「台湾ポップス認知度向上委員会委員長報告書」

 李翊君「誓言[言荒]言」


 ジャケットを見るとなかなかの姐さん的風貌です。「翊君姐さん!」といった感じでしょうか。姐さんとの出会いはたまたまあるwebページの新譜試聴コーナーでたまたま聴いてみた、というあまり面白くない出会いでした。でも、聞いてみたら声が良かったんですね。ハイトーンながら微妙にハスキーなオトナの歌声に聞こえました。で、シビレた(笑)私は彼女のアルバムをお買い上げ、と相成りました。

 1曲目「沙漠寂漠」は台湾のTVBS『新射[周鳥]英雄傅』の主題歌です。残念ながら私は見た事がありませんが、この曲はスケールの大きい名曲です。盛り上がりかたも絶妙。スケールの大きいこの曲に翊君姐さんの歌が全然負けてません。それどころかぴったりハマっています。ところで一体誰が曲に絡んでいるかと言うと、なんと張宇(フィル・チャン)。納得です。スケールの大きな曲を作らせたら彼の右に出る人はいないのではないでしょうか。
 
 6曲目「雨蝶」は、中華圏で超スーパーウルトラスペシャルギガ大ヒット(笑)した中視のドラマ「還珠格格」の主題歌なのですが、このアルバムを最初から聞いていると、あれ?どこかで聞いたことのあるイントロ、どこかで聞いたことのあるメロディー・・・?と思ったそんなアナタ、鋭い。これはこのアルバムの1曲目「沙漠寂漠」とメロディー・アレンジが同じで歌詞だけ違うという驚きの一曲(笑)。どうなってるんですか、これ?それってアリなんですか?もめたりしなかったんですか(笑)?

 最後の曲「痛」は動力火車(パワー・ステーション)とのデュエット曲。最後を情感たっぷりに締めてくれます。

 アルバムを通しての印象は、アン・ルイス言う所の「K-Rock」つまり「歌謡ロック」ですね。最近日本では流行らなくなりましたが、なんというか、これはこれでいいものです。全編ミディアム・スローのわりとゆったりとした曲調で、全曲が「*曜サスペンス劇場」とか、「***刑事**派」、お昼の1時30分くらいから放送されている30分ドラマなどのテレビ番組のエンディングにピッタリです。今の日本では絶滅しかかっている歌謡ロックの素晴らしさを台湾ポップスを聞いて再認識するかも。

 ちなみに、私が買ったこのアルバムゴールド仕様で、「誓言[言荒]言」「沙漠寂漠」「雨蝶」のMTVが収録されたVCDがオマケについています。「雨蝶」のMTVでは「還珠格格」の映像が使われています。趙薇カワイイ〜!あ、関係ありませんね。つい取り乱してしまいました。


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