モノローグ7th

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主人公「赤碕翔」のモノローグです。
役得なのか、文章は質、量ともに圧倒的。芸術の域に達しています。

冗談にしか見えねえが……
シナリオライターは本気のようさ……

ゲーム界の極北に燦然と輝くモノローグを、ここに一挙掲載!




……横浜GP予選……

……ちっぽけな名誉と夢と……
幾ばくかのREWORDSを
賭けて戦った祭りの後……

……会場の人の流れも
いまは途絶え……

……特設のPIT GARAGEも
観客スタンドも撤収が始まってる……

……TEAMの連中は
祝勝会の準備とかで
先にいっちまった……

……俺はここで
携帯に連絡が入るのを
待ってる……

……俺がGP会場に残ったのは……

……お仕着せの祝勝会なんかよりも……

……俺たちの戦いの記録は……
この路に刻まれているから……

…………そうさ…………

……路には何本も残された
ドリフトの轍……

……明日になればまた
もとの車の流れに消されちまう……

……道に描かれた
俺たちの物語……

俺たちが……
この路を走りぬいたっていう
確かな証……

……走りの刻印……

……勝利の余韻……

少しでも長い間
感じていたかった

……或いはそんな理由かもしれねえ……

……それにもうひとつ……

ここにいれば……
難馬さんが現れるかもしれない……

……そんな風に思えたからさ……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……携帯から鈴木の声が聞こえてた……

だけど、俺に………………

……聞き取れたのは……
そこまでだった

(色々な噂話)

……なにひとつ、わかんねえさ……

……自殺なんかじゃ
あるはずねえ……

……難馬さんのSEVENは
BayLagoonの立ち入り禁止エリアの
柵を突き抜けて、海へ転落した……

事故現場にはブレーキの
痕跡もなかった……

海から引き上げられる
難馬さんのSEVENは
昨夜、俺を襲った
不気味なマシンだった……

……夕日を浴びて……
海から上がってくる
いびつな形のSEVEN……

流れ落ちる海の滴は……
SEVENの流す……
…………涙…………

……そんな風に見えた……

……難馬さんの死に
不審な点は多かった……

だけど……俺の中に腐った蛆のように
這い上がってくる違和感は……

難馬さんの死よりも
むしろ……

……こうなることを
どこかでわかってた
俺自身がいること……

昨夜、難馬さんが
走り去ったときから…

……そうじゃねえ……
……もっと前から……

……予兆があった……

そのことが……
恐かった……

堪えきれなくて……
……俺は……
嘔吐したんだ……

…………なにもかも…………
吐き出しちまいたかった……

……これが俺たちの
横浜GP祝勝会さ……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……同じ夜のことだった……

…………沢木が…………
病院で息を引き取ったんだ

雲は暗色の闇を携え
空を覆ってた

……大粒の雨が落ちてくる……

濡れた空に……
後悔、不安、焦燥、猜疑、恐怖……
悲しみ……

……混じり合って、溶けていく……

激しい雨に打たれて
俺たち誰もが立ちつくしてた

行き先もわからずに……
そうさ………

……みんな死んじまうんだ……

…………大切な誰かを残して…………

−−−−−−−−−−−−−−−−−

…………どれくらいの時間が過ぎたのか…………

…………雨の音だけが
俺たちの沈黙の隙間を埋めていた……

(会話シーン)

……奴らはやってくる……

……いつだって突然に……

……こっちの事情なんて
おかまいなしさ……

激しい雨の夜……
NorthYOKOHAMA……
3rdKEIHIN……

……3京の黒い悪魔は現れる……

……くだらねえ……

GSに現れた黒のSW2000は
そう呼ばれてる奴だった

箱根DriftDANCERS

俺たちのテリトリー外の
TEAMからの挑戦者

挑戦を受けなければ
面子がたたねえはずだが…

藤沢先輩は走るつもりはないって
冷たく言い放ったんだ

開通したばかりの3rdKEIHIN
……雨にぬれた路面を嫌ったのか……

……藤沢先輩らしくねえ……

さっきのムキになった
怒り方だってそうさ……

……難馬さんの死で
おかしくなっちまったのか……

藤沢先輩が走らねえなら
………俺が走る………

……3京の黒い悪魔……

……相手なんて誰でもよかった……

激しい雨を切り裂いて…………
どこまでも走っていきたかったんだ

……そうさ、おかしいのは
俺の方なのかもしれない……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

フロントガラスを叩く
……土砂降りの雨……

堂々巡りのワイパーが
必死で抵抗する……

……道の先はかすんで見えやしねえ……

街を行き交う傘の花……
NorthYOKOHAMAを抜けると
そいつは待ってた……

……3京の黒い悪魔……

……今夜の獲物に喰らいつくために……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

『負け犬のまま、逃げてても
 しようがねえだろ』

……箱根DD、加東の残した言葉が
俺を同様させてた……

……走りの世界は非情なもの……

……一度でも負けは負けだ……

…………いつだったか…………
藤沢先輩がつぶやいた言葉……

……藤沢先輩が箱根の使者と
バトルを避けた理由……

……すべてがつながる気がした……

……悪い方向に……

藤沢先輩を負かした奴が
HAKONEにいる……

……藤沢先輩よりも速い奴が……

……藤沢先輩は、そいつを恐れてる……

……冗談じゃねえ……

……俺は、わいてくる疑惑を
打ち消そうと必死に抵抗してた……

……いまは走るしかねえんだ……

……藤沢先輩を信じてな……

難馬さんも沢木も……
俺の中でつぶやいてた

声が聞こえたわけじゃないけど
……アイツらは俺のそばにいる……

沢木も……難馬さんも……

……俺と走ってる……

……そんな気がした……

俺は全ての疑問に確証を得るために……
藤沢先輩のマンションを目指してる

……満足する答がなかったなら……

……そこで、THE ENDさ……

……3京の緩いコーナーをぬけると
雨は急ぎ足で過ぎ去ろうとしてた……

……雨にかすんだ空……

……なにかが生まれる……

……そんな予感がしてたんだ……

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