　えぇ　まっじぃ？

　時は過ぎて　いよいよ出発当日の午後。

　Sallyがのんびり昼寝をしていた私のもとに駆けこんできた。
　「ミラノの近くに住んでる友達が自分のトコに来てもいいって」
　「ばんざ～い　野宿はまぬがれたぞぉ」

　チケットは現地で考えよう。
　イタリアだよなぁ　　イタリアだよなぁ　イタリアだよなぁ
　当たり前だけど「赤軍団｣多いよねぇ。
　うっかり黒（マクラーレン)が勝っちゃったらどうなるんだろう。
　（この頃フェラーリとマクラーレンの争いは1つのピークを迎えていた)
　暴動おきちゃったらヤダよねぇ。
　服は何色着てこうか？赤？もってないし、うっかり黒系じゃにらまれるし…。
　無難に青？黄？緑？白？　　もうどうでもいいや！とにかく暑いだろうねぇ…

　夜22時ごろの電車に乗っていよいよ出発。

　プリーンからまずRosenheim　へ。さんざん待ってイタリア行きの
　夜行列車に乗り換え。行楽シーズンか車内はほぼ満席。
　よかったよ、早めに寝台とっておいて。とにかく、寝る。眠れなくても寝る。→そしたらミラノ到着。

　着いたぞ!イタリアだぁ。空気がちが～う。
　お金を両替して、身支度を整えて　朝御飯をゲット。
　さすがイタリア！生ハム入りパニーニもおいしいぞ！（イタリア風のサンドイッチです)
　駅構内であたりを見ると　やっぱり　いた！赤い軍団が？

　いいなぁ　これから予選見に行くんだ。チケット持ってるんだ。
　Sallyさんが友人にTEL！駅に来てくれるそうだ。

　駅前でSallyさんの友人シモーネと会った。Sallyさん、とっても懐かしくってうれしそう。
　イタリア人だけど　ドイツ語が出来る。よかったぁ。
　とりあえず「明日のF1GPの本選のチケットを買いたい｣という話をした。
　「駅にF1のポスターを貼っっつけてあった事務所というか案内所を見たんだけど…」
　といっったら　彼女はそこに行ってチケットがあるかどうかを聞いてくれた。

　ない。　

　うっそぉ？
　そこの事務所をしょんぼり出てきたが…。
　シモーネいわく、街中の販売所に行けばあるらしい。　ほっ！
　私とSallyはちゃっかり　事務所からパンフレットとポスターを頂戴してきていた。
　もちろん自分の分もお土産分も…。

ミラノの大聖堂です！　彼女は街の中心ヘ地下鉄で連れて行った。
　ミラノの街のど真ん中で降り　地上ヘあがった。

　あ、ここ！有名なブランド通り。モンテナポレオーネ通りだぁ。
　初めて噂の通りにやって来たが周りにあるお店ですぐにわかった。
　むかしのLunaなら　狂気乱舞していただろう。が
　今の私はちがう。　チケットのことしか考えていなかった。
　フェラガモやヴェルサーチやルイヴィトンなど
　　一流ブランド店が立ち並ぶ通りを過ぎて
　　別の大通りにあったある建物に入っていった。

　チケットセンターへ到着。シモーネがかけあってくれた。

　明日の本選のチケットはまだある！

　やった～！Sallyさんと手を取り合って喜ぶ。
　｢いくらの席にします？」　

　「えっ？」席のランクは考えていなかった。あれば芝生席でもいいやと思っていた。
　説明を聞くと　はるかにいいお席があるらしい。
　｢ここらへんがオススメよぉ｣とでも言っているかのよう。

　「どおする？」せっかくイタリアまで来たんだ。Lunaっちの頭はブチブチときれた。
　「このヘンなんかどお？」座席表を見て「シルバー」席(老人優先席じゃないよ！）
　を差した。Sallyさんも同意。
　
　「じゃ、ここにします。２枚お願いね！」
　「お会計は　カードで！ダ○ナースカード　only　よぉ！」

　へぇぇ　こりゃたまげた。カード払いで！ってのはと～ってもわかるけど。
　「ヴィ○カード」はともかく日本の「○ーシービーカード」じゃ　受けつけない！とさ。

　運良く持っていたダ○ナースカードで　無事支払いを終え（パパりん！　グラ～ツィエ！）
　もう私達は天に舞い上がっていた。チケットげっとぉ！
　一枚　だいたい400000リラくらい。マルクにすると400マルク。
　円にすると18000円から19000円くらい。
　となりでシモーネが呆れている。
　「信じらんな～い。たった１日で400000リラ…。うちのマンマも驚くヨ｣
　私達は必死でへんな言い訳をした。
　「あのね、日本じゃこんなに安くは見れないのよ。｣
　「これが　最期のチャンスかもしれないから…