ある夏の日(一部)

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いわゆるオールエンドです。

祐一は誰とも付き合ってません。

 

 

 

 

「よし、名雪。明後日海に行こう!!」

 

食事中、俺は切り出した。

 

「唐突だね、でも勉強・・・」

 

「まぁたまには息抜きってことで、どうだ?」

 

「うん、いいよ♪♪」

 

「よし、決まり。じゃあどうせだから皆誘っていくか」

 

「えっ・・・うん、そうだね」

 

「あらあら、それだと大きな車がいりますね」

 

「あっ、そうですね。うーん困ったな」

 

「私も一緒に行きましょうか?」

 

「えっいいんですか?でも仕事は」

 

「大丈夫です。明後日はお休みですから」

 

・・・相変わらず何の仕事をしてるか分からない人だ。

 

そんなに感単に仕事って休めるものなのか。

 

「分かりました。ではお願いします」

 

「はい」

 

ふと、名雪を見るとなんだか浮かない顔をしている。

 

「どうした名雪?腹でも痛いのか?」

 

「う・・・ううん、なんでもないよ。ごちそうさま」

 

パタパタと名雪は部屋に戻ってしまった、何なんだ一体。

 

あ、俺も電話しなきゃな・・・よし、まずは佐祐理さんと舞の家に。

 

佐祐理さんと舞は今一緒に住んでいる。

 

当初の予定通り高校を卒業した後一緒に住み始めた。

 

今は同じ大学に通っている。

 

環境情報とか何とかいう学部に所属してるらしいが、俺には何を勉強しるのかさっぱりわからない。

 

それよりも驚いたのは舞が佐祐理さんと同じくらい頭が良いってことだった。

 

大学入った時にそのことをいったら案の定頭にチョップをされ、

 

「祐一は失礼、勉強は嫌いじゃない」

 

と言われた。

 

人は見かけによらないものだ。

 

プルルルルル プルルルルル ガチャ

 

「はい、倉田ですが」

 

「あっ、もしもし佐祐理さん」

 

「そうです、どうしたんですか今日は?」

 

「いや、明後日海にいくことにしたんだけど、佐祐理さんと舞もどうかなって思って」

 

「あははー、その日は空いてるから大丈夫ですよ。でもいいんですか?佐祐理たちもご一緒させてもらっても?」

 

「みんなで遊んだ方が楽しいからさ」

 

「そういうことなら佐祐理たちも行かせて頂きますね」

 

「じゃあ、明後日に。集合場所は・・・朝の八時に家にきてもらえるかな」

 

「わかりました。楽しみにしてますね、では」

 

「うん、明後日に」

 

ガチャ

 

さてと次は・・・香里と栞の家に。

 

栞は、今は病気も良くなり元気に学校に通っている。

 

結局出席日数が足らず留年してしまったわけだが、そんなことは気にせず登校してるらしい。

 

外見は一年生とかわらないからな。

 

そして、前から趣味でやっていたことからか、何と美術部に入部してる。

 

確かにある意味才能だからな、あの絵は。

 

今度また絵のモデルを頼まれてるが、前よりまともになってることを祈ろう。

 

プルルルルル プルルルルル ガチャ

 

「はい、美坂ですが」

 

「あー栞か?俺、祐一だけど」

 

「あっ、祐一さんこんばんは」

 

「おう、早速だけど明後日暇か?みんなで海にいこうかなと思ってるんだけど」

 

「明後日・・・えぇ大丈夫ですよ。お姉ちゃんもいっしょでいいですか?」

 

「あぁ、全然かまわないぞ。じゃあ明後日の八時に家にきてくれ」

 

「はい、わかりました。楽しみですー」

 

「俺は、栞の水着姿が楽しみだけどな」

 

「そういうこと言う人嫌いです」

 

「ははっ、冗談だよ。じゃあ明後日に」

 

「はい、お休みなさい」

 

ガチャ

 

えっと次は・・・天野の家に。

 

今真琴は天野の家のお世話になっている。

 

両者の意見が一致したのかはわからないが、天野もご両親も快く了解してくれたので何の問題はないのだが。

 

真琴は今中学生からやり直してるみたいだ、秋子さんが、

 

「高校からでも大丈夫ですよ」

 

と言っていたが(どうやって進学させるのかは聞くのが怖くて聞けなかったが)、一応基礎学力を身につけたいと真琴自身が言っていたからな。

 

家を出る時に、

 

「お邪魔虫は消えてやるんだから、仲良くやりなさいよね、ベー」

 

と、余計な台詞を言い残して。

 

プルルルルル プルルルルル ガチャ

 

「はい、天野ですがどちらさまでしょうか?」

 

「おっ、天野か?相変わらずおばさんくさいな」

 

「そういう相沢さんも相変わらず失礼な方ですね」

 

「まぁ挨拶みたいなもんだろ」

 

「私はそんな挨拶歓迎しません」

 

「悪かったって、で要件だけど・・・」

 

「あっ祐一からの電話?貸して美汐」

 

「あっ、真琴」

 

「祐一ね、美汐に変な悪戯電話してたんでしょー!!」

 

「おまえなぁ、顔見知りのやつに変な悪戯電話してどうすんだよ」

 

「あうー、じゃあ何なのよ」

 

「あー、明後日みんなで海に行くことにしたんだけど真琴と天野もどうかなと思ってな」

 

「んー私は大丈夫だけど、美汐は?祐一が明後日みんなで海行こうって・・・・・・美汐も大丈夫だって」

 

