Tortoise
/ Standards
前作の緻密な音配置から一変、今回のトータスはアナログレコーディングを敢行。オープニングチューンを比べてみても緩やかに浸食していくTNTに対し、図太く遠慮無しに耳に飛び込んでくる今作とではリスナーの評価も大きく分かれるのではないでしょうか。個人的にはどっちも好みなのですが。このアルバムでは太いロック色が強く出ていて攻撃的な面が目立ちます。音場としてはヘッドフォンか大きめのスピーカー、またStandardsのみならずトータスの作品の多くはアナログシンセやベースなど低音部でのメロディラインが光っている上、ダブルベースも多用されているのでイヤーフォンで聴く場合などは重低音を控えめにした方が逆に良いと感じる場合もあります。メロディはTNTと比べ美しいというよりはどこか古めかしい、ちょっととぼけた感じが印象的です。
Mouse on
mars / Autoditacker
テクノの本場ドイツの2人ユニット。マウスオンマーズは最近のよりもむしろこの辺のアルバムが好みです。何しろ音が面白い。単純なメロディの作りもユル〜いチープな音色を組み合わせて刺激的にアレンジされています。ただリズム部は凝っているといえば凝っているのですがそれでもブレイクビーツが好きな人には物足りないかも知れません。ステレオラブのプロデュースやオヴァルとのユニット、ミクロストリアなど外部での活動も華やかですね、MOMは。特徴的なのはBPMの速い曲(一曲目など)でも全ての音色がなめらかに進行していくので、そのスピードをさほど感じさせない点でありキックも太いのでダンスナンバーとしてはうってつけの楽曲が多く収録されています。音場は圧倒的にヘッドフォンが好みです。低音をひずむギリギリまで上げてドスドスピヨピヨ鳴ってるのがなかなか気持ちよいです。スピ−カーの真ん前に陣取って音全体を体で浴びるのも良いでしょう(笑)。