ファンタジーＫａｎｏｎ
第５話：これから！？
『朝〜朝だよ〜、朝ごはん食べて、学校行くよ〜』
…う〜ん…
カチ
やはりこの目覚ましは、眠気を誘うな…
そう思いつつも、俺はベッドから上半身を起こす。
その時、ふと目覚し時計の時刻に目がゆく。
「……１０時！？」
目覚し時計は、確かに１０時をさしていた。
…遅刻だ！
…
……
………
ん？
何で目覚ましが１０時にセットされてんだ？
まてよ…確か昨日…
あ、思い出した。
「そうか…秋子さんの手配で、休学だっけ…」
そうだ、神風会騒ぎで学校どころじゃないもんな。
そう思い返し、俺はベッドから降りる。
「…優はもう起きてるのか…」
部屋の隅には、丁寧に折りたたまれた布団が置いてある。
…昨晩、いや、朝方の５時頃だったよな…寝たのは。
そんで香里や優、舞や佐祐理さんに美汐が家に泊まる事になって…
男同士って事で、優は俺の部屋で寝たんだよな。
カチャ
「祐一さん〜おはよう御座います〜」
「お、佐祐理さん、おはよう。」
廊下に出たところで佐祐理さんと出くわす。
「あはは〜でも、もうあんまり『あはよう』って時間じゃないですね〜」
「…ん…そうだな。」
「祐一さんは、今起きたところですか？」
「そうだ。」
「佐祐理達も今起きたところです。」
…確かに、今の佐祐理さんの格好はいつもの普段着ではなく、パジャマだった。
…猫柄だが…名雪のだな。
「じゃあ舞は…」
ガチャ
俺が言いかけた時、別の部屋の扉が開いた。
「あ〜舞おはよ〜」
「……」
舞だった。
まだ多少眠いのか、多少目の焦点がズレている。
「…おはよう。佐祐理…」
ゴン
「…痛い。」
「ふぇ〜…舞、大丈夫！？」
「…痛い。」
まだ寝ぼけている舞は、廊下の壁にオデコをぶつけるというお約束なボケをかましてくれた。
ちなみに、舞のパジャマも猫柄だった。
「…何なのよ、騒がしいわね…」
「…騒がしいです。」
！？
名雪の部屋から出てきたのは…
香里と美汐だった。
２人共まだ寝たり無いのか、少々不機嫌気味だ。
「おはよう香里、美汐。」
「おはよう、祐一。」
「おはようございます、祐一さん。」
やはり…と言うべきなのだろうか、香里と美汐のパジャマも…猫柄だった。
しかし…名雪の奴、一体何着持ってるんだ？
いくらお気に入りだからって…
ちなみに、よーく見てみると、佐祐理さん・舞・香里・美汐…４人の着ているパジャマの猫柄は全部微妙に違っている…
「とにかく、皆さん着替えて1階に下りましょうか?」
「そうだな。」
「…（こくり）」
「そうね。」
「それがいいですね。」
その後普段着に着替えた俺は１階げと降りていった。
「あ。祐一君おはようございます。」
「おう優…って何してんだ？」
「え？ああ…ちょっと秋子さんの手伝いを…」
優は赤くなりながら言う。
ちなみに、優の今の格好は普段着姿に、猫柄のエプロン姿となっている。
「そういえば…名雪達は？」
「名雪さん達は学校に行きましたよ。」
「…なるほど。」
あいつらは平和だな…
そういえば、名雪の奴…自分が誘拐されたって判ってんのかな…
「あ、そろそろ遅めの朝食です。…他の皆さんは？」
「ああ、もうすぐ降りてくる。」
「そうですか。」
と、優はそのまま台所の方へと向かう。
俺は…ソファーで休んでいるか。
しばらくすると２階から香里達が降りてくる。
「あれ？名雪や栞達は？祐一。」
「…学校だとさ。」
「へぇ…」
そう言うと香里は俺の隣に座る。
ちなみに、香里達は皆、自分の服を幾つか水瀬家に置いてある。
そのために服に困ることはない…と思う。
「で、何時頃行くのですか？」
「そうだな…なるべく、早いほうがいいと思うけどな…」
「…真琴達は…」
「…どうするかね。」
それが問題だった。
連れていく…というのは危険だろう。
だが、あいつ等なら変な尾行をしかねない…
ある意味、そっちの方が危ない。
「…真琴なら尾行しかねませんからねえ…」
「栞もね。」
…やっぱりな。
「やはり、連れていくのが打倒…ですかね。」
「うーん…」
結局、その謎は解決しないまま飯となった。
「祐一、私も行くよ。」
「真琴も！」
「…ボクも。」
「私も行きます、祐一さんやお姉ちゃんが行くのに、置いてきぼりは嫌です。」
夕方…
名雪達は学校から戻ってくるなり、そう言ってきた。
…やれやれ。
「危ないから駄目。（俺・祐一）」
「危ないから駄目よ。（香里）」
「危ないから駄目ですよ。（美汐）」
無駄とは思うが言う。
「う〜」
「あうーっ」
「うぐぅ…」
「そんな事言う人、嫌いです。」
…お約束な反応が返ってきた。
…はぁ…
「秋子さんからも言ってください。」
