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ある日、オオカミさんことワーウルフは、赤ずきんちゃんがおばあさんのもとへパンとワインを届けにいくことを、ネットで突き止めました。最近、新鮮な血肉を喰らっていないワーウルフは、舌なめずりをしながらおばあさんの家へと先回りするのでした。
おばあさんの家の扉が勢い良く開かれます。
「ワーウルフが1体あらわれた」
ワーウルフはいきなり襲いかかりました。しかし、おばあさんは意外に俊敏で、なかなか捕まえることができません。
というか、常軌を逸したスピードでした。
そう、おばあさんの正体はターボばあちゃんでした。
連続するブーストアップに、とうとうワーウルフは逃げられてしまいました。
「おのれ、LV9怪異め」
毒づくものの、どうしようもありません。
仕方なくワーウルフは、おばあさんのふりをして、ベッドに入りました。
しばらくすると、扉の開く音がしました。空腹のワーウルフはお決まりの問答をはしょって、いきなり赤ずきんちゃんに襲いかかりました。
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!」
耳をつんざく絶叫。
口が裂けるほどに叫んだのは、なぜかワーウルフでした。
「うぉ、うぉれはあああ、赤ずきんんんんん!!」
どう見てもLV42怪異でした。
「どこの世界に、唾液が緑色の赤ずきんがいるか!!!」
「うぉれはあああっ、給食のあげぱんが大嫌いなんだああっ」
だめだ、話にならない。
食欲が一気に失せたワーウルフは、ワイルドダッシュで飛び、逃亡をはかりました。
しかし、飛んだ直後に、赤ずきんがタップしました。ワーウル
フは、防御しかできなくなりました。
「誰か、誰か助けてッッッ!!」
ワーウルフは心の底から恐怖を感じました。
しかし不幸なことに、現れたのは猟師でした。というか、よく見れば、それはバルバトスでした。
ザンマの魔法カードがないので、バルバトスはただ、微笑むことしかできませんでした。抵抗:火炎が消えましたが、実質なんの進展もありません。手に持った銃もただの飾りのようです。
そこに逃げたターボばあちゃんが帰ってきました。
事態は泥沼化の一方でした。
やがてLV42怪異と、役立たず堕天使が会話をした後、どこからかゴツイ銃を持ってきました。
メギドファイアでした。
ワイルドダッシュで飛行中のワーウルフは青ざめました。いかなる手段を用いてもダメージが防げないからです。
「そんなもん使ったら、タイプ飛行のお前たちも黄泉送りにな
るぞ!!」
必死に説得するワーウルフ。
しかし、過去の遺物であるバルバトスはそのアイテムの効果をよく知りませんでした。某木村先生のような顔のLV42怪異は知っていても、理解する脳味噌がありませんでした。
「いやあああああああああッッッ!!」
絶叫が轟音にかき消されました。
そして、ターボばあちゃんだけが後に残りました。
どうしよう。
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