White Album
裏切りを楽しむゲーム

思ったよりも悪くない

 私はもともと、少女マンガに出てくるヒロインよりも、そのライバルキャラとかのほうが大好きな性質らしく、『ガラスの仮面』でも姫川亜弓とか大好きなのだが、その点で『QOH』における緒方理奈の勝ち台詞「私は天才って呼ばれてるの。あなた程度でかないっこないじゃない!」というのはまさに、私の心の琴線に触れる台詞であり、それと森川由綺の凶悪な攻撃と腹黒そうな台詞も気に入って、ともかくも『ホワイトアルバム』を購入する運びとなった。
 一般に、これまでのリーフ作品に比べて見劣りがするといわれる『ホワイトアルバム』。まあ『雫・痕』路線と『ToHeart』の成功から考えれば覚悟の上だが、とりあえず私がゲームを始めて思ったことは、「俺はこの絵柄が好きだ」ということだった。リーフといえば水無月徹だが、河田優の絵もかなり良い。とくに絶対キツいだろうと思っていた緒方理奈も表情がやわらかく、あかりみたいに腹黒いと思っていた由綺も、かなり可愛く、いじらしい。
 そして最高に楽しいのがシナリオ。なにせ、主役である藤井冬弥には、初期設定からメインヒロインの森川由綺を彼女にしていて、実際それなら一直線にメインに進めばいいものを、他のヒロインに流れるものだから、そのときは由綺を裏切らなければならない。忙しいスケジュールの合間を縫ってデートの約束をした由綺に、思いっきり嘘をついてキャンセルするところなどは、もう選択肢を選ぶ時点で罪悪感いっぱいである。そのうえ他ヒロインを落としたあとも、由綺ときっちり別れる訳でもない。だからエンディングを迎えても、バッドなのかハッピーなのかなんだかよくわからない感情が残ってしまうのだ。そして私はこういうのが好きだ。

概要とお気に入りキャラ

 システム的にもシナリオ的にも、「ギリギリを楽しむゲーム」だと思う。プレイヤーは、まず1週間のスケジュールを決めてから行動するのだが、そこには体力ゲージもからんできて、休養を取る必要も出てくる。だから効率よく行動するためには、できるだけ体力を消耗した段階で休養をとるべきなのだが、その休養日に突発的なイベントが入ったりして休めず、クリスマスイブやバレンタインなどの肝心な日にぶっ倒れてしまい、フラグが消滅してしまうというあまりにも情けない展開もありえる。
 そしてシナリオもギリギリだ。美咲せんぱいシナリオでは、Hシーンを途中で中断して由綺のコンサートに行き、そして戻ってきてまた続きをやる、というアクロバティックな行動をするし、マナちゃんシナリオでは、病気になってマナちゃんに看病してもらってるときに由綺がやってくる、という大ピンチな展開もある。そのうえHシーンもギリギリで、藤井冬弥はほとんどのヒロインに中出ししてしまう。相手がアイドルだろうと意に介さない。見てるこっちのほうが心配になってしまうくらいだ。
 このあたりを評して「主人公に感情移入できない」などとこのゲームを批判する人もいる。しかし、これこそがこの『ホワイトアルバム』の醍醐味である。別に主役に感情移入する必要なんてない。自分で選択肢を選びながら「この男最悪だよ〜」とかツッコんでいれば、それで楽しいのだ。
 ちなみにお気に入りのキャラは緒方理奈がもちろんだが、ショート好きには河島はるかもよい。シナリオ的にも由綺さえいなければ普通の恋愛シナリオっぽくてよいし。はるかのこの台詞が印象的だ。

はるか「ねえ冬弥、私たち、どうしてこんなふうになっちゃんたんだろうね」

 全部主人公(そしてその行動を選択してる俺)のせいじゃ!!

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