俺は最後の頼みといわんばかりに、俺は秋子さんに言う。
…が、甘かった…
「…別にいいじゃないですか。」
…秋子さん、遊びに行くのではないのですよ。
だが…秋子さんに何を言っても適わないのは…
ここにいる誰もが知っていた。
その後の結果は……
…
……
………
…はぁ…
「はぁ…」
「…先程からため息ばかりですね、祐一さん。」
「…つきたくもなるわよ。」
夕食後、俺に香里、優と美汐に舞・佐祐理さんの６人は２階にある俺の部屋にいた。
「…やっぱり秋子さんには逆らえないわね。」
と困り顔の香里。
やはり姉としては妹を危険な目に合わせたくはないのだろう。
「でも…正直な所、役に立つのか？」
「…そんな酷な事は無いでしょう。」
…美汐、随分と手厳しいなおい。
まぁ、聞いた俺が間違えてたけどな。
「…あのぉ、祐一さん。」
「ん？何だい佐祐理さん。」
「…実はですね、佐祐理の家には幾つかの『ＡＦ』っていう…魔導の道具があるんですよ。」
「「「「「え！？」」」」」
佐祐理さんの発言に、俺達一同は揃って声を上げた。
「ふぇえ？どうしたんですか？」
「ＡＦですって！？」
「え…ええ…」
…流石は佐祐理さんの家、色々な物があるぜ…
「倉田先輩、そのＡＦ、明日取りに伺っても構いませんか？」
「あははー、大丈夫ですよ天野さん。何たって、もう運び込んでありますからー。」
「「「「「え！？」」」」」
うーむ…手早いな。
しかし…何時の間に…
「それ…見せてもらえます？」
「いいですよー、祐一さん。では…１階に戻りましょうか…」
「これです。」
１階に戻った俺達。
リビングで待っていると…
佐祐理さんが幾つかのＡＦを持ってきてくれた。
…何処に置いておいたんだ？
「ちなみに、家にあったのも含まれてますよ。」
「…あったんですか？秋子さん…」
「ええ。」
お、恐るべし秋子さん…
まさかＡＦまで所持していたとは…
「…色々あるわね…剣や槍、イヤリングや指輪・宝石……」
その数は合計で１２点にものぼった。
…で、香里の持っている雷光剣を合わせると１３点か…
「…ふむ。」
まぁ…これらを上手く扱えれば…名雪達も足手まといにはならないだろう…
…さて…と…
「秋子さん、後で詳しい扱い方とか教えてくれますよね？」
「了承。」
「お願いします。」
さてと、後は名雪達だな…
「祐一さん。」
「何だ？美汐。」
「出発はいつにしますか？」
「そうだな…色々と準備もあるしな。」
「念入りに準備しないとね、名雪や栞達にも戦い方、少しは教えないと…」
「だな。」
香里達と話し合いの結果、出発は１週間後で、それまでに…
１つ、神風会の情報を詳しく入手する。
これは秋子さんと佐祐理さんが請け負ってくれた。
２つ、名雪達の特訓。
最低限、足手まといにならない程度までに鍛えておかないとならない。
「う〜…」
名雪が唸る。
他の３人も似たような表情を浮かべている。
「覚悟しときなさい。」
「…びしびしやる。」
「手抜きはしません。」
それに対し、こっちはやる気満万だな。
名雪達の特訓に関しては、皆で取り組む事となった。
つづく。
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あとがき
ル（諸事情によりこれからは”朧”）：久々の更新・・・
瞬：約１ヶ月ぶりだね。
朧：忙しかったからな。
瞬：ＨＰも開設したしね。駄目駄目だけど。
朧：・・・・・・
瞬：ＢＢＳにキャラアイコン設置しようとして失敗して、しかもＢＢＳが起動しなくなったと・・・
朧：・・・・・・・・・・・・
瞬：やれやれだね。
朧：ううう・・・
瞬：さて、１人唸っている作者はほっといて、キャラ紹介に入ろうか。
今回はこのファンタジーＫａｎｏｎに登場したオリキャラ、真田 優くんです。
優：どうもです。
真田 優
年齢：１７歳
性別：男
身長：１７２ｃｍ
体重：５１ｋｇ
学年：３年
装備：ＡＦ・双刀・黒牙（家宝・・・らしい。）
ＡＦ・双刀・白牙（ 〃 ）
得意系統術：無系
その他：転校生で、祐一とはクラスメイト
女性のような風貌で、礼儀正しい
祐一達も知らない術を使う事が出来る
優：・・・なるほど。
瞬：なるほどって・・・
優：いやー・・・自分のことはよく判らなくって・・・
瞬：なるほどね・・・
優：それにしても、私の持っていた双刀ってＡＦだったんですね。
瞬：知らなかったのかい？
優：はい。
瞬：・・・おい。
優：あはは。じゃあそれでは。
それと、作者は感想・苦情等を心待ちにしていますんで。
瞬：・・・まだ唸っているね。
朧：うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう