モノローグ8thMid

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主人公「赤碕翔」のモノローグです。
役得なのか、文章は質、量ともに圧倒的。芸術の域に達しています。

冗談にしか見えねえが……
シナリオライターは本気のようさ……

ゲーム界の極北に燦然と輝くモノローグを、ここに一挙掲載!




……車の中で夜を過ごした……

……山の空気は澄んで冷たく……

……いろんな思いが浮かんでは消えてく……

……難馬さんの死……

……沢木の死……

……走り屋事故の続出……

……『横浜最速伝説』に隠された謎……

嘘みてえな現実が一度に連続して……

……俺たちは混乱してた……

……HAKONEでのバトル……

……藤沢先輩は勝利した……

……いつもと変わらずに……

……ただひとつの変化……

……俺の中に生まれた感情……

……俺は俺自身として走りてえ……

……藤沢先輩のおまけなんかじゃなく……

だけど……そうさ……
なにも変わりゃあしねえ

……このままじゃな……

俺は藤沢先輩の師匠・織田真学に
会うためにHAKONEに残ってた

箱根の重鎮TUNER・高橋九弐輝の
TUNESHOP WINDYには
藤沢先輩からのささやかなプレゼントが
あるっていう……

……おまけの俺にふさわしい……

……新しい餌……

鼻面に突きつけられて
俺は走る…………

−−−−−−−−−−−−−−−−−

何の気配もない……
神々しいくらいに静かな夜さ

HOLYPALACE……
ここには、藤沢先輩のRSが
停まってる

疲れちまったのか……
藤沢先輩は、一眠りしながら
織田って人を待つって言ってた

織田って人の車は
YELLOWのEVO-2000
それぐらいしか、わからない

……俺は目覚めちまった
この空白の時間……

HAKONEの峠を流してみるさ

つづら折りの道……
WindingCornerの連続は……

俺と同じ……ゆがんだ蛇行の道筋
道標なき混沌へと進む道



藤沢先輩は死んだように眠ってる
ひどく疲れたような横顔が
スモークウインドウ越しに見える

虎口とのBATTLEで
力尽きちまったのか……

藤沢先輩の師匠・織田って人の車は
YELLOWのEVO-2000
捜してみるさ

−−−−−−−−−−−−−−−−−

(由佳との会話)

今回の事件は…………

…………走り続ける俺たちへの警鐘…………

(由佳との会話)

……無理にでも自分を……
納得させようとしてる……

……支離滅裂な鈴木の話……

そうさ……こいつだって
わかってるんだ……

……『横浜最速伝説』……

……蘇っちまったもんは……

……もう一度、葬らなけりゃならねえ……

……その方法は……

……わかりゃしねえ……

……差し当たって、怪しいのは……

……NightRACERSの石川圭介……

……だが、奴はただの狂言回しにすぎねえ……

……そんな気がする……

……だとしたら……

……今の俺に言えるのは……

……何の策もない……

……途方に暮れるしかねえ
その一言だけだった……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……どうしたんだ……?
……この感じ……

………………このまま……
行かせちまったら……
2度と会えない気がする

鈴木や山田……あいつらと……
…………この予感…………

よしてくれ……
難馬さんの時も感じた
漠然とした不安……

……俺を襲ってた……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

…………冗談じゃねえ……
こんな時に…………

YELLOWのEVO-2000…
俺が探してた織田って人の車……

どうすりゃいいんだ…………?


