その少女は、

 

とても儚くて、

　

下手に触ると

 

雪のように

 

溶けてしまいそうだった。

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　祈り−前編−

 

 

俺、相沢祐一には大切な人がいる。　美坂栞。　病弱で小さい女の子。

そんな栞と、冬に出会いそして恋人同士になった。

一度、栞が遠く離れてしまいそうになったが、今はちゃんとここにいる。

でも不安は消えなかった。

いつか、消えてしまうんじゃないかと・・・・・。

 

季節は夏。　明日から夏休みという、遊ぶには絶好の日だ。

よって今日は終業式。　校長のつまらない話を聞いて、１人で教室に帰ろうとすると、

「祐一さん。」

と、後ろで呼ぶ声がする。　声の主はわかっている。　栞だ。

普通に応ずるのも芸がない。　俺、相沢祐一は日々を真剣に生きないようにしている。

ちょっとしたイタズラでもやってやるか。　そんな事を思って、聞こえてないフリをすることにした。

「祐一さん。」

「・・・・。」

「祐一さん。」

「・・・・。」

「ゆ・う・い・ち・さ・ん！！」

栞の声が大きくなってきた。　そろそろいいかな？

「大きな声出さなくても、最初から聞こえてるぞ。　栞。」

何事もなかったように振り向いて栞をみると、うらめしそうな顔で俺を見ていた。

栞はこの顔をすると、いつも同じ事をいう。　多分、また言うだろうな。

「そんな事言う人、嫌いです。」

ほらな。　あまりにもいつもどうりな栞に、俺は思わず笑ってしまった。

「あっ、ひどいです。　祐一さんなんてもう知りませんから！！」

栞はそう言うと、俺に背を向けてスタスタと歩いていってしまった。

一応謝るか。　俺は栞を追いかけて、

「栞、悪かったな。」　

と、謝ったが返事はない。

そんなに怒ってしまったか？　俺は少しイタズラに後悔を感じつつ、もう一度

「ゴメン！！　栞！！」

「・・・・。」

さっきとは立場が逆だ。

「栞、許してくれ！！」

「・・・・。」

こうなったら最終手段。　財布の残りを考えながら俺はこう言った。

「栞、今度アイス買ってやるから。」

「わかりました。」

と、にこにこ笑いながら俺を見て返事をした。　（その間、０．１秒）

現金なやつだな・・・。　そんな事を思ったが次の瞬間

「どうかしましたか。　難しい顔してますよ？」

と、下から覗き込むように栞に言われた。　その顔に目を向けた時、正直驚いた。

かっ、可愛すぎる。　男ってのは、女の子の上目づかいに弱いのか？

「いっ、いや別に何もないぞ。」

思わず目をそらした俺を栞は、不思議そうに見ていた。

「変な祐一さん。」

「相沢君は、いつでも変よ。　栞。」

その声は香里！！　それはちょっとひどいんじゃないのか。

「そうだよー。　いつも変だよ。」

と眠たそうな声で名雪。

「まあ、いつもの事だけどな。」

きっ、北川まで！！　お前らって、俺の事嫌いか？？

「そうでしたね。」

だぁぁぁ！！　栞も納得するんじゃあなぁぁぁぃ！！

「ところで栞は相沢君に何か用なの。」

香里がこう聞くまで、俺は栞に呼ばれた事をすっかり忘れていた。

「あっ、そうでした！　祐一さん。　今日花火大会があるんですよ。　それで・・

あの・・・　　　　よければ・・　　その・・・・。」

照れながら言う栞の言葉は最後まで聞き取れなかった。　でも栞の言いたい事はわかる。

「なぁ、栞。　今日一緒に花火を見に行かないか？」

もちろん俺は、花火の事など知らなかった。　でもここで言わなきゃ男がすたるってやつだ。

「はい・・・・。　嬉しいです・・。」

栞が恥ずかしそうに答えた。　　俺も言った手前逃げ出したいくらい、恥ずかしかった。

「幸せ者ねぇ。」

香里がわざと少し大きめの声で言った。

「あたしも行きたいけど、部活があるからなぁ。」

と残念そうに名雪が言った。

「香里、俺は暇だから一緒に行かないか？」

おっ。　北川、お前は香里狙いか？　　しかし香里は、

「あたし、今日はゆっくりしたいから。」　

だった。　哀れなり北川。　骨は拾ってやるからな。　安らかに眠れ。

「人を勝手に殺すなぁ！！」

北川は俺の頭に渾身の力を込めて、チョップを放った。

「わっ！！　祐一さんに何するんですか！！　　そんな事する人、嫌いです。　祐一さん、行きましょう！！」

栞に言われて、北川はショックをうけたようだった。

そういえば、俺以外であのセリフを言われたやつはいないなぁ。　

栞は俺の腕をつかんで歩いていこうとした。

それに香里と名雪もついてきて、北川は１人きりなっていた。　その後、こう言ったという。

「俺って、つくづく不幸なやつなんだなぁ・・。」

それは誰にも届かない、心の叫びだった・・・。

 

 

続く♪。

 

どうでしたか？　初めてSSを投稿したんですけど・・・。

感想とか、ここはこうした方が良い！！　とか、辛口な物も大歓迎です！！　メールでね。

長々としているうえに、上手くまとまっていません。　はぁ。もっと上手く書きたいなぁ・・・。

切実な今の願いです。　　やっぱり行間は１行とるべきなんでしょうか？　　そのへんもできればアドバイスを・・・。

これ以上駄文を続けるわけにはいけないので、ここらへんでまた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　涼木健二でした♪　　メールは：f291@f3.dion.ne.jp

 

 

 

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