【タイトル】118
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/23 13:00:20

私も便乗させてもらおうかしらん。 
元ネタとかは特に無いです〜。 

2000/12/28 15:04 東京都交通局深川営業所 

仕業を終えて詰め所に戻った桜井は、一人の男に声をかけられた。 
「よぅ、元気にやってるか。」 
だいぶ白髪が混じった頭をした彼は、3年前、新人の桜井に路線バスの運転テクニックを教えた井上だった。 
「ご無沙汰してます、井上さん。今日はどうしたんですか。」 
井上は今年の7月で定年退職していたはずだった。 
「ほら、明日からコミックがあるだろう。それの応援だよ。」 
コミック、正しくはコミックマーケットというイベントの客を輸送するための臨時便を指す。 
「今日は明日の確認と車の様子を見に来たんだけどな。桜井、おまえも明日はコミックだな。」 
「えぇ、実は初めてなんですよ」 
桜井は幸いにも(?)当日は他の路線に回っていたので、今までコミックはやったことが無かった。 
「そうか。俺も夏のコミックの前に定年だったから、腕が鈍ってるかもしれんな。桜井、明日は覚悟しておけよ。それと今日は良く寝ておけ。」 
「覚悟、ですか?」 
「…そうだな、『覚悟』というのが一番合ってるかな…。」 
そう言うと井上は詰め所を出て行った。
.
【タイトル】142
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/24 15:09:11

あぁ、今見直したら大きな間違いを発見。 
最近日付入力の仕事が多かったから、つい打ってしまったらしい。 

118の訂正:2000/12/28 >> 2012/12/28 

では続き。 

2012/12/29 06:12 東京駅八重洲北口臨時バス乗り場 

それは奇妙な光景だった。 
歳の瀬の、それもこんな早朝にもかかわらず、軽く100人を超えるバス待ちの列ができていた。 
大半は大学生だろうか。中学生らしい女の子のグループもある。 
日付が変わった頃から降り始めた雪は未だ止まず、街路樹は雪の花を咲かせていた。 
だが、人の数は減るどころかますます増えていく。 
前のバス(小滝橋営業所のだった)が出て行き、桜井のバスが乗り場に着いた。 
運行指示のどおりに前後の扉を開けると、瞬く間に車内は人で埋まった。 
乗客の服に付いていた雪が暖房で解け、人いきれと相俟って車内はかなり蒸してきた。 
「よぅし、これで行ってくれ。」 
他所の営業所の職員が、ザルに溜まった小銭を運賃箱へ入れながら言った。 
扉を開けてから3分と経ってはいない。その間にもバス待ちの列はどんどん伸びているようだ。 
『井上さんの言っていたことは、このことなのか!?』 
桜井の脳裏にいつまでも人を運びつづけなければならない無限地獄に陥った自分が垣間見えた。
.
【タイトル】148
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/24 22:22:20

2012/12/29 09:44 東雲交差点附近 

桜井は4回目の復路にいた。 
信号待ちの間、先程の光景を思い浮かべてみた。 
東京ビッグサイトには隣接して広大な駐車場が2つある。 
その一つ「北1」の様子は「すごい」どころでは済まなかった。 
ここには病院が建つ予定だったが、着工直前に談合と汚職が発覚し、それ以来計画は凍結されている。 
従って今も開業当時のままの広々とした駐車場だ。 
しかし今そこにいるのは、車ではなく人だった。 
「人海戦術」の「人海」とはこういうのを指すのか、等と妙に納得した。 
開会時間が近いらしいから、今頃がピークだろう。 

信号が変わり左へ折れ、続いて湾岸国道の信号を待つ。 
だが右手から来るはずの車は、皆豊洲の方向へ曲がっていく。 
不思議に思って左手に目をやると、そこは機動隊のような格好をした黒ずくめの男達が道路を封鎖していた。 
その1人が無線機に向かって何か喋っている。 
少しだけ開けていた窓からその一部が聞こえた。 
「…より現本。東雲交差点、封鎖完了。」 

- - - - - - - - 
さぁ、みんなで続けてくれ。
.
【タイトル】155
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/25 00:48

>作品に題名付けませんか? 
他の方々の内容を見ながら話を考えてるんで、特につけられないなぁ。 
つけるとすれば、ずばり「終わるコミケット」とか。
.
【タイトル】167
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/25 12:49:20

2012/12/29 09:55 某局AMラジオ放送 

9時55分になりました。それではここで交通情報です。 
警視庁から上田さーん! 

はい、警視庁です。 
首都高速湾岸線西行きの有明出口附近で事故です。 
9時45分頃、大型タンクローリーが中央分離帯に衝突。 
両方向にまたがる形で横転しています。現在事故処理中。 
積荷の化学薬品が漏れ出す恐れがあるため、周囲の道路も通行止めになっています。 
湾岸線は辰巳ジャンクションと有明ジャンクションの間が両方向通行止め。 
影響で西行きが辰巳を先頭に2キロ、東行きが台場を先頭に1キロ渋滞。 
9号深川線が辰巳ジャンクションを先頭に1キロ、11号台場線が有明ジャンクションからレインボーブリッジまで2キロ混雑しています。 
周辺道路も国道357号が東雲交差点と有明橋、新都橋間が通行止め。 
その他の道路も有明運河より東側、東雲より西側が通行できなくなっています。 
今後さらに混雑が予想されます。周辺をご通行中の方は迂回するようにお願いします。 
その他高速道、一般道ともに目立った混雑はありません。 
以上です。 

はい、ありがとうございます。続いて電車の情報です。 
交通情報にもありましたが、現在有明附近の立ち入りが制限されています。 
この影響でゆりかもめの全線、りんかい線の全線で運転を見合わせています。 
りんかい線に乗り入れているJR埼京線は大崎で折り返し、京葉線からの直通電車は現在全て東京行きで運転されています。 
運転を見合わせている区間での運転再開の目処は立っていません。 
この方面へお出かけの方は十分にご注意ください。
.
【タイトル】169
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/25 15:26:20

とても疲れていたようだ。年を間違えて書くなんて…。 
打田市能…って、信田ら続きが書けないので修正しておく。 

>作成野郎さん 
誠にお手数だが、保存されている私の分の年を全て「2012」→「2000」に直してください。 

で、修正した分。 

- - - - - - - - 
2000/12/29 09:55 某局AMラジオ放送 

9時55分になりました。それではここで交通情報です。 
警視庁から上田さーん! 

