◇戦闘時の行動◇
PCのパーティーが、モンスターや他のパーティーと遭遇した場合、次のような手順で遭遇の状況を決定する。
《遭遇時の手順》
(1)どちらの側が不意打ちを行ったか判定する。マスターは1d100を振り、その目が10以下ならPC側が、90以上なら相手側が不意打ちを行える。この際、<不意打ち>技能や遭遇の状況により修正が加わる。
(2)戦闘マップにPCと遭遇した相手を配置する。
(3)PCと遭遇した相手の反応を決定する。マスターは1d100を振り、その目が51以上なら遭遇相手の反応は敵対的(敵対的といっても、必ず戦闘になるとは限らない)、21〜50なら中立的、20以下なら友好的となる。この際、以下の修正が加わる。ただし、相手の反応はダイスの目を全く無視してマスターが決定しても良い。又、会話や交渉する機会があれば、<交渉>技能の修正を加えることができる。
| 相手側が知性のないモンスターの場合 |
+50 |
|
PCの性格がGOOD/相手の性格がGOODの場合 |
−50 |
|
PCの性格がGOOD/相手の性格がEVILの場合 |
+20 |
|
PC側が圧倒的に強い |
−20 |
|
相手側が圧倒的に強い |
+20 |
|
相手側が不意打ちに成功 |
+10 |
|
その他状況に応じた修正 |
様々 |
(4)相手の正確な名称が分かったかどうか判定する。マスターはPCの中で最も高い【知恵】の値を用いて、【知恵】×3+修正のチェックを行い、成功すると正確な名称が分かる。<モンスター知識>技能を持っているキャラクターは、マスターが行うチェックとは別に個人でチェックを行うことができる。
(5)戦闘ラウンドを開始する(戦闘の手順、もしくは不意打ちの手順に移る)。
各戦闘ラウンド(1ラウンドは約15秒)に、キャラクターはの後述の行動から一つを選んで実行する。【敏捷度】に<柔軟>技能の修正を加えた値が高い順番に行動を行う。行動を遅らせたい場合は、<柔軟>技能の修正を用いるか、もしくはラウンドの最後(回復チェックの前)に行動を行うことができる。
《戦闘の手順》
(1)キャラクターの行動内容と行動する【敏捷度】を宣言する。
(2)PCの代表とマスターで1d10を振り、イニシアチブを決定する。
(3)イニシアチブの修正を加えた【敏捷度】の順番で行動を行う。
(4)修正後の【敏捷度】が同じ場合は、1d10を振って早い方から行動を行う。
(5)ラウンドの最後の回復チェック等を行い、次のラウンドへ移る。
どちらかの側が不意打ちを行った場合は、以下の手順で戦闘を行う。又、不意打ちは瞬時に行われるため、十分な精神集中が行えず、魔法を唱えることはできない。
《不意打ちの手順》
(1)キャラクターの行動内容と行動する【敏捷度】を宣言する。
(2)各キャラクターは行動を行う。
(3)ラウンドの最後の回復チェック等を行い、次のラウンドへ移る(戦闘の手順へ移る)。
《行動の種類》
移動力と同じマス数まで、前後左右、斜めに自由に移動できる。移動が終了したら、キャラクターの向きを決定する(同じマスの中で向きを変えるときは移動する必要はない)。移動の途中で敵の前面マス(支配圏)に入った場合は、そこで移動は終了する。又、移動の開始時に敵の前面マスに入っている場合は、移動力が1になる。
敵の支配圏から全力で逃れたい場合は、互いに【敏捷度】×4の成功チェックを行い、離脱する側が成功すると離脱できる(通常の移動力で移動できる)。失敗すると、そのラウンドの行動は終了する。ただし、敵の成功度が離脱する側を上回っている場合は、即座に命中判定に+20%のボーナスで1回の攻撃を行える(通常の攻撃回数とは関係ない)。
※キャラクターの視界による修正
通常の視界 広視界1 広視界2 ◎キャラクター
○○○ ○○○ ○○○ ○前面マス:支配圏、攻撃可能なマス
△◎△ ○◎○ ○◎○ △側面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+2
××× △×△ ○△○ ×背面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+4、
更にシールドのACボーナスが無効
