The Queen of Heart
ついに私を決断させた一品
なんでこんなものがここに!
リーフのゲームの対戦格闘モノがある!
そんな情報をどこで手に入れたのかわからないが、ともかく「渡辺製作所」のHPでその存在を確認することができた。同人ソフトで、しかも画像を見たかんじ素晴らしい出来だ。その情報を友人に報告すると、格ゲファンである友人は狂喜。とはいえ同人ソフトであるため、東京・秋葉原でしか手に入らないだろいうな、というのが、我々の一致した意見だった。(そのころ日本橋にはまだ「とらのあな」はなかった)
ところで、私が「ToHeart」「Kanon」を買ってきたゲーム屋というのは、駅前のセブンイレブンの2階にある店で、マンガもオタク系のCDもパソゲーも充実しているというマニアックな品揃えから、私もエロマンガとかはここで買っていたのだが、いつものように特に目的もなくぶらついていると、リーフのコーナーの下に、それがあった。
「QOH’99」! なんでこんなものがここに!?
よく見ると、近くにあるのは、さ○らモノやナ○シコもののエロソフト。ようするに、この棚のこの一角は、同人ソフトコーナーであったのだ。その中に燦然と輝くQOH! すごい、マニアックすぎるぞこの店!
そこで私は考える。Kanonでさえ学校の研究室でやってる環境。あきらかにこんな動くゲームがうちのパソコンでできはしない。しかも格ゲーは私の専門外だ。とはいえ、ここにこんなソフトがあるということは、とんでもなく貴重なことだ。実際大人気で品薄だと聞いている……当然、答えは決まっていた。出来もしないゲームが、部屋の中にひとつ増えた。
決断する
その日は休日前で、バイトがやたら忙しかった。平日で学校も行ったというのに、5時から1時ごろまで働いて、着替え中に疲弊した体を寝転んで休ませていると、研究室で2周目の攻略にとりかかったKanonのCDと、家でただ起動される日を待っているQOHのCDが頭に浮かんだ。翌日、貯金をはたいて日本橋に行って、新しいパソコンを買った。裏通りを歩くと、同人系の店の前でQOH大会をやっていた。もちろんパッドも買った。家に帰ってWindowsの次にインストールしたのが、QOHだった。旧マシンからのデータの移行など、やることはたくさんあったのだが、まずはこれからだった。
実は初めての格ゲー
さっきちょっとだけ「格ゲーは専門外」と書いたが、実をいうと全くのど素人である。ろくにやったことがない。ファミコン以降のコンシューマー機を持たなかったというのも理由の一つだが、最大の理由は、周囲の友人たちがあまりにすごすぎたからだ。特に例の友人は、ゲーセンで人を集められるだけの能力をもっている生粋のシューターで、当然格ゲーも鬼のような実力を持つ。そんな連中が切磋琢磨しているなかで、とても出遅れて新規参入する気にはなれなかったわけだ。その点で、私に格ゲーの扉さえ開かせてしまったQOHは、やはりとんでもないゲームといえよう。ちなみに友人もGW休暇を利用して日本橋とらのあなで入手してはまったが、彼によると格ゲー入門用としてはあまりに特殊だということである。私はこれ以外の格ゲーをまだできないのでよくわからない。
概要とお気に入りキャラ
ともかく大素人の私に、格闘ゲームの楽しさを教えてくれたゲームだ。かなり凶悪なコンボもあってバランスがとんでもないというが、私クラスでは非常に面白い。
しかし、QOHの魅力はなんと言っても、キャラ造形の素晴らしさだ。私の新しく買ったノートパソコンは、ソフマップのオリジナルブランドのやつなのだが、(私のだけかもしれないが)個々のスペックは十分なものの、どうもハード間の相性が変らしく、USBのパッドもときどき制御不能に陥ってしまう。そんなときはいったんポーズをかけて、パッドの制御が回復するまで待つのだが、そうやって一時停止された画面を見てみると、キャラの1枚1枚の画像が、非常によく出来ているのだ。攻撃を受けてのけぞってるポーズ、ダウンから起き上がろうとするポーズ、屈み防御をしているポーズ、ドットから言えば数十という単位にしか過ぎないのだが、姿勢といい表情といい、原作でも見られないセクシーささえ感じてしまうのだ。製作者のキャラに対する愛情がひしひしと伝わってきて、このゲームがヒットした理由が良くわかる。
お気に入りのキャラは雫のさおりんである。一番最初に選んだキャラということもあるが、コマンド投げから中ダッシュで浮かせ、さらに空中投げを入れて(なかなかうまくいかないが)、また中ダッシュというコンボは、かなり凶悪で好きだ。あとWAの緒方理奈。スピードのあるキャラが好きなようだ。