はい、警視庁です。 
首都高速湾岸線西行きの有明出口附近で事故です。 
9時45分頃、大型タンクローリーが中央分離帯に衝突。 
両方向にまたがる形で横転しています。現在事故処理中。 
積荷の化学薬品が漏れ出す恐れがあるため、周囲の道路も通行止めになっています。 
湾岸線は辰巳ジャンクションと有明ジャンクションの間が両方向通行止め。 
影響で西行きが辰巳を先頭に2キロ、新木場で1キロ、東行きが13号地を先頭に1キロ渋滞。 
9号深川線が辰巳を先頭に1キロ、11号台場線が有明からレインボーブリッジまで2キロ混雑しています。 
東行きの有明と西行きの新木場は閉鎖されています。 
周辺道路も国道357号が東雲交差点と有明橋、新都橋間が通行止め。 
その他の道路も有明運河より東側、東雲より西側が通行できなくなっています。 
今後さらに混雑が予想されます。周辺をご通行中の方は迂回するようにお願いします。 
その他高速道、一般道ともに目立った混雑はありません。 
以上です。 

はい、ありがとうございます。続いて電車の情報です。 
交通情報にもありましたが、現在有明附近の立ち入りが制限されています。 
この影響でゆりかもめの全線、りんかい線の全線で運転を見合わせています。 
運転を見合わせている区間での運転再開の目処は立っていません。 
この方面へお出かけの方は十分にご注意ください。 
次の交通情報は10時25分頃です。
.
【タイトル】174
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/25 20:51:02

続きを考えながらちょいと混乱してきた。 
今続いているストーリーだと、時間の流れが大きく分けて2つある。 
ひとつは 2000年12月のコミケット59(20世紀最後だ)。 
もうひとつは、2012年12月のコミケット73(米沢氏は59歳だ)。 
どっちで進めるべきだろう。ご意見希望。特にストーリーを書いている人。
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【タイトル】196
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 00:20:20

じゃぁ、2000年12月ということで進めます。 
でも2012年も捨てがたいですね(苦笑)。 
でもこれがあるということは、2000年12月以降もコミケは存続するように話を持っていかなければならないなぁ。 
何とか存続させねば(^_^;) 
ついでに前日設営は、有明のは全て測量から行ってますので、タイムテーブルなどは分かります。図面も。
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【タイトル】210
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 11:42:20

2000/12/29 09:42 晴海通り東雲交差点附近 

全てが昨日と同じように動いていた。 
違うといえば、はじめから首都高湾岸線と国道357号の有明附近が通行止めになっている事ぐらいだ。 
鉄鋼団地の交差点は、いつものようにビッグサイトへ向かうことができた。 
交差点を右に曲がる時、東雲駅の方に黒い大型トラックが2台並んでいるのが見えた。 
桜木のバスが曲がったところで信号が変わった。 
トラックは信号を渡るとそこで止まってしまった。 
見れば脇道にも小型だが同じようなトラックがいて、同じように道を塞いでいる。 
『閉じ込められたな、これは。』
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【タイトル】208
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 11:42:20

2000/12/28 12:28 りんかい線東雲駅 

桜木は電車を待っていた。 
やはり何かが変だった。 
東京駅に戻ると新木場駅へ行くよう指示された。 
東雲交差点は、相変わらず有明方面が封鎖されている。 
回送車の中で聞いた交通情報では、りんかい線も止まっている筈だった。 

ホームには桜木しかいない閑散とした駅だ。 
場所柄通勤ぐらいにしか使われていないのだろう。 
しかしそこへ滑り込んだ電車は、かなり混んでいた。 

12時で仕事を終え営業所へ戻ると、そこは前線基地となっていた。 
いつもなら北1脇や西エントランス下のバス乗り場にいる車がここにいる。 
新木場駅前はさほど広くないため、ここに駐めているそうだ。 
そういえば井上も12時までのはずだ。戻ってきたのだろうか。 
「そういやぁ。9時15分頃に出て行ったのは覚えてるけど、その後は分かんねぇなぁ。」 
東京駅で列整理をしていたと言う職員が答えた。 
東京駅を9時15分頃に出たということは、9時45分頃にビッグサイトに着く筈だ。 
『道が封鎖されて出られないのかもしれない。』 

電車はすぐに国際展示場駅へ着いた。 
ほとんど全ての人が降りる。 
駅前の広場にはビッグサイトへと続く長い行列があった。 
朝方北1で見たものよりははるかに少ないが、それでも尋常な人数ではない。 
その脇を通って釣り橋型の歩道橋から西のエントランスへ出た。 
下には数台のバスが見える。 
『やっぱり出てこれないんだ』 
そう思った桜木は下のバス乗り場へ急いだ。 

「おう、桜木じゃないか。何しに来た。」 
井上はバス乗り場のベンチに座り、他の運転手たちと談笑していた。 
「いや、帰れなくなってるんじゃないかと思って来たんですけど…。」 
「なぁに、心配するな。」 
井上は全てを知っているような口ぶりだった。 
その時、軽快なエレキギターの曲が流れた。 
 ♪探し物は何ですか〜 
「井上さん。」 
他の運転手が声をかけた。 
「そうだな、そろそろ行こうか。」 
「ちょ、ちょと待ってくださいよ。行くって、どこへ行くんですか。」 
「『明日の下見』だよ。」
.
【タイトル】209
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 11:42:20

2000/12/28 18:37 辰巳団地 

桜木は食後の茶を飲みながらテレビのニュースを見ていた。 
有明の交通事故については、事故があったということと、積荷の化学薬品の処理に手間取っているということしか伝えていない。 
「どうしなの、難しい顔しちゃって。」 
今年の春に結婚した妻が心配そうに声をかけてくる。 
「いや、有明の事故が気になってね。」 
「化学薬品を積んでるんでしょう。有毒ガスが発生してここまで来たらどうしようかしら。」 
妻の大きくなってきた腹に手をやった。予定日は来年の3月下旬だ。 
「それは大丈夫だよ。ガスは発生しない種類らしいから。」
.
【タイトル】211
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 11:45:02

やっぱり事件は2日目だろう、ということで、 
2000/12/29朝まで時間を進めてみました。 
もちろん1日目や前日設営日、それ以前のが続いても構わないです。 
今日はこの続きをもうちっと書く予定。
.
【タイトル】212
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/26 14:12:20

2000/12/29 12:44 東京ビッグサイトエントランスプラザ下バス乗り場 

昨日の昼間は止んでいた雪も、今日は早朝から降り続いている。 
上のエントランスが屋根となっているのでここに雪は無いが、誰も立ち入らないところは完全に白く覆われている。 
井上たちは昨日と同じように談笑している。 
その中に桜木がいるのが昨日との違いだ。 
聞けば井上の息子がコミックマーケットのスタッフとして参加していると言う。 
川崎市民プラザで開催されていた頃から参加し、初めて晴海に移った時からスタッフを始めたそうだ。 
20年近くスタッフとして参会しているが、未だに末端のスタッフでいるのは本人の希望らしい。 

昨日と同じように井上陽水の「夢の中へ」のイントロが流れてきた。 
それを契機に桜木たちは西ホールへ向かった。 
ガラスの自動ドアの向こうは人と熱気で埋め尽くされていた。 
人込みを掻き分けてたどり着いた先は西2ホールの受付販売。 
ここに井上の息子―隆明がいた。 
「よう隆明、首尾はどうだ。」 
「全て予定通り。順調だよ、親父。」 
「あすこの閉まっているシャッターのところに例のヤツがいるのか?」 
「そう、カッタは今回も同じ場所に配置させた。隣は富樫を置いたが、案の定来てないよ。」 
「向かいの島は大丈夫なのか?」 
「明らかにダミーと分かっているのを集めておいたから、そんなに人はいないさ。それに奴らには死んでもらう事になってるんでね。」 
「列の具合はどうだ?」 
「時間まで開けないために販売停止をかけてあるよ。大した事が無いところに修正をさせてね。それと転売屋には『13時に販売を開始する』と流してあるから、もうだいぶ集まってるんじゃないのかな。」 
「全ての準備は整ったわけだ。」 
「そう、あとは時間になるのを待つだけさ。」 
館内の熱気に圧倒されて軽い眩暈を起こした桜木だが、井上親子の話を聞いて何かとんでもない事が起こるのを確信していた。
.
【タイトル】244
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/28 11:21:20