移動力の2倍のマス数まで移動できる。ただし、あらゆる成功判定に−1倍、ACに+2のペナルティを受け、視界も狭くなる。次のラウンドの自分の行動時にこれらのペナルティは無くなる。
※全力移動時のキャラクターの視界
通常の視界 広視界1 広視界2 ◎キャラクター
×△× △△△ △△△ ○前面マス:支配圏、攻撃可能なマス
×◎× ×◎× △◎△ △側面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+2
××× ××× ××× ×背面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+4、
更にシールドのACボーナスが無効
移動力の半分のマス数まで移動して攻撃できる。移動の開始時に敵の前面マスに入っている場合は、同じ敵の側面マスに移動して、その他の行動(攻撃など)を行うことはできない(広視界のキャラクターのZOCの場合は、通常の前面マスから技能により追加された前面マスに移動して、その他の行動を行うことはできない)。
〈攻撃判定〉
攻撃の成功確率=(キャラクターの命中ランク+目標のAC)×5%+命中修正(【体力】、<命中率>技能等)
この時、ダイス目がクリティカル率以下ならば、クリティカルヒットが発生する。又、目標のACに関係なく、ダイス目が01〜05ならば攻撃成功、96以上(<慎重>技能で変動するが、96以上の目はファンブルでなくとも失敗である)ならば、ファンブルである。攻撃が命中すると目標にダメージを与えることができる。ダメージは、武器の基本ダメージにダメージ修正(【体力】、<強打>技能等)を加えたものである。この際、<打撃防御>技能を習得しているキャラクターは技能レベル分だけ、ダメージを減少できる(ただし、最低1点のダメージは受ける)。
〈クリティカルヒット〉
装備している武器によって様々なクリティカルヒットの効果を選ぶことが出来る。基本的なクリティカルヒットの効果は以下のようなものである。
(A)武器ダメージ2倍
武器のダメージが2倍になる。【体力】、技能などの修正は通常通りである。
(B)最大ダメージ
ダイスを振らずに最大ダメージを与える。
(C)追加攻撃
更に1回の追加攻撃を得る。
(D)貫通
武器が深く突き刺さり、打撃防御を無効にする。更にその武器を抜くまで(1ラウンド必要)、ラウンドの最後に武器のダメージ(【体力】、<強打>技能等の修正を加えない)を与える。その際、攻撃側は別の武器を準備しなくてはならないが、継続ダメージを選択せずに打撃防御無効の効果だけを選択する場合は、引き続き、同じ武器で攻撃しても良い。又、射撃武器の貫通クリティカルは継続ダメージではなく、打撃防御を無効にできるだけである(接近戦武器を手投げする場合は継続ダメージを選択してもよい)。
(E)ノックバック
自動的に1マス後退させる(後退するのが嫌な場合は、転倒することで後退を逃れることができる)。更に【生命力】×3の衝撃チェックに失敗すると、1ラウンド分の行動を失う。この衝撃チェックに失敗したキャラクターは、更に【敏捷度】×3の転倒チェックに失敗すると、転倒する。なお、後退によって空いたマスに入るかどうかは、攻撃者が任意に決定して良い(その他の詳しいルールは【6】ノックバック攻撃 を参照)。
(F)スタン :【生命力】×3のチェック(<強靱>技能の修正有り)に失敗すると、気絶状態になる。気絶中はカティノの呪文と同じ扱いとなる。ただし、回復チェックは【生命力】×2となる。
(G)転倒 :【敏捷度】×4のチェックに失敗すると、転倒する。
(H)武器落とし :【体力】×2or[器用度]×3のチェックに失敗すると、武器を落とす。
(I)エンタングル :【敏捷度】×3のチェックに失敗すると、絡み付いて行動不能になる。脱出するには、自分の順番に【体力】or【敏捷度】×2のチェックに成功しなくてはならない。
(J)即死 :東洋より伝わった戦闘技術である「キリジュツ」の使い手が得意とする。対象は【幸運度】(倍率は職業により変化)のチェックを行い、失敗すると、急所を貫かれたり、首を刎ねられたりして、即座に死亡する。アンデッド、スライム、ゴーレム等には効果が無い。
(K)打撃防御半減 :これは、どのような攻撃方法でも選択可能なクリティカルヒットの効果である。文字どおり、打撃防御のレベルを半分にできる。
