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◆ 女性の生き方、考えてみませんか? ◆
 
 マサルのオバはん(※13)が喋っている。喋っている。喋っている。喋っている。
 ヨシ江(※14)はただただ相づちを打つばかりである。チエとマサル(※15)はもう、うんざりした顔で嵐が過ぎ去るのをじっと待っている。
 マサルのオバはんが喋っている。喋っている。喋っている。喋っている。
 
 「考えてみませんか?女性の生き方」
 

「花園交差点の一角にある歯医者の上には、大きな電光掲示板がある。」
 

 西萩の花園交差点の一角にある歯医者の上には、大きな電光掲示板がある。ここでは西成警察署のPRにじゃりン子チエのキャラクターが使われている。1本につき1分足らずの短いものだが、どれもじゃりン子チエのキャラクターを良くつかんでいる内容で、それでいて最後に上に挙げたような強烈な“社会的”オチが待っている。
 全部で10パターンはあるだろうか。どれも実に面白い。これらはニュース・天気予報や宿主の歯医者のCMの合間に流れるのだが、果たしてどっちがメインなのだろう? 我々探検隊にとってはもちろんじゃりン子チエネタの方がメインである。
 
 最初は交差点で信号待ちの人たちに混じって見ていたのだが、日頃の行いからか、探検当日は実によく晴れてくれたので、夏の日差しが容赦なく照りつけ、とにかく暑い。そこで電光掲示板のすぐ向いにあるスーパー、イヅミヤの中に入って入口のガラス戸越しに見ることにした。
 我々はこれで涼しいからいいが、はっきりいって出入りに邪魔である。店側も入口に突っ立っていられたらさぞ迷惑だろうが、そんなことより我々は電光掲示板に夢中になっている。しまいにはもっといい条件で見ようとスーパーの2階へと、3階へとどたどたと駆け回ったのだが、入口以上の好位置は見つけられなかった。
 
 西萩に行ったら、ぜひともここに立ち寄るのがいいと思う。場所は国道26号花園交差点、イヅミヤの東向かいだ。地下鉄四つ橋線花園町駅を降りて地上に出た、まさにその場所である。
 次に西萩を訪れるその時、その人のために、最初に挙げた“マサルのオバはんバージョン”以外はここでは挙げないようにしておこう。決して私が他の内容を良く覚えていないからここに書かないわけではないと思いたい。
 
  ※13)マサルのオバはん
 小林マサルの母。自慢話を一人で延々とマシンガンのように喋りつづけるヒステリー教育ママ。
 

 

※14)ヨシ江
 竹本ヨシ江。チエの母。どたばたにはあまり参加せず、いるのかいないのか良く分からない役回りなのに、その存在感は絶大である。
 

 

※15)マサル
 小林マサル。チエのクラスメイトでエリート意識が強く、チエのように自分より秀でたものがある人間にはとことん対抗するか、もしくはイヤミを連発する。自慢家ではあるが、努力家でもある。

◆ なぜか関空の3人 ◆
 
 なぜか探検隊は関空こと関西国際空港に現れた。なぜか。なぜならばそこにじゃりン子チエがあるからさ。
 「じゃりン子チエ」ある所、探検隊は出没する。しかし、じゃりン子チエには伊丹(大阪国際空港)は登場したことがあるが、関空はその「か」の字すら出てきたことはないはずである。それでは我々はどうして関空にいるのだろうか?道に迷って行きついた先が関空だったのだろうか?(ここでツッコミが入る予定)
 
 そこにはあるのだ。じゃりン子チエグッズが!
 関空にはじゃりン子チエのテレカがある、関空には「じゃりン子チエまんじゅう」なるものがある。
 そういう噂を聞きつけたからには、行くしかないっしょ、関空へ!…というわけでやってきたぜい関空。飛行機なんか目もくれてやらない。やるもんか。
 
