Xalanは、
The Apache XML Projectが開発・配布しているXSLTプロセッサです。
XSLTプロセッサというのは、XMLで書かれたデータを、
XSLスタイルシート(XSL文書)にかけて、HTML文書を生成するツールのことです。
XalanはJAXP(Java API for XML Processing)
の参照実装に採用されていることもあり、J2SE 1.4からは、
JAXP参照実装(Xalan+Crimson)としてJava本体に取り込まれているので、
最初からXalanの機能が使えます。
J2SE 1.3までは、上記のリンクから単体のXalanを無償で入手して使うことになります。
XalanにはコマンドラインXSLTツールとして動作するクラスがついているので、
Javaプログラミングは自分ではしないけど、Java処理系でXSLTを行うツールが欲しい、
というときには便利に使うことができます。
●インストール
- J2SE 1.4以降をインストールしている場合は、その中に既に入っているので、
ここの作業は不要です。
- Xalanの総本山から、
xalan-j_2_2_D10.tar.gzをダウンロードします。
- インストールしたい任意のディレクトリで展開します。
ここでは、/usr/local/javad/xalan で展開したとします。
ちなみに、Xalanの正体は、アーカイブの中に入っている
「xalan.jar」と「xerces.jar」
です。前者がXSLT変換をつかさどるプロセッサ、
後者はXML文書の解析を行うルーチンのライブラリです。
これらはXMLをサポートした商用ないし無償のWebアプリケーションの幾つかには同梱されています
(例えばBaykit XML Server)。
その中からこの2つのjarファイルを取り出して、Xalanとして使うことも可能です。
●コマンドラインツールとして使ってみよう
XalanはJavaのライブラリなので、実行はjavaインタープリタで行いますが、
コマンドラインが毎回打つには若干タイピング負荷があります。
そこで、次のようなシェルスクリプトを作るとよいでしょう。
私はこれを /usr/local/bin/xalan という名前にしています。
#! /bin/sh
XALAN_HOME=/usr/local/javad/xalan
export XALAN_HOME
CLASSPATH=${CLASSPATH}:$XALAN_HOME/bin/xalan.jar
CLASSPATH=${CLASSPATH}:$XALAN_HOME/bin/xerces.jar
export CLASSPATH
java org.apache.xalan.xslt.Process -in $2 -xsl $1 -out $3
# end.
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使い方は、
% /usr/local/bin/xalan in.xsl in.xml out.html
このように、XSLTスタイルシート、XML文書、出力したいHTMLファイル名を指定します。
同様に、Windowsでも次のようなバッチファイルを作っておくと便利です。
set XALAN_HOME=C:\Wintools\xalan
set CLASSPATH=%XALAN_HOME%\xalan.jar;%XALAN_HOME%\xerces.jar
C:\jdk1.4\bin\java org.apache.xalan.xslt.Process -in %2 -xsl %1 -out %3
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(※1) シェルスクリプトやバッチファイルの中で、ファイルの指定順が
「入力XSL、入力XML、出力HTML」の順になっているのは、
別のページで紹介するC言語で書かれたXSLTプロセッサ「The XML C Library for GNOME」
のコマンドラインツール「xsltproc」に合わせただけで、深い意味はありません。
テスト用に、簡単なXML文書と対応するXSLTスタイルシートを作ってみました。
orders.xml
orders.xsl
(first uploaded 2002/01/06 last updated 2002/04/21, KOUKEN HEIJIMA)
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