2000/08/27 16:23 世田谷区北沢某喫茶店 

「簡単に言えば『毒をもって毒を制す』と言うところかな。」 
下北沢の駅に程近い店内は、日曜の夕方ということもあってかどの席も埋まっていた。 
一番奥また所にある小さなテーブルに男4人が頭を寄せて座っている様は、何か滑稽だった。 
テーブルの上にはコーヒーカップが4つと1冊のレポートパッド。 
開いたページに書かれているのは「緊急アピール」と題された文章だった。 
「良いのか、そんな事をして。コミケットは…」 
「いや、いいんだ。もう終わらせても。」 
彼の一言で他の3人は言葉を失った。 
「問題は『どうやって終わらせるか』だ。」 
そう続けると、別の一人が苦虫を噛み潰したような顔で答える。 
「確かに一筋縄では行かない連中が多すぎる。」 
「彼らはコミケットは絶対に無くならないと思っている。その幻想を打ち破るためには、強力なインパクトが必要だ。」 
「それで『ヤツら』を利用するのか。」 
「そうだ。しかし他の参加者に被害が及ばないようにしなければならない。『インパクト』はヤツらの所だけで十分だ。」 
ふと時計に目をやると16時30分を過ぎていた。 
17時からの幹部集会でこの計画を幹部たちに伝える。 
その時の合意で、この計画は現実のものとなるだろう。 
会計をしている時、1人が言った。 
「本当にいいんだな、ヨネザワ。」
.
【タイトル】249
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/28 14:06

そういえば私も日付を間違えているような…。 
保存する時に訂正しておいてもらえると嬉しいなぁ。 

あと、一応次の文を冒頭に入れておいたほうが良いですね。 
保存ページと(立ったら)新スレででも使ってください。 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 
お断り 

このスレッドの内容は全てフィクションであり、実在の人物・団体・ 
事件等とは一切関係がありません。 
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
.
【タイトル】255
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/28 16:55:20

2000/12/10 13:38 東京ビッグサイト国際会議場 

米沢氏の話はまだ続いていた。 
コミケット3週前に開催される拡大準備集会。 
いつもなら前回から今までに起きた問題とその対処、前回との変更などを冗談交じりに話しているのだが、今回は違う。 
とても強い口調で、コミケットを終わらせる意義を語っているのだ。 

田村は会議場のすぐ外のロビーに座り、半ばぬるくなった缶コーヒーをすすりながらそれを聞いていた。 
彼は都内にある同人誌専門古書店の店員だ。 
人気サークルの本をまとめて大量に買い込んでそれを高値で販売する、いわゆる『転売屋』もやっている。 
今回はサークル入構証で何人送り込めるだろうかなどと思案しながら、米沢氏の演説を聞いていた。 

  1日の参加者数に比べ準備会の人数は30分の1以下です。 
  にもかかわらず、今日までコミケットを開催してこられたのは何故でしょうか。 
  準備会のコミケット開催目的が、表現の交流の場の存続だったからです! 
  これは皆さんがが一番知っていると思います。 

  我々はマンガ大会を飛び出しコミックマーケットを開催しました。 
  そして、参加者で膨れ上がったコミケットを危機を乗り越えながら開催して20余年。 
  コミケットを愛する我々が、心無い参加者に改善を要求して何度に踏みにじられたことでしょう。 
  大きな事故も無く、場の存続のために、多くの人々が努力を惜しみませんでした。 

  しかし前回のコミケットでは重大な事故が発生し、多くの負傷者が出ました。 
  それは何故でしょうか! 

「坊やだからさ。」 
田村はそう呟くと最後のコーヒーをすすった。 
「もう1本いかがですか。」 
隣にいた背が高く痩せた黒眼鏡の男が、よく冷えた缶コーヒーを差し出してそう言った。 
「あんた、『虎』の人間だな。」 
田村は缶を受け取りながら言った。 
「わかりますか。」 
「あぁ、においでな。」 

  新しい時代のコミケットを、我々真に表現活動を愛するものが求めるのは必然です。 
  ならば襟を正し、この状況を打開しなければなりません。 

  我々は過酷な条件のもとでコミケットを開催し、苦悩し、練磨して今日のコミケット築き上げてきました。 
  皆さんをすばらしい表現の場へと導いてくれた人達も、心無い参加者の無思慮な行動の前に苦労を強いられました。 
  それを前回の事故はまざまざと示してくれました。 
  この悲しみも怒りも、決して忘れてはいけません。 

  我々は今、この怒りを結集し、心無い参加者に叩きつけて、初めて真のコミケットを開催することができるのです。 
  この「コミケットの終了」こそ、努力してくれた人全てへの慰めとなるのです。 

  参加者の皆さん! 
  悲しみを怒りに替えて、立ち上がりましょう! 

  我々真に表現活動を愛するものこそ、本当のコミケット参加者であることを忘れないでほしいのです! 
  真に表現活動を愛する我々こそ、コミケットを救うことができるのです!
.
【タイトル】262
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/08/28 17:29

>閉じカッコ前のマルは取ろう。 
すまん。変換確定の時に押す癖だ。
.
【タイトル】279
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/29 16:00:14

フリーのメアドを取ってみました。ご意見、連絡などにどうぞ。 
今回は140さんのネタをちょいと拝借。 

2000/11/23 10:03 東京都内某神社 

境内は新嘗祭ということもあり、多くの人が参拝に訪れていた。 
社務所2階のこの部屋からは、鳥居から拝殿までを埋める人達を一望できる。 
やがて襖が静かに開き、一人の巫女が入ってきた。 
「どうも、ご無沙汰しております」 
私が頭を下げると、彼女は少し困ったような顔をしてから微笑んだ。 
「そんなに畏まらないで下さい。そういうのは苦手です」 
彼女は私の正面に静かに座った。 
私はやや大きめの紫の風呂敷包みを、そっと彼女の前に滑らせた。 
「3月の沖縄コミケの時のワインです。どうぞ、お納めください」 
「ありがとう。そういえばコミケットは今回で最後とか」 
「はい、ついに終わりを迎えることになりました。」 
「では今回は精一杯やらせてもらいましょうかしら」 
「いや、その必要はありません」 
私のこの言葉に、彼女は「は?」と小さく返した。 
「今回は天候を気にしなくとも良いのです」 

もう10年も前になる。 
コミケットは幕張を追われ、晴海へと戻ってきた。 
問題は山積し参加者の意識は錯綜し、かろうじて「コミケット」という場を共有しているに過ぎなかった。 
これらを解決するために数え切れないほどの策が練られた。 
そして「全ての参加者が同時に共有できる重要な事項」として選ばれたのが「天候」であった。 
天候を通じて参加者が共同体的な意識を持ち、問題が解決されることが期待された。 
そのために彼女にはかなり無理なことも頼んだ。 
見事に台風を退けた時、多くの参加者はそれを「コミケットの奇跡」だと言った。 
参加者の意識は纏まって行くかに見えた。 
しかしそうはならなかった。 

「あなたは十分に役目を果たしてくれました。幸い今の会場は全て屋内です。以前ほど天候を気にせずとも良くなりました」 
「それでも雨は降らないほうが宜しいのでは」 
「最後だからこそ、コミケットを愛するあなたに、コミケットを楽しんでもらいたいのです」 

昨年の夏コミ直前、彼女が倒れたという知らせが入った。 
膨れ上がった参加者の気を受けるには、もう彼女の体が持たなかったのだ。 
そして台風はコミケットを直撃した。 