得意武器を有する職業は、得意武器による攻撃の際、通常のクリティカル率の半分以下のダイス目が出ると、通常のクリティカルヒットよりも強力なダブルクリティカルヒットを繰り出すことが出来る(以下の効果から選択)。
a) (A)のダメージを3倍にする。
b) (B)による累積ダメージに【体力】、<強打>技能等の修正を加える。
c) (E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)の抵抗チェックに−1倍のペナルティ。
d) 打撃防御のレベルを0にする。
e) 通常のクリティカル効果を2つ選択できる(異なる効果を選択すること)。
突撃攻撃が可能な武器で2マス以上移動力以下の距離を直進してから攻撃を行う。射程の長い武器でも目標に隣接する必要がある。突撃攻撃を行ったキャラクターは、クリティカル率に+20%、ファンブル率+5%の修正を受けて攻撃判定を行う。更に基本ダメージが2倍になる。加えて、後述のノックバック攻撃を兼ねることもできる(ただし、この場合は攻撃回数が1回になる)。ノックバック攻撃を兼ねる場合は、命中判定、ダメージ等は、格闘攻撃ではなく使用している武器のものを用いる。
複数回攻撃を行うキャラクターの場合、このボーナスを得られるのは、1回目の攻撃だけあり、2回目以降の攻撃は通常の攻撃となる。
攻撃が終了してから次のラウンドの自分の行動時まで、ACに+2のペナルティを受ける。
体当たり等による攻撃を行い、敵を1マス分後退させる。敵を後退させたマスに自分が進むかどうかは自由に決定できる。移動力の半分のマス数まで移動して、基本ダメージ1d2、攻撃回数1回(<格闘>技能の修正有り)で攻撃を行う。
命中を受けた相手は【生命力】×3のチェックを行い、失敗すると1マス後退し(後退するのが嫌な場合は、転倒することで後退を逃れることができる)、1ラウンド分の行動を失う。衝撃チェックに失敗した者は更に【敏捷度】×3の転倒チェックを行い、失敗すると転倒する。なお、後退によって空いたマスに入るかどうかは、攻撃者が任意に決定して良い。
もし、後退するマスに障害物(侵入不可)がある場合は、衝撃チェックと転倒チェックに−1倍のペナルティが加わる。障害物でなく、他のキャラクターがいる場合は、後退させられたキャラクターは通常のチェックを行い、後退したマスにいたキャラクターはそのマスから1マス後退した後、+1倍の修正を受けて同様のチェックを行う。
又、後退チェックと転倒チェックの際、体のサイズの差により修正が加わる。以下の表でサイズ1段階につき、成功チェックに±1倍、ラージシールド、タワーシールドを装備しているキャラクターも、成功チェックに±1倍の修正を受ける。
| サイズ |
T(超小型) |
S(小型) |
M(普通) |
L(大型) |
H(巨大) |
G(超巨大) |
|
大きさ |
50p以下 |
50p〜1m |
1〜2.5m |
2.5〜5m |
5〜10m |
10m以上 |
移動力の半分のマス数だけ移動して格闘戦に持ち込もうとする。格闘戦を仕掛けた場合、敵の背面マスからなら自動的に成功し、前面、側面マスからなら以下の判定を行う。お互いに(【敏捷度】×3+<格闘>技能の修正)の成功チェックを行い(側面マスから仕掛けた場合は+10%のボーナスを得る)、以下のように決定される。
(A)攻撃側の成功度が勝った場合、もしくは、攻撃を受けた側がチェックに失敗した場合は格闘戦になり、攻撃側は即座に格闘戦の攻撃を行う。又、相手が格闘戦に同意した場合も、自動的に格闘戦になる。
(B)攻撃を受けた側の成功度が勝った場合、もしくは、攻撃側がチェックに失敗した場合は行動終了となる。
格闘戦は1マスの中で行われ、格闘戦を仕掛けたキャラクターが相手のいるマスに直ちに移動する。この瞬間に両者とも転倒状態になり、手に持っていた武器やシールド(格闘戦使用可の物は除く)は落としてしまう(落とさなくてもよいが、その場合は格闘攻撃は行えず、シールドのACは無効となり、格闘戦の離脱チェックに−1倍のペナルティを受ける)。既に格闘戦が行われているマスに、更に他のキャラクターが格闘戦に参加してもよい。
