「授業体験レポート『奇声力学』」
記者 2年庚午組 綾部川香澄[407909] 新聞部所属
蓬莱学園において、「授業に出よう」などと考えるものはきわめて少ない。 それは、過去に授業への強制参加を法制化する動きがあったことからも推察できよう。 しかし、蓬莱学園新聞部に死角は許されない。 あらゆる角度・そしてあらゆるところに出没するのが我ら新聞部の使命だからである。 したがって、授業も例外ではすまされない。 今回、わたしが潜入したのは「奇声力学」の授業である。 講師は奇声初段の腕を持つ初老の樹英 京(きえい きょう)という教授である。 「奇声力学」とは、奇声によって発生する空間の揺らぎを研究していく授業で、今日も「濁音による波長変化がもたらす大気への影響」と題し、延々と講義が続けられた。 さすがのわたしにも忍耐の限界がきて、脱出を試みようとしたのだが、樹英教授の「どじゃぁーー」というかなり濁った奇声の直撃を受け、 あえなく壁に叩き付けられてしまった。 さらに、「今のが、濁音量保存の法則であります。」と、授業の材料にもされ、2重の恥ずかしさを味わうこととなった。 この、ミラクルボイスともいうべき攻撃は、単位取得後習得が可能という話もあり、その場にいた生徒達は若干興味を持ったようであった。 (8月24日) |