二審・東京高裁での水木さんの陳述書です。
これとリンクしてあるいがらしさん・村中さんの陳述書を読み比べてみると、
双方の考え方・価値観の違いが読み取れるかと思います。
(良し悪しはいいません)



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陳述書 (その5)

名木田恵子
         
前回提出されたいがらしさん村中志津枝さんの陳述書を読んで、もう一度お話させていただきたいと思います。
 
アリステア、アーチーなど登場人物の<名前>をだれがつけたのか……
そのことについては一審での陳述書に書いたことがわたしの主張です。
また改めて同じことを言いつのってもせん無いことなので避けますが、ひとこといわせていただくと<原作>の仕事を引き受けたからにはたとえ組む漫画家であろうと<登場人物の名前><レイクウッドなど想像上の場所名>について指示された事はありません。
もちろん、希望は聞きます。たとえば、‘キャンディ‘の名前は確かにいがらしさんサイドからのアイディアでしたが、その名前がわたしの書きたい物語の主人公のイメージに合わなければ同意しなかったでしょう。とてもいい名前だったので受け入れたまでです。
内容についても同じで、確かに担当編集者と相談し、また漫画家と会って意見を聞いたりもしますが、<うちあわせ>とは本来そういうものではないでしょうか。
担当編集者ならまだしも、漫画家に指示などされたら原作者として仕事にならず、それならば原作をつけずに漫画家ひとりで描けばよいわけです。
もしそんなことが相次ぐなら連載中四年の間に<原作者は必要なし>と編集部で判断され私自身も仕事をおりています。

 
また、いがらしさんは打ち合わせのときに描いたラフデッサンをそれが<キャンディ原画>であると主張していらっしゃいますが、その点についても当時の編集長、そして担当編集者にわたしの陳述書といがらしさん、村中さん、三人の陳述書を読んで頂きました。
 
原稿依頼のしかたのついては漫画家と原作者への各々<依頼の仕方>は違いがあってもしかたがないということです。事実、わたしはわたしへの依頼された通りの記憶であり、漫画家への依頼の仕方はわかりません。
しかし少なくとも、わたしは一審の陳述書とおり、連載以前から<名作物の原作>を考えておくように、と「なかよし」の編集長であった東浦彰氏に(現、講談社専務)いわれていたことを、今回同氏より確認をとりました。
東浦氏にとっても<キャンディ>は長年あたためていた企画が成功した思い出深い作品であり、この裁判を通していがらしさんが、さも自分が考えた企画のように主張していることにはっきりと意義を唱えられ、このような事件になったことを悲しんでいらっしゃいました。
また、うちあわせ中の<ラフデッサン>にしても、当時の担当編集者は、「はっきりとは覚えていない。しかし、それを今さら25年もたって<キャンディ原画>と言うなんて…」と不快感をあらわにされています。当時の担当編集者にとっては(こんなことに自分の名前をだしてほしくない。関わりたくもない。)とおっしゃるほどの怒りの気持ちもわかります。
当時の担当編集者にとっては「くだらない」の一言でしょうが、まさにいがらしさんはそのことを賭けて争っているのでしょう。
そして、その「くだらない」とおっしゃるひとことが、<ラフデッサンがキャンディ原画>といういがらしさんの主張へのお答えだとわたしは受け止めています。
 
漫画家と打ち合わせの時いがらしさん以外の漫画家でも<メモ帳>はみんな商売道具として持参していて、打ち合わせに添ってラフデッサンは描きます。
(そのことについては前回も書きましたが、小説の挿し絵画家との打ち合わせでも同じです。)連載でも読みきりでも漫画になるのですから、その主な主人公は原作者と協議しておかないと物語はふくらみません。
まして、<キャンディは大型連載企画>でしたから、そういった打ち合わせは大切でした。
いがらしさんが<キャンディ原画>と言い張るラフデッサンを見たときの喫茶店の状況について、先回わたしが提出した陳述記述も間違っていたら指摘して頂こうと思い、提出前かつての担当編集者に読んでいただいたところ、なんのクレームもありませんでした。
しかし、何しろ25年、四分の一世紀前のことなのです。だれも確かなことはいえません。
 
また、<予告>と<本編>の絵ががらりと違うという伊東弁護士の一文は、きちんと編集部に取材の上で書かれたことです。
しかし、<キャンディ予告>に関しては<コンセプトとおおまかな物語の流れ>は何回も打ち合わせを重ねたうえでの<予告>でした。
 