「あなたの好きなジャンルは1日目に集めました。これを」 
彼女は差し出した封筒を開けると、中から1枚のサークル入構証を取り出した。 
「まぁ、きれい。ずいぶんと手が込んでいるのですね」 
「これぐらいの事をしないと偽造対策にならないのです。費用も馬鹿になりません」 
「それは大変ですね。ではお言葉に甘えさせていただきますわ」 
「なるべく8時までに総本部へおこしください。代表もお待ちしております」 
「でもいつものように遅くまで祈祷を捧げてしまうんでしょうね」 
彼女は照れるように微笑んだ。 
「ははは、習性というのは怖いですな」
.
【タイトル】280
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/29 16:14:27

>272さん 
>すみません、255を読んで爆笑してしまいました。 
>思わず元ネタのビデオを再生しながら読み返してしまいました。 
>そしてさらに爆笑。 
ふふふ、見事に罠に嵌りましたね(笑)。 
原文の語句・雰囲気を残すようにいろいろと考えて書いてみました。
.
【タイトル】290
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/30 17:02

SS書いているヒマがねぇ〜
.
【タイトル】297
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/31 10:45

今日は書く時間あるかな
.
【タイトル】301
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/31 14:14:20

2000/12/30 09:19 東京ビッグサイト ガレリア 

いつものコミケと同じく、田村はガレリア2階の東端にいた。 
クリップボードに留めた買い付けリストを見ながら、携帯電話で買付け部隊に指示を出している。 
「そう、2と3の間の偽壁だ。そこに委託という情報があるから気を付けてくれ」 
田村はリストの「指示済み」欄にチェックを入れると、缶コーヒーを一口含んだ。 
さすがに最後のコミケットとあって、参加できないサークルの委託も多い。 
すでに同人活動を止めた作家も、まだ活動を続けている仲間の本に参加したりしている。 
こういう情報は様々なルートから流れてくるが、やはり当日確認しないと分からない。 
今回はその数が今までに無く多い。 
まだ確認できていない情報を洗い出していると、携帯が喧しくベルを鳴らした。 
「はい。おう、村中か。何かあったか」 
村中というのは、この前の拡大準備集会で知り合ったヤツだ。 
自分と同じく同人誌古書店の店員で、やはり同じように買い付け部隊をまとめている。 
≪いま西2にいるんだが、カッタが販停を喰らった≫ 
「なに、本当か?」 
≪さっきみつみに挨拶してたら見本誌回収が来たんだ。そしたらかなりの数チェック入れられてたぜ≫ 
「そんなにスゲェ内容なのか?」 
≪いや、大したこたぁ無い。いつもなら楽にOKが出る程度だ≫ 
「じゃぁ、なんで」 
≪上からの指示で厳しくなった、とか言ってたけどな≫ 
「で、どのくらいかかる」 
≪そうだな…、早くても昼じゃねぇかな。量もあるし≫ 
「じゃぁ予定を組みなおす必要があるな」 
≪ま、せいぜい頑張ってくれや≫ 
「お前もな」と言って電話を切った途端、再びベルが鳴った。 
「はい。…なに、ウロボロが販停? …あぁ分かった。じゃぁ見張りを1人残して他を先に廻ってくれ」 
その後も、大手サークルを中心に販売停止になっているという連絡が相次いだ。 
『なんでこうも販停が多いんだ? しかも殆どが大手。準備会は何を考えているんだ?』 
曇ったガラスドアの向こうには灰色の海が見える。 
雪はまだ降り続いているようだ。
.
【タイトル】302
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/08/31 14:23

それぞれのネタが少しずつリンクしてきていい感じダネ
.
【タイトル】309
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/01 14:18

今日は本業がいそがし〜(@_@)
.
【タイトル】330
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/09/04 01:35

月曜日、仕事がヒマだったら書けるはず(タブン)
.
【タイトル】334
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/04 15:37:20

2000/12/30 09:03 東京ビッグサイト 北1駐車場 

9時を過ぎても、雪は止む気配を見せない。 
さすがにテントはたたんだが、傘無しではあっという間に頭に雪が積もりそうだ。 
一緒にいた森川はつい先程帰ってしまった。 
「アラやん、今日はどうすんの? 何か買うの?」 
「まぁ、オレはコミケに来ても買うモノ無いしねぇ。それよりこいつらをやりてぇな」 
オレはそう言うと、昨晩受け取ったCD-Rの入ったカバンを指した。 
ここにいる連中とはネットで知り合った。 
顔を合わせるのは今回が初めてだが、ネット上と同じように互いのハンドルで親しげに会話をしているのは少し不思議かもしれない。 
オレたちの共通の話題はゲーム、いわゆる「ギャルゲー」と呼ばれるヤツだ。 
もっとも、1人でいくつも買う金は無いから、こうして知り合った連中で互いにコピーしている。 
昨晩からいろいろな話題が出たが、結局は「あのゲームの○○が萌える」とか「××のHシーンはエロくて良い」といった所に戻ってくるのは、それだけゲームで遊んでいる証拠だろう。 
本当なら大学受験で忙しいはずだが、今はそんなことはどうでもいい。 
こうして同じ趣味の仲間と時間を過ごしているのがとても楽しい。 
下らない話をしていると、いつのまにか9時半を過ぎていた。 
「オレ、そろそろ帰るわ。じゃ、みんな頑張れよ」 
「おう、ばっちり買い込んで、あとでアラやんに自慢してやらぁ」 
はははと笑った後、北1駐車場を出てゆりかもめの有明駅へ向かった。 
国際展示場正門駅は、やって来る連中でひどく混雑しているから、反対方向とはいえ乗るのは大変だ。 
今までの経験からそういうことが分かっている。 

改札口はがらんとしていて、全然人がいない。 
いつもならここまで乗るのが数人はいるはずだが、今日は誰もいない。 
面白いこともあるもんだと思いながらエスカレーターを上ると、待ち受けていたのは電車ではなく黒ずくめの男たちだった。 
無気味に思って踵を返そうとしたが、そこにも同じように黒服の男がいた。 
完全に囲まれている。正面の1人が低い声で言った。 
「東京都生活安全局だ。君を深夜迷惑防止条例違反で補導する。中森明君。いや、『荒塩昆布』君と言った方が良いかな。」
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【タイトル】335
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/04 15:40:30

そろそろ30日13時の事件をを書いたほうがいいかしら? 
それとも、まだその前の段階で楽しむか?
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【タイトル】338
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/04 18:44:33

../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=337&to=337&nofirst=true >>337 
じゃぁ時期尚早ということで保留。 
その間に「12月30日13時にこんな事件が起きる!大予想!」でも書き込んで遊ぶとか。
.
【タイトル】346
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/05 15:02:34

../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=344&to=344&nofirst=true >>344に追加 
6:有無を言わさずに終了を決定付ける事件は準備会の一部(とそれに賛同するもの) 
によって画策され、引き起こされるが、その結果は予想を大きく上回る。 
7:準備会が徹夜組等に対し強行措置をとる以上、警察、消防、会場(都を含む)等に 
それ相応の連絡はされており、これらは何らかの行動をとることが予想される。 

40万人来れば40万通りの事件が起きる。周辺も加えればそれ以上だ。 
しかし、それらは全てコミックマーケット59へと集約されるのだ。 
これはアニパロのやっているサイドストーリーやファンフィクションと同じじゃないかね? 

