「鳴海孝之はどうしてモテるのか」「主人公だから」
結論としては一発ですが、これだけでは到底納得がいきません。取り柄があるのかなんだかよくわからない主人公がなんだかわからないうちに女の子たちにモテまくるという萌え系ハーレムゲーム・マンガが増殖している昨今、私が「君望」の主人公と同名のため苦しんだのと同じように、何かしらの主人公と同名のため苦しんでいる人たちは、まさに萌え作品の数だけ存在しているのです。彼らを救うためにも、いろんな萌え作品の主人公達から、モテるための秘訣を「主人公である」という以外の共通項から見つけ出さなければいけないのです。とりあえず私の本棚にあるマンガの主人公を引っ張ってみましょう。
- 「花右京メイド隊」から花右京太郎
- 「まほろまてぃっく」から美里優
- 「エイケン」から三船伝助
- 単行本は持っていないが「ラブひな」から浦島景太郎
「こんなマンガを読まないことがモテるための秘訣だ」と言ったらそれで終わりですが、現実から背を向けることは現実を認識していることですから、どんなマンガでも何かしら現実世界に応用できることはあるはずです。とりあえず彼らと鳴海孝之を「経済力」「知力」「体力」「性格」「ルックス」から分析していきましょう。
経済力
やっぱり世の中金です。一介の中学生から大富豪に成り上がった花右京太郎がメイド達からモテまくるのは当然です。あと浦島景太郎もおばあちゃんが温泉を持っている資産家ですから、それ目当てで女が寄ってきてもおかしくありません。美里優もお手伝いさんを雇えるのですから親の残してくれた遺産は十分なのでしょう。ですが鳴海孝之はいい部屋には住んでるものの所詮はプータロー。ゲーム中もみるみる仕事が減ります。三船伝助はとりあえず家は中流家庭のようですが、いつも格闘技雑誌の衝動買いでサイフの中を空っぽにしており、運用能力はなさそうです。
知力
入るまでには苦労がありましたが、東大に合格した時点で景太郎のパラメーターはMAXです。優君もIQ130と相当良いです。しかし花右京太郎の成績はイマイチですし、孝之も白稜大に行けなかったのでダメ。伝助にいたってはこんなにダメでいいのだろうかと心配になってきます。
体力
「運動能力は並以上」という評価がある優君以外、軒並み「体力は無い」という表現がなされている主人公たち。しかしながら生命力という切り口で見れば、伝助や景太郎は殴られても崖から落ちても平気ですから、本能的に強い種を求めるという点で生物学上かなり有利なのかもしれません。
性格
どれをとって性格をいいとするのか、どんな優しさが女心をくすぐるのか、それがわかっていれば最初から苦労はしませんが、少なくとも孝之の性格は最低です。本当に鳴海孝之のどこがいいんでしょうか?
ルックス
そもそも絵柄の違うマンガにおいてルックスの比較は不可能です。孝之には顔すらありませんし。しかしながら、彼らにおいてルックスに関係することで、たった一つだけ共通点があります。最初からメンバーの選出がかなり恣意的な時点でわかっていると思いますが、彼らは全員、女装しているのです。
正統派メイド、タロ子ちゃんに変身する花右京太郎。
まほろさんの買った豊胸マシーンによって女性化した美里優。
メインヒロインよりも萌えると言われる女装伝助。
私は未見ながらDC版ゲームに女装CGがあったらしい浦島景太郎。
そして、マナマナにその素質を見出された鳴海孝之。
おそらく遙も水月も茜ちゃんも誰も、鳴海孝之の中に流れる女装の血を、無意識的にも感じ取っていたに違いありません。そう考えるとあのヘタレがモテる理由にすべて納得がいきます。
女装こそ、萌えゲーム・マンガの主人公に共通する特性だったのです。