縄文学への招待



□縄文学とは?

【縄文学】じょうもんがく
 @縄文時代・文化を研究する学問。A特に最近盛んになった、関係諸学問を総合して縄文文化の実態を明らかにしようとする学問。
 今から12000年前から2200年前までのおよそ1万年間続いた縄文時代。そのイメージは最近の大規模な発掘調査の成果によって大きく変わり、地域起こしからCMまで様々な場面で取り上げられるなど「縄文ブーム」と呼ばれる現象が湧き起こった。
 このような中で、従来の考古学だけでなく、文化人類学や、各種の自然科学を総動員して、縄文文化の姿を明らかにするという意味で「縄文学」が唱えられたのである。

□三内丸山遺跡と縄文ブーム

 マスコミによる各年の考古学の回顧によれば一時ほどの盛り上がりはないが、98年度も各地で縄文にまつわる企画が行われ、縄文ブームは依然続いている。
 このブームの起こりは言うまでもなく94年の青森県の三内丸山遺跡の巨大木柱の発見である。盛り土など興味深い遺構や土偶・縄文ポシェット・漆製品など美しい遺物が人々を魅了し、シンポ・フォーラムが相次いで開催さた。いくつかの市民団体が結成され、ガイドや紹介をボランティアで行いはじめた。そして、95年から97年にかけては関連本が多数出版されたり、様々な展示会で出土品が全国をまわったりした。
 三内丸山に続いて、南の上野原、北の函館空港や大船C、秋田の伊勢堂岱、東京の中里、富山の桜町などで大規模な遺跡が発見されたほか、最古の土偶・家形石製品など重要な発見が続いた。これらに関しても市民の関心は高く、各地で講演会やシンポジウムが開催され、関連本の出版が行われ、さらにインターネット上でも盛んに関連ページが公表されるようになってきた。
 

□縄文ブームの功罪

 これらの発見によって「縄文時代の見直し」が盛んに唱えられている。しかし鳥浜(62)、不動堂(73)、阿久(76)、釈迦堂(80)、チカモリ(80)、真脇(82)、桜町(88)、矢瀬(92)、寺野東(93)や鷹山(93)、などが発見されるごとに少しづつ縄文の見直しが行われてきたのである。三内丸山はそれの集大成にすぎない。
 とはいえ、94年以降の青森市では至る所に三内丸山が取り上げられ、遺跡には旅行者や修学旅行生が訪れるようになった。前述のように市民組織も活発に動いている。青森はもともと縄文遺跡の多い地域だが、これに伴って他の遺跡も注目されている。このように三内丸山遺跡は青森県の活性化において重要な資源となっている。
 そして、これは青森だけではなく全国に広まった。三内丸山をはじめとする縄文ブームは、一般の市民に「縄文」を知ってもらうという大きな役割を果たしているのだ。このブームにおいては最新成果をいち早く公表した当局の役割も大きいが、何といってもマスコミの力が大きい。報道以外にもフォーラムの主催や したり、その成果を出版したりしている。

 しかし、問題点も多い。まず「誇大な見出し・キャッチコピー」と「その一人歩き」である。誇大といっても研究者・有名人の言葉を取り上げて報道するので責任は発言をした人にあるのだが、「?」が連発され、次第にこの「?」がとれて一人歩きしてしまう。三内丸山でいえば例えば人口500人説、巨大木柱建物説、階層社会説などである。
 オシャレでグルメな縄文人という評価も、それが毎日の生活のように誤解されかねない。これらは特別の日のものであろう。この他にも1万年の文化が1つにまとめられかねないような表現が多い。
 もうひとつは、「三内丸山よりも○○」というように、三内丸山と比較するような表現が多く見られるようになったように縄文遺跡が三内丸山を基準に考えられるようになってきていることである。三内丸山以下とか以上とかいう極めて曖昧な基準で遺跡の運命が決められるような深刻な事態へと発展しているのである。遺跡の価値基準はその地域・時期によって様々である。


□このサイトについて

 私は小学生の頃に郷土史に興味を持ち、以来、文化財に特別の関心を持ってきました。ここ数年は、大きく言えば日本の精神文化史−神社・寺院、祭礼や葬制など、具体的な細かい分野で言えば、このページで扱っているような縄文時代を中心とした考古学、神や妖怪を中心とした宗教民俗学、あるいはそういった文化系学問と遺跡保護・自然保護・平和活動との関係などに強い関心を持って関連資料を集めたり、遺跡を見学したりしています。
 しかし、高校生の私には、専門論文や報告書など必要な資料を集めることもできず、また見学にいっても詳細な調査もできないのが実状です。

 ところが、インターネットはこの悩みをある程度解消してくれるのです。特に最近の縄文ブームで、全国の代表的な遺跡の簡単な紹介と共に遺構・遺物の写真が掲載されたり、現地説明会などの資料が掲載されたりするページがかなり多くあります。私はこれを積極的に活用していろいろ新しいことを知ることができました。

 縄文学・考古学については、まだほんのわずかな知識しかありません。そんな私のサイトですから、十分なデータを提供するのはとても難しいことです。しかし、私は、現状に対してなら多少の感想があります。 このサイトでは、縄文学を巡る個人的な意見の発表と、多少でも研究に役立つような情報を提供することにしたいと思います。

 未熟なページですが、私が考えたことが少しでも多くの人に知ってもらえたら、あるいは、データが何らかの研究に役立つことができればうれしいです。


 これまでいろいろ教えていただいたり、資料をいただいたりした多くの皆様、どうもありがとうございました。


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