新世紀エヴァンゲリオン Another Story

 



 愛が見えはじめたら その2

 

 

 Presented by じろ〜







 トウジ達と昼食を食べ終わったシンジはレイと中庭の芝生の上で

 午後の授業までの休み時間を楽しんでいた。

 なんとシンジはレイの膝枕でのんびりと昼寝をしている。

 レイはシンジの寝顔を見つめて幸せそうに微笑んでいる。

 そんな二人のラヴラヴフィールドに侵入者がいた。

 惣流・アスカ・ラングレーその人であった。

 「ちょっと二人とも、話があるんだけど」

 レイは邪魔者を睨んで呟いた。

 「碇君の昼寝を邪魔しないで・・・」

 ちょっとビビッたアスカは小さな声で再びレイに話しかけた。

 「い、一応パイロット仲間だから仲良くしましょう」

 「どうして?」

 「その方が都合がいいからよ」

 「命令があればそうするわ」

 「・・・変わった子ね」

 レイはアスカを無視してシンジを起こすために声をかける。

 「・・・碇君、そろそろ授業が始まるわ」

 う〜んと両手を伸ばして起きるシンジ。

 「ありがとう、凄くよく眠れたかな・・・」

 「そう、よかった・・・」

 「さ、行こうか綾波」

 「うん」

 二人は仲良く手を繋いで歩き出した。

 後に残ったのはアスか只一人だった・・・。

 「いつもいつも人のこと無視してくれちゃって・・・!」

 その時、チャイムが鳴りアスカは慌てて走り出した。






 放課後、学校の帰りに綾波を家まで送ってから戻るとそこは段ボールの山だった。

 「な、なんだよこれ?」

 そこにシャワーを浴びてサッパリしたアスカが髪の毛を拭きながら玄関に来た。

 「なに騒いでるのよ?」

 「何で此処にいるの?」

 アスカはシンジに指を突きつけて宣言した。

 「今日からあたしがミサトと住むのよ!だからとっとと出ていってね!」

 足下にはシンジの荷物が入った段ボールとチェロのケースが転がっていた・・・。

 シンジはチェロのケースを背負うと段ボールを持って外に出ていった。

 「ほんとに出て行っちゃった・・・」

 冗談のつもりで言ったのに、シンジが行ってしまったのでしばし呆然とするアスカだった。

 シンジはてくてくと歩いていた。

 「とりあえず綾波の所に行こうかな・・・」

 結構元気なシンジだった。

 ぴんぽ〜ん。

 「は〜い」

 ドアを開けて綾波が顔を出す。

 「こんばんは綾波・・・」

 「どうしたの碇君?」

 驚きはしたもののシンジだったのですぐに笑顔に変わるレイだった。

 「ちょっといい?」

 「うん、どうぞ・・・」

 部屋の中に入ってレイの煎れてくれた紅茶を飲んでからシンジは説明した。

 「そう・・・」

 「うん、だからレイの所しか頭に浮かばなかった・・・」

 それを聞いたレイはこれ以上はないくらい嬉しい顔をしてシンジに抱きついた。

 「うれしい・・・」

 「レ、レイ?」

 しばらくそのまま二人は抱き合っていた。

 「碇君・・・、ここにいて!」

 「え、でもいいの綾波?」

 「かまわない・・・、それにこれからはいつも碇君と一緒だから・・・」

 「ありがとう綾波・・・」

 こうして二人の同棲生活が始まった・・・。

 ちなみに二人を監視していたゲンドウは白く燃え尽きていた・・・。






 ことこと。

 部屋の中には調理の音と良い匂いが漂い始めていた。

 レイとシンジは仲良く朝食を作っていた。

 「「いただきます」」

 静かだけれど健やかな朝の風景・・・。

 昨日までのレイの部屋とは思えないほど明るくなっていた。

 時々、互いの目が合うと微笑み合っていた。

 レイとシンジの心は幸せで満たされていた・・・。

 そして、これ又仲良く手を繋いで学校に向かった。

 ・・・一方、ミサトとアスカはどうなっているかと・・・。

 昨夜ミサトの作った料理でアスカは撃沈されていて、ミサトは飲んだくれて寝ていた。

 ずぼらな二人がそろえば結果は見えていた。

 もちろん二人が遅刻したのは言うまでもない。

 そのアスカが昼休みになったらシンジの所にやってきた。

 「ちょっとあんた、昨日はどこに泊まったのよ?」

 「別にどこだって良いじゃないか、アスカに関係ないだろ?」

 「あんたねぇ・・・私達はエヴァのパイロットなのよ!居場所は分からないと困るでしょ!」

 「どうせ父さんが監視してるから問題ないよ」

 にべもなく淡々とアスカの質問に答えるシンジ。

 「碇君・・・」

 「何、綾波?」

 レイの差し出した手には二つの包みがちょこんと乗っていた。

 「お弁当食べましょう」

 「ごめん、それじゃ中庭に行こう!」