さて、少し仕事がヒマになったから書こうかな。
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【タイトル】352
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/05 17:46:20

2000/09/02 22:14 宮城県宮城郡松島町 

今年の夏休み、高校生になって最初の夏休み、私は初めてコミックマーケットに行った。 
すごかった。とにかく何もかもがすごかった。 
東京へ行くのも初めてだったけど、そこは仙台をでっかくしたような感じだった。 
中学生の時から同人誌のイベントに行っているけど、コミケットはそれをでっかくしただけじゃなかった。 
一緒に言った友達の京子も同じようだった。 

とにかく人がすごかった。 
「由美ちゃんはぽへ〜っとしてるから、人込みに流されちゃうね」 
なんて京子のお姉さんに言われてちょっと怒ったけど、流されるどころか翻弄されてしまったし。 
それと本もすごかった。 
仙台のイベントには時々京子と行くけど、面白そうだなーって思うのがあんまり無いんだよね。 
自分も漫画描いているのにこういう事言うのもなんだけど、中身が無いというか何と言うか。 
ひいき目に見ても私の方が上手いわよって感じの便箋とかばっかりで。 
でもコミケットは、見た目だけじゃなく中身もすごい本が沢山あって。 
そうそう、私がとても気に入った本があったんだけど、住所を見たらなんと隣町! 
地元のイベントには出ないの?って聞いたら、地元じゃ本を買ってく人が少ないから出てないんだって。 
なんかちょっと残念。 

それで、次の参加申込をしたんだ。 
だってこんなにすごいイベント、自分も参加しなくちゃ損じゃない。 
申込締切前にバイトのお給料も入ったしね。 
それと、もう本のタイトルは決まってるの。 
「雪の降る夜に」 
私と京子の2人の本。テーマはタイトルのとおり「雪の降る夜」。 
実は去年の冬から考えている話があるんだ。あとは漫画にするだけ。 
あ、その前に少し話を練り直した方がいいかもね。 
京子は…何だっけ、テレビでやってるジャンプの漫画っていうは分かるんだけど、それがいいって言ってた。 
でも2人とも「雑誌に投稿しようか」なんて言って創作を描いているんだから創作でしょう、ってことになった。 
余裕があれば、京子のお姉さんにいろいろ聞いてオフセットで出したいな。 
だってコミケット初参加の記念だしね。 
印刷費と旅費を稼ぐためにバイト頑張らなきゃ。 
でもそうすると漫画描く時間がなくなるぅ〜。
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【タイトル】363
【 名前 】サンデーライター
【 日付 】2000/09/06 00:43:20

../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=208&to=210 >>208-210と../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=212&to=212&nofirst=true >>212の「桜木」は別の人物?(サンデーライター氏の補足きぼん) 
同一です。
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【タイトル】380
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/06 11:15:31

../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=313&to=313&nofirst=true >>313 
がはぁ! なんてこった! 今ごろ気づいたよ! 
自分のSSでキャラ名を間違えるなんて! 
208-210と212の「桜木」はすべて「桜井」の間違いです。 
う、打田市脳…。
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【タイトル】382
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/06 14:14:20

2000/09/14 [SOUND ONLY] 

「…(聞き取り不能)はどのようにお考えですか」 
「あいつらの理念や理想は立派だよ。でも、それを知らないバカが多すぎるんじゃないのか」 
「晴海でやっていた時は、周辺からの苦情が多かったのは事実ですし」 
「だいたい人が集まりすぎるんだよ。3日間で江東区の人口と同じだけが集まるんだから」 
「それだけいれば、多少の不心得者がいてもおかしくないと?」 
「いや多いよ、多すぎる。だいたい江東区の住人が3,000人も徹夜するか? それも屋外で」 
「この年末が最後のようですから、手を打つならこの機会しかありませんね」 
「ああいった…(ノイズ)…達を一気に処分できるチャンスはそうそう無いからな」 
「ではどのように」 
「さっきも言ったけど、三軍、じゃなくて…(ノイズ)…を出せないかな」 
「ご自身で要請すればそれは可能ですが」 
「だからどういう理由で出すかだよ」 
「会場では年明けに出初式がありますから、それの準備ということではいかがでしょう。しかしそれでも数に限りがあります」 
「日付は分かってるんだから、すぐに出られるよう連絡を入れておけ。有明のコロシアムが空いているんだったら、そこに待機させてもいい。何だったら習志野の…(ノイズ)…でも使え」 
「分かりました。ではそのように計画を立案しましょう」 
「すると、出動要請は『治安維持活動』あたりだな」 
「そうですね。死者が出ないようにしないといけませんから」 
「あと、くれぐれも建物を壊さないように。維持費だけでも相当な金がかかるからな。それと…(以後聞き取り不能)」
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【タイトル】415
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail,goo,ne.jp>
【 日付 】2000/09/07 15:33:20

2000/12/28 16:21 東京ビッグサイト 西4ホール 

オレンジ色の光の帯がホールの奥まで伸びている。 
冬の日没は冷たい空気のせいか、他の季節より綺麗だと思う。 
川島麻衣子は先程から消防施設の点検をしている。 
この夏に初めてスタッフというものを経験した。 
確かに大変だが、それはそれで楽しいものだと思った。 
一緒に点検をしている島根靖弘は、コミケがビッグサイトに移った時からスタッフだという。 
今年は就職活動があるので来る予定は無かったが、最後というのでまたスタッフをしている。 

ホール内の点検を終え、屋上展示場へと出た。 
昨夜まで降っていた雪も止み、風も弱く、陽があたれば暖かい。 
今は雪で覆われているこの屋上も、明朝には除雪され、代わりに人で埋め尽くされるのだろう。 
点検を終え、海側の手摺に手を置いて夕日を眺める。 
町並みに沈んでいく夕日というのは、その赤みと相俟って一種独特の雰囲気を作り出していた。 
「麻衣子さん、夕日は好き?」 
不意に島根が尋ねてきた。 
「私は好きですよ。だってこんなに綺麗じゃないですか」 
「…そう」 
「靖弘さんは嫌いなんですか、夕日」 
麻衣子の答えに、靖弘は何か確かめるように頷いてから言った。 
「嫌いじゃないさ。でもコミケの前は嫌いだ。明日の朝日が見られるか分からないし」 
「何言ってるんですか。朝になれば日は昇りますよ」 
「それは…、それは君が幸せだからだよ。 
 スタッフをやっていると、俺にだってコミケがどんなに大変か分かるんだ」 
靖弘は近くのベンチの雪を払うと、そこに座って話を続けた。 
「前に徹夜組対策をやったことがあってね。 
 日が落ちる頃からどんどん増えてきて、それが夜中になっても止まらないんだ。 
 暗い中で蠢く人の群れ。勝手気ままでちっとも言うことを聞かない。 
 『明日の朝日を無事に見ることができるのかな』って考えたさ。 
 スタッフを始めた頃だったから、どうすればいいのか分からなかったし。 
 その時に思ったんだ。人間逆立ちしたって、神様にはなれないんだなってね。」
.
【タイトル】417
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail,goo,ne.jp>
【 日付 】2000/09/07 15:36:38

../test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175&st=387&to=387&nofirst=true >>387 
そういえばレイヤー方面のネタが少ないね。 
そっちのネタで書いてくれる人きぼーん。

【タイトル】425
【 名前 】サンデーライター@ちょっと長い <sundaywriter@mail,goo,ne.jp>
【 日付 】2000/09/07 17:27:03

当日までの東京の天気(3時間毎)はこんなもんでしょうか。 

12/23 Sat. 
00:00-03:00【くもり のち 雪】 
03:00-06:00【雪・大雪注意報】 
06:00-09:00【雪・大雪注意報】 
09:00-12:00【雪・大雪注意報】 
12:00-15:00【雪】 
15:00-18:00【くもり 時々 雪】 
18:00-21:00【くもり 時々 雪】 
21:00-24:00【雪】 
●大雪で鉄道や道路は大混乱。 

