ボリビアの子供達に「桃太郎さん」を!

「もーもたろーさん もーもたろーさん、お腰に付けたキビ団子一つ私に下さいな!」

1999年5月上旬、協力隊メンバーの有志で結成した人形劇団の巡業として、サンタクルスから
バスで6時間ほどの小さな小さな村に行ってきた。
バスは夜中の1時過ぎにコンセプシオンという村に着いた。外灯はなく、真っ暗。
頼りは月と星の明かりのみだった。

このコンセプシオンには、とても美しい教会があり以前から私はこの地を訪れ写真を撮りたかった。
町の中心にはトポロッチという日本の桜のようなピンク色の花が咲く大きな木があった。
村の大地はアフリカをイメージさせる赤茶けた土で、空は青く、そのコントラストは何とも美しかった。

コンセプシオンの教会とトポロッチの

人形劇の巡業でこの町を訪れたのだが、初日は地元の高校生とスポーツ大会を行った。
バスケットボールの試合がまず行われた。 
村に1チャンネルしかないという地元のテレビでこの試合について宣伝され、ボリビア対日本のバスケット
の試合などと大げさな話になっていたので試合会場には沢山の人々が集まっていた。
こちらはバスケットの経験者が2名のみの即席協力隊チーム。
相手は、村代表の高校生で構成されるバスケット部のメンバー。
試合結果は当然のことながら全く話にならない程の惨敗であった。
その後は教員チームと親善試合を行い、こちらは良い勝負であったと思います。

バスケットの後は、バレーボール、サッカー、ソフトボールの試合をした。
日ごろ運動不足の私は日が暮れるまでにはもうフラフラでした。
試合の後は、喉が渇いて死にそうだったので生水をがぶ飲みしてしまったが、お腹をこわさなかった。

夜は地元の教員やイギリスからの旅行者などが集ってバーベキュー大会兼フィエスタだった。
通常2日遅れで筋肉痛になるのだが、もう寝る前には体中のあちこちが痛くて大変であったが、寝袋に
くるまるとこの日の晩は疲労感でぐっすり熟睡できた。 


地元の高校生とのバスケットの試合風景。ボールを持っている背番号13は私。 

翌日、いよいよ人形劇団の講演のため、まずは幼稚園を訪れた。
最初に、わらしべ長者の話を行った。幼稚園の子供には話しが難し過ぎたようだったが、次におこなった
桃太郎の話はボリビアでもおおうけだった。
私は桃太郎の人形を操っていたので子供達の表情を見れなかったが、犬、サル、キジなどの動物が出て
くる度に会場がドッとわき、最後の鬼が島での対決のシーンなどは、桃太郎と動物達を応援する子供達の
大きな歓声に会場は包まれた。
人形劇は、その後小学校で2回講演しこの村で合計400人ぐらいの子供達に見てもらう事ができ大好評の
巡業であった。

  
 人形劇の風景                       劇の後、子供達に囲まれた人形劇団のメンバー達

人形劇団を代表して最後に私が子供達の前で挨拶をさせてもらいました。
子供達のキラキラした目と、ものすごいエネルギーに、こちらがドキドキしてしまい、うまく話せませんでしたが
会場に「楽しかったですか?」と問いかけると、子供達は大きな声で「Si (はい)」と声をそろえて叫んでくれ、
子供達と心が通じたようでとても嬉しいひとときだった。

  
小学校の子供達が真剣に見ている姿               幼稚園の子供達も真剣に見てくれました


このコチャバンバ人形劇団は、現在出演依頼が殺到していて、次回は6月にアマゾンの町リベラルタの巡業が決まっています。
今後も幼稚園、小学校、福祉施設、孤児院などを周り、ボリビアの子供達に日本の桃太郎さんの話を広めたいと思います。


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