Sigar ros / Agaetis byrjun
 アイスランド語で「勝利の薔薇」を意味する”シガーロス”の2ndアルバム。闇の中に透き通るような美しいサウンドが印象的です。ヴォーカル・ギターのジョンジー(Jonsi birgisson)は弦楽の弓でギターを奏で、アイスランド語の他に独自の言語であるホープランド語(olsen olsenなど)を歌詞に使用するなどサウンドやテクスチャーにも比類無き工夫を施しています。決して難解ではありませんが表面を撫でただけでは捉えきれない深みを持った一枚と言えるでしょう。音場はヘッドフォンが好みですが、BGMとしてかけっぱなしにしておく事も多いです。その場合低音を弱めるのがミソです。カーステだと音がこもってしまいあまり良い効果が得られないかも知れません。

Godspeed you black emperor! / lift yr.skinny fists like antennas to heaven!
カナダのインストバンドGodspeed you black emperor!(以下Gybe!)の2ndアルバム、krankyから再発です。バンド名が日本の暴走族ドキュメンタリーフィルムから取られているというGybe!、ストイックなまでにコマーシャリズムを排除し絶望を奏でる合計9名からなるこの演奏集団は、既存のロックスタイルから意識的に距離を置いたサウンドスケープとテクスチャーで99年にはNMEにより「今世紀最後の偉大なるバンド」と称され注目を浴びました。写真撮影や取材などのプロモーションを拒絶してはいますがネット上でちらほらとGybe!のインタビューを掲載しているサイトも見受けられます。当作品は約45分のCD2枚組になっており、1枚に約20分の楽曲が2曲ずつという独特の構成を持っています。同じインストバンドでもモグワイなどの美しさとは違い、迫り来る現実という名の暗雲を体現したかのような感覚を覚えます。バンド自身の世界観を拡散させていく技術はまさに一品!時間に余裕がある時にじっくり聴くべき作品でしょう。個人的には自室で聴くのが好みです。Gybe!に限っては視覚効果がネガティヴに働く場合が多いのでポータブルプレイヤーやカーステレオで聴く事はあまりありません。ただ山の頂上などから大自然の絶景を眺めつつ聴くGybe!もまたスゴそうです。
Madredeus / Existir
 「リスボン物語」などでも有名なポルトガルの演奏集団マドレデウス。日本でも車のCMなどに楽曲が使われ今やワールドミュージックの雄なる存在です。マドレデウスを一躍トップアーティストにまで押し上げたExistir(海と旋律)ですが、これはもうとにかく重く暗い!元々はロック畑で活動していたペドロ・アイレス・マガリャンエス(クラシックギター)とロドリーゴ・レアン(キーボード)が「ポルトガルの風景の表現」「室内楽と民族音楽の融合」を志し、民族音楽を印象づけるアコーディオン(ガブリエル・ゴメス)と室内楽を取り入れる為のチェロ(フランシスコ・リベイロ)をグループに迎え、更にマガリャンエス曰く「全てのポルトガル女性の心が入っている」声の持ち主、テレーザ・サルゲイロをヴォーカルに加え、86年に当初のメンバー全員が揃いました。彼らはリスボン東部のマドレ・デ・デウス地区の修道院を借りて音作りに励んでいるうち、次第にその地名から「マドレデウス」と呼ばれるようになったそうです。Existirはマドレデウス通算2枚目のアルバム(90')ですが今でも全く色あせることなく美しく響いています。また現在、アコーディオンのガブリエルとチェロのフランシスコ、そしてキーボードのロドリーゴが脱退しているのでアコーディオンとチェロの作品は初期の作品に限られています。マドレデウスをこれから聴いてみようと思っている方はこのアルバムも欠かさず聴くことをお勧めします。 最近のアルバムに比べテレーザのファルセットなどは聴き劣りがするのも確かですが、芸術的なアプローチとファドのエッセンスが効いた名盤だと思います。ヴォーカルが比較的大きくミックスダウンされているのでダイナミックレンジの広いヘッドフォンで聴くのが好みです。
Bjork / Selma songs
 映画「dancer in the dark」を見た人にはよりわかってもらえると思うのですがこの作品は重いですね。シリアスに捉えてしまうともう重いを通り越してキツイです。 ミュージカル形式の映画で使われた自身の楽曲を時間軸通りに配列したサウンドトラックなわけですが、映画を知っていると曲の進行とストーリーの進行がリンクしてしまうほど重く暗いサウンドです。もしかすると映画を見ていない人にはそうは感じないのかも知れませんけどね。工場の機械の音をサンプリングして使ったり、トム・ヨークとのデュエット曲があったりと派手さもそこそこあるのですが結局「ひたすら数を数えていく唄」とか「最後から2番目の唄」とか(ネタバレの恐れがあるので映画の内容は詳しく書けませんが)そっちのインパクトの方が強く残ります。しかし楽曲的に粒揃いであることは間違いありません。特に「最後から2番目の唄」New world(アルバム最後の曲です)は個人的にはビョークソングベスト3に入ります。音場はヘッドフォンが好みです。スピーカーが4方向以上に設置してあるなら室内で聴く方が良いかも知れません。大音量でビョークのパワフルな唄を堪能しましょう。
Tujiko noriko / 少女都市
 mego初の日本人アーティスト・ツジコノリコの2ndアルバム。非常にmegoらしいサウンドとそれとは裏腹なポップチューンとで絶妙な作品に仕上がってます。音質は所謂音響派などのようなクリアなものではなくリアルに乾いた感じ。そのフィデリティと次々に現れる音色やノイズは作者本人の個性を如実にうたっているかのように思います。このアルバムの興味深い部分にはそのサウンドヴィジョンが挙げられるのではないでしょうか。クリック・ポップなどと呼ばれているクリック音そのもので既存のポップミュージックを踏襲するというものでもなく、かといってワールズ・エンド・ガールフレンドのような壮大なモチーフに沿った作品というわけでもなく、本当に文字通りポップなわけです。ヴォーカル音もサウンドにしっくりとマッチする涼やかな歌声。そしてその唄(詩)と曲展開でツジコノリコの世界はゆっくりと広がっていくように感じます。「闇」と形容するにも色々ありまして、重く深い「闇」と言うよりかは悲しくせつない「闇」といった感じでしょうか。簡素で鋭い一品!結構どこでも聴きます。


どこまでも重く美しい漆黒のサウンドです

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!