格闘戦を行っているキャラクターは、自分の順番が来たら、A 格闘攻撃、B 格闘戦から離脱、C 呪文詠唱ロールに+30のペナルティを加えて呪文を唱えるのいずれかの行動しかとれない。
素手の攻撃データは、ダメージ1d2、クリティカル効果(追加攻撃、ノックバック、気絶)である。格闘戦時はノックバックの効果は選択できない。
格闘戦から離脱したい場合は、格闘戦を挑む場合と同様の判定を行う。そして、判定に勝利すると格闘戦から離脱することが出来る。離脱に成功すると、隣接したマスに立ち上がることができる。この時、落とした武器、シールドは落としたままである。
射程がL以上の接近戦武器は離れた相手を攻撃できる。ただし、攻撃可能なだけで、そのマスは支配圏ではない。
(A)射程がLの武器は通常の間合いでも攻撃可能で、1マス離れた敵をダイス目+5のペナルティで攻撃できる。
(B)射程がLLの武器は通常の間合い、1マス離れた敵ともにペナルティ無く攻撃できる。
(C)射程が3Lの武器は1マス離れた敵を攻撃可能で、通常の間合い、もしくは2マス離れた敵をダイス目+5のペナルティで攻撃できる。
※長射程接近戦武器の視界による攻撃範囲の変化
通常の視界 広視界1 広視界2 ◎キャラクター
▽▽▽ ▽▽▽▽▽ ▽▽▽▽▽▽▽ ▽2マス離れた攻撃可能なマス
▼▼▼ ▼▼▼▼▼ ▼▼▼▼▼ ▼1マス離れた攻撃可能なマス
○○○ ○○○ ▼○○○▼ ○前面マス:支配圏、攻撃可能なマス
△◎△ ○◎○ ○◎○ △側面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+2
××× △×△ ○△○ ×背面マス:このマスから攻撃を受けるとACに+4、
更にシールドのACボーナスが無効
射撃武器、手投げ武器を用いて離れた敵を攻撃できる(隣接した敵は攻撃できない)。射撃は移動して行えないが(特定のクラスを除く)、手投げ武器による攻撃は、移動力の半分のマス数まで移動して攻撃できる。
命中判定の方法は基本的に接近戦と同じであるが用いる修正が異なる。射撃武器の命中修正は、【敏捷度】、<針穴>技能等の修正を用い、ダメージ修正は、<針穴>技能等の修正を用いる。手投げ武器の場合、命中修正は射撃武器と同じであるが、ダメージ修正に【体力】のダメージ修正が加わる。又、射撃武器、手投げ武器ともに目標までの距離によって近距離で±0%、中距離で−10%、遠距離で−25%のペナルティを受ける。
※障害物による射撃武器、投擲武器、長射程接近戦武器のペナルティについて
(A)遮蔽物により目標が得られるACのボーナスは、その堅さ、面積などによってマスターが決定する。
(B)攻撃者と目標の間に味方がいる場合は、1体につきファンブル率に+5%のペナルティを受ける。この追加されたファンブル率によりファンブルとなった場合は、自動的に味方に命中したことになる。攻撃対象が複数いる場合は、ランダムで決定する。
(C)攻撃者と目標の間に敵がいる場合は、その敵が目標を射撃からかばうかどうかで判定が異なる。かばわない場合は、障害物はないものとして通常通りの命中判定を行う。かばう場合は、目標のACに−4のボーナスを与える(サイズにより修正)。ただし、(B)と同様の判定を行い、追加されたファンブル率によりファンブルの結果がでた場合は、その敵に命中する(この際、味方による攻撃と同じく<打撃防御>技能によるダメージ軽減はできない)。攻撃者と目標の間に味方と敵がいる場合も(B)と同様にランダムに決定する。
魔法の詠唱に関しては、魔法のルールの項を参照。
ディスペルとは、神に祈りを捧げてアンデッドの呪縛を解き放ち浄化してしまう僧侶のクラスに与えられた能力である。ディスペルを行うキャラクターは移動することができない。加えて、対象となるアンデッドの確定名を宣言する必要がある(同時にディスペルできるのは1種類のアンデッドだけである)。そして、ディスペルを行う者を中心として(ディスペルを行う者のキャラクターレベル)+4マス以内のアンデッドは1d100を振り、アンデッド固有のディスペル値(高いほどディスペルされやすい)にディスペルを行う者とのレベル差1につき±5%の修正を加えた数値以下が出ると破壊される。
