JOHN COLTRANE
恵まれた体躯から生み出される、圧倒的な音量と音数。その饒舌なサックス・
プレイから、コルトレーンの音楽は「シーツ・オブ・サウンド(音の洪水)」
と呼ばれる。ともすれば力強さだけに目が奪われがちだが、センチメンタルな
バラードなど情緒感溢れる演奏も大得意。70年代に彼の影響を受けなかった
サックス・プレーヤーはいないとまで言われた巨人だ。1955年、帝王マイルスの
バンドに参加することで注目を浴びる。このとき、すでに30歳。遅咲きの大きな花であった。
しかし、それからの彼の努力と活動はめまぐるしく、次々とジャズの
新しい可能性に挑戦していく。しかし、1967年に肝臓ガンで他界。
早すぎる死を誰もが惜しんだ。
「SOULTRANE」
哀愁ただようバラードでの、ソロ・サックスを聴けばコルトレーンの孤独なソウルに触れることが
出来るだろう。バラードから過激な演奏まで、彼の努力の結晶が心に迫ってくる作品。
「バラード」
ここまで切なく美しいバラードを吹けるのは、コルトレーンだけ。サックスの音色がときに人の
言葉以上の表現力を持つことを認識させられる作品だ。全曲バラードというハード・バップでは
珍しいアルバムでもある。
「至上の愛」
コルトレーンが「孤高の人」と呼ばれるゆえんが、この一枚を聴けばわかるはず。ほかの誰もが
到達できなかった、精神の極みがここにある。4組のパートからなる組曲風の作品で、60年代
ジャズの大傑作と言われる。