12/24 Sun. 
00:00-03:00【雪 のち くもり】 
03:00-06:00【くもり】 
06:00-09:00【晴れ】 
09:00-12:00【晴れ】 
12:00-15:00【晴れ】 
15:00-18:00【晴れ のち くもり】 
18:00-21:00【くもり のち 雨】 
21:00-24:00【雨 のち 雪】 
●雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう〜♪で夕方から雨。 

12/25 Mon. 
00:00-03:00【雪】 
03:00-06:00【雪】 
06:00-09:00【雪 時々 くもり】 
09:00-12:00【雪 時々 くもり】 
12:00-15:00【雪】 
15:00-18:00【雪】 
18:00-21:00【雪】 
21:00-24:00【くもり】 
●一転して1日中雪。鉄道は23日の教訓で間引き運転も。 

12/26 Tue. 
00:00-03:00【くもり のち 雪】 
03:00-06:00【雪】 
06:00-09:00【雪 時々 くもり】 
09:00-12:00【雪 時々 くもり】 
12:00-15:00【雪 時々 くもり】 
15:00-18:00【くもり 時々 雪】 
18:00-21:00【くもり のち 雪】 
21:00-24:00【雪】 
●雪も小康状態。鉄道は通常ダイヤに。 

12/27 Wed. 
00:00-03:00【雪】 
03:00-06:00【くもり】 
06:00-09:00【くもり】 
09:00-12:00【くもり】 
12:00-15:00【くもり】 
15:00-18:00【くもり】 
18:00-21:00【くもり のち 雪】 
21:00-24:00【雪 時々 くもり】 
●最初の寒波が退いて、日中はくもり。 

12/28 Thu.(設営日) 
00:00-03:00【雪 時々 くもり】 
03:00-06:00【くもり のち 晴れ】 
06:00-09:00【晴れ】 
09:00-12:00【晴れ】 
12:00-15:00【晴れ】 
15:00-18:00【晴れ】 
18:00-21:00【晴れ 時々 くもり】 
21:00-24:00【くもり のち 雪】 
●久しぶりに東京の冬らしい晴れ間がのぞく。 

12/29 Fri.(1日目) 
00:00-03:00【雪】 
03:00-06:00【雪】 
06:00-09:00【雪 時々 くもり】 
09:00-12:00【くもり】 
12:00-15:00【くもり】 
15:00-18:00【くもり】 
18:00-21:00【くもり のち 雪】 
21:00-24:00【雪・大雪注意報・低温注意報】 
●日付が変わる頃から雪。日中はやや回復。 

12/30 Sat.(2日目) 
00:00-03:00【雪・大雪注意報・低温注意報】 
03:00-06:00【雪・大雪注意報・低温注意報】 
06:00-09:00【雪・大雪警報・低温注意報】 
09:00-12:00【雪・大雪警報・低温注意報】 
12:00- 
●強烈な寒波が襲来して記録的な大雪の恐れ。 

この時期に東京でこれだけ雪が降り続くというのは珍しい。 
やはりラストコミケだから?
.
【タイトル】500
【 名前 】サンデーライター@30日の状況 <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/11 13:16:20

関東で大雪が降るとこんな感じ? 

2000/12/30 06:31 某局AMラジオ放送 

「おはようございます。12月30日土曜日。朝6時半です。 
 関東地方はもう1週間も雪が続いていますが、今朝の東京は大雪ですね。 
 早速天気予報から行ってみましょう。気象協会の根岸さん」 

『はい、おはようございます。 
 まず警報です。午前6時に関東地方全域に大雪警報が出されました。 
 日本の南岸には湿った空気を大量に含んだ低気圧があって、北東方向へゆっくりと進んでいます。 
 また、埼玉県熊谷市の上空5,000mには-36℃の強烈な寒気が入り込んでいて、大雪を降らせる原因になっています。 
 平野部でも多いところでは1時間に10cm以上の雪が予想されます。今後の情報に十分ご注意ください。 
 今朝の最低気温は氷点下3.6℃でした。東京地方は気温の低い日が続いていて、低温注意報も出ています。 
 農家の方はビニールハウスの温度管理などにもご注意ください。 
 今日は気温も上がらず、東京でも最高気温2℃の予想ですが、氷点下の真冬日になるかもしれません』 

「ありがとうございます。 
 続いて交通情報、警視庁から岸本さん、お願いします」 

『はい警視庁です。各地で大雪による規制があります。 
 高速道。中央道は相模湖と大月の間が上下とも除雪作業中のため通行止め。下の国道20号へ迂回してください。 
 その他区間も高井戸から岡谷までが50キロ規制、八王子から先がチェーン着装規制。 
 東名は東京から静岡県の吉田インターまでの区間で50キロ規制。秦野中井と沼津の間はチェーンが必要です。 
 関越自動車道は練馬から全線で50キロ規制。渋川伊香保から先はチェーン着装規制も出ています。 
 関越トンネルは現在規制は出ていません。 
 東北道、川口から羽生インターまで70キロ規制。その先の西那須野塩原まで50キロ規制。 
 さらにその先には50キロ規制とチェーン着装規制が出ています。 
 常磐道は三郷から桜土浦まで50キロ規制、その先は70キロ規制。 
 東関道、京葉道路、新空港自動車道は全線で70キロ規制です。 
 東京湾アクアラインは木更津橋梁部で70キロ規制。館山道も全線70キロ規制です。 
 首都高速。昨日の事故処理と現場検証がまだ続いていて、湾岸線の辰巳ジャンクションと台場ジャンクションの間が両方向通行止め。 
 その他は全線で50キロ規制が出ています。また、殆どの入り口が閉鎖されていますのでご注意下さい。 
 幸い事故は無いようですが、走行には十分気をつけてください。以上です』 

「えー、各地で雪による規制が出ていますね。では電車の情報です。まずはJR。 
 東海道新幹線は東京と浜松の間で徐行運転をしています。遅れは最大で1時間半程度になるとの見通しです。 
 東北・上越・長野新幹線は平常どおりに運転しています。 
 在来線ですが、首都圏の各線は通常よりも間隔を開けて、本数も減らして運転しています。 
 また、各地で徐行運転をしている区間が有りますので、通常よりも時間がかかっています。 
 私鉄各線も同じように間引き運転をしています。地下鉄は今のところ平常どおりの運転です。 
 道路も雪や氷で滑りやすくなっています。お出かけの際は時間に余裕を持って、十分にご注意ください」
.