⇒鈴木を追いかける……
 ……EVO-2000とバトル


EVO-2000……
……藤沢先輩の師匠の車
勝負はひとまずお預けだ

そうさ……後悔なんてしねえ

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……EVO-2000のPASSINGの光……

……俺をあざけるように笑ってる……

……おまえをここで待つと……
……余裕で言い放ってる……
……そんな風に見えた……

……EVO-2000の脇を通り過ぎる……

ウインドウ越し………
ドライバーズシート……
魔物に憑かれた走り屋……

闇の深淵……見つめる眼光……
行き着く先……死か……

俺……谷底……急勾配の坂……
堕ちていく……どこまでも……
…………堕ちていく

なにも感じない……
恐怖……忘れて……
あいつらのもとに……

そうさ……これ以上……
誰も……失いたくなかった……

……きっと、そうさ……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

………不思議だった………

さっきまでの嫌な予感は
消え去ってた………











SPEED

−−−−−−−−−−−−−−−−−

藤沢先輩は死んだように眠ってる。
ひどく疲れたような横顔が
スモークウインドウ越しに見える

窓に映ってるのは……俺の顔………
ひどく疲れて見える……俺の顔……

冗談じゃねえ…………

藤沢先輩の師匠・織田って人の車は
YELLOWのEVO-2000
俺への挑発…………

そうさ…………
俺が、俺自身の走りで
この場所に連れてきてみせる

−−−−−−−−−−−−−−−−−

織田って人のEVO-2000……
……約束はなされた……

そうさ……俺を待ってたんだ……


 まだだ…………
⇒……EVO-2000とバトル


俺はアクセルに足をかける…………


⇒……EVO-2000とバトル
 …………まだだ

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……わからねえ……

とにかく……いらついてた……

……その時、俺は飢えたハイエナだった……

格好の獲物が……

俺の前に剥き出しの
喉仏をさらしてる……

……箱根の眠れる皇帝・織田……
……藤沢先輩の師匠……
YELLOWのEVO2000

……喰らいつくなら今さ……

……俺がおまけなんかじゃないってこと……

……わからせる絶好の機会……

誰に対して…………?
…………そうさ、俺自身に…………

俺は自分で納得したかった……

……独りでやれるってこと……

それが俺の…………
……PRIDE……

……はじめてREALな重みで
のしかかってきた言葉……

気づいた時、俺は……
アクセルを踏み込んでた

……渾身のちからをこめて
タイヤの叫ぶ声が聞こえた……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

…………山間の闇が深みを増した…………

…………それ以上…………

……誰一人として口を開く者はなかった……

……これが俺たちの箱根の夜の出来事だ……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……どうしようもねえ混乱……

……ステアを強く握る……

……震えを抑える……

……藤沢先輩の先導……

TUNESHOP・WINDYへ
向かう峠道……

……藤沢先輩は確かに言った……

……『声が聞こえる』……

…………【声】…………
難馬さんと同じ声……?

俺は……ただ……
RSのテールランプを
追いかけるしかないのか?

……なにもできずに……

藤沢先輩…………

……なぜ答えてくれない……

……ずっと前から
聞こえてたのか?

誰にも言えず……
おびえてたのか?

……そんなことがあるわけねえ……

……そうさ……

藤沢先輩は、独りで……
戦ってたんだ……

……得体の知れない【声】と……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

……TUNESHOP WINDY……

……藤沢先輩は、高橋九弐輝と
話をすると、俺に一言だけ告げて
RSで闇の中に消えちまった……

……信じられねえ夢のような言葉を告げて……

(高橋の台詞)

……藤沢先輩からのギフト……

WINDYのGARAGEに
眠っていたのは、横浜GP仕様の
GTRACEマシンだった……

……このGTマシンのレンタル権……

……藤沢先輩は
俺に譲るって言うんだ

自分はRSで出場する……
RSが、オレのこだわりだから……

藤沢先輩はその事実だけを
淡々と告げて
独りで横浜に帰ってった

同時に……藤沢先輩の計らいで……
俺の車は、WINDYで徹底的に
オーバーホールされることになった

……その真意は何なのか……?

……【声】が聞こえる……

……死をもたらす【声】……
……横浜GPの時……
なにが起きるかわからない……

本当はそれが
俺にこのGTマシンを
譲る理由じゃないのか……

俺の車をオーバーホールするのは
俺の行動を制止するため……

あくまでも……
藤沢先輩が独りで
戦うため……

そんな風に思えてならなかった

……何も言わず……
WindyのGARAGEで
磨き上げられたマシンが
俺を待ってた……

……俺はただ待つしかなかった……

……時が過ぎゆくのを……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

俺は、高橋九弐輝のZetaの
Driver'sSEATに
座った……

10年前から走り続けてる車……
傷だらけのステア……
深く刻まれた走りの刻印……

…………俺は…………
どこか懐かしい記憶を
辿るような……

……そんな既視感に襲われた……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

俺は、高橋九弐輝のZetaの
NaviSEATに乗り込んだ

10年前から走り続けてる車……
古ぼけてほこりじみた内装
剥げ落ちたダッシュボード……

…………俺は…………
どこか懐かしい記憶を
辿るような……

……そんな既視感に襲われた……

−−−−−−−−−−−−−−−−−

高橋九弐輝は、藤沢先輩から
横浜で起きていることを
既に聞いていたようだった

…………藤沢先輩にも…………
謎の【声】が聞こえてること……

……その事実を除いて……

……藤沢先輩が黙っているなら……
俺から、話すわけにはいかない

……そんな風に思えた……

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