NR-STATION 特集 交論室 My Opinions of Traffic



Vol.001 2003/02/23        苦戦する山陽電車 <客の立場から打開策を>

 1.はじめに山陽電鉄 5030系


  山陽電鉄は、神戸市西部から姫路市を結ぶ準大手の鉄道会社である。歴史的には、明石から神戸側は軌道、姫路側は鉄道線である。現在は東須磨以東が地下線となり、西代以東は神戸高速鉄道に乗り入れる形になっている。
  山陽電鉄の最大かつ強大な競合相手が、JR西日本であり、中でも大阪〜姫路間を約1時間で結ぶ新快速電車の高密度運転であり、やはり同じように阪急や阪神が苦戦を強いられているのである。

 2.路線と車両

  詳細は「NR情報館」の「山陽電鉄」(鉄道については準備中)をご覧頂くことにして、ここでは簡単に概要だけを書く。
  路線は、西代〜姫路間の本線と飾磨〜網干間の網干線の2路線があり、ちょうど路線の形がそのままロゴマークになっている。本線は複線、網干線は単線となっている。
  車両は神戸高速開業用に製造された3000系・3050系(初期と終期の編成はアルミカーとして製造)、旧型電車置き換え用に製造された5000系(アルミカー)、そして阪神梅田乗り入れ用として製造された5030系(アルミカー)がある。直通特急・特急は6両編成の5000系・5030系が、普通は3・4両編成が充当されている。

 3.ダイヤと運賃

  同じく詳細は「NR情報館」の「山陽電鉄」(鉄道については準備中)をご覧下さい。
  ダイヤは、本線では基本的に特急と普通が緩急接続できるように12〜15分間隔のパターンダイヤで、朝ラッシュ時にはS特急が加わる。網干線は普通のみの12〜15分間隔のパターンダイヤとなっている。なお、昼間時間帯には1時間あたり2本の阪神特急が須磨浦公園まで乗り入れている。
  運賃は初乗りが150円で、以下距離に応じて小刻みに30〜50円程度加算されている。JRと競合しているものの特定運賃などは設けられていないため、短・中距離ではJRより運賃が高い場合がある。

 4.現状と問題点

  国鉄が民営化以降、JRの積極的なダイヤ改正の影響をまともに受けた鉄道会社となってしまったのが山陽電車と言ってもよい。一番の競合区間である神戸(三宮)〜明石間では、JR利用者の6分の1程度しかシェアを担えていないため、ラッシュ時であっても車内には空席が見られる列車もある。明石以西に関してはJRと距離が離れているため、若干利用者数は回復するものの、沿線道路の整備などによって利用者が減少傾向である。
  そもそもの原因は、JRに比べて高すぎる運賃と所要時間の長さ、さらには運転本数の少なさである。例えば、短距離である垂水〜塩屋間では、JRが所要時間2分・120円で運転間隔5分〜10分毎なのに対して、山陽は所要時間4分・150円で運転間隔12〜15分毎である。中距離である明石〜三宮間では、JRが所要時間17分・380円で運転間隔15分毎に対して、山陽が所要時間27分・430円で運転間隔15分毎である。利用者側からすれば、「高い・遅い・少ない」と悪い3拍子が揃っているとも言える。山陽側もJRへの旅客の逸走を防ぐべく優等列車の停車駅の追加やお得な企画乗車券を発売するなどの努力をしているものの、決定的なものとは言い難いと思える。

 5.打開策を考える

  最大の問題点は交通手段を選択する側からして、山陽を利用するだけのメリットを感じないことである。「高い・遅い・少ない」と悪い条件が揃いすぎていて、日常的に利用するには魅力を感じないところである。そこで、これは常々愛好家の論議の中でも出ている話であるが、思い切った打開策を述べてみたい。

  (1) 運賃を大幅に値下げする
  デフレの時代だから言うわけではないが、とにかくJRに比べて運賃が割高だというのは誰もが認めるところである。ひどい区間では競合区間なのに100円以上(神戸高速線を経由)の値段差がある。このため最低でも競合するJRとは同運賃にすることが必須で、出来ればJRより安く設定することが望ましいと思われる。このためには運賃上のネックともなっている神戸高速線の合算運賃の見直しは避けて通れないため、関係する各社との調整が必要となろう。

  (2) パターンダイヤの見直し
  次に重要だと思われるのが、最大の商品とも言える運転ダイヤの見直しである。効率的でかつ不便さを少なくするダイヤを策定することが望まれる。これが最善というものはないも知れないが、具体案を以下に示してみた。
   <平日朝ラッシュ時>  直通特急・急行・普通を10〜12分毎に運転
   <昼間と休日の朝夕> 直通特急を2パターンの停車駅に分けて交互に10分毎に運転、普通は10〜20分毎
   <平日夕ラッシュ時>  直通特急・急行・普通を12分毎に運転
  ※ なお、ダイヤ案についてはまた別の機会を設けて話をしたいと思います。

  (3) 表定速度の向上
  最後に、所要時間の短縮であるが、いかんせんJRの新快速の130km/h運転には及ばなくとも、加速度の引き上げや線形の改良などによって表定速度を向上させることは必要ではないか。

  (4) 接客サービスの向上
  駅の無人化など省力化が進んでいるが、その分と言っては何だが、接客サービスの低下につながっていることは否めない。しかし、全ての部門を無人化できるわけではないので、現業部門はもちろん間接部門の要員についても今まで以上にきめ細やかで質の高い接客サービスの提供に努めてもらいたいものである。
 


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