「講義紹介『奇声力学』」
記者 3年
丁酉組 飛駒 ユウイチ[H240395] 新聞部所属
ヒトほど複雑な鳴き声をする動物は恐らく地球上にはいないだろう。 鳴き声を言葉に昇華させ、それで思ったことを表現してコミュニケーションをとる、という点でヒトは他の動物に比べて優れていると言われ る。 しかし、ヒトは進化の過程で「鳴き声は武器であり防衛手段である」ということを忘れてしまった。 イヌ科もネコ科も、ある時は吠えることによって外的を追い払い、身を守ろうとする。 またある時は吠えることによって相手との力関係を誇示し、屈服させる。 イルカになると、その鳴き声を水中に反射させることによって、レーダーのように見えない敵を探し、危険を避ける。 この講義では、ヒトが失いつつある「声の力」を思い出させてくれる。 「奇声」とは、ヒトが通常発する声を超えた声をいう。 その声は一種の超音波となり、大気を切り裂き、空間の揺らぎを作り出す。 この講義の目的は、「奇声」のメカニズムを科学的アプローチによって明らかにし、太古のヒトが使いこなしていたであろう「武器としての声」を実践することにある。 実際に本講義の講師は「奇声」の使い手であり、授業のエスケープを試みたものや、宿題を忘れた生徒は、罰として彼のミラクルボイスを直撃されることになる。 余談であるが、達人の域に達した者の「奇声」は、砂山を吹き飛ばす程の威力を持つことは、有名なインディアンの必殺技を見れば明らかであろう。 9月1日 |