「……そして、鳴滝さんは明子さんの戦死の責任を取って降格した。 そして『星組』は解散したんだ……」 レニはゆっくりと語り終えた。 壮絶な話にマリアは何も言えなかった。 「……あの頃の僕には感情が無かった。だから何も言わなかった。でも……」 レニは顔を上げた。僅かに頬が紅潮していた。 「僕もあの時の鳴滝さんの行動には納得できなかった。 明子さんは……あんなに鳴滝さんを慕っていたのに……」 言い様のない沈黙が部屋を支配していた。 「……事情は判りました。しかしこれではやはり織姫を参加させるのはまずいかと思いますが……」 意を決してマリアが言った。 「……わかった。織姫に関しては保留としておこう。取りあえずはさくらだけだ。 それでいいな、マリア」 米田が重々しい言葉で言った。 「わかりました。さくらには私から伝えておきます。それでは失礼します……」 マリアは頭を下げると支配人室を退室した。
「……レニ?どうしたの?」 動こうとしないレニにかえでが声を掛けた。 「いえ、これで失礼します。お騒がせしました」 レニは支配人室のドアノブに手を掛けて……そのままで止まった。 「……支配人。鳴滝さんは何故あんな事言ったんですかね?」 「……」 「あの人は人付き合いの上手い、相手の心を読める人だった…… どうしてあんな相手を怒らせる事しか出来そうもない言葉を言ったんだろうね……」 「レニ……あなた……」 かえでが声を掛けようとして言いよどむ。 「いえ、すいません。今の言葉、忘れてください。失礼します……」 今度こそレニは支配人室を退室した…… つづく
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