11月5日はボークス大阪SRの新装オープン日。この日を待ち望んでいた私は開店を待って早速出掛けてみました。営業の特権ですね(スチャラカ社員)。お目当ては雑誌でもよく取り上げられているフルアクションドール・エクセレント。綺麗に改装された店内に入り、そのエクセレントボディを手にとってみます。
こりゃよく動きそうだな…
伊達に「フィギュアシーン無限」を称してはいないようです。これならどんなポーズでもとらせることができるかも、そう思いつつ店を出た私の鞄の中には何故かエクセレントA(美乳)タイプが…(笑)
そう、きっかけは「何となく」でした。初音ちゃん人形とはサイズが違いますし、特にフル可動ボディがほしかったわけでもありません。ただ、2200円と衝動買い可能な金額だったというだけのことです。とはいえ、買ったからには遊ばないと損です。で、帰ってからいろいろポーズをとらせていたんですが、どうにもいまひとつ面白くない。そこで、夏コミで買ったものの、やはり初音ちゃんにはちょっと大きすぎたノアドロームのすくぅる水着や体操服(赤ぶるま)を着せてみたりしている時に、ある言葉が私の脳裏に響きわたりました。
「エクセレントチェンジ!」
『究極超人あ〜る』の『究極戦隊コウガマン』が出典なんですが、この言葉が浮かんだ時から全てが動き始めました。そう、大人に変身する魔法少女よろしく、エクセレントボディに初音ちゃんをチェンジするのです。
“柏木初音は元気で明るく優しく可愛い小学6年生の女の子である。
しかし、初音はエクセレントチェンジすることにより、どんなアクションでも
楽々こなすエクセレントビューティー・リネット(18歳)に変身するのだ!”
かくして、オレ内部において、お人形劇場「エクセレントチェンジ☆リネットちゃん」の構想(妄想)は膨らんでゆきます。魔法少女には欠かせないお付きの小動物は、友達にして宇宙船である魎皇……じゃない、ヨークだよな〜とか、変身アイテムはやっぱりあのペンダントかな、とか。もちろん衣装も必要ですね。27cmのエクセレントボディに合うサイズの服、つまりジェニーサイズの服が。
嗚呼、憧れのジェニーサイズ!!
初音ちゃんにはリカちゃんの服しかサイズが合わないことで、これまでどれほど残念な思いをしてきたことでしょう。しかし、エクセレントチェンジにより初音ちゃんはジェニーサイズの服も着こなすことができるようになるのです! 何やら禁断の(さらなる散財の)扉を開けてしまったような気もしますが、初音ちゃんのあ〜んな服やこ〜んな服を着ている姿を思えば、そんなことは取るに足りないことです(ハマり道)。
となれば、善(?)は急げ、早速、翌日の仕事帰りに梅田のホビットに寄り道です。欲しいジェニーサイズの服は数あれど、最初に買う服として私が選んだのは、もちろん…
嗚呼、憧れのアンミラ服(オレンジ)!!(笑)
家に帰るやエクセレントボディを取り出し、着せてみます。背中部分をマジックテープでとめるリカちゃんの服などと違い、本物と寸分違わぬ作りには驚かされます。さすがノアドローム、さすが一着3200円(笑) スカートとエプロンの帯紐を後ろで結び、前を向かせてみて…。
に、似合わん…(^^;
頭部はまだ付けていませんが、ダメです。もう、全然ダメ。話になりません。何故なら…
アンミラは胸が全てなんだよ〜〜〜っ!!(T_T)
エクセレントボディにはA(美乳)とB(巨乳)の2種類があります。で、私が買ったのはA。巨乳属性のある私ですが、Bはちょっと胸の形が不自然に思えましたので、あえてAを選んだのです。リネットちゃんの構想が浮かんでからも、初音ちゃんにはこれくらいがちょうどいいだろう、と思っていました。しかし、しかし〜〜〜っ! アンミラ服が似合わないのは困るんです。他の服ならいざしらずアンミラだけは! 何と言っても私が一番好きな、一番初音ちゃんに着てほしい制服なのですから。
ならば、どうするか。せっかく買ったアンミラ服を無駄にするわけにはいきません。となると結論はひとつ。胸の形がどうとか余計なことは考えずにエクセレントB(巨乳)を買えばいいのです。簡単なことですね(ハマリ道)。そして、その翌日、私の部屋には2体のエクセレントボディが並んでいたのでした(^^;
さすがにB(巨乳)だとアンミラ服もよく似合います。オレさま大満足、猫まっしぐらです。さぁ、これで準備は整いました。いよいよ、エクセレントチェンジです! いよいよ、エクセレントチェンジ…なんですが……
だぁっ、できん、やっぱりオレにはできない〜〜〜っ!!
