ToHeartコラム |
その1 雨夜の品定め |
以前私は「Kanonの女性キャラはみんな好き」とコラムに書きましたが、ToHeartだとちょっと話が変わります。 「1にマルチ、2にあかり、3・4が無くて5に葵」ですかね。 …基本的にボケキャラばかりというとこが、我ながら業が深い感じですが。 特にマルチの印象は強烈で、ラストはけっこうウルウル来ましたが… この、マルチのストーリーのツボを、 「近い将来、確実に訪れることがわかっている別離の物語」 …という具合に要約してしまうと、これはKanonの真琴にも栞にも当てはまってしまうんですねー。 個人的には、マルチのストーリーから枝分かれしたのが真琴と栞じゃないかと思ってたりします。 運命に翻弄されながら、「でもその運命にも従順なマルチ」というキャラクターづけが、 「運命に翻弄されていることにすら気づかない真琴」に変わったり、 「運命に負けたり抵抗したり忙しい栞」に変化したりしたんじゃないかと。 いや、マルチは本当にいい娘だと思います。アンドロイドの鏡です。…とまで思ってるんですが… …どーしてメイドロボット(しかも少女型)にあんな機能が付いてるかな… なんか、どす黒い想像しかできないじゃないですか(笑) わたしゃ、来栖川重工の神経を疑いますよ。ええ。 |
31-Mar-2001 By おーふな |
その2 春はあけぼの |
えーと、前回タイトルに源氏物語を使ったんで、今回は枕草子にしてみました。 …先回りして言っときますが、次回のタイトルが古文がらみになる可能性はまず無いと思います。念のため。 で、タイトルの続きは「やうやう白くなりゆく山ぎは、少しあかりて」…というわけで、今日はあかりの話です。 ToHeartキャラの中で一番春っぽい…というと頭の中が一年中春みたいでイメージ悪いですが、そういう意味じゃないですよ…のは、あかりだと思います。ゲーム中のイベントCGのせいだと思うんですけどね。 もうこれ以上ない、ってくらい王道中の王道を行くキャラですが、まあ最強の幼なじみでしょう。 なにしろ、あかりシナリオやりながら、「そう言えばオレ自身の幼なじみのあの娘は、今どこで何をしてるんだろう」とか、ちらと頭をかすめましたからね。年寄りには威力倍増です。 あともう一つあかりの注目すべき点は、眼鏡っ娘という特性です。 「え!? 眼鏡なんて、かけてないじゃん!」という声も聞こえてきますが、まあ落ち着いて下さい。あせったら負けです。 眼鏡っ娘の基本パターンを思い出してみて下さい。あれですよ、あれ。 「眼鏡を取ったら実は美少女だった」 ほら、わかったでしょ? 「髪型を変えたら実は美少女だった」 あかりは、世にも珍しい、眼鏡抜きの眼鏡っ娘だったのです。 それが証拠に、実際に眼鏡かけてる委員長は、このパターン使ってませんからね。 …てのは半分冗談ですが、途中で髪型変えるってのはいいアイデアだなー、と思いましたね。CG余分に用意しなきゃいけないから手間はかかるんでしょうが、キャラクターの印象づけとしては抜群だと思います。 この手の「幕の内弁当系ギャルゲー」では、メインヒロインはたいがい万人向けに手堅く作られていて、それゆえに影が薄くなりがちです。あかりも手堅い作りという点ではその例に漏れませんから、他のキャラたちの個性の中に埋没して霞んでしまう可能性大だったはずなんですが、それでも立派に存在感ありますもんねぇ。 |
07-Apr-2001 By おーふな |
その3 男はつらいよ |
だいぶ間は開きましたが、公約通り(笑)古文とは関係ないタイトルです。 さて今日は、葵ちゃんの話。 ToHeartというゲームは、各種ラブストーリーの集合体と言えるわけですが… その中でも唯一、恋愛がメインになっていないのが、葵ちゃんです。 どう読んだって、友情・努力・勝利のスポ根サクセスストーリーでしかありません。 おかげで最後のHシーンが、妙に唐突な感じになっちゃってます。 格闘技一筋の葵ちゃんが、浩之と一緒に努力していく間に恋愛に目覚めて……って展開にしたいのはわかりますし、まあ一応かろうじて申し訳程度に、そうなってます。 が、ストーリー全体を見渡すと、格闘技がらみの部分に力が入りすぎてて、明らかにラブストーリー部分とのバランスが崩れてます。 きっとシナリオ担当の方が格闘技好きだったんでしょうねー。気持ちはわからんでもありませんが、ちょっと趣味に走りすぎました。(他人のことは言えませんが……) 「これならスポ根に徹底してしまって、Hシーン抜きでもよかったのになー」と思う評論家的自分がいる反面、「でも本当に一人だけHシーンなかったら、きっとそれをあげつらってボロクソに言っただろうなー」ということも確かなのです。 作品と実用品(笑)の境界は難しいですねぇ。 |
19-May-2001 By おーふな |
その4 人形使いの憂鬱 |
春からToHeartのDNMLブックを作り始めて、既に3つ発表しました。今あと2つばかり作りかけのがあります。 で、前にも書いたように私はマルチが好きなので、割に登場頻度が高くなりがちなのですが…… うーん、書きにくい。 どうもね、似ないんですよ。 いや、似る似ないの問題じゃないなあ。 なんかついマルチには「○○ですぅ」みたいなしゃべり方をさせてしまうんですが、原作を見直してみると、そんなことありませんね。 語尾を伸ばすときもありますが、そういうときは「○○ですー」のようになってて、語尾で特別に個性を持たせようとはしていません。実にシンプルでノーマルな話し方です。 (それでいてちゃんと「マルチらしい台詞まわし」というものが確立してるあたり、Leafの方々の文章力はたいしたものだと思うのですが) なのに、どういうわけで私が書くと「ですぅ」になってしまうのか、と考えると…… 水城継さんのDNMLブックの影響だということに気づきました。 水城さんの『サテライトまるち』とか『クロックワーク・ハート』に出てくるマルチが妙にかわいくて、それに引きずられてるんですな。 そーか……オレのブックって、二次創作どころか、三次創作だったのかー。 ちょっと反省しよう。 (数分間反省) よし、反省も済んだことだし、これからも路線変えずに頑張るか! (って、反省になってないじゃん) (こんなふうに、カッコ書き2連発してると、まるで上遠野浩平みたいだね) |
18-Jun-2001 By おーふな |