初手から▲７六歩△８四歩▲６八銀△３四歩のときに、▲７七角とする戦法（図１）。
狙いは、飛車先不付き（▲２七歩型）の角換わり将棋。
例えば図１の局面から、△７七角成▲同銀△２二銀となったとする。
通常の角換わりの将棋と比べて、▲２六歩と突いてないので、後に▲２六角の筋があり、後手から２七の地点に角など打ち込む隙がなく、少し得。
もっとも後手も△８四歩型で進められる（通常は△８五歩型）ので損得は微妙だが・・
図１の局面から、△３二金▲７八金△６二銀▲４八銀△４四歩で図２の局面。
先手がどこかで▲２六歩とすれば、△７七角成となる（▲２五歩とされたら困る）。
後手が△４四歩と角道を止めた場合（図２）には、先手は右四間飛車にする構想に。
右四間飛車
図２の局面から、
▲４六歩△５四歩▲４七銀△５二金▲５六銀
△４三金右▲４八飛△５三銀▲６九玉△４一玉▲７九玉
△４二銀上▲３六歩△３一玉▲３七桂△８五歩▲１六歩
△１四歩▲５九金で図３の局面。
途中、▲４五歩と早めに仕掛ける展開もあるが、玉を囲いあえば図３の局面になりそう。
図３の先手陣は、後手の右四間飛車（図４参照）と比べて、先後の違い＋▲２七歩型で２手多くさせる。
図３の先手の囲いにかけた手数は５手。対して図４の後手は４手。図３の▲２七歩型と図４の△８四歩型。で２手。
ずいぶん得をしているようだが、そうでもないのがつらいところ。
図４の後手陣はどこかで△４四歩として銀矢倉に組み替えることができる。
一方、図３の先手陣は、どんどん攻めていくしかない。▲６六歩としても角の動きが不自由なので。
しかも、攻めるとなると▲２六歩は必要。
プロの将棋で、７七角戦法が指されない理由はその辺にあると思う
（この戦法は一時期、谷川さんが得意にされていたが、今では見かけない）。
ただし、がんがん攻めていく将棋の得意なアマの人には向いていると思う。
攻めていくとなると図３の局面から、
△７四歩▲２六歩△６四銀▲４五歩△５三銀上▲４四歩△同銀▲１五歩△同歩（図５）。
図５の局面から、▲４五銀なら△５五歩▲４四銀△同金（図６）。
図６の局面で、▲４五歩△４三金▲４四銀は△５四金で駄目。
▲２五桂は△４五歩なので、▲４五銀ぐらいか？
▲４五銀なら、△４三歩か△４三金。
△４三歩なら、
▲４四同銀△同歩▲２五桂△７五歩▲１三歩
△同桂▲１五香△２五桂▲１一香成△同角▲２五歩
（この変化のために仕掛け前には▲２六歩が必要）△７六歩
（図７）。
△４三金なら、
▲４四歩△５三金▲３四銀△４四金▲４五銀△４三金
▲４四歩△５三金（図８）。
図７、図８の局面ともに右四間飛車側がつらい。
ただ、先手玉は堅いので、実戦的には先手もやれると思う。
上の手順は一例で、先手はどこかで▲３五歩が入るかもしれないし、もっと早い段階（△３一玉の前）で▲４五歩とした方が良いかも。
後手も△６四銀とせず、△６四歩と待機する順もある。
７七角戦法は、攻め将棋が好きな方は、やってみる価値はあると思う。
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