モノローグ2nd

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主人公「赤碕翔」のモノローグです。
役得なのか、文章は質、量ともに圧倒的。芸術の域に達しています。

冗談にしか見えねえが……
シナリオライターは本気のようさ……

ゲーム界の極北に燦然と輝くモノローグを、ここに一挙掲載!




夜がじりじりと
俺を締めつける

…………だけど…………
逃げ出すわけにはいかねえ

昨日の事件は
思わぬ方向へ飛び火してた

もとはといえばNRの石川が
しかけたつまらねえ
喧嘩の真似事だったが……

チーム関係の悪化が
尾を引くのは
まずいことになる

今夜、もう一度
BayLagoonRACINGと
NightRACERSの
バトルが決行されることになった

……RevengeRace……

藤沢先輩と辻本の
TAIMAN-BATTLE

その前哨戦に
NRの沢木が指名してきたのが
この俺なんだ……

どうなってんだか、わかんねえ

BLRのbQは
難馬さんだってことになってる

前哨戦とはいえ
俺には荷が重過ぎるんだ

……決戦の時まであと3時間……

軽くバトルをこなして
時をまつしかねえ

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……限られた時間と場所……

……ここはまるで檻の中さ……

……誰かが誰かをつけ狙ってる……

……極限のSPEEDの中で……

……俺たちは、少しだけ自由になる……

……忘れちまったなにかを思い出す……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……YAMASHITA PARK……

恋人達が愛をささやきあう場所……
束の間だろうが……永遠だろうが……
……俺には関係ない……

そうさ……
俺の前に現れたのは……

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SPENCER’S TEST COURSE

TUNESHOP SPENCERの
オーナーが、趣味道楽で建てちまった
横浜の走り屋御用達サーキットさ

新しいPARTSを装着した
車の調子をテストするには
最高のコースレイアウト

STARTING GRIDから
1stコーナーまでの
SPENCER’S STRAIGHT

車の初期加速と加速した状態での
コーナリング特性が、タイトな路面から
ダイレクトに伝わってくる

3rdコーナーは……
GARAGE HAIRPIN

ハードなブレーキングが要求される
BRAKE PADを交換したら
最高速で突っ込んでみるのも悪くない

SPENCER’S 『S』……
サーキットのイニシャルから
とったS字のコーナー

『S』で確かめるのは、TIREのGRIPや
SUSPENSIONのSETTING…
車の挙動が怪しけりゃ、ここでテストさ

LASTコーナーは
気怠い下り坂になってる

アクセルワークでエンジン回転を
中域にKEEPし、ポテンシャルを確かめ
コーナー出口に近付いたら全開で抜け出す

出口の先に待ってるのは、ホームストレートの
SPENCER’S STRAIGHT

最高速チャレンジ……
理屈はいらねえ
ENGINE馬力の勝負さ

GOAL LINE…………
一気に駆け抜ける
最高速のRECORDとともに

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……昨夜の夜の話さ……

鈴木はこの紅レンガ倉庫の
片隅に連れ込まれたっていう

石川たちの車のリアシートで
声を潜めて……

あいつらが無茶な行動に
出ないように……

無事に帰ることだけを
祈りながら……

石川圭介が3本目の煙草を
灰にしてしまった頃……

裏手に数台の車が停まる音が
聞こえたんだっていうのさ

昨夜、ここに集まってた
黒塗りのLIMOUSEINE

その時刻にこの倉庫街に
乗り入れたってことだ

石川たちは、車から離れ
しばらく物陰で
様子をうかがってたらしい

……時間にして、小一時間程度……

……ただ様子をうかがうのには
長すぎる時間……

FMBAY21の深夜番組
「RoundMidnight」が
5回目のCMタイムを
迎える頃になって

石川たちは、不自然なくらいに上機嫌で
車に戻ったっていう

……鈴木の表現を借りれば……
ゴミ捨て場の残飯の中で
思わぬ宝物を発見した鴉のような
目をしてたって……

…………不思議とその後は
身の危険を感じなくなったって……

石川たちは、しきりに
他のことを考えているようで

時折、奇声を発したり
ハンドルを嬉しそうに叩いてみたり

……リアシートに自分がいることを
すっかり忘れてしまったようで……

……鈴木に対する興味を失った……
そんな感じがしたっていう話さ

鈴木の話…………
昨夜、この場所でなにが起きていたのか
石川たちは、なにを目撃したのか

なにかの意味があるかどうかさえ……
いまとなっては、茶番劇の後始末

確かめる術はない

−−−−−−−−−−−−−−−−−

仕事の都合で遅れてる
難馬さんを待つ間……
俺はBayLagoon埠頭を
あてどもなく歩いてた……

……夜と朝の狭間……

……第2氷川丸……

……なにかに
引き寄せられるようにして
たどりついた

そこに女がいたんだ

−−−−−−−−−−−−−−−−−

…なにしてんだろ、俺…

壊れちまった
人形のように
手も足も動かねえ

………音が消えた
鼓動の音だけが響いてる

俺は確かに生きてる

だが…………

ここはどこだ……?
どうしてこんなにも静かなんだ
なにも感じねえ

俺は呼吸すらしてなかった
空間から切り離され、俺だけが
生暖かい静寂に包まれてる

そこで俺は……………………

薄汚れたエンジンオイルにまみれて
流れる血が
真っ黒なアスファルトに染みていく

ただ、その風景を見てたんだ

覚えてるのはそこまでだった

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……気付いたら
俺は病院にいた

どうやってここにたどりついたのかも
よくわかんねえ
動転した記憶は、断片でしかない

……なにが起きたんだ?
俺はどうなっちまったのか

由佳
「赤碕っ!!
もういいのっ!!
赤碕のせいじゃ…
…ないんだから……
だから……
もう……やめて…」


俺が……

俺がやったのか!!

俺が……………

俺がこんなにしちまったのか!!!

沢木
「おぅ……赤碕
おまえ、速くなるぜ……
絶対だ、オレが言うんだから間違いねえ
なれや……赤碕…
……横浜最速に…」


……どうなってんだ……?

記憶の断片をたぐりよせるようにして
俺は自分を取り戻す

沢木の父
「出てけ!!
2度と顔を見せんでくれ!
おまえたちが息子をこんな姿に………」


沢木は『命』を取り留めた

病室のベッドで
機械仕掛けの命をつないでる

やつの家族は俺たちを病院から
追い出した

餌をむさぼり食うために寄生した
害虫を駆除するみてえに

俺たちはムシケラだった

そうさ……
俺たちは人間じゃないんだ

だけど……
おかしいだろ?

俺たち、ムシケラにだって
流せる涙があるんだ

拭っても拭っても
とまらねえのは
なぜなんだ?

くやみきれない後悔
やり場のない怒り
ぶつけようないいらだち

どうしようもねえ
感情を抱えてる

そうさ……とまらねえのさ
とめかたなんてわからないんだ

俺たちは………………

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