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【タイトル】453
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/08 10:36:10

明大前って、うちの近所ぢゃん。 
最寄は隣だけど、駅まで歩いて10分ぐらいで行けるよ。
.
【タイトル】506
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/11 15:32

そう、元々コミックマーケットは創作漫画を発表する場所として始まった。 
自分たちの理想とする場所を求めて、既成のものから飛び出したんだ。 
いろんな衝突があったさ。でもそれだけ求めるものに対して真剣だったんだ。 
そしてようやく理想に近いものが出来上がってきた。 
互いに得意な分野で自己をぶつけ合う、すばらしいものだった。 
しかし、ある時からそれは変わってきた。 
さらに理想を求めるのではなく、不完全でも今のままを保とうとしたんだ。 
規模の拡大で理想の追求どころではなくなった、という風にも言えるけどな。 
より理想に近づけるためには、今を変えなければならない。 
しかし、今を保たなければ機会そのものが無くなってしまう。 
互いを暖めるためには近づかなければならない。 
しかし近づきすぎると相手を傷つける。 
まるでヤマアラシのジレンマのようさ。 
そうだ、何で創作以外のジャンルが山程あるのか分かるか? 
それは今のコミケットを形作っているのがオタク達だからさ。 
今のコミケットにはオタクが必要だ。 
オタクがいなければコミケットという場所は存在できなくなってしまった。 
そのためには、オタクはオタクのままでいてもらわなければならない。 
だからオタク萌えしやすいエロ・パロが沢山あるのさ。 
しかしコミケットを保つためのものが終わりを招いてしまったというのは、皮肉だよな。
.
【タイトル】579
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:33:30

書いていたら結構長くなってしまいました。 
でも書かないと区切りがつかないし。 
今回は約30行に5分割です。 

2000/12/30 11:49 東京ビッグサイト 西1ホール 

なんだろう。さっきから嫌な気配をずっと感じている。 
誰かが遠くから私を見ているような、そんな感じ。 
「舞子ちゃん、気分でも悪いの?」 
「あ、いえ、そういうんじゃないんです、明日花さん。なんかこう…」 
「『ダークブレイカー』の気配を感じてるのね」 
「…やっぱり、そうなんですか?」 
≪まだ遠いが、だいぶ近づいてるな≫ 
オパール―机の上にディスプレイしてある銀色の猫(のぬいぐるみ)―が 
テレパシーで話しかけてきた。 

『ダークブレイカー』 
この世界から「創造する力」を奪い去ろうとする闇の勢力。 
そして、「創造する力」を護るのが私達『ガーディアンズ』の役目。
.
【タイトル】580
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:34:19

1993/12/30 14:12 晴海見本市会場 西館 

私、本宮舞子、小学4年生。 
今日はとなりに住んでいる翔(かける)お兄さんと、 
もういっことなりに住んでる澄子お姉さんといっしょに 
コミックマーケットというのに来てるの。 
翔さんはまんが家さんで澄子さんはイラストレータ。 
今日は2人で作った本を売りに来たんだ。 
交代でお店番して、今は私がお買い物をする時間。 
「西館っていう赤い色の建物がいいんじゃないかな」って 
翔さんに教えてもらって来たんだけど… 

「あっ、このぬいぐるみかわいー」 
机の上には紅茶色のギンガムチェックのクロスがかけてあって、 
そこに銀色のふさふさした毛の猫のぬいぐるみが置いてある。 
かわいいのでじーっと見ていたら、「気に入った? 触ってもいいわよ」って、 
机の向こうに座っている高校生ぐらいのお姉さんが笑って言ってくれた。 
「え、いいんですか?」 
「いいわよ。そのかわり丁寧にね」 
そう言ってぬいぐるみを渡してくれた。 
≪汝、力を持つものか≫ 
ぬいぐるみを抱いた瞬間、誰かの声が聞こえた。 
誰だろうと思ってまわりを見ても、それらしい人はいない。 
「どうしたの?」 
「いえ、今何か言いませんでしたか?」 
「ううん、何も言ってないけど…。あなた『声』が聞こえたの?」 
≪汝、我の声を聞きし娘よ≫ 
ぬ、ぬいぐるみがしゃべった!?
.
【タイトル】581
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:35

びっくりしている私にお姉さんが言った。 
「そう、あなたが守護者(ガーディアン)なのね」 
「えっ? な、何のことですか?」 
私の抱いていた猫のぬいぐるみが、ひとりでに宙に浮いて言った。 
≪汝、創造者(クリエイター)を守護する者よ≫ 
戸惑っているとお姉さんが続けた。 
「私は田浦明日花。ガーディアンを見つけ出すのが私の役目。 
 そしてあなたがガーディアン。自由と情熱を護るガーディアン・ルビー」 
≪そして私はオパール。汝の護るべきは『創造する力』。さぁ、これを受け取るが良い≫ 
私の前に、バレーボールぐらいの大きさの光の玉が現れた。 
とても強い光だけど、私にはその中に何かあるのが見える。 
白いマジックペンぐらいの大きさで、赤い石と金の飾りがついている。 
「さぁ、そのペンを受け取って」 
お姉さん、いや明日花さんに促されて光の中に手を入れる。そこは暖かくも冷たくもなくて不思議な感じ。 
私がペンをつかむと光の玉は消え、それまで聞こえなかったまわりの音が、一度に戻ってきた感じがした。 
「はれ? 今の、なんだったんだろう…」 
でも、私の手にはペンが握られている。 
「ねぇ、オパール…その猫さん、拾ってくれるかな」 
明日花さんに言われて床を見ると、さっきまで浮かんでいた猫のぬいぐるみが落ちていた。 
それを拾って明日花さんに渡すと、「ありがとう、舞子ちゃん」と言われた。 
「えっ、なっ、なんで私の名前を知ってるんですか!?」 
明日花さんはにこりと笑うとこう答えた。 
「だって私はあなたを探していたんですもの」 
はぅー、なんか大変なことになってしまったような気がする…。 
「きゃぁー!!」 
私がちょっと落ち込んでいると、後ろから悲鳴が聞こえた。 
振り返って見ると、お店番をしている女の人の腕を、ぼさぼさ頭の男がつかんでいる! 
「舞子ちゃん、早速出番のようね。さぁ、変身よ!」
.
【タイトル】582
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:35:12

「へ、変身って…。それになんで私の出番なんですか?」 
「さっきも言ったでしょう。あなたはガーディアン。『創造する力』を護る人なの。 
 いま腕をつかまれている彼女、もうすぐプロデビューして、すばらしい漫画を沢山描くことになるの。 
 でもこのままじゃ、彼女は漫画を描くのをやめてしまう。創造する力を失ってしまうのよ!」 
なんだかよく分からないけど、困っている人を放っておくことはできないわ。 
えぇい、いざとなったら女の子は度胸よ! 
「ペンを高く掲げて、『ウェイクアップ ルビー・ガーディアン』と叫んで!」 
「はい! ウェイクアップ! ルビー・ガーディアン!!」 
私が光の筒に包まれると、掲げたペンの石から12個の同じ色の石が飛び出す。 
それは石と同じ赤色の輝く帯を私に絡ませてゆく。 
帯は私の体を包み、次の瞬間それがすべてはじけると、ガーディアンに変身した私がいた。 
ペンは伸びて杖になって、私の手の中にある。 
「人の迷惑かえりみず、わがままばっかりの困ったちゃん! そんなあなたは、逝ってヨシ!!」 
私は杖をぼさぼさ頭にびしっと向けた。 

ぼさぼさ頭はつかんでいた女の人を突き飛ばすと、私に向き直った。 
『何だ貴様は! ブラックオニキス様の邪魔をするなら容赦はしないぞ!』 
その声は到底人間の出せる声なんかじゃない。 
そう思っているうちに、ぼさぼさ頭は熊のような姿に変わっていった! なっなによ、こいつ!? 
「幻恐魔よ! ブラックオニキスのしもべ、『創造する力』を奪うものよ!」 
≪ガーディアン・ルビー! 幻恐魔を倒すがおまえの使命だ!≫ 
「そ、そんなこと言ったって…、うわぁっ!」 
私は幻恐魔に突き飛ばされて、近くの机ごと倒されてしまった。 
≪ここでは周りの人達が危険だ。場所を移すぞ≫ 
オパールの体から虹色の光が放たれ、私たちを包む。 
光が消えると高い建物―新館らしい―の屋上にいた。 
『何処にいたって変わりゃしねぇ。お前を倒すだけだ!』 
幻恐魔が私に向かって突進してくる!
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【タイトル】583
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:36

