「台湾ポップス認知度向上委員会委員長報告書」

 民雄「跟著月亮走」


 認知度向上委員会初の男性アーティストはなんとも超マイナー(失礼!)な民雄さんです。台湾に初めて旅行した時一番最初に見たMTVが彼の「請為我加油」でした。
 おそらく彼の1stアルバムであろうと思われるこのアルバム。ほとんど彼の作曲により、1,2曲原住民謡がありますが多くは台湾原住民民謡風味のポップスとなっています。またほとんどの曲をプロデュースしているのが陳國華(マーク・チャンでしたか?)。民雄の出自はパイワン族のようです。

 1曲目はスケールの大きなアレンジで切ない感じで歌っています。ハイトーンでやや枯れた感じの歌声がハマっています。作詞は娃娃。

 このアルバムの白眉は何といってもこの2曲目「請為我加油」です。都会に出てきて夢を追いかける青年が故郷を思うという、民雄本人とダブる歌なのですが、日本語で「ガンバレ」という単語が出て来たり、曲の最後に向けて原住民謡のリズム、アレンジで盛り上がっていく様子などは聞いていて気持ち良くなってしまいます。この一曲のためにこのアルバムを買っても損はないと思ってしまうほど個人的にはお気に入りの曲です。

 3曲目「夜半無人街」はミディアム・スローの曲。ファルセットなど、ちょっとしたワザも使っています。これも彼のやや枯れた声を生かした曲です。

 4曲目「追」は原住民謡をジャズっぽくアレンジしたもの。でもロック・ポップスの要素も大きく、ちょっと不思議な感じもします。

 5曲目「萬寶路」は何とラテンアレンジ!やや枯れた声のためかセクシーさには欠けますが世界的ラテンミュージックブームを見越した先見の明(?)というか、意外性の一曲。本人結構ノリノリっぽく聞こえます。

 6曲目「祈雨」は原住民民謡。でもアレンジは現代風になってます。民雄は原住民の言葉で歌っています。

 7曲目「思郷」は冒頭の笛の音と重厚な男声コーラスに始まるスケールの大きな1曲。声を張り上げて歌う彼のバックで歌われる原住民民謡風コーラスの節がスケールの大きなこの曲を一層盛り立てます。

 8曲目「阿雄的愛情」一転してフォークポップ調の優しい曲。彼のハイトーンヴォイスが十分に活かされている曲です。

 9曲目「坑洞」ミディアム・スローの曲。ここでもハイトーンヴォイスと枯れた(乾いた)声を活かした切ない感じの曲調です。

 最後の10曲目「I love Sunday」は一転して軽く明るくポップな感じの曲調。それでも間奏部分に原住民民謡風コーラスをさりげなく忍び込ませるあたりはアレンジの妙。

 ちなみにこのアルバム、オマケとして全10曲のデモ曲バージョンCDもついているので完成品とデモ曲の違いも楽しめます。

 ただし、彼のCDを入手するのは日本国内では非常に難しいと思われます。この記事を書くに当たって参考資料を探すために台湾の有名なサーチエンジンを使ってネット検索してみましたが、全く情報を得る事が出来ませんでした。このCDは台湾で購入しましたが、その頃は発売からそれほど時間が経っていませんでした。レコード会社も大きいところではないようですし、協賛企業もほとんどついていないようです。洗練されているとは言えない曲が多いですが、原住民民謡とロック・ポップスの融合がかなり上手くいっている曲が多く、楽しめるアルバムだと思います。


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