 「うん!」

 二人はアスカを無視して教室を出ていった。

 「あ・い・つ・ら〜!毎度毎度このあたしを無視してくれちゃって!!」

 怒髪天の赤鬼と言えるほどの表情で怒っていた。

 その様子を見ていたクラスのみんなはアスカの本性を見てちょっと引いていた。






 シンジとレイはいつものように仲良く手を繋いで帰っている。

 その後ろから電柱の陰に隠れながら二人を尾行する一人の少女がいた。

 アスカである。

 そんなことに全く気づかないシンジとレイは仲良くスーパーで買い物をする。

 「碇君、夕飯なんにする?」

 「う〜ん、綾波肉は駄目なんだよね?」

 「ごめんなさい・・・、血の匂いがして駄目なの・・・」

 「ううん、別に怒ってないけど・・・、ただ・・」

 「なに?」

 「好きな子には元気でいて欲しいから・・・」

 「それに将来結婚して赤ちゃんを産む事になるかもしれないし・・・」

 「ありがとう・・・碇君、私のこと心配してくれて・・・」

 「碇君!私碇君が作ってくれるなら食べてみたい・・・」

 「うん、それじゃ少しずつ食べるようにしていこうよ!」

 そういって二人は野菜のほかに少しだけ肉を買ってスーパーを後にした。

 アスカは後をつけながら考えていた。

 『まさかシンジの奴ファーストの所に・・・』

 そう思うとなぜか怒りが沸々と湧いてきた。

 そしていつの間にかレイのマンションの前にさしかかった。

 シンジとレイはそのまま中に入っていくの確認したアスカは携帯電話で

 ミサトを呼びだしていた。

 「バカシンジのくせに・・・、何考えているのよ!」

 そのまま携帯電話を握りつぶしていた。

 数十分後、ミサトが車に乗ってやって来た。

 「遅いわよミサト!何時間かかっているの?」

 「何言ってんのよ、一時間もかかってないでしょ?」

 「と、とにかく行くわよ!」

 「しっかしシンちゃんがね〜・・・」

 呟きながらもアスカの後に続くミサトだった。



 部屋の前まで来たアスカはノックもせずにいきなりドアを開けた。

 「ちょっとバカシンジ!何やってるのよ!?」

 しかし部屋の中はアスカの予想とは全く違っていた。

 「騒々しいわねアスカ、食事中よ」

 お茶碗片手にリツコが注意した。

 そこにはシンジとレイとリツコがお膳を囲んで仲良く夕ご飯を食べていた。

 「あらリツコ・・・、見えないと思ったらここに来てたんだ」

 「ミサトまでいるの?」

 アスカの後ろからミサトがやって来た。

 「どうしたんですか二人とも?」

 シンジは箸を止めてアスカ達の方を向く。

 「あのね、アスカがシンちゃんとレイが同棲してるって言うもんだから・・・」

 「そうよ!その通りでしょ!」

 胸を張って自慢するアスカだったが、あっさりとリツコが話す。

 「そのことなら司令も了承済みよ」

 「何ですって?どう言うことか説明して!」

 「これを見てちょうだい」

 リツコはバッグから書類をアスカに渡すと又食事を始めた。

 「あら、レイお味噌汁美味しいわよ」

 「ありがとう・・・」

 照れながらお礼を言うレイ。

 「リツコさんも解りますか?最近凄く上達してるから・・・」

 シンジも自分が誉められた以上に機嫌良く話した。

 「これならいつでもお嫁にいけるわよ」

 「・・・ポッ」

 凄く温かく和んだ食卓だった、アスカとミサトを除いては・・・。

 二人が見ている書類にはこう書かれていた。



      シンジとレイの事は赤木博士に一任する。

      なお、葛城君には失望したと伝えておいてくれ。

      うちのシンジは召使いではない。

                     碇ゲンドウ



 「「な、な、なんなのよこれは〜!!」」

 絶叫するアスカとミサトに向かってシンジは冷めた声で言った。

 「食事の邪魔だから帰って下さい」

 ついでにレイもきつい視線を向けながら言った。

 「五月蠅いから帰って・・・」

 呆然と立つ二人の姿が哀れだった。

 


 つづくの?


 シンジとレイのあまあまお話第二弾です。

 アスカとミサトの扱いが段々酷くなっていくこのお話・・・。

 それとは反対にシンジ達と仲良くなっていくりっちゃん・・・。

 なんとか信頼回復を謀るゲンドウ・・・。

 そして密かに出番を待つモーホーナルシストカオル・・・。

 果たしてアスカとミサトに救いはあるのか?

 次回、愛が見えはじめたら第三話をお待ち下さい♪

 ホントに第三話があるのかな・・・。

 


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