移動力の半分のマス数まで移動してアイテムを使用できる。このとき使用可能なアイテムは、キャラクターが装備している物か、準備しているアイテムである。キャラクターは通常、武器、盾、鎧、兜、篭手の他に4つまでその他に分類されるマジックアイテムを装備できる。ただし、アミュレットは1種類、リングは2種類までと制限があり、マントの重ね着やブーツを2足装備するといったような明らかに装備場所の重なる装備も行えない。
準備しているアイテムとは、ベルトポーチ等に収納しておき、戦闘時などに、とっさに使用できるように準備されたアイテムのことである。ベルトポーチ等の準備アイテム収納用の装備を持っている場合は、ポーションを2本準備でき、ポーション1本の代わりにスクロールを2枚準備することもできる。ただし、複数のベルトポーチ(もしくは、その他のアイテム収納用の装備)をつけても、管理が複雑になるために準備できるアイテムの数は変化しない。準備アイテムの数を増やすには、<所持可能重量>技能や魔法のアイテムが必要である。
又、バックパックの中などに収納されている準備されていないアイテムを非常時に探し出して使用するには、探し出すのに1ラウンドの時間を要する。
防御に専念することで、ACに−4、呪文、ブレス等の回避チェックに+1倍のボーナスを得る。その際、移動力の半分のマス数まで移動することができる。この行動を選択した場合は行動順番に関係なくそのラウンドの間、ボーナスを得られる。
<パリーについて>
白兵戦に関する防御の手段としてパリーがある。パリーとは攻撃回数を犠牲にして防御に回し、相手の攻撃を受け流す戦闘方法である。以下がその手順である。
(1)ラウンド開始前の行動宣言において、パリーを行う回数を宣言する。例えば、攻撃回数が3回のキャラクターは通常攻撃を2回、パリーを1回行うと宣言するのである。
(2)そのラウンド中に相手の攻撃が命中した場合、その攻撃に対してパリーを行うかどうか決定する。
(3)パリーを行う場合、相手の攻撃の命中判定を行い、その命中の度合い(ACいくらまで命中したか)を計算する。そして、パリーを行う側が命中判定を行い、その命中の度合い以上のACに命中する結果が出た場合、パリーが成功して相手の攻撃を無効にできる。
パリーにおけるクリティカルヒットの扱いは、以下のようになる。
攻撃側命中vs防御側失敗=通常ダメージを受ける。
〃 vs防御側成功=攻撃は失敗。
〃 vs防御側CH =防御側は命中判定に−10%の修正で直ちに反撃を1回行える。
〃 vs防御側DCH=防御側は直ちに反撃を1回行える。
攻撃側CH vs防御側失敗=クリティカルヒットを受ける。
〃 vs防御側成功=通常ヒットに変更。
〃 vs防御側CH =攻撃は失敗。
〃 vs防御側DCH=防御側は命中判定に−10%の修正で直ちに反撃を1回行える。
攻撃側DCHvs防御側失敗=ダブルクリティカルヒットを受ける。
〃 vs防御側成功=クリティカルヒットに変更。
〃 vs防御側CH =通常ヒットに変更。
〃 vs防御側DCH=攻撃は失敗。
CH(クリティカルヒット)、DCH(ダブルクリティカルヒット)
又、パリーには以下の修正が加わる。
(A)キャラクタークラスによる修正
−10%:カラテカ、レンジャー、ガンナー、モンク、ハイランダー、サムライ、ソードマスター、ニンジャ
−15%:ファイター、バウンティーハンター、マジックナイト、クルセイダー、テラーナイト、ドラグーン、ヴァルキリー、ロード
−20%:プリースト、シーフ、バーサーカー、バード、ドルイド
−25%:その他のクラス
(B)サイズによる修正
キャラクターのサイズ差1段階につき±10%の修正(巨大な敵の攻撃はパリーしにくいため)
(C)射撃攻撃に対するパリー
手投げ武器に対して−10%、射撃武器に対して−20%のペナルティを受ける。当然、クリティカルしても反撃は行えない。
(D)シールドによるパリー
シールドを装備していて、なおかつ<シールド>技能を持っているキャラクターは<シールド>技能の追加攻撃回数をシールドによるパリーに回すことができる。シールドでパリーを行うと、命中判定に+10%のボーナスを得る。その代わり、シールドによるACボーナスを得ることができない。魔法の盾を使用している場合は、パリーの命中判定にボーナスを得る場合がある。クリティカルヒットなどで反撃が行える場合は逆の手に装備している武器で反撃してよい。