「チョーカーのルビーに手を当てて、『ルビー・レイ・ソード』よ!」 
首に手を当てると、チョーカーの左の方に石がついているのが分かった。 
「ルビー・レイ・ソードッ!」 
手を当てているところから伸びる赤い光が、幻恐魔の右肩を捕らえる。 
『ぐぅわぁぁぁぁぁっ!』 
光が当たったところから緑色のしぶきが吹き出る。 
≪今だ! 『ルビー・パワー・パルパライゼーション』を!≫ 
しっかりと目標を目で定めながら頭上で杖を回す。 
「ルビー・パワー・パルパライゼーション!」 
杖を振り下ろし、先の石を目標に向ける。 
石からは赤と銀の光がらせん状に伸びて、幻恐魔を捕らえた! 
『ぐふぅぁっ! こっ。このままで済むと思うなよぉぉぉっ!』 
そう叫ぶと幻恐魔は塩の塊になって粉々に吹き飛んだ! 

「は…、へ…」 
私は一気に力が抜けて、その場にへたり込んでしまった。 
「見事よ、ガーディアン・ルビー。さぁ、もう変身を解きましょうか」 
「はい。スリープ ガーディアン」 
ガーディアンの服が赤い光の帯に変わり、それが消えると元の格好の私がいた。 
オパールと明日花さんは屋根の端から下の様子を眺めている。 
≪しかし敵にここを見つけられてしまったな≫ 
「遅かれ早かれ、コミックマーケットが狙われるのは間違いないわ」 
明日香さんは私の方へ向いて続けた。 
「舞子ちゃん、これから少し大変かもしれないけど、一緒に頑張りましょう」 
「は…、はぁ。それはいいんですけど…」 
「…そうかしたの?」 
「どうやってここから降りるんですか〜!?」 
屋上の風は、ちょっと冷たかった。
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【タイトル】584
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/13 18:38:40

なんか魔法少女〜になっている(笑) 
いいじゃん、40万人いるんだから1人や2人いたってさぁ。
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【タイトル】10
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/18 13:05:20

2000/10/20 23:16 山梨県富士吉田市 

正和はオレが描いたコンテを読んでいる。 
この冬でコミケットが最後だと聞いた時、これを描こうと決めたヤツだ。 
相当なページ数だが、正和は丹念に読んでいる。 
「なぁ哲也、今回のは…、何つぅか、いつもと違うな」 
「まぁ、最後のコミケだし、夏コミの事もあるからな」 

男性向けの創作だが、12年間地道に描いてきて確実に固定ファンを掴んできた。 
そのうち3割程度が女性読者というのも、うちの特徴かもしれない。 
2000年の夏コミ、オレのサークル「真夜中の紅茶」は初めて壁に配置された。 
隣は2年前から参加しているエロの過激さを売りにしているサークルだった。 
同じような題材を扱っているので、いつも近くに配置されている。 
そのせいもあってか、どうもライバル視されているようだった。 
夏コミで隣に配置されると、あからさまにオレ達と自分達のサークルを比較した。 
絵がきれいでエロが過激なら、話なんか無くたって売れるんだ、みたいな事を言っていた。 

「それにしても、いつもの半分もエロが無いぞ。やっぱり連中を意識してるのか?」 
「はっきり言う。気に入らんな。エロの差が売上の決定的差でないことを教えてやる!」 
「まぁ、お前の漫画はストーリーが強いからな。多少エロが減ったところで問題無いよ」 
正和はペプシを一口飲むと、再びコンテを読み始めた。 
「なぁ正和、幕張を追い出された時のこと、覚えているか?」 
「忘れるか。ホテルの変更ですごい苦労したぜ」 
「エロのせいで危うくコミケが潰れかけた。最近もあの時と似た感じになっていると思わないか?」 
「そうだなぁ…、特に有明に移ってから来てる連中は、その辺の事を知らないからな」 
「古株もさ。また同じ過ちを繰り返すと気づかないのか!」 
「哲也、俺は神の存在を信じるぜ」 
「神の存在って、どういうことだ?」 
「悪いヤツにはバチがあたるってことさ」

【タイトル】28
【 名前 】サンデーライター <sundaywriter@mail.goo.ne.jp>
【 日付 】2000/09/20 15:28:20

2000/12/30 12:32 東京ビッグサイト ガレリア 

いつものように、田村はガレリア2階の東端でコンビニのおにぎりを食べていた。 
田村の好きな明太子は売り切れていたが、代わりに買った昆布が意外と旨い。 
隣では買付け部隊が、仕入れてきた本の整理をしている。 
大手が軒並み販売停止を喰らっているせいで量は少ないが、それでもかなりのものだ。 
自分用に引き抜いたお気に入りサークルの本を眺めていると、向こうから村中が来た。 
「やぁ田村さん、首尾はいかがですか」 
「大手を廻ってない分島を廻らせてるんで、掘り出し物が多いな」 
「ほほぅ。あぁそうだ、掘り出し物といえば、面白い話を聞きました」 
「なんだ?」 
「ある大物作家が本を出すらしいんです。この天気で搬入が遅れているとか」 
「大物作家? 誰だぁそいつぁ」 
村中は回りの連中に聞こえないよう用心しながら、田村の耳元で小声で名前を告げた。 
「そっそいつって、あのっ、週刊誌で連載やってる超大物じゃねぇか」 
「ただ、部数が200程度しかないようです。どうしますか?」 
「ガセネタじゃねぇだろうな?」 
「本人がスペースにいたんですよ。だから間違いはありません」 
田村はペットボトルの十六茶を一口飲んだ。 
「そうか。それならこの目で確かめたい。俺にも意地というものがあるからな」 
「そう言うと思いました。では私もご一緒しましょう」 
田村は整理をしている数人に「オレも何か買ってくらぁ」と声をかけると、村中と共に雑踏の中へ消えていった。



【タイトル】385
【 名前 】サンデーライター@全ての参加者へ贈る歌 <sundaywriter@mail,goo,ne.jp>
【 日付 】2000/09/06 17:26

(HEY! HEY! HEY!) 

Welcome to this crazy place! このイカレたコミケへようこそ 
君は Tough Boy (Tough Boy Tough Boy Tough Boy) 

まともなヤツほど feel so bad! 正気でいられるなんて運がいいぜ YOU! 
Tough Boy (Tough Boy Tough Boy Tough Boy) 

時はまさに世紀末 澱んだ会場で僕らは出会った 

Keep you buying 駆け抜けて この腐敗と自由と煩悩の真っ只中 
No boy, No cry 悲しみは 絶望じゃなくて明日もコミケット 

You are living. Livin' in the ninties. 
We still fight! Fightin' in the Doujin'. 

(HEY! HEY! HEY!) 

何処もかしこも人だらけ うずくまって泣いてても始まらないから 
Tough Boy (Tough Boy Tough Boy Tough Boy) 

どっちを向いても feel so sad! だけど死には至らない気分はどうだい 
Tough Boy (Tough Boy Tough Boy Tough Boy) 

ここは東京ビッグサイト カタログ握り締め僕らは出会った 

Keep you buying 駆け抜けて この狂気と希望と幻滅の真っ只中 
No boy, No cry 並ばなきゃ 人数を増した行列の中へ 

You are living. Livin' in the ninties. 
We still fight! Fightin' in the Doujin'.
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