スノースクートをやろう!
〜 新潟県妙高村・くまどースキー場 〜
member
新井智祥・伊藤顕・山科宜秋
高橋展久・長瀬知之・諸戸正憲
元来、自分はめずらし物好きであるが、あたらし物好きではない。
自分でも不思議になるほど、どうひねくれているのか、新しいものでも「これは絶対流行るぞ?」という物にはまず見向きもしない。
スキーの類にしても、自分がスキーを始めたのはちょうどスノボーが流行り始めた頃であったが、いつものごとく「ケッ」などとぬかして見向きもせず、いわゆる普通のスキーから入門したのだった。(最初は上から下まで15,000円以下という激安装備であったが)
リフトでたまに係員に制止されるフットスキー。
新雪では身動きが取れなくなるのが難点。
何年かするとスキーにも飽きてきて、−−その原因の一つに、俺のお気に入りだった新雪ボコボコゾーンにボーダーが進出してきたせいもある−−ここ2年くらいで凝りだしたのが短いスキー。
といってもこれも最近流行りのファンスキーの類ではない。ビッグフットやフットスキーなどといった、もはや誰も見向きもしない、もしくは知りもしないようなやつらである。
ところがどういう訳か、1999年のシーズンはそれまでとはちょっと違い、これから流行りそうなものに手を出してしまったのだ。まあ、云い出しっぺが自分じゃないのがせめてもの幸いだ。(何が?)
スノー・スクート。
簡単に言えばチャリ(自転車)の雪上版である。乗った感じもまさしくそんな感じである。
さらに言えばチャリとキックボードの中間ぐらいの感じといえばもうちょっとわかりやすいだろうか。
ビートルズの映画「HELP!」にも、チェアスキーなるスクートに似たようなものが登場している。最初のイメージではそんな感じだった。
しかしそれは今のスクートとはぜんぜん形が違うから、やはりスクートは最新のスノースポーツに分類されるのだろう。
ところで、スクートをやるにあたって、誰もがまず最初に突き当たる疑問点がある。
『どうやってリフトに乗るんだ??』
答えは簡単。「そのまま乗る」
人をおちょくったような答えだが、実際、別に担いだりするわけでなく、滑って来たそのままの状態で乗るのだ。どんな感じかは下の絵を見てもらいたいが、意外とすんなり乗れる。
リフトに乗っている時はこんな感じ。
片足をベルトに引っかけ、もう片方の足を後ろに交差させて支える。
足を交差させたり、ハンドルをセーフティバーに引っかけたりと、一応それなりのやり方はあるのだが、別にそれに従う必要はない。
あえて言うならば、乗り降りする時のために、ベルトに引っかけるのは片足だけにしておくことぐらいだが、やってみると判るが、両足引っかけて乗り降りすることなど出来やしない。斜面を滑っている時以外はキックボードの要領で進むからだ。
さて、いよいよ滑ってみよう。難易度は見た目とは裏腹にけっこう簡単だ。スノボーの難易度を10とするならば、これは2か3くらいだろう。ただしチャリに乗れることが前提となるが。
ファミリーゲレンデのような初級斜面なら、ビビりさえしなければいきなりでもけっこう行ける。それにこの乗り物は初級斜面でもかなり楽しい。
いくら簡単とはいっても、いきなりリフトには乗るのはやはり考え物だ。リフト乗り場周辺で少し感覚をつかんでから挑戦した方がいいだろう。
まずこの類の一番の肝要である、止まり方が簡単。スクートから足を下ろせばそこで止まる。
勢いがついてしまっている時も、なんとなく足でブレーキをかけながら、終いにはハンドルを手に持って雪面を足で走っているという形になれば何とかなる。(あまり無責任なことはいえないが)
もちろんエッジで止まるのが基本だが最終的には足を下ろすことになる。
ここで感じたスクートの一番の問題は、直接雪面に足を下ろしてしまうために雪面がボコボコになってしまうことだ。スキーヤーにはいい迷惑だ。
それにモノが複雑かつ重いために、普通にターンしただけでも結構雪面が掘れてしまう。このことで、普通のスキー場が全面滑走可となるのはまだ難しいのではないだろうか。
ちなみに我々の行ったくまどースキー場は上級コース以外は滑走可能だったと思う。もっとも、中級コースでも結構スリルがあるので、上級コースに行く気にはならないが。
あとの基本的な要領はだいたい自転車やバイクと同じ。ハンドルを一度に切ると思いきりコケる。ハンドルは軽く握る。ひざは曲げてひじも突っ張らない。
曲がる時もハンドルはあまり使わず、ボードのケツを振ってカウンターを当ててやるような感じの方がいいかもしれない。(またいいかげんなことを書いているなぁ)
見にくいが、足は揃えて爪先をベルトに引っかける。
スクートにはビンディングの類はなく、かわりについているベルトに爪先を引っかけて安定させる仕組みになっているのだが、これに両方の足の爪先を同時に引っかけるのが一番難しいかもしれない。
チャリと同じように、片足をボードに乗せてもう片方の足で地面を蹴って滑り出すわけだが、最初はボードの方の足はベルトには引っかけず、ベルトよりやや後方に置き、もう片方の足で地面を蹴って進み出したら一旦足をそこでそろえ、改めて両足の爪先を同時にベルトに引っかけるのがコツ。
そうそう、装備について言うのを忘れていたが、スクートは当然レンタルである。本体は安くても十数万はするらしいので壊さないこと。誰とはいわないが、実際うちのメンバーで壊したやつがいる(笑)。注意。
靴は足首が曲がって、底が滑らないもの。要するにスノボーのブーツでOK。スキー靴はさすがに辛いが、出来ないこともなかった(キケン!止めた方が良し)。
また、スノボーと同じように流れ止めを足につける。これ基本。それと、決してハンドルから手を放さないこと。コケた時もそう。いや、なおさらコケた時はハンドルから手を放してはいけない。
写真はすべてスクートを始めたその日のもの。
なんとなく部分的にサマになるくらいには上達する。
自身スクートでの初の大クラッシュ!、思わずハンドルから手を放してしまい、頭上から自分のスクートが降ってきた!(流れ止めがあるから、戻ってくるのだ)、顔にハンドルが降ってきた。危うくエッジで怪我するところだった。たまらん。
まあ、このように自分自身でクラッシュするのは勝手だが、人にぶちかましを食らわすのは非常にキケンだ。でかいからね。
スクートはエッジを切る音がかなり大きいので周りもビビって気を付けると思うが、これだけはホント気を付けてもらいたい。
注意点はそんなところ。さあ滑れ。
初日はうちのウチら3人の他にスクートをやっている輩はおらず、なんだか珍しがられて噂しているのが耳に入ったり、どこで借りるんだ、どうやるんだ、と声なんかもかけられていた。
スクートを始めた初日から中級斜面にチャレンジしたり、自分の好きな新雪&ボコボコゾーンに突入したりと、結構楽しめた。
翌日調子こいてもう3人引き連れて同じ事をやったが、どういう訳かあまり注目を浴びることはなかった。
自分はというと、2日目はいつもの悪癖がまたぞろ顔を出して、「もういいや」ってな感じでスクートではなく例のビッグフットとフットスキーでスクート陣の横をちょろちょろしていました。
これがいかんかったか?
2000.11.23 Itoh Akira
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