四間飛車穴熊に対する有力な作戦に地下鉄飛車がある。まずそのおさらいから。
図１の後手陣のように組む形が地下鉄飛車である。飛車も１筋にまわり 飛車と角と香車と桂馬でとにかく端を攻めまくる戦法。
受け間違えれば先手負けになるが地下鉄飛車側も攻めが単純なので受け止められたり、攻めをかわされるリスクもある。
地下鉄飛車ではないが次のような指し方もある。
図２の局面。ここから図１の地下鉄飛車を目指す他に
△２二銀～△４二金寄～△２一玉～△３一金～△３二金寄と西田スペシャルにするのも有力。
図２の局面から
△２四歩▲５六銀△２五歩▲４六歩△２六歩▲同歩
△同角▲２七歩△５三角で図３の局面。
図３の局面で▲３九金（▲４五歩、▲６五歩など）ぐらいだと△８六歩▲同歩△８七歩で次の△８六角が受からなくなってしまう。
よって▲８八飛ぐらいだが後手に一歩持たれており後の端攻めがきびしくなり後手持ち。
そこで対策というほどでもないが序盤で工夫してみる。
図４の局面またはそれより前で▲７八銀としないことだ。
図４の局面で▲１八香として左の銀は▲６八銀～▲５七銀の余地を残しておく。
後手が急戦で来れば▲７八銀で通常型になるので図４から
△３三角とⅠ．居飛穴できた場合と
Ⅱ．地下鉄飛車できた場合を考える。
Ⅰ．居飛穴できた場合
図４の局面から▲１八香△３三角に対して▲７八銀としたら△４二角で困ることになる。
だが▲５八金左を入れてから▲７八銀とすれば問題ない。 ▲１八香△３三角▲５八金左△２二玉
▲７八銀で図５の局面。
図５の局面で△４二角なら▲６七銀で△８六歩の筋も▲６七銀に紐がついているので大丈夫。
結局通常型になる。図５の局面から
△５三銀▲６七銀△１二香▲５六銀△４四歩▲４六歩△１一玉
と図６の局面になったとする。
図６の局面からは
▲１九玉△２二銀▲２八銀△３一金▲３九金△５一金
▲６九飛△４一金右寄▲４九飛の図７の局面にしても
▲４八金寄△２二銀▲３八金寄△３一金▲４八飛△５一金
▲１九玉△４一金右寄▲２八銀の図８の局面にしても一局。
Ⅱ．地下鉄飛車できた場合
図４の局面から
▲１八香△５二金右▲１九玉△７四歩▲２八銀△４四角
▲３六歩△２二銀▲３八飛△３三桂▲５六歩で図９の局面。
図９の局面で△４二金上と地下鉄飛車できても
△４二金寄と西田スペシャルできても
▲６八銀～▲５七銀～▲４六銀として３筋を狙う。
図９で△５三角としたら一旦▲７八金としてから
▲６八銀～▲５七銀～▲４六銀を狙ってどうか？
受け一方にはならないので有力だと思う。