「そっか、じゃあ明後日の八時に家に来てくれ。あっそれからちょっと天野に代わってくれ」

 

「美汐を口説くつもりね、美汐は真琴のなんだからね」

 

「分かった分かった、いいから代わってくれ」

 

「あうー、わかったわよぉ」

 

・・・・・・。

 

「はい、お電話変わりました、天野です」

 

「あぁー天野か、えっと真琴のことなんだが」

 

「えぇ、大丈夫です。とっても元気にしてますよ」

 

「そっか、ならいいんだが。これからも真琴のことよろしく頼むな」

 

「わかりました。では明後日、楽しみにしてますね」

 

「あぁ、じゃあ」

 

ガチャ

そっか真琴は元気にしてるか、最近忙しくて連絡取ってなかったが良かった。

 

えっと、最後は・・・あゆか、まぁあいつはいいか、当日になったらひょこっと現れそうだしな。

 

「うぐぅ、酷いよ祐一くん。ボクだけ仲間はずれにするなんて」

 

「えっ!!」

 

後ろを振り向くと泣き顔のあゆが立っていた。

 

「何でお前がいるんだよ?あゆ」

 

「えっ、それはさっき秋子さんに電話もらって明後日に海にいくから今から泊まりに来なさいって」

 

「じゃあやっぱり俺が電話する必要はなかったじゃないか」

 

「でも、秋子さんが電話してくれなかったらボクには連絡が来なかったってことでしょ。やっぱり酷いよ」

 

「今こうしているんだから別にいいだろ」

 

「うぐぅ」

 

あゆは、七年前から意識不明だったが去年の3月に目を覚ました。

 

俺と同じ年だが、この春に俺達と同じ高校に入学した。

 

どうやってこれまでの勉強を取り戻したが不明だが(どうやら秋子さんが関係してるようだ)、そこそこに勉強はできるようだ。

 

俺は、外見からも中学生からを勧めたが、

 

「うぐぅ、酷いよ。ボク祐一くんと同じ年だもん」

 

と、本人が頑なにそれを拒んだ。

 

流石に高校三年生からは無理だったようだが、それでもそこまでの学力を身につけさしてしまった(わずか1カ月でだ)秋子さんの凄さを改めて思い知った。

 

「で、あゆもいくんだろ、海?」

 

「うん、だから来たんだよ」

 

「そうだな」

 

「ところで、名雪さんは?」

 

「あぁ、もう部屋に戻ってるぞ。なんか様子が変だったな」

 

「どんな風に?」

 

「あぁ、最初は海行こうって言った時喜んでくれたんだけどな。皆誘うって言ったら急に・・・なんだろうな」

 

「・・・・・・」

 

「どうした?あゆ?」

 

「ううん、なんでもないよ。やっぱり祐一君は鈍感だなって思っただけ」

 

「見た目が中学生のやつに言われたかないぞ」

 

「うぐぅ、見た目と鈍感さは関係ないもん。あっそうだ祐一君、明日買い物に付き合ってよ」

 

「あぁ、いいけどどこ行くんだ?」

 

「せっかく、海行くんだし、新しい水着が欲しいなぁと思って」

 

「んなの、前のあるからいいだろ。入らないってことはないだろ」

 

「うぐぅ、酷いよ。ボクだって成長してるもん。それに、前のってなると・・・ボクは・・・」

 

「悪かった悪かった。うん明日だな、買い物に行こうなあゆ」

 

「うん、じゃあボクもう寝るね、お休み祐一君」

 

「あゆは何処で寝るんだ?名雪の所か?」

 

「ううん、秋子さんが一緒に寝ましょうって言ってくれたから。今日は秋子さんと一緒に寝るんだよ、一緒の布団で」

 

「そ、そうか」

 

あゆと秋子さんが一緒に寝るのか・・・・・・一緒の布団でか・・・・・・。

 

「祐一君、もしかして変な想像してない?」

 

「馬鹿っ!!するわけないだろ。さてと俺も風呂入って寝るかな」

 

「ボクも後で秋子さんと一緒にお風呂入るんだよ」

 

・・・・・・い、いかん。女の人が風呂に入るくらい別段大したことないのに、二人一緒ってなるとどうしても変な事考えてしまう。

 

「祐一君、顔がにやけてるよ」

 

「・・・・・・風呂入ってくる」

 

・・・男って悲しい生き物だな。

はぁーさっぱりした。流石にもう皆寝てるな、俺も寝るか。

 

・・・・・・寝れない、鈍感って言われたことが気にかかってしょうがない。

 

鈍感ってわけでもないんだよな。

 

名雪の気持ちくらいとっくに気がついている。

 

俺はどうなんだろう、名雪とは一緒にいて楽しいし、俺も一緒にいたいと思ってる。

 

もし、名雪が他の男と付き合うことにでもなったらなんか複雑な気分になるだろう。

 

でも、一緒にいたいという気持ちがはたして恋愛感情なのか自分でもまだわからない。

 

ふぅ、考えても仕方がないか、明日は出かけるしもう寝るか。

 

 

 

 

あとがき

今回初のオールエンド出演となりました。本当は一部で終わらすつもりだったんですけど、だらだらと書いてるうちに長くなってしまい、急遽三部編成に切り替えました。とりあえず、第一部ははじまりということで、かくヒロインなどの説明で終わってしまいました。二部はあゆとの買い物を考えています(まだ書いていませんが)。とりあえず、なるべくはやくかけるように頑張ります。

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