 そんなものホントにあるのかと半信半疑で土産物屋をうろつくとさっそく発見、関西じゃりン子チエ研究会でも人気の高い「じゃりン子チエキーホルダー」だ。そういえば伯明隊員は小鉄のキーホルダーをしっかりとかばんにひっさげての登場だった。 よく知られているチエ、テツ、小鉄の3種に加え、ここにはジュニアのキーホルダーまであった。
 3人のお買い上げ。私は全種類を一つずつ、桜井隊員はなんと2つずつ、伯明隊員は唯一持っていないというジュニアをそれぞれ購入。まいどおおきに。
 探検隊の過ぎ去る所、じゃりン子チエグッズは残らない。
 
 続いて、「じゃりン子チエ お好み焼きせんべい」なるものを発見。これがまた不思議なせんべいで、食べ方には「マヨネーズつけて」「ソースかけて」などと書いてある。もちろんそのまま食べてもいい。味のほうはというと、なんだか萩之茶屋商店街で食べた「カレーまんじゅう」にどことなく似ている。ほんのりとした甘さとここではソースやマヨネーズといったものとのかもし出すハーモニーが探検心をあおり立てる。ほんとか?
 これももちろん購入。おおきにありがとさん。
 
 テレカも見つけた。3種類を3人とも購入。またきてやー。
 果たしてこれまでに、一度にこんなに売れたことがあったのだろうか。あったとしたら是非とも探検隊に加わってもらいたい逸材がここにいたことになる。そして周りの目には我々の行為がどう写るのだろうか。もちろん、硬派な探検隊員はそんなことは気にしない。
 
 このほかに、じゃりン子チエグッズというわけではではないが、チエのものに良く似たポッチリも見つけた。さすがにこれは買っても使用用途が見当たらないためか3人とも購入を見合わせている。それとも買っておいて今度こそ待ち合わせの目印にするべきだったかもしれない。
 
 
 住吉から、映画「じゃリン子チエ」(※16)の冒頭にもちょこっと登場する路面電車にのって新世界入りする予定だったのだが、乗った電車があろうことか住吉には止まらず通過してしまい、結局路面電車はなしになった。
 これで今回何度目の電車に関する“御愛敬”だろう。それは難波での列車の乗り忘れからはじまっている。
 そして萩之茶屋から関空に向かう際、萩之茶屋駅に停まる列車は関空方面には行かないので天下茶屋か岸里玉出で乗り換えなくてはならなかったのだが、しゃべりに夢中になって一行は暴走、気が付いたら帝塚山まで行っていた。これが2つ目。
 続いて帝塚山で駅員に見逃してもらって岸里玉出まで引き返したはいいが、乗り換えがやたら遠く、しかもこの駅にはぜんぜん列車が停車しなかった。天下茶屋まで戻るべきだったと後悔。これで3つ目。
 なんだか電車に乗るたんびにポカをやらかしている。
 そろいもそろってアホ。
 
 家に帰ってから気がついたのだが、何と総移動距離が100kmを超えている。電車での移動が、難波→萩之茶屋、萩之茶屋→帝塚山、帝塚山→岸里玉出、岸里玉出→関空、関空→天下茶屋、天下茶屋→動物園前(駅名が多く出てきてややこしい。暇な方は地図を広げてみてほしい)の6回。それに加えてちょこちょこと歩きまわっている。こんなに動き回るオフ会はかつて聞いたことがない。いや、これはオフ会ではない。そう、我々は西萩探検隊なのだ。
 
 アホついでにもう一つ。よくよく考えたら朝に難波で待ち合わせてから、午後の3時過ぎるまでほとんど食事をしていない。痩せの大食いの自分はまさに倒れそうだった。いや、こんなことではへこたれない。そう、我々は西萩探検隊なのだ。
 
  ※16)映画「じゃりン子チエ」
 1980年封切。その配給権を巡って十数社が争ったという映画。結局東宝など3社の共同制作となった。やすし・きよし、桂三枝、鳳啓助、西川のりお、島田伸介、桂文珍、オール阪神巨人など多くの関西芸人が声の出演をしたことでも話題になった。
 監督は今をときめくスタジオ・ジブリの高畑勲監督だったり、主題歌はビジー・フォーのデビュー曲だったりして、映画の内容以外でも話題は事欠かない映画。
◆ 新世界、そして終幕 ◆
 
