ここは、個人的に気にいっている本を紹介します。
一応、週刊。土曜日あたりに変える予定です。
第26回
「夏子のいのち」
第一プロ 小原幸子
まあ、いわゆる貸本ってヤツ。
貸本の少女マンガってのは、なんていうか
ひたすら不幸な主人公を描こうとしている場合が多い。
時代が時代なだけに、作者の意図としては
「この主人公のようにもっと不幸な人もいるからみんなも頑張って」
みたいな感じで描いてるんだろうけど
今読むとクサイっていうより
無理矢理不幸な主人公を描こうとして
空回りしてるって感じなんだよね。
もちろん、同時代(っていうかこれよりずーっと前)に手塚、横山、等の大御所が
ちゃんとした(?)少女マンガも描いていたので
当時のマンガが全部こういうわけじゃないので念のため。
「口の中から真紅な花が…」
右下の絵がシュール。
この絵じゃ、血を吐いてるように見えんよな。
マジで花を吐いていると思った人もいるだろうな。
こういう表現はつげの紅い花とかにまかせておけば良いのである(笑)。
で、直截的に表現したコマ。
結局笑いを誘う。
どうでもいいが
大病=血を吐く
ってのは安直だよなぁ。
で、主人公の病名は…。
先天性の心臓疾患だってさ。
心臓疾患で血を吐くってはのチトおかしい気がするぞ。
検査内容が内圧測定、血液検査、心内温度測定
そして、動脈血酸素飽和度。
たぶん作者は意味もわからずに書いてますな。
難しい言葉=リアリティ
って考えるのはね〜。
「きたないわ血よ」
主人公を意味もなく嫌う生徒たち!
なぜかやさしいハンサムボーイ(笑)
更に意味もなく主人公を嫌う生徒たち。
リアルっちゃリアルかもしれないけど
物語の場合、イジメにしても理由がないとね〜。
こんなコテコテのストーリーでも最後のシーンは
期待を裏切った!!
主人公、自殺!!
このとき思った。
作者はな〜〜んにも考えてないな。
とにかく主人公を不幸にすればALL OKってか?
でも、笑えるのはナゼ?(笑)
ラストのコマは墓。
あとがき。
読み返して後悔するなよ。
つーか、描く前に気付けよ!
いきなり次の話の「さまよう花(仮題)」の宣伝を
してしまうところもねぇ〜。
1966年の作品ですか。