エクセレントチェンジというと聞こえはいいですが、要するにそれは初音ちゃんの首をすげ替えるということです。首をすげ替えるためには、初音ちゃん人形の首と身体を掴んで力任せに引き抜かねばならないのです。しかも、ソフビってのはよくできたもので、やわらかさや暖かみがあり、本当に人間の肌を思わせるものがあります。そのソフビ人形、それも初音ちゃん人形の首をこれから引き抜こうというのです。私が、この私が。
…ダメです。とてもできたものではありません。初音ちゃんのアンミラ姿を見たくないのか? せっかく買ったアンミラ服と2体のボディを、これまでの1万円近い投資を無駄にするのか? 内面の葛藤は続きます。しかし、できないのです。たとえ人形であれ、初音ちゃんの首を引き抜くなど…初音ちゃんの首を…初音ちゃん?……そっか、初音ちゃんじゃなければいいんだ。
うちにはリカちゃん人形が2体あります。服を目的に買ったセットものです。これを使って試してみましょう(外道)。問題の解決にならないのは承知の上ですが、それで首のすげ替えという行為への抵抗感を少しでも軽減することができれば、そう考えたのです。
きものリカちゃんの箱を押入の中から取り出し、暗然たる気分で頭と身体を持ちます。そして、詫びの言葉を胸の中でつぶやきながら(偽善者)、頭と身体を持つ手に力を込めると、何とも言い難い感触と共に首が…。
ぐは、生首…
きものリカちゃんのおかっぱの黒髪がいかにもな感じです。夢に見そう…。しかし、ここまできたら後戻りはできません。きものリカの首をエクセレントボディへと……少しきつい感じでしたが、ジョイントにもぴったりはまり、見事、エクセレントチェンジは成功しました! 頭部が小さめなのかちょっと全体のバランスが悪いような気もしますが、初音ちゃんの頭はきものリカちゃんの頭より大きめですから問題はないでしょう。
一応の成果に満足し、元に戻すべくまた首を抜こうとします。予想通り、気分的にも先ほどよりは楽です。そして力を込めると……ジョイントごと抜けてしまいました(^^; そういや、はめるときも固かったからね、お気楽にそんなことを思いつつジョイントを引き抜こうとした私ですが…
お、おい、ちょっと待てや!
確かにジョイント部分は抜けました。ただし、外にではなく頭の中に…。慌てるイオ。その時、エクセレントボディのケースの中の何かの注意書きがあったことを思い出し、取り出して読んでみると…。
“頭部に差し込んだまま取り出したジョイントは、簡単に頭部の中に入り込んでしまい
ます…(中略)…どうしても出てこない場合は頭部を切り開く事もお考え下さい。”
あほか〜っ! そういう大事なことは最初に言え〜〜〜っ!!!
(注意書きはちゃんと読みましょう)
はめるときでもあれだけ固かったのですから、おそらく取り出すことはできないでしょう。ならば、切り開くしかありません。ありませんが……やっぱり私にはできません。首を引き抜くだけならまた元に戻せば済むことです。しかし、ナイフを入れてしまったらもう元には戻らないのです。いかに初音ちゃんではないと言ってもそれはあまりにもあまりです。
それに、切り出したとしてもそれをどうせよというのでしょう。初音ちゃんに使う? 冗談じゃありません。もし、これが初音ちゃんだったら、と考えると心底寒気がします。二度と(無事では)戻れない変身など!
こうして、エクセレントチェンジ構想は完全に頓挫してしまいました。2体のエクセレントボディは単なる可動人形となり、アンミラ服はせっかく買ったのだからと、初音ちゃんに着せてみましたが、やはりリカサイズの哀しさ、どうしても違和感があります。こればかりはどうしようもありません…。
それから無為の数日が過ぎたある日、ボークス大阪SRには、右手にエクセレントベースモデル・ビューティーB(巨乳)タイプを持つイオの姿がありました。そう、ヤツはまだあきらめてはいなかったのです。せっかく一度は開かれたジェニーサイズ服の扉、そう簡単にあきらめるわけにはいきません。せめて、初音ちゃんのアンミラ姿を拝むまでは!(って、それしかないんか、オレ(^^;)
エクセレントベースモデル・ビューティータイプ。エクセレントと素体は同じながら、可動部分は肩のみ。脚すら動かせません。しかし、ABS樹脂製で強度はある反面、硬質な感じがするエクセレントと違い、ビューティーはソフビ製ですし、関節部分がありませんから、質感や外見においては遥かに勝ります。また、肝心の首部分もジョイントがありませんので、先だってのような事故が起こる心配もありません。値段も1200円と安く、もし使いものにならなかったとしてもあきらめられる金額です。どうせこのままではそれまで注ぎ込んだ全てが無駄になるのですから、1200円でもう一度だけ挑戦してみよう、そう決心してビューティーBを手にした私なのでした。
家に帰って、早速、アンミラ服に着せ替えです。ジェニーサイズですし、胸の大きさも充分ですから、やはりよく似合います。そして、エクセレントチェンジすべく初音ちゃん人形を手に取ります。正直、まだ強烈に抵抗感はありますが、これが最後のチャンスなのです。気力を振り絞って、心の中で叫びます。
エクセレントチェンジ!!
……かくて、新しい世界が開かれました。果てしなく、魅惑的な世界が…。確かにそれまでのリカサイズでの着せ替えも楽しいものでした。ウェディングドレスやPINK
HOUSEには感動すら覚えたものです。しかし、今のエクセレントチェンジした初音ちゃんの姿は……とても言葉になりません。幾千幾万の言葉を費やしたところで、この感動は表現しきれるものではないでしょう。いや、感動という言葉ですら安っぽい。ただひたすらに、
ああ、初音ちゃん(*^^*)
もう戻れません。戻るつもりもありません。これが人形魔道、これがハマり道だというのならとことんまで行きましょう。初音ちゃんと一緒ならば!
…てなわけで、ついに覚悟完了してしまった私ですが、ビューティータイプは普通のソフビ人形のように肘や膝を(半ば無理やりにでも)曲げることもできず、ポーズはほとんど取れませんので、当初考えていたようなお人形劇場ができないのが残念です。一応、ジョイントを使わずにエクセレントタイプにチェンジすることはできるんですが、ビューティーを見慣れてしまうと、どうしても質感の無さと関節部分が気になってしまいますし…。それに、とりあえず今は立派に発育した初音ちゃんの着せ替えだけで充分すぎるほどに満足していますしね。そう、これが私の“初音ちゃん発育促進計画”なのです(^^)
(1999/01/20)
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