形勢判断の仕方


将棋を指す上で局面が自分の方が良いか、悪いか判断することは大事。形勢判断を題材にした本は意外と少なく私の知る限りでは谷川さんが2冊だしているぐらい。ここでは形勢判断の仕方を知らない人のために書いてみようと思います。

形勢判断する上の要素は 1.駒の損得 2.駒の働き 3.玉の堅さ 4.手番 がある。

これらを総合的に局面を客観的に見て形勢は有利なのか不利なのかを判断するわけである。それぞれの要素は序盤・中盤・終盤で価値が変わってくる。



1.駒の損得

序盤・中盤で駒得できれば有利に展開することが多い。例えば単純に桂馬損したとしよう。すると自分の桂馬は1枚、相手の桂馬は3枚とものすごく戦力差がでる。駒損する場合は駒の働きを良くするなどなにかしらの見返りがなくてはならない。

単純な駒損するとかなりうまくいっているようでも結局最後は負けになるパターンが多い。逆に駒得した場合はゆっくりじわじわと指すのが良い。一気に決めようとする=終盤に持ち込むのは損。終盤では駒の損得は関係ない。終盤戦はいくら駒損しようが相手の玉を先に詰ませばいいわけで駒得の価値はない。


単純な駒得なんて滅多にないので次は交換した場合。

駒の価値は高い方から 飛車・角・金・銀・桂馬・香車・歩。

例えば飛車と金の交換は飛車の方が得。

一枚づつの交換は分かりやすいが複数の交換になると複雑になる。谷川さんの「大局観が勝負を決める」日本放送出版協会 を参考にすると

飛車=15点

角=13点

金=9点

銀=8点

桂馬=6点

香車=5点

歩=1点

としている。それをふまえると

飛車=金+桂馬

角=銀+香車

飛車+桂馬=角+銀

金+銀=桂馬+桂馬+香車

である。逆に考えると例えば飛車と金の交換は桂馬一枚分の損といえる。

ちなみに「と金」は12点。「と金」が3枚できれば飛車損してもおつりがくる。飛車損で −30点(15点2枚の損)に対して「と金」+36点(12点3枚の得)。



2.駒の働き

いくら駒得しても駒の働きが悪ければ意味がない。

まったく飛車一枚使えない状態になったとする。−15点(とられたわけではないので−30点にはならない)の戦力ダウンになってしまう。この場合、桂馬得+12点(6点2枚の得)しても追いつかない。

序盤から中盤にかけて駒の損得はないので駒の働きを良くした方が良くなる。遊び駒があってはその分戦力ダウンになるのでうまくいっても結局負けというパターンになりやすい。遊び駒をなくすには 駒を自玉に近づける(玉を堅くする)、駒を相手玉に近づける(相手玉に働きかける)、駒を中央に集める(利きを多くする) ことで解消される。



3.玉の堅さ

玉の堅さは駒の働きにも入るが一応ここでは分けます。

駒の損得無し、駒の働きも差がないといった場合には玉が堅い方が有利になる。玉が堅い方は単純に攻め合えば早く相手玉を詰ますことができるからである。玉の堅さで書いたのでそちら参照。



4.手番

これは終盤戦で大事になってくる。先手先手で攻めが続けば有利に展開する。

例えば歩で飛車取りに当てられたとする。序盤・中盤では飛車損は−30点で不利になるが終盤では事情がちがう。

飛車1枚を取られる間に相手玉に迫るという場合もある。その場合、飛車損で −30点(15点2枚の損)に対して2手得(飛車取りに当てた一手+飛車取る一手)。

局面にもよるが2手得の方が良いときもある。



以上の4つの要素を総合的に判断するわけである。

一手指すごとに判断してても意味ないので序盤から中盤になる頃、中盤から終盤になる頃などに形勢判断する。

そして有利だと判断したならばそのまま行けば勝てるので自然な手を指し、不利だと判断したならば相手が間違えるような複雑な局面にすれば良い。

4つの要素のうち どの要素で自分の方が勝っているか意識することが大事。


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