 「カンパーイ!」
 ここは、アニメ「じゃりン子チエ」(※17)の舞台となったジャンジャン横丁(※18)
 ホルモン焼屋(※19)ではないが、名物の串カツ屋での打ち上げを兼ねた待望の食事タイムである。とりあえずビールで乾杯して、空腹に任せてどんどん注文する。
 串カツ、シシトウ、レンコン、たまご、アスパラ、しいたけ、とんかつ…
 驚いたのが、私の感覚では“串カツ”といえばイコール豚肉なのだが、ここでは“串カツ”イコール牛肉なのだ。
 関西ではどちらかというと肉といえば牛肉がメインで、東日本ではあまり見かけない他人丼(鶏の代わりに牛肉がはいっている親子丼)のようなものがあるというのは情報として得てはいたが、これはノーチェックだった。
 一番嫌いな食べ物は「牛肉」という私にとってはまさにカルチャーショックゥ!腹減ってたせいもあってか、久しぶりにおいしくいただけましたけどね。…というか、これはうまい!特に野菜類が最高である。
 
 ネタがいいのか、ソースがいいのか、店の雰囲気がいいのか、大将がいいのか、タダで食えるキャベツがいいのか、メンバーがいいのか、注文をちゃんと聞いているのかいないのか疑わしい店のあんちゃんがいいのか、はたまた桜井隊員がトイレに入るのに妨害を企てたオバちゃんがいいのか、それら全てがいいのか、とにかくうまかった。皆アホみたいに食った。
 
 通天閣(※18)にも折角だから登ろうとしてみた。してみたけど、やめた。600円の入場料をけちったのだ。それに、通天閣には登らないまでも、もう充分に楽しんだのだ。
 西萩探検は終わりに近づいていた。新世界(※18)を歩き、天王寺公園の、ヒラメちゃんが表彰を受けた美術館(これもほとんどそのまんま)を外から眺め、露天カラオケという奇妙な光景も楽しんだ。ベンチで将棋を打つオッちゃんらもいた。不思議ではあるが、ここではいつものありふれた光景である。
 天王寺公園にはじゃりン子チエの主舞台であるひょうたん池(※20)など様々なものがあるのだが、それはまた次回のたのしみということにした。
 
 あべちか(※21)で探検隊は解散した。地下鉄の改札で桜井隊員、伯明隊員と再会を誓った。いつの日か必ず西萩探検隊としてまた再び西萩の地に降り立つことを。
 
 あべちかの本屋、駸々堂アベ地下店にあったじゃりン子チエコーナーの、宣伝文句として書いてあったことばをもって探検記を締めくくりたいと思う。
 
 「西川のりおが死んだら、テツの声(※22)はだれがやるのだろう?」
 
 …死なすなよ。
  ※17)アニメ「じゃりン子チエ」
 80年の映画に加え、81年、91年にもTVアニメ化されている。特に81年のアニメは大阪の毎日放送で何十回も再放送されている。
 

※18)ジャンジャン横丁・新世界・通天閣
 大阪のひとつのシンボルとなっているディープな街。最近やたらこぎれいになってきてはいるが、まだまだ下町の情緒が残る。
 アニメの「じゃりン子チエ」は萩之茶屋ではなくジャンジャン横丁が舞台となっている。
 

※19)ホルモン焼き屋
 チエの家はホルモン焼き屋をやっている。店の名前は「チエちゃん」。事件は常にここで起きる。
 

※20)ひょうたん池
 西萩町民の憩いの場。ホルモン焼き屋「チエちゃん」と並ぶじゃりン子チエの主舞台。整備されて有料になる前の天王寺公園がそのモデルである。
 

※21)あべちか
 阿倍野の地下街の名前。大阪の地下街はこのようにそのまんまの名前のものが多い。
 

※22)西川のりお
 「じゃりン子チエ」のもう一人の主人公、竹本テツの声を80年、81年、91年の全てのアニメで担当した。次にアニメ化される時もこの配役は間違いないだろう。


2000.1.10 Itoh Akira


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