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「みなさん、こんばんは。デビルズ・ミュージックの時間です。
今週は、いま魔界で注目のバンド『mrf』のプロデューサーである、コムロ・ミキヤさんにゲストとして来ていただきました。
さっそくですが、ミキヤさん。このmrfという名前には、どういう意味があるのですか?」
「ミキヤコムロ・レイヴ・ファクトリーの略です」
「なるほどー。どっかで聞いたような気もしますが、まあそれはさておき。
今回発売となった新曲『インサニティアイ』はどのような曲なのですか?」
「今回の曲は、僕が死後はじめて造ったものなので、新鮮な気持ちでいけましたよ。きっと、聴く人々を魅了できることでしょう」
「そうですかー。危険な匂いがぷんぷんしますねー。
それでは次に、メンバーの紹介をお願いします」
「はい。ギターはキャロルJ。なかなかのテクニックの持ち主ですよ。まあ、弾くと悪魔を召喚しちゃうんですけどね。イッポンダタラとか」
「は、はあ」
「それから、サックスのユダ・シング。彼のソウルフルなサウンドはこのバンドには欠かせません。空を飛んでいるものを命がけで落とすという妙な性癖がありますが、まあ技量でカバー、ってとこですね。あ、彼も弾くと悪魔を呼んじゃうんですが。オシラサマとか」
「はあ。それでは、演奏中は大変でしょうね」
「次に、ベースのスピーディー。もともとギタリストだったんですが、無理を言って、変更してもらいました。彼の速弾きはなかなかのものですよ。まあ、僕に言わせれば速いだけですが」
「い、いいんですか、そんなこと言って」
「それから、ヴォーカルのユリア。実は、彼女は僕がスカウトしたのではなく、彼女の方から売り込んできたんですよ」
「ほお。そして、その実力を認めてメンバーに加えたということですか」
「いえ。一度は、『うちには横綱は必要ない』といって戦力外を通告したんですが、なんでもどこぞの探偵事務所で肉まんかじっている女に頼み込んだとかで、ずいぶんとやせて帰ってきたんで、まあ仕方なく」
「さらりと酷いことを言いますね」
「次に、三味線のヒノエンマ」
「バンドに三味線ですか!?」
「いや、これでなかなかエキゾチックな魅力というか、サウンドの幅が広がるんですよ」
「広がりすぎのような・・・」
「それから、メンバーではないんですが、今回作詩はフグルマにお願いしました」
「怨念がこもってそうですね・・・。ところで、CD発売直前にメンバーだったハープのローレライさんが脱退されたとか。差し支えなければ、その辺の事情もお聞かせ願えないでしょうか?」
「ああ、彼女ですか。いや、突然わけのわからないことを言いだしましてね。『サイはきっとリメイクされる! わたしは、ジエレーターと共に天下をとる』とかなんとか・・・」
「思い詰めてたんですね・・・彼女なりに・・・。・・・おっと、もう時間になってしまいました。最後にミキヤさん、何かコメントを」
「来月にスガモプリズンでファーストコンサートが行われますので、みなさんぜひ来てください」
「本日は、どうもありがとうございました」
「・・・こちら、現場のスガモプリズンです。 本日この場所で行われたmrfのコンサートで、大変ショッキングな事件が起こりました。同バンドのメンバーで、サックス担当のユダ・シング氏(31)(注:適当)が、サックスと間違えてギャッラルホルンを吹いてしまい、バンド関係者、スタッフ、それに観客すべてが黄泉へ送られました。 これに対し当局は、数十体のSケルベロスを動員。黄泉から引き上げては、化粧応神で分解を繰り返し、救助を行っています・・・」
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