移動力の半分のマス数まで移動してから、隣接するキャラクターと場所を交代することができる。その際、交代されたキャラクターは体の向きを自由に選択できる。又、この場合は交代されたキャラクターは自ら移動したわけではないので、自分の順番に射撃、魔法、ディスペル等の行動を行える。麻痺や眠り等の状態にある仲間や怪物に隣接された魔法使いを守るために場所交代を行うのが一般的な手段である。
戦闘中に手にしている装備(武器、盾等)を交換できる。装備交換には以下の2つの方法がある。
(A)片手の装備入れ替え+その場で攻撃or通常移動or防御姿勢+移動(1/2)
(B)両手の装備入れ替え+移動(1/2)orその場で防御姿勢
なお、(A)、(B)のどちらも、イニシアチブに−5のペナルティを受ける。
転倒状態から立ち上がる。その際、1マス移動することができる。崩れた体勢を立て直すような行動も同様に扱う。
キャラクターが持っている特殊能力を使用する。その使用方法は特殊能力により異なるため、代表的な特殊能力の使用方法を以下にあげる。
(A) ブレス
移動力の半分のマス数まで移動してから、自分の前面マスからブレスによる攻撃を行う。範囲内の対象は回避チェックを行い、成功するとダメージを半減できる。ブレスの種類によって、ダメージ以外の特殊効果を与える場合もある。
(B) 邪眼
他の行動と同時に行うことができる。邪眼の持ち主が自分の前方にいる対象に視線を合わせると、回避チェックに失敗した相手は金縛り状態になる。邪眼を行う者が目をそらしてしまうか(もしくは、他のものが視線を遮る)、ラウンドの最後に対象が【幸運度】×1に成功すると回復できる。
(C)隠密行動
物陰に隠れたり、音を立てずに歩いたりする能力。隠れるためには、隠れるのに都合の良い障害物に隣接しなくてはならない(特に障害物が決定されていない場合は壁に隣接すればよい)。移動力の半分のマス数まで移動して、障害物や壁に隣接すると隠れることができる。【敏捷度】×(職業別基本値+修正)で成功チェックを行い、成功した場合は、成功度1%につき、相手の発見チェックに、−1%の修正を与える。失敗した場合は、相手の発見チェックに失敗度1%につき+3%の修正を与える。隠密行動を行っている者の近くにいる者は、発見チェックとして注意力×2(感知、気配感知で代用してもよい)に修正を加えて成功チェックを行い、成功した場合はその存在に気付き、失敗した場合はそのまま気付かない。
隠れるのに成功して相手に気付かれていないキャラクターは、基本的に攻撃の対象とならないが、範囲呪文やブレスによる攻撃は受ける。その場合、隠れたキャラクターがいるマスを攻撃できるしっかりとした理由がないと攻撃してはならない(明らかにさっきまで目前にいた盗賊が物陰に移動して姿を消した場合などはよい)。ただし、そのような場合でも攻撃目標が定まらないため、隠れているキャラクターは自動的に受けるダメージを半減でき、更に回避チェックに成功すればダメージを1/4にできる。ダメージ以外の回避チェックについては+2倍のボーナスを得る。
又、隠れるのに成功して気付かれていないキャラクターが攻撃を行う際、命中判定に+20%のボーナスを得て攻撃できる(複数攻撃の場合は1ラウンド中の攻撃総てにボーナス)。攻撃が命中するとクリティカル扱いとなり、更に攻撃を受けた相手はそのラウンドは行動することができない。
隠れているキャラクターが、攻撃を行うには敵がよってくるのを待ち伏せする方法と、忍び歩きで近づく方法がある。忍び歩きの場合、隠れる場合と同様に【敏捷度】×(職業別基本値+修正)で成功チェックを行う。この際、成功度、失敗度を覚えておく。1ラウンドに移動力の半分まで移動できるが、1マスごとに成功チェックを行い(忍び歩きの成功度は最初のものを使用する)、失敗すると、そこで移動が終了する。
※壁際で隠れたり、壁を這っているキャラクターの戦闘マップ上での位置について
■□□□□□■ □通路:普通に移動できるマス
■□□□□□■ ■壁:壁際に隠れたり、壁を這うことによってのみ入ることができるマス
■□□□□□■
■□□□□□■
■□□□□□■
壁際に隠れたり、壁を這っているキャラクターは上の戦闘マップにおいて、壁のマスに入っている状態になる。従って、効果範囲がマスで表される呪文は、壁を這っているキャラクターに対して唱える場合、壁にめり込むように位置を決定しなければならない。
