『エイケン』を褒める
突然だが、『エイケン』*1を褒めてやりたくなった。
今週号(32号)は温泉地へ合宿。混浴の露天風呂があるということで、88cmFカップを、111cm超巨乳を眺めたくり、揉みしだくという妄想にふける話で、乳のみに偏重しすぎて狂った作画とともに、その内容は『ぷろぶれむちゃいるど』*2ファンだった私ならずとも、「それはちょっと、どうか…」と言わずにはいられないものであった。
しかし、だからこそ、私はこの『エイケン』という作品に計り知れない迫力を感じた。主人公である伝助(あるいは霧香)の『裸見たいんじゃーっ!』『乳揉みたいんじゃーっ!!』という叫びは、作者である松山せいじ*3氏の魂の叫びであるからだ。そこには編集部の意向や読者の傾向といったフィルターはひとつも存在しない*4。その点で、『エイケン』の覚悟の量はハンパではない。自分の絵が萌えとして受け入れられたために、萌えをギャグの保険として使うようになった『しゅーまっは』や、ストーリーを読ませるために、意図的に萌えをコントロールしている『ななか6/17』などとはワケが違うのだ*5。
巨乳好きの余すところのない煩悩が、そのまま少年誌に掲載されているという奇跡の作品『エイケン』。その行きつく場所はどこなのか、N-pageはこれからもこの作品を見守っていきたいと思う。
*1 秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載中。
*2 高柳ヒデツ作。「週刊少年チャンピオン」に2001年13号〜21号まで連載。空手少女・園崎さんと謎の美少女・まりや達がくりひろげるアクションコメディで、マニアックな設定と精密な格闘描写が一部の間で大人気だったが、なぜか打ち切られてしまった。その入れ替わりで始まったのが『エイケン』だったため、一時『エイケン』は『ぷろちゃ』ファンから目の敵にされていた。
*3 32号の作者コメントにて、おジャ魔女の中では玉木萌えであることが発覚。
*4 一時『ラブひな』のパクリだと叩かれた時期もあったが、この時点で『ラブひな』も越えたと言える。だってあれ、編集の人が考えてるし。
*5 当然のことながら、『しゅーまっは』も『ななか』もムチャクチャ萌える。今週号の幼彩とか雨宮さんとか、もう。