ボクの背中には羽根がある
「〜♪」
「…何かやけに楽しげだな、あゆ。」
「うん。ボクは今とっても楽しいんだよ、祐一くん。」
そう言ってボクは背中のリュックから一枚のCDを取り出す。
最近発売されたばっかりのCD、それは…
「…キンキ○ッズの『ボクの背中には羽根がある』!?」
「うんそうだよ。」
「これと、お前が楽しいのとどう関係があるんだ?」
うぐぅ…
祐一くんって、本当に鈍感。
「ねえ祐一くん、本当にわからないの?」
「ああ、わからない。」
「うぐぅ…ボクの背中!!」
そう言ってくるり、と後ろを向く。
ボクの背中には…
「あ!」
「ね、わかった?」
「…確かに、羽根だな。」
そう言いながら祐一くんはまじまじと、ボクの背中とCDを見ている。
「最初にこの歌を聞いたとき、ボク、何かこう…ぐっときたんだよ!」
「……そうなのか?」
「そうだよ!」
「…あゆ、CDプレーヤー持ってるか?」
「うん、持ってるよ。」
ボクはそう言って背中のリュックからCDプレーヤーを取り出す。
「へえ…Panasonicか…」
「そうだよ。」
「…俺はじっくりと聞いた事なかったからな、聞かせてもらうぞ。」
「うん。いいよ。」
……数分後……
「…なるほどな。」
「わかった?」
「…なんとなく。…でもあゆ。」
「何?祐一くん。」
「これ…一応男視点の歌だぞ?それとも…小学生はいいのか?」
「うぐぅ…。ボク小学生じゃないもん。」
「それに…お前に髪をかきあげる癖なんてあったのか?食い逃げじゃなかったのか?」
「うぐぅ…ちがうよ!」
「…それに。君を抱いて、じゃなくて、君に抱かれた…じゃないのか?」
「うぐぅ…祐一君、恥ずかしい事言ってるよ。」
「気にするよ!それに、ボクが好きになった歌にケチつけないでよ!」
「…すまん冗談だ。あんまりにもあゆが可愛いんでな。」
「…祐一君…」
「行くぞ、あゆ。『ずっと君と生きてく…』んだろ?」
「うん。」
ずっと君と生きてくんだね
胸に頬寄せて確かめる
どんな辛い未来が来ても
二人だったら乗り切れるさ
「あゆ…」
「ん?なに、祐一くん。」
「たい焼き…食うか?」
「うん!」
ずっと君と生きてくんだね
ボクの背中には羽根がある
どんな夢もかなう気がする
君を抱いて空も飛べる
嘘じゃないよ
今、「幸福」に触ったみたい
「あゆ…」
「ん?何、祐一くん。」
「今…幸福か?」
「うん!!」
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後書き…
どうもルーフェです。
私の第二作目…思いっきりヤバイ気もしますが…
書きたかったので、書きました。
ジャンルとしては…ほのぼの、ですかね。
それでは、真に御勝手ながらこれにて失礼させていただきます。
・・・本当に突然ですんまそん。