(D)壁を這う
壁に這って移動する能力。まず壁に張り付くために移動力の半分のマス数まで移動して壁に隣接したマスに移動する必要がある。そして【敏捷度】×5のチェックを行い、成功すると壁に張り付くことができる。壁に飛びついたラウンドは、それで行動終了である。
壁を這って移動する場合、1マス移動するたびに【敏捷度】×5のチェックが必要となる。飛びつくのに失敗したり、移動チェックに失敗した場合は隣接するマスに落ちて行動終了となる。そのマスに他のキャラクターがいた場合は、もつれあって格闘状態になる。最初からそのマスにいたキャラクターが格闘戦を望まない場合、【敏捷度】×4のチェックに成功すると1マス移動して回避することができる。
壁を這うことによる利点は、同じように壁を這っているキャラクター以外のZOCの影響を受けず、白兵戦の攻撃を受けないことである(壁を這う能力を持たないキャラクターでも、射程がLLの武器ならば射程M扱いで攻撃できる)。射撃の場合は、普通に攻撃できる。
壁を這っている状態では、【2】全力移動、【4】突撃攻撃、【5】ノックバック攻撃、【10】射撃、【11】魔法を唱える、【12】ディスペル、【17】立ち上がる等の行動はできない。又、格闘戦関係は壁を這っているキャラクター同士では行えなえず、通常攻撃は行動の前に【敏捷度】×5のチェックを行い、失敗すると移動チェックに失敗した場合と同じく落下する。
高レベルのニンジャ等は壁を走ることができる。壁を走ることのできるキャラクターは、両手が自由に使えるため上記の行動制限を受けない。
(E)天井を這う
天井を這って移動する能力。基本的なルールは壁を這う場合と同じなので、壁を這う場合と異なる点を説明する。天井に飛びつく際に移動は行えず、キャラクターの真上のマスに飛びつくことになる。
飛びつくのに失敗したり、移動チェックに失敗した場合は真下のマスに落ちて行動終了となる。
天井を這うことによる利点は以下のものである。
(1)同じように天井を這っているキャラクター以外のZOCの影響を受けず、白兵戦の攻撃を受けない(天井を這う能力を持たないキャラクターでも、真下のマスに移動して射程がLLの武器ならば、命中判定に−30%のペナルティで攻撃できる)。射撃の場合は、命中判定に−15%のペナルティで攻撃できる。
(2)効果範囲がマスの呪文、壁系呪文、ブレスによる攻撃は、地上と天井のどちらかにしか効果が無い(天井を這っているキャラクターを攻撃する場合は宣言する必要がある)。例外として、ティルトウェイト等の効果範囲が広く、高さも十分な呪文による攻撃や、天井の高さが低い場合などがある。
(3)天井から下への攻撃は、クリティカル率に+20%のボーナスを得る。又、格闘戦を挑む際のチェックに+20%のボーナスを得る。天井を這う場合も壁を這う場合と同様の行動制限を受けるが、天井を走ることのできるキャラクターは、両手が自由に使えるため行動制限を受けない。
相手の確定名が分からない場合などに相手を深く観察することによって、確定名判別チェックをもう1回行うことができる。【知恵】×3のチェックを行い、成功すると正確な名称が分かる。<モンスター知識>技能がある場合は修正を加えることができる。マスターの判断で、確定名だけでなく、相手の弱点などがわかることにしても良い。
又、この行動はイニシアチブに−5のペナルティ付きで、両手の装備入れ替え、移動(1/2)、その場で防御姿勢のどれかの行動と同時に行うことができる。
もう少し、具体的なボーナスを加えるかも?次のラウンド、その敵に攻撃する際にボーナスがつくとか?
【20】行動キャンセル
自分の順番がきた時に、決定していた行動が必要なくなった場合や置かれている状況が悪くなった場合に以下の行動に変更することができる。
(A)防御姿勢をとる。
(B)移動力の半分のマス数まで移動する。
(C)降伏する(あるいは類似した行動)。
(D)転倒状態から立ち上がる(移動は行えない)。
又、行動キャンセルの使い方の一例として、僧侶の治療呪文を行動順番決定の際にラウンドの最後に唱えるようにしておき、味方がダメージを受けたら呪文を使用し、治療呪文が必要なければ行動キャンセルを行うという方法がある。