昨年10月末初めて台湾旅行に行きました。とても気になっていた国でした.司馬遼太郎さんや李登輝さんの台湾がどうなっているのかどうしても見たくなりました。大陸や香港、シンガポールの中国系の国は数度訪れていました。韓国へは6回ほど行っております。韓国については日本に一番血縁の濃い国という印象が強く残りました。李登輝さんが「台湾は日本を教師と見立てて戦後の台湾を築いてきたのだ」という意味のことを述べておられましたが、台湾が現在どうなっているのか見たかったのです。仕事の関係で台湾訪問を控えておりました。
台湾が中国との決別を希望するなら、台湾は世界に向けて大陸とは異なる文化を発展・発信させなければならないと私は考えておりますが、新しい文化とは言うに安く其の実現には至難なものがあるのでしょう。長い時の流れと幅広い台湾人の合意の形成が必要かと思っています。其の文化は多分宗教がベースになるのだろうと思っていますが、台湾の人達の中にあれほど道教が定着している姿を見ては、この国は大陸の過去の文化にやはりすがらざるをえないのかと少し暗い気持ちになりました。
台湾は初めてだったので今回は台北を中心に廻りました。台北は「石の都」と言う印象が強く残りました。台湾の建造物が良質の大理石をふんだんに使っているためでしょうか。それでも台北を中心に東の海辺や、南西の山間部を歩いてきました。そして台北では碁会所を探して台湾の人たちと碁を打ってきました。とても楽しい旅でした。今回の台湾旅行で印象に残ったのは原住民博物館やタイヤル族の村に行ったことです。台湾の町を歩く人達は日本人とは違うという印象が強かったのですが、原住民は日本人が見慣れている顔の人達でした。そこでこんな詩を書いてみました。
高砂族の歌
2000年11月 8日(水)
私たちは高砂族を忘れない。
時代の波に翻弄された高砂族
あたかも単独の部族のような高砂族
もう9族に減ったけど今でも元気に生きてるよ.
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清国人がやってきて氏名をくれた。
豊臣秀吉が家来になれといってきた。
スペイン人やオランダ人がやってきてお城を築き大砲を据えた
ポルトガル人がやってきて麗しの島という名前をくれた
日本人がやってきて法律と学校をくれた
日本人が去って中国人がやってきた
外国人が来る度に九族の人口が減る
でも今を生きる俺たちは幸せさ
台湾で一番綺麗な所に住んでいる
富士山より高い山が2つもあるんだ
一番綺麗な水を飲んでいる
温泉も沢山あるぜ
娘たちも綺麗だ
日本のタレント娘の顔は俺たちの娘に良く似ている
この前アイヌがやってきて一緒に歌って踊ったよ
文化が似てるといってたよ
ソリャ−そーだよ
台湾の九族も沖縄もアイヌも同じルーツの南方系モンゴロイド
同じ縄文人の仲間さ
でも日本のアイヌはおとなしいね
俺たちのほうが活発だよ
日本時代には高砂族の高砂義勇隊を作ったぜ
戦後30年もインドネシアのジャングルに隠れていた
中村輝夫はアミ族出身さ
部族の名前ではスニヨンというのさ
小野田少尉や横井軍曹より後から出てきたんだぜ
キャッシーフリーマンがシドニーで金メダル取ったよね
よかったね
彼女は新石器人の末裔さ
だが俺たちがローマ大会で10個も銀メダル取ったのはあまり知られてないね
れっきとした縄文人の末裔が銀メダル10個よ
弥生の日本人がなかなか取れないメダルだよ
ところで俺たち九族はキャッシーの先祖と同じ頃この島に来たらしい
ということは日本の沖縄もアイヌも新石器人の末裔ということさ
縄文人と新石器人がつながっている証明がこの台湾にあるんだよ
台湾は日本の歴史にとっても重要な島なんだよ