ビッグボディ VS ソルジャー
エピローグ
──3日後、大阪城。
ワー!
ワー!
ドオォォォッ!!
『お聴きください、この大歓声! 6人の運命の王子が、王位継承を賭けて戦ったこのサバイバルマッチも、ついにファイナル!! 西からマリポーサ、ゼブラを破ってやってきたキン肉マンチームと、東からフェニックス、ソルジャーを破ってやってきたビッグボディチームが、この大阪城で、雌雄を決します!』
ウオオオオッ!
『すでに西のコーナーには、キン肉マンチームの5人の勇者が、メンバー発表を終えて陣取っています。先鋒・ウォーズマン、次鋒・テリーマン、中堅・ラーメンマン、副将・ロビンマスク、大将・キン肉マン! 休養を十分に取り、ビッグボディチームをベストメンバーで迎え撃ちます!』
大歓声に包まれ、自信満々のキン肉マンチーム。
その背後には、さらにそうそうたるメンバーが声援を送っている。
「けが人が出たら、いつでもこのブロッケンJrが助太刀するからな!」
「このバッファローマンさまをリザーバーにするなんてふてえ野郎だが、ピンチのときはいつでも代わってやるぜ!」
「魔界の王子としても、アシュラマンはキン肉スグルを支持するぜ!」
「オラも忘れちゃこまるズラ!」
「フフ…キン肉マンのことが心配で来てみたが、どうやらこのネプチューンマンがリングに立つことはなさそうだ…」
ウワーッ!
ウワー!
ワー…
……
…
「ビッグボディさま…向こうはとんでもない盛り上がりですぜ」
通路のドアの向こうから、ビッグボディチームはホールの様子を覗きこんでいた。
「ひい、ふう、みい…ウグォ、10人もいる…」
「まさかあれだけの人数で、この団体戦を戦おうってつもりじゃないでしょうね…」
「なんでも聞くところによれば、準決勝は6人で戦ったっていう噂ですし…」
「「どうしましょう、ビッグボディさま」」
不安のまなざしで大将を見るメンバーの顔。
「構わんさ」
ビッグボディは、平然と言い放った。
「あいつらの人数の多さ、それは正義超人の絆の証さ。数多くの戦いの中で築かれたキン肉マンとの絆…それに対して、オレ達が文句をつけるいわれはないさ」
「……」
「…だがな、お前ら」
「築いてきた絆の数なら、俺たちも負けちゃいねえ! フェニックスやソルジャーとの闘いの中で、俺たちが学んだもの! それをこの試合で爆発させろ! 志半ばで倒れた二人とその仲間に、恥ずかしくないファイトを見せてやるんだ!」
ビッグボディは、ひとりひとりの目を見つめながら言う。
「ペンチマン! お前のペンチ・クローはウォーズマンのベアークローよりもでかい! 自信を持っていけ!」
「ハッ!」
「レオパルドン! テリーマンなら絶対勝てる! 思いっきりやってやれ!」
「オッス!」
「ゴーレムマン! お前の強力で、ラーメンマンの技を出させるな!」
「ゴアアッ!」
「キャノンボーラー! 度胸と根性でなんとかがんばれ!」
「ハイッ!」
「交代が出てきても気にするな! そいつらは、オレがまとめて相手になってやる!」
ビッグボディの檄に、燃えあがる強力チーム。
その瞳は、みなそれぞれ自信に満ち溢れている。
「勝つぞ、みんな!」
「「オウッ!!」」
ビッグボディは扉を開け放つ。
そして、その向こうへと一歩を踏み出した。
栄光へ。
(終)
ということで、ただの気まぐれで始まったキン肉マンSSもこれで終わり。
次回は四次元殺法コンビやビッグ・ボンバーズやカレクック&スカイマン組が覇を争う、
「銀河系超人タッグ選手権編」です。
もちろん嘘ですけど。