫画化し てるようですね。だいぶ原作とは違うようですが。 93 同感です NAGAICHI Naoto E-Mail: URL 2001/02/28 18:31 男性 27歳 B型 愛媛県 >かっしぃさま >だから田中芳樹は決して嫌いじゃないですよ。むしろ大ファンなんです。 >『銀英伝』や『アルスラーン』あたりはほとんど読んだし、歴史ものは全部読んでます。 田中ファンということでは、右に同じです。 歴史もの全部ということは、徳間『チャイナドリーム』収録の短編やら 講談社『異色中国短編傑作大全』収録の「茶王一代記」なんかも全部チ ェック済みですか?(^^) 僕は文天祥が出てくるやつと幸田露伴『運命』の改作以外は全部読んで ると思います。 >ただあの人、SFやファンタジー系の小説でずいぶん宿題が溜まってますが…。 『創竜伝』『アルスラーン』はまだしも、『タイタニア』『地球儀』『灼 熱の竜騎兵』とかどうなってんでしょうね。遅筆作家のくせに手を広げす ぎなんですよ、あの人は…。僕はだいぶ前から見捨ててます。 >私の場合はそこから『三国志正史』→『史記』→『十八史略』→諸子百家の思想書… >といった具合にハマっていきましたが、『史記』あたりからもう誰もついてこなくて寂しい思 >いをしたものです。 大学で東洋史を取っている人でなければ、そんなものでしょう。 だいたい『史記』というか『項羽と劉邦』あたりが分水嶺かなと。 『史記』と『三国志正史』は逆かもしれません。 僕も在野の人なので、話が合わない悲しさはよく分かります。 ネット上で同好の人に会うようになってからは、かなり渇きが癒されました ね。(^^;) >私も大学でちゃんと学問した訳じゃないんで、原史料はとても読めないです。 右に同じです。 ただし中華書局とかの校点本などを眺めていることはたまにあります。 読んでるわけではなくホントに眺めてるレベルです。 漢文も勉強し直したいんですけどね、なかなか。 >最後に、陳舜臣氏の『中国の歴史・近現代編』買っちゃいました。 感想お願いしますね。 僕もそのうち買うと思いますが。 92 お初です 山本明 2001/02/28 14:26 B型 初次見面。初めまして。大学の頃中国史を専攻していた者です。 中国史では古代史が特に好きですね。卒論には「女カ神話」を書こうとして、あまりの資料の 少なさに呆然としてしまった過去持ち(^^;) ところで皆様にお伺いしたいことがあるのですが、「児女英雄伝」について何かお教え 頂きたいのですが・・。作者とか話の概要。あとこの作品がいつ頃出来たのかご存じの方が いらっしゃいましたらお手数ですがお願いいたします。 91 はぁ〜 なるほど〜 かっしぃ E-Mail: 2001/02/26 20:16 男性 会社員 24歳 A型 北海道 >コロ助さん・永一さん お二人の書込みを眺めていて、「そうそう、そうなんだよ」と何度も首肯しておりました。 私が歴史にのめり込んでいったきっかけも、永一さんのおっしゃる「今時の筋」というやつで、 『三国志演義』『田中芳樹』『光栄ゲーム』あたりでしょうか。 だから田中芳樹は決して嫌いじゃないですよ。むしろ大ファンなんです。 『銀英伝』や『アルスラーン』あたりはほとんど読んだし、歴史ものは全部読んでます。 ただあの人、SFやファンタジー系の小説でずいぶん宿題が溜まってますが…。 っと、話が逸れました。 一昔前に中国史にハマった人って大抵の場合『三国志演義』もしくは和製の三国志小説じゃないかと思うんですよ。 (最近では『封神演義』も多そうですが) 私の場合はそこから『三国志正史』→『史記』→『十八史略』→諸子百家の思想書… といった具合にハマっていきましたが、『史記』あたりからもう誰もついてこなくて寂しい思いをしたものです。 皆さんも最初は「中国史好き仲間」がいらっしゃったんじゃないかと思うのですが、 最初の仲間が今でもガッチリついてきてる方って、いらっしゃいます? >『隋唐演義』は、そもそも原作じたいがさほど評価高くない(面白くない)ので、 >どうしようもない(^^;)という評もネットに流れてました。 なるほど、道理で。(笑) 田中さんの『隋唐演義』は私も読みましたけど、4巻でやめちゃいました。 >中国史をやってる内に、原史料が読めるようになるので、幸か不幸か、歴史小説 >の類が読めなくなってきます。 うっ、そ、そうなんですか? 私も大学でちゃんと学問した訳じゃないんで、原史料はとても読めないです。 『中国思想シリーズ』とかみたいに原文と読下し文と訳文を併記している本で眺めて、 「ふ〜ん、こういう風に読むんだ〜」と思うくらいです。 読めるようにはなりたいんですけどね、羨ましい…。 >たぶん歴史小説の裾野(底辺)がかなり広がってるんだろうと思います。 >玉石混淆の中からよいものを選ぶのがたいへんですね。 >歴史エンターテインメントの大家出でよ、と唱えておきますか。 確かにそうなんでしょうね。 最近随分歴史の扱いが大きくなって、愛好家としては嬉しい限りです。 私も「大家出よ」と唱えておきます。「玉」を見つけたらご報告しますね。 最後に、陳舜臣氏の『中国の歴史・近現代編』買っちゃいました。 積読本を片付けてからと思っていたのに、書店で見つけてついつい…。 読み終わったら感想を書きますね。