そしてまた、前回頂いた村中志津枝(鈴賀れに)さんの陳述書で、わたしのなかでずっとくすぶっていた疑問がはっきりしました。
村中さんは、なぜご自分の勤め先を伏せていたのか。
 
この事件の発端はプリクラの無断許諾ですが、それに相次いで発覚したのが香港の玉皇朝出版との無断出版契約です。
その担当が「玉皇朝出版の国際版権部」村中志津枝さんでした。
村中さんが(偶然ということですが)香港の出版社にお勤めになっていたことに驚きまししたが、当初は村中さんが‘ 鈴賀れに‘時代、わたしの児童小説のイラストを描いてくださった思い出もあって、再会を喜び、気を許していました。
 
この事件のルーツともいえるその<香港、玉皇朝出版>でのいがらしさんのキャンディを含むイラスト集の出版。
そのときの対応の失敗がこの事件につながっていると今、省みています。
その件については、一審の陳述書に書きましたので、簡単に記すと、村中さんが公平な‘いち編集者‘ではなく、すべていがらしさんに有利に働いた事により、わたしとの契約書も作らず、申し出ても軽くいなされた形になってしまったことです。
今になって村中さんは「あの時、強くいってくれれば契約書を作ったのに」
とまるでこちらのミスのようにいわれました。

まさにその通りかもしれませんが、村中さんがフェアな対場で仕事をなさるだろうと、信じていました。
村中さんはわたしが<アイプロ(いがらしさんのプロダクション)>に委託した訳ではないことをよく知っていたはずです。その後、玉皇朝出版というより村中さんといがらしさんが話を進めたキャンディの絵葉書、テレフォンカードなどの販売もこの事件後に知りました。今、そのことをもっとはやく知っていれば事件をふせげたのに、と残念です。
この事件が進むに連れ、わたしたちは村中さんへの疑問が膨らみ、<村中さんはいがらしさんの香港マネージャー?>と首をかしげてきましたが、今回の彼女の陳述書で納得しました。
また、わたしと同じ侵害をうけていることが一審後、発覚したいがらしさんの漫画<ジョージィ!の原作者 井沢 満氏>も香港の玉皇朝出版との契約も何も知らず<本>さえ送られていなかった事を付記しておきます。
 
最後に申し上げたいのは<キャンディ>はいがらしさんにとっても、またアシストした村中さんにとっても大切な作品であることはよく理解しています。
しかし、<物語>を作った原作者のわたしにとっても大事な大事な作品なのです。
絵を描くたいへんさはよく理解してきました。
また、漫画として世に出ることは漫画家の力に負う所が多い事も良く分かったいたので、いままでは<原作者>は影の存在でもかまわない、とさえ思ってきました。
25年間、それでよし、としてきましたが、わたしの作品でもある<キャンディの原作者の立場>を否定されることは、怒りを通り越しただただ深い絶望感を感じています。

 
いがらしさんは一審後「これでは色紙もかけない」と「自由に絵を描く権利」を主張していらっしゃいますが判決後8ヶ月間、あちこちで<新作原画の展示会、および色紙の販売>を行っていらっしゃいます。
わたしは<絵>を描いてはいけない、とはいっていません。
原作者に無断で法外な価格を絵につけ販売してほしくないといっているだけです。
展示会の販売員によってはその何十万という絵の価格は「原作者に払うため」といっていると聞きます。
「作品名」を使って販売するとき、わたしは原作者にも責任は生じると思っています。
わたしはわたしの知らない所で、原作者の存在を利用され、わたし自身びっくりするような価格でキャンディの絵の販売はしてほしくありません。
ただ、納得していたいのです。人に聞かれた時、堂々と答えられるように。
 
そして、いがらしさんには共に作品を生み出した原作者たちをきちんと認識し、約束(契約)を守り、礼儀を大切にしてほしいだけです。
それがそんなにむずかしいことなのでしょうか。

わたしが24歳、いがらしさんが23歳でキャンディの連載を始めて正確には26年目にはいります。わたしたちも年を重ねました。
あとわたしたちの時間がどのくらい残されているか,神のみぞ知ることですが、わたしは、このようなことで大切な時間が費やされる事を悲しく思っています。
26年前、よい作品を作りたいと、それぞれの夢を紡いだ作品、多くの人に愛されたキャンディをこれ以上傷つけたくありません…。

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